圧縮開放ブレーキ

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圧縮開放ブレーキ(あっしゅくかいほうブレーキ、Compression release engine brake)はディーゼルエンジンシリンダーの圧縮行程を利用したエンジンブレーキの一種である。強化エンジンブレーキエンジンコンプレッションブレーキエンジンリターダなどとも呼ばれるほか、開発者の名前からジェイクブレーキとも呼ばれる。三菱ふそうトラック・バスは「パワータード」(Powertard)という名称で商標登録していた。鉄道の気動車では機関ブレーキと称されている。

概要[編集]

圧縮開放ブレーキの動作概念

圧縮解放ブレーキは、ディーゼルエンジンにおける圧縮行程でピストンが上死点付近に達した段階で、燃料を噴射せず排気バルブを開いてシリンダー内の空気の圧縮を解放する機構である。圧縮行程ではエンジンの運動エネルギーはシリンダー内の空気の圧力エネルギー(ポテンシャルエネルギー)と圧縮熱に変換され、シリンダーの気密を保ったまま上死点を過ぎると、再び運動エネルギーへと変換される。圧縮行程で熱に変換されたエネルギーのいくらかはシリンダー外部へと逃げてエネルギー損失となるが、より多くのエネルギー損失を発生させるため圧力エネルギーを放出するのがこの機構の基本原理である。さらに上死点通過後に排気バルブを閉じると、ピストンの下降に伴ってシリンダー内の圧力が下がり、クランクシャフトの回転に対して抵抗となる。これにより理論的には所要ブレーキ力の85 % - 90 %を確保できる[要出典]ため、リターダより安価[要出典]に補助ブレーキを使用できるとされている。

1950年代後半にカミンズが開発し、1960年にジェイコブス・ビークル・システムズ (Jacobs Vehicle Systems) が「ジェイクブレーキ」(Jake Brake) の名で商品化した。開発当初は1気筒あたり吸気・排気各1弁の2バルブエンジンが主流だったので、ソレノイドや専用のカムシャフトで開閉する圧縮開放ブレーキ専用の排気バルブとして「サードバルブ(第3弁)」が追加されていた。しかしディーゼルエンジンでも吸排気効率を改善するためマルチバルブが採用されるようになると、専用のバルブを用いずに、排気バルブにソレノイドを取り付けて開閉を制御している。[要出典]

操作はステアリングコラムに取り付けられた排気ブレーキの操作レバーで、排気ブレーキと連動するように設定されている車種が多い。例として日野・セレガの初代中期型(KC-RU*F系、V型8気筒32バルブエンジン)では1段目で排気ブレーキ4気筒分(片バンク)が動作、2段目で排気ブレーキ8気筒分(両バンク)と圧縮開放ブレーキが動作する。

圧縮開放ブレーキ動作時は大きな排気音を発するため、アメリカ合衆国では住宅地での近くで"No Jake Brake"(圧縮開放ブレーキを使わないように)という標識を見ることがある。

採用するメーカー[編集]

関連項目[編集]