JR西日本223系電車
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| JR西日本223系電車(共通事項) | |
|---|---|
| 全長 | 9000番台除く:20,000mm 9000番台:19,670mm |
| 全幅 | 2,950mm |
| 全高 | 3,640mm |
| 軌間 | 1,067mm |
| 電気方式 | 直流1,500V |
| 主電動機 | かご形三相誘導電動機 |
| 歯車比 | 1:6.53 |
| 駆動装置 | 5000・9000番台除く: WN平行カルダン歯車形たわみ軸継手方式 5000番台: TD継手式(中実軸)平行カルダン 9000番台: ボルスタレス軸はり式方式 |
| ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式 (滑走防止・応荷重・遅れ込め制御・直通予備・救援・耐雪・抑速ブレーキ付き) |
| 保安装置 | EB・TE装置 |
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この表について
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223系電車(223けいでんしゃ)は、1994年(平成6年)に登場した西日本旅客鉄道(JR西日本)の直流近郊形電車。2008年現在のJR西日本アーバンネットワークを代表する車両でもある。
本項では、本系列と類似の車体を持つ鉄道総合技術研究所(鉄道総研)R291形試験電車についても記述する。
目次 |
概要
221系に続く、JR西日本の自社開発による近郊形電車である。全長20mの車体に片側に3カ所の乗降扉、オール転換クロスシートによる座席、という設計コンセプトはそのままに、207系で実績を積んだステンレス製軽量車体とかご形三相誘導電動機・VVVFインバータ制御を新たに採用している。
221系では動力車の性能調整をMM'ユニット方式と単独電動車(1M)方式の2種類の電動車を用意することで行っていたが、本系列では走行に必要な機器類を1両の電動車に集中させて、それを3両に1両程度の割合で連結することで編成組成の自由度を向上させている。
1993年から製造が開始され、投入される線区や列車種別に応じて様々な仕様変更を繰り返しつつ2008年現在も量産が継続している。
それらは同一形式の車両番号で区分され、現時点では0番台・2500番台・1000番台・2000番台・6000番台・5500番台・5000番台と事業用車の9000番台の8グループが存在している。
なお、2000番台と6000番台の編成に組み込まれた電動車の一部に3000番台・7000番台の番号が付された車両が存在するが、これは裝架する主電動機数の相違から便宜上区分されたもので、グループ上は3000番台は2000番台に、7000番台は6000番台に含まれる。
製造期間が15年の長期にわたっているため、各部の構造はグループごと、さらにグループ内でも製造ロットごとに差違が生じている。例えばVVVFインバータの制御素子は0番台が東芝製のGTO、1000・2000・2500・5500・6000番台が三菱電機・東芝・日立製作所製のIGBT、5000番台が三菱電機製のIGBTと異なったものを搭載している。
屋根上機器は従前の221系を踏襲した集約分散式冷房装置2基を全車に搭載している。また、電動車についてはこれに加えて2基分のパンタグラフ台座が用意されているが、JR東西線に乗り入れる関係で下枠交差型パンタグラフを2基搭載した6000番台宮原車と霜取り用のパンタグラフを搭載した5500番台の一部の車両以外の各番台については、下り方にのみ下枠交差型パンタグラフを搭載している。
行先と種別の表示は221系や207系でも採用された回転幕(種別)とLED(行先)の併用を採用している。回転幕の文字色は、「普通」が白、「快速」「紀州路快速」がオレンジ(0・2500・6000番台の大和路線用をのぞく)、「新快速」が青である。ちなみに「快速マリンライナー」は普通と同様に白だが、他の種別と違い、フォントはゴシック体である。なお、車内のLED式表示器や運転台付近のLED式行先表示器は0番台とそれ以外のグループとの間でフォントが若干異なっている。また「関空快速」など、関西空港線を経由する種別には航空機のマークも表記される。
また、本系列をベースとしつつ各線区ごとの事情を加味した仕様変更を実施したローカル線向け直流電車の125系が小浜線・加古川線・北陸本線の直流区間と湖西線の一部区間に、ローカル線向け交直流電車の521系が小浜線・北陸本線の福井以南と湖西線の一部区間に、四国旅客鉄道(JR四国)所有の5000系が5000番台と共に瀬戸大橋線に、それぞれ投入されている。
運用線区
0・2500番台(日根野電車区)
- 大阪環状線・阪和線・関西空港線・紀勢本線(きのくに線)
