JR東海キハ25形気動車

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JR東海キハ25形気動車
編成 2両
最高速度 110 km/h
車両定員 134人(0番台)・140人(100番台)
129人(1000番台)・136人(1100番台)
最大寸法
(長・幅・高)
20,100×2,978×4,020mm
車体材質 ステンレス
車両質量 38.9t(100番台は38.3t)
機関出力 520ps (C-DMF14HZD) ×1基
駆動装置 液体式
変速段 変速1段、直結4段(自動変速)
台車 円錐積層ゴム式ボルスタレス台車
C-DT67形・C-TR255形
制動方式 電気指令式空気ブレーキ機関ブレーキ直通予備ブレーキ耐雪ブレーキ
保安装置 ATS-STATS-PTEBTE
製造メーカー 日本車輌製造

キハ25形気動車(キハ25がたきどうしゃ)は、東海旅客鉄道(JR東海)が保有する一般形気動車である。製造は日本車輌製造が担当。仕様の異なるキハ25形2両で編成を組む。


概要[編集]

1次車は2013年平成25年)の伊勢神宮式年遷宮に向けた快速「みえ」の輸送力増強用[1]として、2010年(平成22年)から2013年にかけて製造された313系電車(4次車)をベースに設計され、2010年から2011年(平成23年)にかけて導入され[2]、同年3月1日に営業運転を開始した。当初は武豊線を中心とした線区が運用範囲であったが、2015年(平成27年)3月1日、同線の電化後は高山本線および太多線へ転用され、両線に新製配置された2次車と共に運用されている。都市圏の武豊線に対応する設計であるが、転用先のローカル輸送にも対応しうる設計がされた[2]

その後、2014年(平成26年)からは同社が保有する国鉄形気動車であるキハ40系および、JR発足初期に製造されたキハ11形の老朽化による淘汰を目的として、一部仕様を変更した2次車が順次製造され、高山本線および太多線に導入されている。また、2015年度からは紀勢本線および参宮線にも導入される予定である。

性能・仕様[編集]

車体構造[編集]

本形式は313系4次車と設計を共通化しており、外観は同系列とほぼ同一である[3]

車体は先頭部が普通鋼製、その他の部分がステンレス鋼製で、1両につき片側3か所ずつ両引戸の客用ドアを設置する[2]。車両の床面高さは313系と同様に、駅ホームとの段差を小さくするため1,140mmである[2]。1次車は、将来的な運用線区のホーム高さ (760mm) を見越して客用ドアの乗降口にステップ取り付けのための準備工事を施した状態で登場したが[2]、2次車はステップをあらかじめ乗降口に取り付けて登場した[4]

313系とはドアステップの有無以外にも前面貫通扉上部前照灯が省略されている、スカートの形状が異なる(スノープラウの取り付けがある)、などの車体構造の違いがある[2]。車体構造については2次車ではさらに以下の点が変更された[4]

  • 2シート工法およびレーザー溶接の採用により車体のステンレス地をマット(つや消し)仕上げに変更、あわせてビードレス車体とする。
  • 車体側面、ドア間の連続窓について、1次車では5枚窓で構成されていたものを中央部の3枚を大型2枚に変更して4枚窓とする。これは、座席配置が同じである313系2000番台と同様である。
  • 運転士側・車掌側双方に取り付けていた前面窓上のLED式車体表示器を車掌側に集約。
  • キハ85形に先行して採用されていた鹿衝突対策の衝撃緩和装置を、分割併合に支障がない形状に変更した上でスカートに取り付け。

客室設備[編集]

1次車の車内の座席は転換式クロスシートが主体で、クロスシートがドア間に5列ずつ配置されている[2][5]。0番台の場合、トイレは連結面側の車端部にあるが、トイレのない100番台はこの部分にロングシートが設置されている[2][5]。トイレは車椅子にも対応する大型のもので、この向い側に車椅子スペースが設けられた[2]。乗務員室はワンマン運転に対応し、運賃表示器運賃箱などワンマン運転用の機器類を備える[6]。これに関連して、客用ドアは開閉ボタン付きの半自動式が採用された[6]

