自動列車制御装置

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

自動列車制御装置(じどうれっしゃせいぎょそうち、ATC : Automatic Train Control)とは、鉄道における信号保安装置の一種である。 その定義は、「先行列車との間隔及び進路の条件に応じて、車内に列車の許容運転速度を示す信号を現示し、その信号の現示に従って、列車の速度を自動作用により低下する機能を持った装置をいう。」となっている。(運転安全規範)

開発の経緯[編集]

ATC受電器(首都圏新都市鉄道TX-1000系)

地上信号機による信号確認が困難であり、見落としの可能性がある新幹線などの高速鉄道、地下鉄、長大トンネル線区、普通鉄道での稠密線区などで使用されている信号システムである。

ATCの基本的なシステムは、以下の通り。

  1. 軌道回路(閉塞区間)[1]においてレールに、現時点での最高速度のATC信号電流(ATC信号波の変調周波数に変調[2]された搬送波の電流、ATC信号波の変調周波数と搬送波[3]はともに低い周波数(AF)を使用している)を流す
  2. その信号電流が発生する磁界(右ねじの法則)を車上側のATC受電器で受信(電磁誘導)する
  3. 受信した最高速度の信号電流が接続箱[4]を経由してATC受信器に送られ、その許容速度を判別する
  4. ATC受信器から、判別された最高速度の情報が運転台の速度計とATC制御器に送られる
  5. 運転台の速度計に、その時点の最高運転速度を示す車内信号が表示され
  6. ATC制御器で、速度発電機[5]からの速度信号とATC受信器からの最高速度の情報が比較され
  7. 列車が車内信号の最高速度以上になると常用ブレーキが自動的に作動して
  8. 列車が車内信号の最高速度以下に戻れば常用ブレーキが自動的に解除される
埼玉新都市交通伊奈線で使用されている多段ブレーキ制御方式のATCの車内信号の表示。速度計の周囲に刻まれた信号現示が20km/h信号を現示しているが、その他にも、表示されてはいないが×・0・30・40・60の表示が薄く見える。

日本の鉄道において、自動的にブレーキ制御を行うATCを日本で最初に採用した鉄道は、1961年に開業した帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄日比谷線である。この日比谷線で採用されたATCは、それまでに開発された新技術をベースに連続照査や機械優先制御などの多くのATCが有する特徴を有する一方で、地上信号方式、確認(ブレーキ緩解)スイッチ、最高速度制限なしなど、当時の自動列車停止装置 (ATS) の特徴を引きずる折衷仕様となった。

現在のATCの標準的仕様である車内信号方式等を確立したのは、1964年昭和39年)に開業した東海道新幹線である[6]新幹線は最高速度210km/hでの営業運転を行うにあたり、高い安全性を備えた運転保安システムが要求された。高速運転中は地上に建植された信号機では超人的な動体視力の人でない限り、目認は不可能。また高速走行中に運転士が異常や錯誤に気づいて非常ブレーキをかけても、ブレーキを掛けてから完全停止するまでに走ってしまう「制動距離」は数kmとなる。当時在来線で採用されていたATSのように、速度照査は行われず信号冒進などの異常事態が発生してから動作するというバックアップ装置では、高速走行かつ安全な運行を行うためには極めて不十分なシステムであった。

以上の理由により採用された自動列車保安装置スピードシグナル[7]の概念を基本として、車内信号閉塞方式 (CS-ATC : CabSignal-ATC) による速度信号現示を行い、信号現示より高い速度で運転されている場合には、自動的に速度を信号現示以下に減速させるシステムとなった。この思想が現在のATCの基本となっている。またATCの車上装置の受信器の受信部と制御器の速度照査部の間は3重系となっており、3重系多数決論理により制御され、列車がある許容速度を超えてブレーキが掛かる場合には、その許容速度の信号電流が受信器の3つの受信部に送られ、そこで判別されたその許容速度の信号がリレー部[8]を介して制御器にある速度照査部の独立した3つのチャンネル[9]に送られて、その3つのチャンネルが同じブレーキ指令を出した場合のみ[10]ブレーキが掛かるようになっている。またATCの地上装置は各軌道回路に信号電流を流す機能の他に、列車位置検知機能も兼ねており[11]、検知した位置情報を地上側の列車位置表示装置に送るとともに、その情報と各駅の連動装置とその他の外部条件を元に、地上装置が各軌道回路に流す信号電流を制御する。

運転台に現示(表示)される車内信号は、速度計の周囲に刻まれた速度表示を点灯させることで、列車がいる閉塞区間(軌道回路)の最高運転速度を運転士に表示する。その中で0と×の停止現示があるが、前者の方は許容信号あり、条件により停止現示を超えて列車を進行させることができるが、後者の方は絶対信号であり停止現示を超えて列車を進行させることができない。

地下鉄などに採用されたATCは当初、高速走行をしないため地上信号方式 (WS-ATC : WaysideSignal-ATC) が採用されたが、最近はこれらの鉄道でもCS-ATCに切り替わりつつある。またATCの軌道回路は鉄道の閉塞と同じく1つの軌道回路(閉塞区間)に1つの列車しか進入できないため、閉塞区間を識別する閉塞境界標識が線路脇に設置されており、鉄道信号機と同じく出発・場内・閉塞に分別され、さらに番号で区分して表示されている。閉塞区間での閉塞境界標識の表示は、閉塞信号機の表示と同じように、停車場の外方から第一閉塞、第二閉塞、第三閉塞…と続き、場内区間での閉塞境界標識の表示は、場内信号機の表示と同じように、停車場場内の最も遠い所から停車場に向かって第一場内、第二場内、第三場内…と続き、出発区間での閉塞境界標識の表示は、出発信号機の表示と同じように、停車場に最も近い所から外方に向かって第一出発、第二出発、第三出発…と区別されている。また、鉄道信号機のように、運転進路を表示する機能がないため、普通鉄道においては、分岐の線路がある停車場の手前には、進路方向を表示する進路予告機、停車場の場内には、進路方向を表示する進路表示機が設置されている。

また、モノレール新交通システムの場合は、鉄道のレールによる軌道回路が使用できないため、代わりにループ線を設けて、モノレールは軌道桁の上部または横に[12]、新交通システムは走行路に敷設して列車を制御する。

信号現示変化の切替え音は当初、1音のチンベル(仏具でいう(りん)やボクシングプロレスでの試合開始合図であるゴングに似た音)であったが、近年の車両では電子音で「ピンポーン」という音が流れるタイプも存在する。

新しいATC[編集]

従来形のATCは、先行列車に後続列車が接近した際に、走行速度の下位の現示速度区間に進入した場合に常用最大ブレーキ(通常使うブレーキで最も効きが強いブレーキ)をかけ、走行速度が現示速度以下になると、自動的にブレーキを緩解(緩めること)することを繰り返して列車を停止させる多段ブレーキ制御方式であり、この方式では、停止すべき地点までに数回の常用最大ブレーキとブレーキ緩解が繰り返されしまう結果になる。このような動作は乗り心地悪化の原因であり、運転間隔短縮を実現する上での障害となってしまう。そこで現示速度区間(軌道回路)の長さを短くし、2周波組み合わせ方式により現示速度表示を多現示化して[13]、列車が走行速度の下位の現示速度区間に進入し、走行速度がその現示速度以下になる前に、さらに下位の現示速度区間に列車が進入することを繰り返すことで、スムーズに列車を停止すべき地点に停止させる、1段ブレーキ制御方式のCS-ATCが東京急行電鉄田園都市線で初めて導入された。その後、東横線や東京地下鉄の一部路線などでさらに改良されたATC(ATC-P、東京地下鉄は営団新CS-ATC)が使用され、JRグループでは同じ理由でデジタルATCが使用されはじめている。