- 大阪環状線 - 関西空港・和歌山間を結ぶ関空・紀州路快速や直通快速などの快速列車のほか、早朝と深夜には阪和線内の普通列車、「シャトル」の愛称で関西空港線内での区間運転のほか、朝ラッシュ時には大阪環状線の線内運用もある。
- 紀勢本線では、定期列車では和歌山 - 御坊間で運用されている。
- なお南紀熊野体験博期間中には白浜まで、「熊野古道レジャー号」や「熊野古道ハイキング号」として紀伊田辺まで、「紀三井寺桜まいり号」や「ぶらり海南号」として海南までそれぞれ運転された実績がある。これらはいずれも紀州路快速の延長運転としてのものであり、すべて3両編成での運行だった。なお、2008年度以降も紀州路快速の延長運転で「熊野古道号」が運転されている(4両)。
- 2008年3月14日までは、データイムの一部の関空快速がJR難波へ乗り入れていた。
1000・2000番台(網干総合車両所)
- 北陸本線・東海道本線・山陽本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)・湖西線・草津線・赤穂線
- 敦賀 - 米原・近江今津 - 京都 - 大阪 - 神戸 - 姫路 - 上郡・播州赤穂間のすべての新快速と多くの快速に運用されている。また、朝夕には草津線柘植や東海旅客鉄道(JR東海)区間の大垣にまで直通する列車の一部にも運用されている 。
- 4両編成(V編成)、6両編成(J編成)、8両編成(W編成)に組成され、編成単独または2編成併結により4~12両で運転される。
- 1000番台と2000番台は区別なく一括して運用され、1000番台と2000番台の併結列車も多く見られる。ただし、6000番台との併結運用はない。
- 2006年の直流化工事区間(長浜・永原 - 敦賀間)への定期運用は4両V編成のみとなっている。
1000・2000番台使用の臨時列車・応援運用など
- 山陰本線(嵯峨野線)では、春と秋の観光シーズンを中心に「嵐山もみじ号」などの臨時列車として嵯峨嵐山や園部まで入ることがある。その際には日中の一部113系運用を本系列が代走する。また、1000番台はかつて臨時快速「レインボー号」として福知山を経由して北近畿タンゴ鉄道宮津線の天橋立まで乗り入れたこともある。
- 2004年9月の台風16号による高潮の影響で宇野線宇野構内に留置していた105系(岡山F8編成)と115系(岡山D18編成)がそれぞれ浸水して故障した。前者は和歌山地区への転用で予備が全くなく、後者も短編成化と車両のリニューアル工事、213系もワンマン化改造工事で115系・213系とも岡山を離れていた編成が多かったことで車両が不足した。その際、岡山電車区電車センターに留置されていた本系列(網干J1編成)が急遽宇野線岡山~宇野間で同月末まで使用された。また、宇野線・本四備予讃線の岡山 - 高松間を運行する快速「マリンライナー」の増結用として2007年7月1日からは、4両(V編成)・6両(J編成)編成のサハ車2000番台車の一部が後述する5000番台の中間車として運用についている。さらに、マリンライナーの踏切事故により5000番台の車両不足が生じた際には、2000番台のクモハ車が応援運用に入ったことがある。
- 2004年3月13日の天神川駅開業を記念して、本系列を使用した祝賀列車が広島地区で運転されたことがある。
- イベントの臨時列車として、下関や高松まで入線したこともある。
- 2004年10月16日のダイヤ改正で113系に代わって大垣への乗り入れを開始したが、その際に名古屋まで乗務訓練として乗り入れている。
6000番台(網干総合車両所)
- 東海道本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)・山陽本線(JR神戸線)・赤穂線
- 2008年1月から221系4両編成の運用組に投入され、大垣 - 米原 - 上郡・播州赤穂間の快速に221系と共通で運用されている。本線では221系4・6・8両編成と連結して8 - 12両で運転されるほか、6000番台同士の連結で8両編成になることもある。また、大垣 - 米原・姫路 - 播州赤穂間では編成単独の4両で運転されている。221系との併結を目的として区分されたグループのため、他の223系(1000番台・2000番台)と併結されることはない。
6000番台(宮原総合運転所)
5500番台(福知山電車区)
5000番台(岡山電車区電車センター)
- 宇野線・本四備讃線(瀬戸大橋線)・予讃線
- 製造直後、2003年10月11日から13日まで「マリンライナー京阪神ホリデー号」として5000系とともに京都(回送運用を含めると野洲)まで乗り入れたことがある。この「マリンライナー京阪神ホリデー号」は全車指定席扱いだった。
系列別概説
形式・編成
現時点で以下の形式が存在し、9000番台にはクモヤ223形のみ存在する。
- クモハ223形(Mc、Mc1、Mc3)