2次車では座席がすべてロングシートに変更された[4]。トイレは1000番台にあり、1次車と同様連結面側の車端部に車椅子対応の大型トイレが設置され、向かい側に車椅子スペースを設ける[7]。1100番台にはトイレはなく、車端部にもロングシートが配置されている[7]。1次車と同様ワンマン運転に対応しワンマン運転用の機器類を備えるが[7]、デッキの整理券発行器は半減し[4]、各車両最後部のドア付近のみの設置となった[7]。また、各ドア上部に設置されていた車内案内表示器を削減し千鳥配置とする、荷棚をパイプ式とする、室内灯にLED照明を採用する、客用扉と妻面の貫通扉の室内側は化粧板を廃止してステンレス無地に変更、といった1次車からの変更点がある[4]

定員は、1次車では0番台が134人(座席40人・立席94人)、100番台が140人(座席48人・立席92人)[2]。2次車では1000番台が129人、1100番台が136人である[7]

乗務員設備[編集]

運転台(P1編成)

乗務員用設備も313系4次車を基にした設計で、極力部品を共通化した。そのため、JR東海の気動車では初めてワンハンドルマスコンを採用した[2]

保安装置は自動列車停止装置 (ATS) の2形式 (ATS-ST・ATS-PT) [2]緊急列車停止装置 (EB)・緊急列車防護装置 (TE) [5]を新造時から装備している。

台車・動力系機器[編集]

エンジンは電子燃料制御式ディーゼルエンジン(社内形式 C-DMF14HZD形)を1両につき1基搭載する[6]。メーカーはカミンズ[3]。最高出力は520ps (382kW) [3]だが、負荷を低減させるために通常運転時は最大450ps (331kW) で稼動し、異常時のみ最高出力となるよう切り替える方式が採用されている[2]。変速機は変速1段・直結4段の液体式変速機[2](C-DW23形[6])。最高速度は110km/h[2]

エンジンの排気管を車体妻面(連結面側)に装備することから、エンジンや変速機などの動力系の機器は車体中央から後方にかけて配置され、ブレーキ関係の機器は車体前方(先頭側)に配置された[6]。動力系が後寄りにあることから、台車の配置も、前方が付随台車、後方が動台車である[6]。動台車については、動力の伝導効率を高めるため両軸を駆動する2軸駆動が採用された[6]。動台車・付随台車ともにボルスタレス台車であり[2]、形式は動台車がC-DT67形(1次車)、付随台車がC-TR255形である[5]

2次車では、動力台車に東海道新幹線N700A系で採用されている台車振動検知システムを基に開発された振動検知装置「BVD(Body Vibration Detector)」 を在来線車両では初めて搭載しており[2]、床下に取り付けられた同装置により、台車などの状態を常時監視し、軽微なうちに故障を検知して運転台に表示できるようになっている[2]。そのほかに、減速機の支え構造が改良されたため、動力台車の形式がC-DT67A形に変更された(付随台車はC-TR255形のまま)[7]。また、エンジン側の変速機と動力台車を繋ぐ推進軸の落下対策を強化し、落下防止枠の形状を変更したものを増設している[2]

ブレーキは、電気指令式空気ブレーキの他、機関ブレーキ直通予備ブレーキ耐雪ブレーキを装備する[2]

編成[編集]

キハ25-3
キハ25-102

本形式は番台区分の異なる2両で固定編成を組む[6]。1次車では区分は0番台がトイレ付き先頭車 (Mc1) 、100番台がトイレなし先頭車 (Mc2) である[6]。最大10両までの編成を組成することが可能だが、奇数両編成や他の形式との連結はできない[6]

1次車(0・100番台)は、2010年11月10日に最初の2編成が出場[8]、続いて2011年2月23日に3編成が出場し[9]、2両編成5本の合計10両が導入された。配置基地は名古屋車両区で、編成表は以下の通り[6]

キハ25形 1次車編成表
編成番号 キハ25
-0
キハ25
-100
P1 1 101
P5 5 105

2次車(1000・1100番台)は、トイレ付き先頭車の1000番台と、トイレなし先頭車の1100番台にて編成を組む[2]。2014年9月に最初の3編成が日本車輌製造より出場した。配置は美濃太田車両区である[10]。編成表は以下の通り[2]