多段式ブレーキ制御方式ATCのATCブレーキ動作のグラフ図。縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、停止すべき地点までに、数回の常用最大ブレーキとブレーキ緩解が繰り返される。 一段式ブレーキ制御方式ATCのATCブレーキ動作のグラフ図。現示速度区間(軌道回路)の長さを短くし、軌道回路から発信される現示速度を多現示化して、速度段を細かくすることにより、スムーズに列車を停止すべき地点に停止させる。
多段式ブレーキ制御方式ATCのATCブレーキ動作のグラフ図。縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、停止すべき地点までに、数回の常用最大ブレーキとブレーキ緩解が繰り返される。
一段式ブレーキ制御方式ATCのATCブレーキ動作のグラフ図。現示速度区間(軌道回路)の長さを短くし、軌道回路から発信される現示速度を多現示化して、速度段を細かくすることにより、スムーズに列車を停止すべき地点に停止させる。


国鉄形ATC(アナログ)[編集]

日本国有鉄道(国鉄)・JRグループの路線・車両にて採用されたATCには下記のような種類がある。呼び名は車上装置の形式であり、地上装置の形式とは異なる。他の鉄道事業者では呼び名が異なるので注意。

ATC-1型(東海道・山陽型)[編集]

青梅鉄道公園に保存されている0系新幹線電車の運転席に設置されている速度計(下の表示)と自動列車制御装置(ATC-1型)の車内信号表示(上の丸形の表示、点灯すると速度表示が現れる)。また、下の速度計は指示速度がATCの各車内信号の速度表示の間にある時には、その範囲が点灯するようになっている。

東海道新幹線開業時1964年に採用されたATCで、東海道新幹線は地上装置がATC-1A型とし、最高運転速度210km/hとして設計され、続く山陽新幹線はATC-1B型とし、東海道より最高速度を上げた。信号現示は0・30・70・110・160・210で、すべて現示速度は抑止速度(実際に速度超過でブレーキが作動する速度)であった。このうち0信号は3つあり、軌道回路が30信号を発信し、先行区間に列車が存在する場合において、各軌道回路の境目から、約150m手前に設置された地点検知の地上子[14]から発信されるP点信号を受信することにより作動する01(ゼロイチ)、先行区間進入などの無信号区間や各種機器の故障時等による02(ゼロニ)、ループコイルによる03(ゼロサン)があり、車上現示では区別がわからないが01と02では確認扱いにより進行することができるが、03信号は絶対停止信号とも呼ばれ信号現示が変わらない限り進行することはできない。また、駅間で後続列車が先行列車に接近の場合には、地上側で先行列車までの速度信号を160・30・0 (01) で発信させ、停車での駅進入の場合には、同様に列車から駅までの速度信号を160・70[15]・30・0 (03) で発信させることにより、ATCによる多段ブレーキ制御によって列車を自動的に減速させ、車両側の信号現示が30信号になり30km/h以下になった場合、運転席にある確認ボタン押して確認扱いをすることにより、ATCのブレーキが緩解して、その後、ブレーキハンドルによる手動操作により列車を停止させる[16]。もし、この確認ボタンの操作を怠るとATCのブレーキが作動したまま列車は停止する。また、ブレーキハンドルによる手動操作が行われなかった場合、先行列車に接近している時は、地点検知のP点の地上子から発信される01信号によって停止し、駅停車時では、出発進路の始端の外方(前方)に設置された、添線式停止制御軌道回路(ループコイル)が発信される03信号によって停止する。東海道新幹線大阪運転所脱線事故や品川基地出入場線本線合流部・新大阪駅構内の異常信号現示により、無信号時の混信における意図しない信号現示が問題になり保安度向上の必要性に迫られた。その後、保安度向上および最高速度アップに伴う現示追加のため、信号波を2周波組み合わせ方式に改良され(ATC-1D型、山陽ATC-1W)、現在では、最高運転速度は東海道新幹線は270km/h、山陽新幹線は300km/hとなり、信号現示は0・30・70・120・170・220・230・255・270・275・285・300となっている。なお、220信号以上での抑止速度は現示速度+5km/h(300のみ+3km/h)であり、東北・上越・長野新幹線とは考え方が異なる。現在、東海道新幹線では全線において既にデジタルATC (ATC-NS) へ更新されており、将来的には山陽新幹線も全線でATC-NSに移行する予定である。[17]

先行列車に接近時におけるATC-1型のATCブレーキ動作のグラフ図(210km/h運転時)。 縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、AはP点信号を発信する地点検知の地上子、Bは先行列車。赤の細線は、確認を扱わない場合のATCのブレーキによる列車の運転パターン。 この図では、確認扱い後、手動によるブレーキが行われなかった場合、地点検知の地上子のP点信号を受信してATCのブレーキが掛かった状態を表している。 駅に停車するまでにおけるATC-1型のATCブレーキ動作のグラフ図(210km/h運転時)。 縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、Aが添線式停止制御軌道回路(ループコイル)、赤の細線は、確認を扱わない場合のATCのブレーキによる列車の運転パターン。 この図では、確認扱い後、手動によるブレーキ操作により、ループコイル手前の車両停止標識までに停車した状態を表している。
先行列車に接近時におけるATC-1型のATCブレーキ動作のグラフ図(210km/h運転時)。

縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、AはP点信号を発信する地点検知の地上子、Bは先行列車。赤の細線は、確認を扱わない場合のATCのブレーキによる列車の運転パターン。

この図では、確認扱い後、手動によるブレーキが行われなかった場合、地点検知の地上子のP点信号を受信してATCのブレーキが掛かった状態を表している。
駅に停車するまでにおけるATC-1型のATCブレーキ動作のグラフ図(210km/h運転時)。

縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、Aが添線式停止制御軌道回路(ループコイル)、赤の細線は、確認を扱わない場合のATCのブレーキによる列車の運転パターン。

この図では、確認扱い後、手動によるブレーキ操作により、ループコイル手前の車両停止標識までに停車した状態を表している。


ATC-2型(東北・上越型)(消滅)[編集]

東北上越新幹線開業時には、東海道・山陽新幹線で実績のあるATC-1型をベースに、2周波組み合わせ方式化して保安度を向上するとともに将来の最高速度アップに伴う現示追加や電源周波数の50/60Hz両用化で全国新幹線網に対応した上位互換の地上装置ATC-1D型が採用された。しかし車両形式が異なることから、車上装置はATC-2型とされ、以後は、車両形式にかかわらず、東海道・山陽新幹線用をATC-1 (D・W) 型、東北・上越新幹線・長野新幹線用をATC-2型と呼称しているが、長野新幹線用の地上装置はME(マイクロエレクトロニクス)技術を使用して装置の小型化を図ったATC-HS型が採用されている。当初の信号現示は、0・30・70・110・160・210・240で、後に260(長野)、275(東北・上越)が追加された。また、0信号は4つになり[18]、駅間で後続列車が先行列車に接近の場合には、地上側で先行列車までの速度信号を210・160・110・30・0 (01) で発信させ、停車での駅進入の場合には、同様に列車から駅までの速度信号を210・160・70[19]・30・0 (03) で発信させることにより、ATCによる多段ブレーキ制御によって列車を自動的に減速させ、車両側の信号現示が30信号になり30km/h以下になった場合、運転席にある確認ボタンを押して確認扱いをすることにより、ATCのブレーキが緩解して、その後、ブレーキハンドルによる手動操作により列車を停止させる。ATC-1型と同じく、確認ボタンの操作を怠るとATCのブレーキが作動したまま列車は停止する。ブレーキハンドルによる手動操作が行われなかった場合でも、先行列車に接近している時は、地点検知のP点の地上子から発信される01信号によって停止し、駅停車時では、出発進路の始端の外方(前方)に設置された、添線式停止制御軌道回路(ループコイル)が発信される03信号よって停止する。また、当初は200系の一部編成、その後E2系J編成E3系にも拡大した高速対応車両は、一部区間において、トランスポンダを使用して240信号を読み替えることで275信号を現示する。なお、東北・上越・長野新幹線においては、すべて現示速度=抑止速度である。現在は、東北・上越・北陸(長野)新幹線全線において既にデジタルATC (DS-ATC) へ更新されている[20][21]