- クモヤ223形(Mzc)
- パンタグラフ、静止型インバータ(SIV)、空気圧縮機(CP)を有する制御電動車。クモハ223形は9000番台を除く各番台に、クモヤ223形は9000番台(9001)のみ存在し、主要機器を全て搭載する。2000番台1次車とそれを番台変更した網干総合車両所の6000番台[1]に存在する3000番台・7000番台は主電動機を3基裝架。上り向きに連結される。なお、0番台と100番台はCPを搭載していない。
- モハ223形(M、M1)
- 中間電動車。クモハ223形から運転台を除いたもので、5000番台・5500番台以外の各番台に存在。2000番台2次車以降の中でCPを搭載していない車両は2100番台[2](宮原総合運転所の6000番台車では6100番台(6300番台も含む))になっている。また、0番台もCPを搭載していない。
- モハ222形(M'、M'3)
- SIVやCPを持たない中間電動車。2000番台1次車とそれを番台変更した網干総合車両所の6000番台[1]にのみ存在する。3000番台・7000番台は主電動機を3基裝架。
- クハ222形(T'c、T'c1)
- トイレを持つ制御車。各番台に存在。下り向きに連結。0番台と100番台はCPを搭載する。
- サハ223形(T、T1)
- 付随車。100番台はCPを搭載している。5000番台・5500番台以外の各番台に存在。
- 編成構成は以下の通り
| ←大阪・京橋・天王寺 | 日根野電車区所属車 | 関西空港・和歌山→ | ||||||
| 0番台 | クモハ223(Mc) (0番台) |
サハ223(T1) (100番台) |
モハ223(M) (0番台) |
クハ222(T'c) (0番台) |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2500番台 | クモハ223(Mc) (2500番台) |
サハ223(T) (2500番台) |
モハ223(M) (2500番台) |
クハ222(T'c) (2500番台) |
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| 0番台・ 2500番台 混結 |
クモハ223(Mc1) (100番台) |
サハ223(T) (0番台) |
モハ223(M) (2500番台) |
クハ222(T'c1) (100番台) |
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| クモハ223(Mc) (2500番台) |
サハ223(T) (0番台) |
モハ223(M) (2500番台) |
クハ222(T'c) (2500番台) |
|||||
| ←近江塩津・敦賀・大垣 | 網干総合車両所所属車 | 播州赤穂・上郡→ | ||||||
| 1000番台 | クモハ223(Mc) (1000番台) |
サハ223(T) (1000番台) |
サハ223(T) (1000番台) |
モハ223(M) (1000番台) |
サハ223(T) (1000番台) |
サハ223(T) (1000番台) |
モハ223(M) (1000番台) |
クハ222(T'c) (1000番台) |
| クモハ223(Mc) (1000番台) |
サハ223(T) (1000番台) |
モハ223(M) (1000番台) |
クハ222(T'c) (1000番台) |
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| 2000番台 1次車 |
クモハ223(Mc3) (3000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
モハ222(M') (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
モハ223(M) (2000番台) |
クハ222(T'c) (2000番台) |
| クモハ223(Mc3) (3000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
モハ222(M'3) (3000番台) |
クハ222(T'c) (2000番台) |
|||||
| 2000番台 2~7次車 |
クモハ223(Mc) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
モハ223(M1) (2100番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
モハ223(M) (2000番台) |
クハ222(T'c) (2000番台) |
| クモハ223(Mc) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
