愛知環状鉄道2000系電車

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愛知環状鉄道2000系電車
2000系電車(2007年8月31日・新豊田駅)
2000系電車(2007年8月31日・新豊田駅)
編成 2両編成
営業最高速度 110km/h(愛知環状鉄道線内)
120km/h[1]
起動加速度 2.6km/h/s
減速度 4.3km/h/s(常用最大)
編成定員 107(席)+179(立)=286名
編成長 40.2m
最大寸法
(長・幅・高)
20,100×2,978×4,020mm
編成質量 68.3t
軌間 1,067mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
編成出力 740kW
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 185kW/基 (C-MT66A)
歯車比 1:6.53
駆動装置 TD継手式(中実軸)平行カルダン
制御装置 VVVFインバータ制御(IGBT素子 1C2M)
制動方式 電気指令式ブレーキ
回生ブレーキ抑速ブレーキ
耐雪ブレーキ・直通予備ブレーキ
応荷重対応・T車遅れ込め制御
保安装置 ATS-ST、一部車両ATS-PTEBTE防護無線
製造メーカー 日本車輌製造

愛知環状鉄道2000系電車(あいちかんじょうてつどう2000けいでんしゃ)は、2002年(平成14年)に登場した愛知環状鉄道電車

概要[編集]

開業時から使用されていた100系を置き換えるために製造された電車で、東海旅客鉄道(JR東海)の313系と共通部品を使い製造コストを抑えている。このため外装、内装において同系と類似点が多い。全車両が日本車輌製造で落成している。

制御電動車2100形(Mc・岡崎寄り)と制御付随車2200形(Tc'・高蔵寺寄り)で2両編成を組む。車両番号の下2桁は編成番号の数字と同一である(G1編成:Mc2101-Tc'2201)。機器構成は313系300番台をベースとしており発電ブレーキは搭載されていない。起動加速度は2.6km/h/sとされている。20本のうち4本 (G8 - G11) は冬季の架線霜取り用としてパンタグラフを2基備えている。

外装のカラーリングは一般公募によって選ばれたデザインをもとにしている。太さの異なる5本の緑色の線で沿線の豊かな自然を、左右非対称の毛筆調の帯で都市の力強さを表現した大胆なデザインである。前面では、種別、行先表示部分にまで拡大した大型のガラスを採用し、足乗せ台の部分が小型化されるなど、313系とは違う個性をアピールしているまた、所属を示す「愛」の文字もアクセントである。

内装は313系3000番台より若干広いセミクロスシートで、ワンマン運転に対応できる構造になっているものの運賃箱整理券発行機等の装備はない。車内カラースキームがアースカラー(シートモケットの柄が緑色系、床や荷棚が茶色系)、自動放送装置、シート端部の大型の仕切り板、LED旅客案内表示器が千鳥配置、蛍光灯のカバー省略といった点が313系とは異なる。

自動放送は100系とは異なり音声合成装置となった。また日本語三浦七緒子英語クリステル・チアリが担当している。

イベント仕様車としてG30番台の編成(2131-2231 - 2133-2233)が3本(計6両)在籍しているが、普段は通常仕様の車両と共通の運用が組まれている。イベント仕様車は、着脱式のテーブル、カラオケ用のコンセントなどを備えている。過去には、BOSE社製スピーカー空気清浄機なども備えられていたが、いずれも撤去されている。

運用[編集]

ロングシート車

2002年から製造され、最初の甲種輸送は2002年12月29日。営業運転開始は翌2003年3月14日のダイヤ改正からである[2]。以降、2005年までに2両編成16本(計32両)が落成している。同年の「愛・地球博」終了後に、100系との置き換えが完了して、愛知環状鉄道が所有するすべての旅客用車両が2000系となった。

ラッシュ時を中心に2本を連結した4両編成で運用されるが、一部の列車は2両編成のまま非常に混雑した状態で輸送をせざるを得ない状況にあり、また2008年には新豊田駅 - 三河豊田駅間の複線化による両駅間のシャトル便(1時間あたり4往復)の新設を控えていたことから、2007年度に2両編成2本が追加投入された。この編成は、つり革が三角型に、トイレ前の1人掛けシートがなくなるなどの変更が見られる一方、313系3次投入車に見られるフルカラーLED式種別・行先表示器やHID前照灯などへの変更はない。ATS-PT機器の取り付けは2012年までに完了している(JR東海名古屋工場への入庫のため。当初は準備工事のみであった)。

2008年7月にはさらなる増備計画が発表された。従来の車両とは仕様が異なり、車体や機器が313系ベースであることに変更はないものの、外板塗色は緑の左右非対称の帯から、愛知環状鉄道のコーポレートカラーである青色の帯[3]が配されたものとなる。また、車内はセミクロスシートだった従来車の仕様からロングシートへと変更された。2009年3月14日のダイヤ改正時に、2両編成2本の4両が投入され、営業運転に就いた[4]。なお、在来車も2009年からロングシート車に準じた塗装に変更が開始され、内装も座席の表地がロングシート車と同じものに変更される(座席配置は変更されない)[5]

昼間は2両編成での運転が主体となり、JR中央本線からの直通運転は全列車JR東海車両である[6]ため、車庫に留置される編成が多い。

車両輸送[編集]

甲種輸送の際は日本車輌豊川製作所→豊川駅豊橋駅岡崎駅北野桝塚駅のルートで搬入された。

  編成番号 甲種輸送日
第1次輸送 G1 G2 G31* G33* 2002年12月29日
第2次輸送 G3 G4 G5 G6 G7 2003年12月6日
第3次輸送 G8 G9 G10 2004年10月12日
第4次輸送 G11 G12 G32 2004年11月5日
第5次輸送 G13 2005年11月14日
第6次輸送 G14 G15 2007年12月18日
第7次輸送 G51 G52 2009年2月25日

第1次輸送車のうち、G31、G33の編成は輸送時点ではそれぞれG12、G14を名乗っており、後に編成番号のみ改められた。
第7次輸送車のG51、G52編成はロングシート車。

脚注[編集]

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  1. ^ 2013年7月現在、営業運転は線区最高速度110km/hの愛知環状鉄道線内に限定されており、営業運転中に120km/h運転することはない。
  2. ^ 太田健一「モハユニ ■愛知環状鉄道2000系営業運転開始」、『RAIL FAN』第50巻第5号、鉄道友の会、2003年5月1日、 22頁。
  3. ^ JR東海保有の211系0番台が当初纏っていた帯とほぼ同じである。
  4. ^ 車両の新製について (PDF) 愛知環状鉄道 2008年6月26日
  5. ^ 車両デザインの変更について 愛知環状鉄道 2009年12月17日
  6. ^ 車両使用料相殺のための2000系の中央本線乗り入れはない。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]