先行列車に接近時におけるATC-2型のATCブレーキ動作のグラフ図(275km/h運転時)。 縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、AはP点信号を発信する地点検知の地上子、Bは先行列車。赤の細線は、確認を扱わない場合のATCのブレーキによる列車の運転パターン。 この図では、確認扱い後、手動によるブレーキが行われなかった場合、地点検知の地上子のP点信号を受信してATCのブレーキが掛かった状態を表している。 駅に停車するまでにおけるATC-2型のATCブレーキ動作のグラフ図(275km/h運転時)。 縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、Aが添線式停止制御軌道回路(ループコイル)、赤の細線は、確認を扱わない場合のATCのブレーキによる列車の運転パターン。 この図では、確認扱い後、手動によるブレーキ操作により、ループコイル手前の車両停止標識までに停車した状態を表している。
先行列車に接近時におけるATC-2型のATCブレーキ動作のグラフ図(275km/h運転時)。

縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、AはP点信号を発信する地点検知の地上子、Bは先行列車。赤の細線は、確認を扱わない場合のATCのブレーキによる列車の運転パターン。

この図では、確認扱い後、手動によるブレーキが行われなかった場合、地点検知の地上子のP点信号を受信してATCのブレーキが掛かった状態を表している。
駅に停車するまでにおけるATC-2型のATCブレーキ動作のグラフ図(275km/h運転時)。

縦軸は列車速度、横軸は距離、横軸下の数字は各軌道回路から発信される現示速度、黒の太線は現示速度による速度段、黒の細線はATCのブレーキによる列車の運転パターン、Aが添線式停止制御軌道回路(ループコイル)、赤の細線は、確認を扱わない場合のATCのブレーキによる列車の運転パターン。

この図では、確認扱い後、手動によるブレーキ操作により、ループコイル手前の車両停止標識までに停車した状態を表している。


ATC-3型[編集]

営団地下鉄東西線(当時)乗り入れ用の地上信号方式ATC(営団WS-ATC)で国鉄形式ではATC-3型と呼ばれる。1961年営団地下鉄日比谷線(当時)開業に伴い日本初のATCとして採用されたものと同型である(日比谷線は2003年に新CS-ATCに切り替え)。乗り入れ相手先の部分でのみ使用され国鉄区間では採用・使用されていない。同線に過去に乗り入れをしていた103系1000・1200番台、301系や、E231系800番台にはATC-3型車上装置が搭載されていた。乗り入れ先の東京メトロ東西線が2007年3月にATC-10型(東京地下鉄CS-ATC)へ切り替えられたため、既にJRではこの形式のATCは使用されていないが、2008年10月現在、東京メトロ東西線に乗り入れをしている東葉高速鉄道東葉高速線でこの方式を使用している。

ATC-4型(消滅)[編集]

常磐緩行線営団地下鉄千代田線(当時)用で国鉄形式ではATC-4型と呼ばれ、地上装置はATC-1J型と呼ばれている、信号現示は0・25・40・55・75・90である。常磐線増強のため複々線化による緩急分離と、それに伴い千代田線と直通運転するため採用されたのが営団に合わせた車内信号方式であるATC-4型(営団CS-ATC)であった。使用開始は1971年。複々線化による緩急分離営業運転開始と相互直通運転開始は同時である。その後1999年に、常磐緩行線・千代田線の運転間隔短縮実現のため、ATC-4型からATC-10型へ変更され、既にJRではこの形式のATCは使用されていない。2012年8月に東京メトロ有楽町線の新木場 - 新富町間で新CS-ATCへ切り替えが行われたため、4型は消滅している。

ATC-5型(消滅)[編集]

総武快速線横須賀線地下ルート用で国鉄形式ではATC-5型と呼ばれ、地上装置はATC-1C型と呼ばれている、1972年 - 1976年に開通した総武快速線・横須賀線は、信号見通し距離の確保が困難であったためATC-4型と同等のCS-ATCを採用することになったが、信号現示が0・25・45・65・75・90で異なり、車上装置には使用線区両端部である錦糸町駅品川駅でのATS切替機能を追加したため、ATC-5型と呼称される。地上装置はATC-1C型である。なお、2004年に総武快速線・横須賀線の地上部で使用されていた地上信号方式のATS-Pへ切替統一されたため、現在この形式のATCを使用している区間はない。

ATC-6型[編集]

1972年に発生した日暮里駅追突事故を契機に、地下線区でない国電線区に保安度の高いATCを導入することとなり、標準ATCとして開発された。すなわち現示段数をATC-5型をベースとしながらも細分化して既設線路条件に適合しやすくし、信号現示は0・15・25・45・55・65・75・90・100・110・120。国鉄形式ではATC-6型と呼ばれ、ATC-5型に対して上位互換性がある。地上装置としてはATC-1E型で、山手線、京浜東北線は最高速度90km/hだが、コードとしては埼京線と同じく120km/hまで割り当てられている。

第一期工事で1981年に山手線、京浜東北線(大宮 - 蒲田間)が、第二期工事で1984年に赤羽線、京浜東北線(蒲田 - 横浜間)、根岸線が使用開始となる。翌1985年に赤羽線の延長ともいえる通勤新線の大宮 - 赤羽区間が新規開通、赤羽線を吸収した形の埼京線全線で使用開始となる。また、1986年には埼京線が乗り入れることになった山手貨物線の一部区間でも使用開始となる。上記のうち山手貨物線と根岸線の一部区間はバックアップATC区間といい、貨物列車などのATC非搭載車両が入線できるよう地上側にATC-6型とATSを併設してある。ATC非搭載車はATSを使用するが、ATC搭載車は地上信号機を視認しながら保安装置としてATC機能をそのまま活用するものである。

老朽化により淘汰が進んでおり、山手貨物線(埼京線新宿駅 - 池袋駅間)のバックアップATC区間は、2003年5月25日に実施された線路切替工事の際ATS-Pに変更した。京浜東北根岸線南浦和駅 - 鶴見駅間)は2003年12月21日に、山手線2006年7月30日に、京浜東北・根岸線の残存区間は2009年8月14日にD-ATCに変更した。2011年10月現在、ATC-6型のまま残存しているのは埼京線池袋駅 - 大宮駅のみであり[22]、2017年秋にATACSに置き換えられることになった[23]。置き換えが完了すると、このATC-6型は消滅することになる。

ATC-9型[編集]

筑肥線と直通運転する福岡市交通局(福岡市地下鉄)のATCは、国鉄形式がATC-9型となった。

ATC-10型[編集]

一段ブレーキ制御方式ATC(アナログ形)で、地上装置としては正式な略称は無い、ATC現示の多現示化に対応しており、東京地下鉄新CS-ATCと同じである。常磐緩行線および直通運転を実施している東京メトロ千代田線に採用されている。東京地下鉄各線も、現在はこの方式に変更されている。信号現示は0・10 - 90は5km/h刻み。新CS-ATCの項も参照のこと。

ATC-L型[編集]