キハ25形 2次車編成表
編成番号 キハ25
-1000
キハ25
-1100
P101 1001 1101

運用線区[編集]

1次車(0・100番台)は2011年3月12日のダイヤ改正に先駆けて同年3月1日より営業運転を開始した[11]。運用線区は武豊線全線(大府 - 武豊間)と東海道本線名古屋 - 大府間であった[6]。このダイヤ改正で、キハ75形を使用して関西本線参宮線で運行されている快速「みえ」は2両編成から4両編成へと車両の増結が実施されたが、これに際し武豊線運用車両から同形式の一部が捻出され、捻出された分を本形式に置き換えた[2]。これにより、日中の武豊線列車の多くは本形式での運用となった。また、主に区間快速として運行される東海道本線内では、本形式の最高速度に合わせて所要時間が従来よりも若干延ばされている。

2次車(1000・1100番台)は2014年12月1日より高山本線太多線にて営業運転を開始[2]。1次車(0・100番台)も2015年3月1日の武豊線の電化後は、客室ドアの乗降口のステップ化の改造工事を行い、高山本線・太多線に転用されている[5]

今後の予定[編集]

前述の通り高山本線・太多線への投入が予定されており、2014年度内に2両編成8本の計16両が新造され、順次同線で営業運転を開始する計画である[7]。また2015年度には36両が追加投入され、紀勢本線と参宮線での運転も計画されている[7]。この結果、老朽化したキハ40系とキハ11形(300番台は除く)が置き換えられる予定であり[2]、2016年3月末までにJR東海が保有する気動車はすべて同社発足後に製造された車両となる[12]

脚注[編集]

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  1. ^ 本形式を武豊線に投入し、捻出されたキハ75形を快速「みえ」増強用に転用し、2014年(平成26年)11月30日まで運用していた。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 『鉄道ジャーナル』通巻534号(2011年4月号)、pp.94-95
  3. ^ a b c 『鉄道ジャーナル』通巻533号(2011年3月号)、p.146
  4. ^ a b c d e 『鉄道ジャーナル』通巻578号(2014年12月号)、p.109
  5. ^ a b c d e 『鉄道ファン』通巻599号(2011年3月号)、pp.54-56
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 『鉄道ファン』通巻601号(2011年5月号)
  7. ^ a b c d e f g h 『鉄道ファン』通巻644号(2014年12月号)、pp.62-63
  8. ^ キハ25形新製車2編成が日本車輌で落成 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年11月11日
  9. ^ キハ25形3編成が出場,試運転を実施 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年2月24日
  10. ^ キハ25形1000番台が出場 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2014年9月2日
  11. ^ キハ25形が営業運転を開始 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年3月3日
  12. ^ “在来線気動車の新製について” (PDF) (プレスリリース), 東海旅客鉄道, (2013年3月14日), http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000017822.pdf 2013年3月15日閲覧。 

参考文献[編集]

  • 鉄道ジャーナル』、鉄道ジャーナル社
    • RAILYAY TOPICS「JR東海の新型気動車キハ25が完成」、第45巻第3号(通巻533号)、2011年3月
    • 中村修二(JR東海東海鉄道事業本部車両部車両課)「JR東海 キハ25形式気動車の概要」、第45巻第4号(通巻534号)、2011年4月
    • RAILYAY TOPICS「キハ25形1000代(2次車)」、第48巻第12号(通巻578号)、2014年12月
  • 鉄道ファン』、交友社
    • 「新車速報 JR東海キハ25形気動車」、第51巻3号(通巻599号)、2011年3月
    • 「新車ガイド2 JR東海キハ25形気動車」、第51巻5号(通巻601号)、2011年5月
    • 「CAR INFO JR東海キハ25形2次車」、第54巻第12号(通巻644号)、2014年12月
    • 「武豊線電化開業と新製車の投入にともなう一般形気動車の車両動向」 、第55巻第6号(通巻655号)、2015年4月 

外部リンク[編集]