1987年に開業した海峡線新中小国信号場 - 木古内駅間)に採用されている。将来の北海道新幹線延伸計画を考慮し、ATC-1D型(ATC-2型)との共用を意識した方式である。地上装置はATC-1F型と呼ばれていて、ATCの信号波は2周波組合わせ方式を使用し、常時送信ではなく踏込送信方式となっている。開業時は、ほとんどの列車がED79形電気機関車に牽引される自動ブレーキのみの方式であり、ATCブレーキ動作後の自動緩解(弛め動作)が難しく、込め不足の危険があるため、制限速度が変化する進路の1進路手前で予告現示を行い、ブレーキハンドル位置を指定し、進路境界までに運転士の操作で減速させる方式とした。考え方としてはフランス国鉄TGVで採用されている方式と類似している。もちろん、運転士による減速が行われないまま進路境界を越えると、自動的に常用最大ブレーキが作動する。自動緩解が行われないため、当初はATCのハードを使ったATSとしてATS-L型と称していたが、車内信号閉塞式であることから制度上ATSとしては認められずATCの一種という整理がなされ、正式開業時にはATC-L型となった。ちなみにLはLocomotive(機関車)の意味である。信号現示は0・45R・45・110Y・110で、45R・110Yがそれぞれ0・45の予告となっている。電車列車(485系781系789系)は、機能上通常のATCであり、信号現示は0・55・105・140となっている。

北海道新幹線開通時にはATC装置をデジタル式のDS-ATCに更新が予定されている、なお現行車両(EH500形およびED79形)のDS-ATCと25000V対応は実施されないので現行車は海峡線青函トンネル区間)が走行できなくなる。このためにEH800形電気機関車に置き換える予定である。

デジタルATC[編集]

JR化後に開発・採用されたデジタルATCは以下のような種類がある。

D-ATC[編集]

E233系のD-ATCディスプレイ表示

東日本旅客鉄道(JR東日本)の在来線で採用されており、D-ATC (Digital-ATC) と呼称する。従来のアナログATCでは軌道回路による地上装置から許容速度を直接指示する地上主体型であり、停止時には、それによる多段ブレーキ制御によって列車を停止させていたが、D-ATCでは、地上側の地上装置は列車検知の電文信号(TD電文と呼ばれるデジタル信号)を各軌道回路に送信して、そのレベル変化により、そこに列車が在線しているかまたは在線していないかの検知を行い、それにより検知した列車位置情報、路線の進路情報、架線エアセクション等の情報を元に、地上装置は列車が停止すべき軌道回路の情報を、D-ATC電文信号[24]として各軌道回路に送信して、車両側はそれを受電器で受信して車上装置に送り、車上装置[25]はD-ATC電文信号の情報を元に自列車の位置を把握した上で該当する速度照査パターンをデータベースの中から検索して、該当する速度照査パターンと自列車位置を元にその時点での許容速度を表示するもので[26]、停止時にはATS-Pと同じ車上主体型の速度照査パターン制御に変更することにより列車を停止させる。車上装置のデータベースを使用しているため、車両性能に応じたブレーキ扱いが可能となり、乗り心地の向上[27]や保安性の向上、スピードアップによる運転密度の向上が図られている。なお、速度現示に必要な自列車の位置情報は、車両に付けられた速度発電機と一定距離で設置した位置補正用トランスポンダ地上子[28]による補正の他に、線区全体の進路情報を記録した車上装置のデーターベースも併せることにより認識する。列車の現在地が車上のデータベースの進路情報に無く現在地が把握できなかったり、ATC信号の消失、装置自体の故障や速度発電機の故障または異常検知、列車の後退やATCによるブレーキ不足を検知した場合は直ちに非常ブレーキが作動する。またD-ATCは本線運転と入換運転とで制御方式を変えているため、本線モードと入換モードを設けており、モードの切替は、切替区間でD-ATC電文を受信[29]することにより自動で切替えられる。

照査速度はフラットコードは5km/h刻み、減速パターン部分は無段階(ただし表示機の都合上E233系は1km/h刻み、他の車両は5km/h刻みでの速度表示)で、速度計を取り囲むように緑の(0km/hのみ赤の)で表示するほか、走行速度がATCの速度パターンに近づくとパターン接近を表示する。またデジタル電文による通信で扱える情報量が増えたため、先行列車の位置や踏切の非常ボタンが押された等の付帯情報も列車に送信し運転台に表示できる。

京浜東北線は、同線で運用されている209系に順次D-ATC車上装置取付改造を実施したうえで、2003年12月21日南浦和駅 - 鶴見駅間がD-ATCへ変更された。

山手線は2005年4月をもって、205系からD-ATC車上装置が搭載されたE231系500番台への置き換えが完了した。地上装置側の整備を待ち、2006年7月30日に全線がD-ATCへ変更された。これに伴い2007年3月18日のダイヤ改正で、1周59分で運転される。

京浜東北線の残存区間および根岸線についても、直通する横浜線車両205系のD-ATC対応化や地上設備の更新が終了し2009年 8月14日にD-ATC化された。

なお、2005年5月14日より使用を開始した東京都交通局都営地下鉄新宿線の新ATCもD-ATCのシステムをほぼ踏襲している。

DS-ATC[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)の東北・上越・北陸(長野)新幹線で採用されており、DS-ATC (Digital communication & control for Shinkansen-ATC) と呼称する。基本的な構造はD-ATCと同じであるもの、高速走行等を考慮し、駅間で後続列車が先行列車に接近の場合には、車上側での最高速度から停止まで、ATCのブレーキパターンによる一段ブレーキになるが、停車での駅進入の場合には、車上側での最高速度から75km/h[30]まで、75km/hから停車までの、ATCのブレーキパターンによる二段ブレーキとなっており、75km/h以下からは、ブレーキハンドルによる手動操作により列車を停止させ、従来のATC-2型で行われていた確認ボタンによる確認扱いは行わない。ブレーキハンドルによる手動操作が行われなかった場合には、ATCのブレーキパターンにより、進路終端までに列車を自動的に停止させる。また、ブレーキパターンにより列車を自動的に減速させる時には、ATCのブレーキの強弱を行うことにより、そのパターンに沿った滑らかな減速を行えるようになっている。車庫線での車両入換については、進入番線を地上信号機ではなく運転台の表示で確認できるようになっている。これらの関係でATC信号から受信した電文を認識するのに多少時間がかかることから、非常ブレーキについて動作応答を速めるため特定のビットを連続して受信すると即座に動作するよう設定している。D-ATC・DS-ATCは、下記ATC-NS・KS-ATCとは異なり、ブレーキパターンデータはあらかじめ作成済みのものをデータベースとして所持し、地上からの停止点情報を元にそのパターンデータを「検索」するという方式を採っており、ブレーキパターンを都度演算するATC-NSで導入当初に頻発した演算エラー等での停止信号現示などの現象は起きにくいとされている。着眼点は地震の規模からあらかじめ津波予測を計算・データ化し保存しておき、地震発生時はそのなかから最適データを引き出すだけとする津波予報システムと同様の考え方といえる。

海峡線も新幹線と同様の設備(25000V,DS-ATC,三線軌条)に更新されるので、青函トンネル用の新型電気機関車であるJR貨物EH800形電気機関車の試作機である901号機は搭載準備工事のみ施工している。

RS-ATC[編集]

  • 東北新幹線
  • 上越新幹線
  • 北陸新幹線(高崎 - 長野新幹線車両センター間)

日本で初めてとなる無線を使用したATCであるが、同路線ではすでにDS-ATCが運用されており、当面はDS-ATCが使用できない時に使用する代用保安方式の一種(無線代用保安装置)として使用する。

無線設備は現在使用しているデジタル列車無線のうち、使用していないチャンネルをRS-ATCの制御に使用する。列車の停止点の設定、現在地の把握方法、車上データベースはDS-ATCと同じ仕組みとし、車上の一部のシステムをDS-ATCと共用している。列車とは当該の列車番号・現在地などを常時通信するもので、逆方向への運転も可能になっているほか、従来の代用保安方式に比べて安全性が向上されている。ただし、軌道回路を使用しないため最高速度は110km/hに制限されるほか、1駅間に1列車のみの走行に限定している[31]

ATC-NS[編集]

東海旅客鉄道(JR東海)の東海道新幹線で採用されており、ATC-NS(JR東海の英語サイトではnew ATC systemと表記)と呼称する。東日本旅客鉄道(JR東日本)の東北・上越・北陸(長野)新幹線で採用しているDS-ATCと同様一段ブレーキ方式であるが、多段式ブレーキ方式を用いたアナログ信号によるATC-1D型の機能も備えており、多段式ブレーキ方式から一段ブレーキ方式への切替を容易にしている。駅間で後続列車が先行列車に接近の場合には、車上側での最高速度から手動による頭打ち速度である[32]30km/hまで、ATCのブレーキパターンによる一段ブレーキになるが、停車での駅進入の場合には、車上側での最高速度から分岐器制限速度まで、分岐器制限速度から手動による頭打ち速度である30km/hまでの、ATCのブレーキパターンによる二段ブレーキとなっており、両者とも、30km/h以下になった場合には、確認ボタンによる確認扱いを行ない[33]、その後、ブレーキハンドルによる手動操作により列車を停止させる。ブレーキハンドルによる手動操作が行われなかった場合には、先行列車に接近している時は、設置された停止制御用のトランスポンダ地上子から発信される信号を受信することにより、ATC-1型の0信号の01と同じATCのブレーキが掛かり、駅停車時では、出発進路の始端の外方(前方)に設置された添線式停止制御軌道回路(ループコイル)が発信する03信号により停止する。DS-ATCでは停止点を送信するのに対し、ATC-NSは進行できる区間(閉塞に相当する)の数と軌道回路IDと経路コードを送信し、それにあわせたブレーキパターンを車上で随時作成している。予告の抑止速度が現示している抑止速度よりも低くなる場合、ブレーキパターンに合わせて抑止速度が低くなっていく特徴があり、列車の進行速度が抑止速度を上回った瞬間に減速を開始する。2006年3月18日より本導入となり、300系500系700系については、順次ATC-NS車上装置取付改造を実施した。なお、0系100系については、現在は東海道新幹線には入線しないため改造は実施されていない。地上設備については、静岡駅 - 浜松駅間が1段制御走行試験区間として先行導入され、同区間の更新切替が2001年12月 - 2002年1月にかけて行われた。将来的には西日本旅客鉄道(JR西日本)の山陽新幹線にも導入される予定である。また、台湾高速鉄道もこの方式をベースにしている。

KS-ATC[編集]

九州旅客鉄道(JR九州)の九州新幹線で採用されており、KS-ATC (Kyushu Shinkansen-ATC) と呼称する。前述のATC-NSとほぼ同じシステムであるが、KS-ATCでは、駅間で後続列車が先行列車に接近の場合には、車上側での最高速度から停止まで、ATCのブレーキパターンによる一段ブレーキになり、停車での駅進入の場合には、車上側での最高速度から分岐器制限速度まで、分岐器制限速度から手動による頭打ち速度である15km/hまで、手動による頭打ち速度である15km/hから停止までの、ATCのブレーキパターンによる三段ブレーキとなっており、15km/h以下からは、ブレーキハンドルによる手動操作により列車を停止させ、ATC-NSで行われている確認ボタンによる確認扱いは行わない。ブレーキハンドルによる手動操作が行われなかった場合には、ATCのブレーキパターンにより、進路終端までに列車を自動的に停止させる。

地下鉄のATC[編集]

一般的に地下鉄は、カーブが多くトンネルのため見通しが効かないという特性上、より安全性の高い保安設備が要求される。都営地下鉄浅草線が直通運転をしている地上鉄道との整合性からC-ATSを採用している事を除き、全ての社局・路線でATCを採用している。

概ね車内信号式 (CS-ATC) を採用しているが、千日前線長堀鶴見緑地線今里筋線以外の比較的古くから営業している大阪市交通局大阪市営地下鉄)各線では、昭和40年代以降、地上信号式 (WS-ATC) を採用している。打子式ATSを使用していた東京メトロ銀座線東京メトロ丸ノ内線名古屋市交通局名古屋市営地下鉄東山線、T形ATS(東武鉄道と共同開発)を使用していた都営地下鉄三田線、WS-ATCを使用していた東京メトロ日比谷線および東京メトロ東西線は新CS-ATCに置き換えられている。

2005年5月14日から都営地下鉄新宿線ではデジタルATC (D-ATC) へと移行している。

WS-ATC[編集]

ATC-3 と構造的にはほぼ同じ。

CS-ATC[編集]

ATC-4 と構造的にはほぼ同じ。段数が少ないことから段数の多い新CS-ATCに置き換えられている。

新CS-ATC[編集]

 
上が通常の状況での新CS-ATCの車内信号表示。進行現示の緑のランプが点灯し許容速度を橙の三角形で表示している状態。
下が車上パターン式過走防護機能 (ORP) が作動している状況での新CS-ATCの車内信号表示。停止現示の赤のランプが点灯し下部の赤のP表示が点滅している状態。

ATC-10と構造的にはほぼ同じで、従来のCS-ATCに代わって導入が進められている。信号現示は0・10と10 - 80の間が5km/h刻み(路線・会社によって若干異なる)。一段ブレーキ制御で、従来より閉塞数を細かくできるため増発が可能になるほか、ATCのブレーキは緩和ブレーキ方式を採用しており、作動する際には、作動直後と緩解直前に常用最大ブレーキの半分のブレーキ(ハーフブレーキ)を作用させることでショックを和らげる(鉄道会社によって多少異なる)ことにより、運転士が予告情報により手動によるブレーキを掛けてATCのブレーキのショックを緩和する操作を行わなくても、乗り心地を損なわないようになっている。現示が増えたため、運転台の速度計では許容速度を橙の三角形で示すほか、速度計の上部に、進行現示の場合は緑のランプを、停止現示の場合は赤のランプを表示する機能も追加した(入換の際はどちらも点灯しない)。また、前方の軌道回路が下位の許容速度を指示している際には、その情報を運転士に知せるために、運転台に設置された前方予告灯が点灯して、列車の無駄な力行(加速)を避けるの[34]とブレーキオフでの乗り心地の悪化を防ぐことできる[35]

一段ブレーキ制御にはデジタルATC (D-ATC) があるが、新CS-ATCは地上装置から直接速度現示を行い(D-ATCは列車が停止すべき位置情報を受信し車上装置が最適速度を判定して速度現示する)、最初の現示変更による制動が緩解しないうちに速度現示を変更させ、最終的な速度まで1回の制動で減速できるように許容速度が設定されている。多くの路線ではアナログ信号で伝送するほか、旧型のCS-ATCとの互換性もある。ただ、最高速度などは導入段階で一番ブレーキ性能の悪い列車に合わせているため、ブレーキ性能の異なる列車が走る路線には向いていない。また、デジタルATCとは互換性はないほか、主たるブレーキ制御はパターン制御ではないため、速度現示の変更を受けた時の速度によっては、必ずしも一段ブレーキ制御とはならず数回の制動となる場合がある。

同方式は東急田園都市線で初めて採用されたが、銀座線への導入に当たっては車上パターン式過走防護 (ORP : Over RunProtector) 機能を追加した。これは過走余裕が取れない駅での高速進入を可能にするもので、終端や分岐器直前の02信号(非常制動を指示する停止信号)の手前から15・20・25・35km/hからの減速パターンによる速度照査を行う。この際、赤のP表示が点滅し赤色の針でパターン速度を表示する(滑走を検知した場合は滑走用の速度パターンになる)。速度を超過すると非常ブレーキが作動する。同機能は後の新CS-ATC導入路線にも採用された。

最近では、半蔵門線は2003年(平成15年)3月の水天宮前 - 押上間の開業に合わせ全線に、日比谷線は2003年(平成15年)10月に全線に、東西線は2007年(平成19年)3月に全線に導入された。

その他のATC[編集]

東京急行電鉄の一部を除く路線(東横線目黒線田園都市線大井町線)と横浜高速鉄道埼玉高速鉄道東葉高速鉄道西武鉄道西武有楽町線近畿日本鉄道けいはんな線北大阪急行電鉄北神急行電鉄名鉄小牧線などでは、地下区間であったり、乗り入れ先地下鉄線と整合させるためなどの理由により、ATCを採用している。

京王電鉄(京王ATC)[編集]

京王形ATS多変周式点制御連続照査型ATS)からの置き換えを目的に、2010年3月より相模原線を皮切りに導入され、2011年10月2日には相模原線以外の京王線系統(京王新線競馬場線動物園線高尾線を含む)全区間、2013年3月には井の頭線でも使用が開始された。京三製作所製であり、都営新宿線で導入されている日立製作所製D-ATCとは互換性を持たず、先行列車や進路開通条件および曲線区間などによる速度制限情報に基づいて常時ブレーキパターンを演算する「車上演算式一段ブレーキATC」を採用。線路終端に接近した際の過走防止機能を搭載し、低速走行時の過走防止対策として専用地上子も設置されている。このほか停車駅誤通過防止機能も搭載し、列車種別・停車駅の表示器が設置されている。停車駅が接近すると駅の停止位置目標に合わせたブレーキパターンが演算され、停車後にパターンは消去される。なお誤通過防止は臨時停車にも対応する[36]

運転台には照査速度を示す緑の(0km/hのみ赤の)と進行・停止を示す、非常停止を示す赤×が表示される。照査速度はフラット部分は5km/h刻み、パターン部分は無段階(ただし表示器の都合上5km/hでの表示)。パターンが発生していない場合は最高速度のみで表示し、パターンが発生すると制限速度までが連続して表示され、パターンに沿ってが順次消える設計となっている。停車駅で停止する際は停止位置目標に接近したところで最高5km/hの速度照査となる。なお場内停止や先行列車との接近で停止した場合はATCによる常用最大ブレーキが動作し進路開通まで緩解されない。

つくばエクスプレス[編集]

首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線では、東京メトロ東西線向けに準ずるデジタル伝送式新CS-ATCを採用した。最高速度160km/hでの走行を想定し、5 - 160km/hを5km刻みで制御する。また前方予告機能のほか、終端駅など過走距離が取れない場所ではORP方式[37]による停止パターン制御を採用している。交流電化区間を走行する観点から、デジタル伝送を採用し、その利点を生かして場内進路情報や停止が必要な位置までの前方距離などが運転台のモニタ装置に表示される。

ATC信号は常時送信ではなく踏込送信方式となっている。列車が当該軌道回路に進入しTD装置が列車を検知・在線を判定して在線軌道回路に信号を送信する。検知によって信号を送信するため列車進行による次軌道回路在線による送信点の変化時車上側にごく僅かなタイムラグ(無信号状態)が発生するが、車上装置側に許容値内の時素を持たせて対応している。もちろん許容値を超える無信号があった場合は無信号絶対停止のためEB(非常ブレーキ)が動作する。

ただし、停車場構内の場内・出発進路のあるところは各進路設定により関係進路上の軌道回路が常時送信で送信する。

東急田園都市線[編集]

東急田園都市線では1963年からATSが導入され、1977年に開業した渋谷から二子玉川までの地下区間(2000年までは新玉川線と呼ばれた)は、開業当時よりCS-ATCが導入されていた。しかし、乗客の増加にともなう運転間隔の短縮に対応できないため、多現示・一段ブレーキ制御機能を持つ新CS-ATCが1991年3月16日より導入された[38][39]

従来のATCは、停止に至るまで例えば90・75・55・0km(01信号)と段階的に低位の信号が現示される[38]。これらの信号は各段階内で速度が落ちきるように設計されているため[38]、毎回ブレーキの制動・緩解が繰り返され乗り心地が悪化する[40]ばかりでなく、必要以上に速度が落ち運転間隔短縮のネックとなっていた[38]

そこで、新CS-ATCでは停止信号区間の終端までに停止できることを条件に、各段階内で速度が落ちきらない内にさらに低位の信号を現示することによって、ブレーキの制動、緩解の繰り返しを解消した[38]。この方式は一段ブレーキ制御と呼ばれ、対して従来の方式は多段ブレーキ制御と呼ばれる[41]

信号現示は従来の7段階から、110km/h、100km/hから10kmまでを5km/h刻み、そして0km/h、×(絶対停止または無信号)とした25段階へ増やし、きめ細かな速度制限を実現した[42]。これは、従来のCS-ATCと同一の主信号と、新CS-ATCで追加した副信号の組み合わせを用いて指示され、従来のCS-ATCと互換性を持つ[38]

田園都市線では、速度制限のためのATCの機構だけでなく、途中の曲線・勾配・ポイントでの速度制限にも対応しており、その他にも、駅停車制御(停止位置超過防止 : この制御区間でATC指示速度を走行速度が超えた場合は非常停止)・後方防護(停止位置超過して列車をバックする際、通常は1閉塞以上が空いてしまうが、一定区間を停止とすることで安全にバックできる)・ORS(地上側で列車速度を検知して過速度の場合は01信号として常用ブレーキで停止)・前方予告機能(前方の軌道回路が下位の許容速度を指示している際、運転台に設置された前方予告が点灯して、無駄な力行(加速)の回避とブレーキオフによる乗り心地の悪化を防止する機能)を持ち合わせている。

また、ATCによるブレーキの動作は、作動直後に常用最大の半分のブレーキが作用し、0.5秒後常用最大になる[42]。緩解の際は、01信号では速度8km/h以下でハーフブレーキとして停止時のショックを低減しているが、それ以外ではハーフブレーキは行われないので、運転士がハーフブレーキを行うことになる。

新CS-ATCによる一段ブレーキ制御を行い、かつ停車時間の長い駅付近の軌道回路の長さを60m程度とすることにより、2分間隔[43]での運転を可能とした[38]。実際のダイヤでは、1991年の導入当初2分25秒間隔からスタートしたが、1992年9月には2分15秒間隔、2004年10月には2分5秒間隔まで短縮されている[44]

その後、営団半蔵門線延伸開業の際にトランスポンダ関連を除きATC-Pに変更となっている。

東急東横線、目黒線、大井町線 (ATC-P)[編集]

その後導入された東横線、目黒線、大井町線では、田園都市線の新CS-ATCを元に改良したATCが導入され、ATC-Pとも呼ばれる。パターン制御は行うが、緩和ブレーキ制御、ORP、駅停車制御がパターン制御の主体となる点がATS-PやデジタルATCとの違いである[42]

緩和ブレーキ制御は、次の軌道回路までの間に、ハーフブレーキのみで走行速度が指示速度に下がりきるかを車上側で照査パターンを発生させて計算する機構を加え乗り心地向上を実現している。これは、たとえば走行速度が80km/hで指示速度が75km/hと下がった場合、列車の速度が照査パターンを超過しない場合には、常時最大ブレーキは作動せず緩和ブレーキが作動する、これはブレーキ初速が走行速度と近い場合に有効である。

ORPは過走防護装置と呼ばれており、駅の停止線手前のレールにORP添線を敷設して、P25またはP35信号を発信している。その区間へ列車が進入して、その信号を検知した時点から残距離をカウントし、25または35km/hから7.5km/hまで降下するパターンを発生させ、その後、PEP信号を受信して、7.5km/hから5.5km/hまで降下するパターンに切替わる過走防護パターンを車上側で発生させる。運転台では、速度計の脇に「P」が点灯し、ORPゲージのある車両は、速度計の赤指針で発生パターンを表示して、列車の速度が発生したパターンを超過すると非常ブレーキが動作する。また、ORP区間に列車が入っている時、列車は自位置を把握しているわけではないので、ORP添線の長さは一定に敷設されており(P25信号で約60m、P35信号で約80m)、これにより、駅への進入速度の向上と運転時分の短縮が可能になる。通常のATCは常用ブレーキ主体だが、過走防護パターンはATCの非常ブレーキのみのバックアップという位置づけである。

駅停車制御は、田園都市線ではCS-ATCより出発進路を停止現示にして制御していたが、ATC-Pでは停車制御装置を列車に搭載して、停車駅500m手前に設置されたトランスポンダ地上子から送信される情報により、車上側で種別ごとに駅停車パターンを発生させてオーバーランを防止するとともに、列車がオーバーランしても、停車駅の出発進路の直下に設置された地上子を列車が通過するので、それにより列車が駅停車パターンを超えたことを地上側が受信して、自動的に場内進路の発信情報を停止として後方防護がなされる。なお、このトランスポンダ地上子からは臨時速度制限情報も送信されるほか、列車からは運行番号や種別などの情報が受信され司令所へ伝送する。

他にも踏切制御(トランスポンダ地上子により、車上側から地上側に種別などの情報を送信して、踏切の閉まるタイミングを変えるほか、踏切が閉まるまでは踏切の手前までに停止するように指示。また踏切支障の場合は一段ブレーキではなく階段状に減速するよう速度現示し、踏切付近は15km/h信号で通過できるようになる)なども導入された。

なおATC-Pは、田園都市線の新CS-ATCとは上位互換となっているため、同装置を取り付けている車両は田園都市線へも入線可能である。

東武鉄道(T-DATC・導入予定)[編集]

新たに設置されたT-DATCトランスポンダ地上子(写真左)

東武東上線池袋-小川町間で2015年度までにATCを導入する計画があり、2008年度から工事に着手している[45]伊勢崎線日光線(本線)系統のATC導入は発表されていない。なお、東上線は当初は2012年までに導入することが予定されていたが、約3年延期され、池袋-小川町間を2期に分けて整備されることとなり、第1期として2014年度に川越市-小川町間が、翌2015年度には第2期として、残りの川越市-池袋間の使用開始が予定され、第2期の使用開始をもって池袋-小川町間の導入が完了する計画となっている[46]

JRで採用されているデジタルATCと同様の車上演算方式であるが、JR方式では車上装置に線路情報データベースを持たせているところを、代わりに地上子(トランスポンダ)から線路情報を与えることで車上データベースを不要としている[47]。これは東上線は東京メトロ有楽町線副都心線東急東横線横浜高速鉄道みなとみらい線と相互直通を行っており、車上装置にデータベースを持たせた場合、構内の改良工事などで線路情報の更新が必要になった際には直通他社の車両についても更新を要請する必要が生じてしまうためである。 また、東京メトロ新CS-ATCや東急ATC-Pなど従来のATCを改良したタイプのものと比較して、現状の閉そく割を大幅に変更することなく一段ブレーキ制御を行うことができるというメリットがある。

2014年4月12日から、T-DATCの各種試験及び乗務員運転訓練のため、第1期整備区間の川越市-小川町間でT-DATCによる終電後の夜間試運転が開始された[48]。この試運転は2014年12月30日までの間、基本的に期間中の火・木・土曜日の終電後に実施される計画となっている。

新幹線設備のその他[編集]

新幹線のATC設備のうち駅構内の場内進路・出発進路の始端の外方(前方)には添線式停止制御軌道回路(ループコイル)が敷設されており、敷設箇所を示す停止限界標識が近接して建植されている。各進路が設定されていないときは絶対停止信号(03信号)が送信される、また、駅で本線と合流する副本線の出発進路や車両基地の回送線と本線と合流地点の出発進路には、進入検知器が設置されおり、列車が過走して停止限界標識やループコイルを超えて隣接線の進路に入った場合には、進入検知器が列車を検知して、隣接線の列車に緊急停止信号を送信して列車を防護する。終着駅での過走余裕(停止目標-車止め間)が無い所では、列車の終端防護のために速度照査停止制御装置が設置されている。これはJR各社によって仕組みやシステムが違うが、東海道新幹線では、終端に向かって、レールの両側に2基一対の車軸検出子を6つとループコイルを3つ設置して、列車が所定停止標識に停止するまでの速度を車軸検出子が速度照査し、決められた速度以下を検知した場合は、車軸検出子から所定停止標識までの1つのループコイルに03信号の送信しないが、決められた速度以上を検知した場合は、そのループコイルに03信号を送信して、列車を停止させる。また、列車が所定停止標識を超えた場合には、そこに設置された車軸検出子がそれを検知して、所定停止標識から停止限界標識までに設置されたもう1つのループコイルに03信号を送信する。さらにその奥に、停止限界標識から車止標識までにループコイルが設置されているが、これは列車の速度や接近に関係なく、常に03信号が送信されている。

東北・上越新幹線のDS-ATCでは入換信号もATCによって現示される。東海道・山陽は新旧どちらも地上信号機によって現示する(九州新幹線も同様)。ただし、手信号代用器は、駅の出発進路地点に設けられた地上信号機(入換信号器)の上に設置されており、駅間でATCによる運転ができない場合による代用保安方式[49]での運転の際に使用される。


日本以外のATC[編集]

日本以外には日本のATCと同じものをATCと称するところもあるが、日本のATS-Pに当たる装置をATCと称している国もある。

“ATC”の略称について[編集]

日本国内においては、ATSの上位という位置づけもあり、Automatic Train Controlの略称としてATCと略されてきた。しかし、Auto Train Controlという英文であれば、この装置は加速などもふくめた列車の全自動制御装置という意味になる。これが日本国内で英文の通り示す装置に該当するものはATOとなる。

ここでいうATCは、“Control”…つまり列車を制御する能力は前車との間隔を維持するための減速のみしかなく、ATCはあくまでATSより上位の保安装置に過ぎない。したがって、当項目内で述べているATCを示す英文はAutomatic Traffic Controlである。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ ATCの軌道回路には、軌道回路境界を絶縁する有絶縁軌道回路と軌道回路境界を絶縁しない無絶縁軌道回路の2つがある。
  2. ^ アナログ信号の場合はAM変調を使用。
  3. ^ 10 - 90Hzを使用しており、コードと呼ばれている。
  4. ^ 信号電流は加極して送られるが、架線からモーターと車輪を経由してレールに流れる電車電流が発生する磁界の電流成分は、そこで打ち消し合って送られないようになっている。
  5. ^ 速度発電機は2個を使用する。
  6. ^ 車内信号方式のもので、最初に普通鉄道で使用されたのは、1965年(昭和40年)に開業した名古屋市交通局の地下鉄2号線で、鉄道以外で最初に使用されたのは、1964年(昭和39年)に開業した東京モノレールである。
  7. ^ スピードシグナルの対義語:ルートシグナル
  8. ^ 速度計にある車内信号機と現示変化ベルを作動させるとともに、その許容速度の信号を、制御器にある各許容速度の速度照査部の中から、その許容速度で速度照査を行う速度照査部の3つのチャンネルに送る制御を行う。
  9. ^ チャンネルでは、許容速度の信号と速度発電機からの現在の速度信号と車輪径の情報を元に速度照査を行ない、ブレーキ指令のON・OFFの判別を行う。
  10. ^ 3つのチャンネルの指令の中で、1つが違う指令を出した場合はそのチャンネルは故障と判断され、回路から切り離されるが、故障でもないチャンネルが故障として切り離される不具合が発生するため、3つのチャンネルの指令を同期(シンクロナイズ)にできるように速度照査での許容速度を若干調節できる回路を設けている。
  11. ^ 多段ブレーキ制御方式で列車位置検知が同期復調式の場合、軌道回路に列車がいる場合は、軌道回路のレールに流れている信号電流を、列車の輪軸がそれを短絡することで地上装置が列車を検知し、軌道回路に列車がいない場合は、信号電流をそのまま地上装置が受信して、検波されて信号周波数 (Fl) を取り出し、その信号周波数で受信搬送波 (Fo) を変調した中間周波 (Fi) を信号周波数を用いてヘテロダイン方式で受信搬送波を取り出す(復調)ことにより、列車がいないことを検知する。また、最近のATCは、列車を検知するためだけのTD信号波を軌道回路に流し、そのレベルを検知することにより列車を検知する。
  12. ^ 跨座式の場合では、軌道桁の上部の中に埋め込まれている。
  13. ^ ATC信号波を主信号の周波数と副信号の周波数に分けて、この2つを主信号用の搬送周波数と副信号用の搬送周波数をそれぞれ変調することにより、を主信号変調周波数と副信号変調周波数の2つを発生させて、それを組み合わせることにより、従来のATCより多くの現示速度表示が可能になり、現示速度の多現示化が可能となった。
  14. ^ 軌道中心に地上子2個を21mの間隔で設置されている。
  15. ^ 分岐により線路が分かれている駅の場合は、分岐器の手前までに、ATCのブレーキにより、70km/hまで減速する。
  16. ^ 久保田 博 「鉄道工学ハンドブック」 グランプリ出版 1995年 p145
  17. ^ JR西日本グループ中期経営計画2017 (PDF)
  18. ^ 01・02・02E・03の4つ。
  19. ^ 分岐により線路が分かれている駅の場合は、分岐器の手前までに、ATCのブレーキにより、70km/hまで減速する。
  20. ^ 北陸新幹線デジタルATCシステム
  21. ^ JR東日本:会社要覧2011 安全 (PDF)
  22. ^ 現在、埼京線のATCの地上装置はATC-1Eの機能および基本仕様をそのままに、制御方式をリレー方式から電子方式に変更したME-ATCに更新されている。
  23. ^ 埼京線への無線式列車制御システム(ATACS)の導入について (PDF) - 東日本旅客鉄道、2013年10月8日、2013年10月8日閲覧。
  24. ^ TD電文とD-ATC電文共に、変調方式はMSK変調を使用している。
  25. ^ 車上装置は、受信制御部・検査記録部・トランスポンダ送受信部・継電器(リレー)部からなっており、その内のD-ATC電文信号と列車速度制御を行う受信制御部と位置補正用トランスポンダ地上子からの位置補正用の地点情報を受信するトランスポンダ送受信部は2重系となっている。
  26. ^ [1] (PDF)
  27. ^ D-ATCのブレーキは、列車の速度と速度照査パターンの間の偏差(ズレ)を元に必要なブレーキ力を出力するフィードバックでのブレーキ制御のため、ブレーキが掛かる際には、緩いブレーキから除々に強いブレーキが掛かり、ブレーキを緩める際には、ブレーキを除々に弱めるブレーキ制御を行う。
  28. ^ 無電源のトランスポンダ地上子を使用しており、ATS-P形のトランスポンダ地上子と同じ送受信方式を使用している。種類としては地点電文地上子と入換電文地上子の2種類があり、それを受信する車上子は2重系を基本としているため、先頭車両には2個(1系と2系)が取付けられている。
  29. ^ D-ATC電文には本線運転情報電文と入換制御情報電文があり、どちらかの電文を流すことにより、それを受信して車上側で運転モードが自動で切替られる。
  30. ^ 分岐器による速度制限が75km/h以下の場合には、その速度制限までのパターン。
  31. ^ “RS-ATC(東北・上越新幹線の無線ATC)”, 鉄道と電気技術 22 (1): 19-24,
  32. ^ もし、その区間で列車を手動で加速してその速度以上を出そうとしても、ATCのブレーキパターンによるブレーキが掛かりそれ以上の速度は出せない。
  33. ^ ATC-1D型と同じく、確認ボタンによる確認を怠るとATCのブレーキが作動したまま列車は停止する。
  34. ^ 力行(加速)して前方の下位の許容速度の軌道回路に進入した場合、ATCのブレーキが掛がかってしまうのを避けるため。
  35. ^ ブレーキオフで前方の下位の許容速度の軌道回路に進入した場合、ATCのブレーキが掛かるが、前方予告灯が点灯して、予め運転士がブレーキ操作を行い減速することにより、ATCのブレーキが作動するのを避けることができる。
  36. ^ 柴田, 知範 (2008年12月1日), “最近のATC 〜 京王線のATC”, 鉄道車両と技術 14 (9): 15-19, http://ci.nii.ac.jp/naid/40016446106 
  37. ^ ATC信号波からP信号を受信して停止パターンを発生させ、その後に地上側にあるトランスポンダ地上子から地点情報を受信して停止パターンに補正を加える方式。
  38. ^ a b c d e f g 村本, 道明; 中野, 良男 (1991年5月1日), “田園都市線・新玉川線の新しいATCシステム”, 電気車の科学 44 (5): 18-25 
  39. ^ 三栖, 庸宣 (1991年6月1日), “東京急行電鉄田園都市・新玉川線新ATCシステムの導入とダイヤ改正”, 鉄道ピクトリアル 41 (6): 97-100 
  40. ^ 曽根, 悟 (1998年7月1日), “信号と運転保安の考え方”, 鉄道ピクトリアル 48 (7): 10-18, http://ci.nii.ac.jp/naid/40002500587#article 
  41. ^ 白土, 義男 (1998年7月1日), “信号システムの移り変わり”, 鉄道ピクトリアル 48 (7): 19-27, http://ci.nii.ac.jp/naid/40002500588#article 
  42. ^ a b c “一段プレーキ制御ATC”, あたらしいATC・ATSのはなし, http://railsearch.s28.xrea.com/atcats/p-atc.htm 
  43. ^ 20m車10両編成、停車時間40秒、加速・減速度3km/h/s、駅進入速度75km/h、閉塞長60mを条件に余裕時間10秒含んだ数値
  44. ^ 片桐, 淳也 (2007年9月1日), “東急田園都市線 混雑緩和に向けた取り組み”, 鉄道ピクトリアル 57 (9): 42-45, http://ci.nii.ac.jp/naid/40015517158#article 
  45. ^ 2012年度の鉄道事業設備投資計画 東武鉄道ニューリリース、2012年4月26日
  46. ^ 2014年度の鉄道事業設備投資計画 東武鉄道ニューリリース、2014年4月30日
  47. ^ JR、民鉄のATS (6) ―東武鉄道のATS―(「鉄道と電気技術」2011年4月号)
  48. ^ 「東武東上線夜間試運転列車のお知らせ」 (2014年04月02日) - 東武鉄道からのお知らせ。
  49. ^ 列車のATC装置が使用不能となった場合に、駅間で列車がいないことを確認してから列車を運転を行う検知式、同じく輸送指令がそれを確認してから列車に運転指示を行ない列車を運転を行う指令式、線路故障のため、1線が不通となり単線運転を行う場合に、駅間で駅長が打ち合わせて1人の指導者を定めて、列車に乗車させてから列車を運転を行う指導検知式、同じく輸送指令が駅間の列車がいないことを確認してから列車に運転指示を出して列車を運転を行う指導指令式、線路の故障で上下線で不通となった場合には、駅間を2以上の区間に分割して単線運転とし、その区間に列車がいないこと確認してから、1人の指導者を列車に乗車させて列車の運転を行う指導式がある。また、駅からの出発の際は駅長が出発合図を行ない、駅間の最高速度は110km/hまたは120km/hで運転を行い、駅手前で一旦停止してから駅に停車する。そのため、通過列車を含む全列車が必ず駅で停車する。

参考文献[編集]

関連項目[編集]