モハ223(M) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
クハ222(T'c) (2000番台) |
|||
| クモハ223(Mc) (2000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
モハ223(M1) (2100番台) |
クハ222(T'c) (2000番台) |
|||||
| 6000番台 | クモハ223(Mc3) (7000番台) |
サハ223(T) (6000番台) |
モハ222(M'3) (7000番台) |
クハ222(T'c) (6000番台) |
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| ←奈良・大阪 | 宮原総合運転所所属車 | 尼崎・篠山口・福知山→ | ||||||
| 6000番台 | クモハ223(Mc) (6000番台) |
サハ223(T) (6000番台) |
モハ223(M1) (6100番台) |
クハ222(T'c) (6000番台) |
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| ←篠山口・京都 | 福知山電車区所属車 | 城崎温泉→ | ||||||
| 5500番台 | クモハ223(Mc) (5500番台) |
クハ222(T'c) (5500番台) |
||||||
| ←岡山 | 岡山電車区電車センター所属車 | 高松→ | ||||||
| 5000番台 (2000番台) |
クモハ223(Mc) (5000番台) |
サハ223(T) (2000番台) |
クハ222(T'c) (5000番台) |
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| ←近江塩津・敦賀・大垣 | 試験車(吹田工場所属) | 播州赤穂・上郡→ | ||||||
| U@tech | クモヤ223(Mzc) (9000番台) |
サヤ213(Tz) |
クヤ212(T'zc) |
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0番台
| 0番台 | |
|---|---|
クハ222形0番台
|
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| 編成 | 2両・6両 → 3両・5両 → 4両 |
| 起動加速度 | (4M4T) 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 120km/h |
| 設計最高速度 | 120km/h |
| 減速度 | 3.5km/h/s(常用最大) 4.2km/h/s(非常) |
| 編成質量 | 27.7t(サハ223) 31.1t(クハ222) 38.0t(モハ223) 39.0t(クモハ223) |
| 主電動機 | 0番台:230kW(WMT102C) |
| 制御装置 | 1C1M3レベルGTO-VVVFインバータ制御(WPC4) |
| 保安装置 | ATS-SW・ATS-P |
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この表について
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1994年9月4日の関西国際空港(関空)開港に併せて、同空港へのアクセス列車である関空快速に使用するために1994年2月から3月にかけてに6両編成9本(54両)と2両編成7本(14両)の計68両が新造されたグループである。全車日根野電車区配置。1994年度グッドデザイン賞受賞。付属編成用として製造された先頭車とCPを搭載したサハ223形は100番台となっている。
車体はビードと呼ばれる棒状の補強構造のないステンレス製で、当時としては221系と同配置の連窓(ドア間6、車端2)やビードのない外観を確保しつつ車体強度・剛性を維持するため、若干厚めの外板が用いられ、また側窓の上下寸法も221系と比較して縮小されている。
前面は新設計の半流線形となり、塗装も銀の金属地に窓下に関西国際空港のイメージカラーである青と白のグラデーション帯のステッカーが採用された。海上に掛けられた関空連絡橋通過時の横風対策として、車高は221系より6cm低く抑えられている。JRマークは前面のみに貼付されている。冷房装置は集約分散式のWAU702Bを各車2台搭載する。
室内は221系に準じた転換クロスシートが設置されているが、221系が茶色い国産の座席なのに対し、本系列は外部に合わせた空色のノルウェーからの輸入品が設置されていた。座席配置も空港利用客の大型荷物の持ち込みに備えて、座席は車端部を除いて1列あたり2+1人の3人掛けとされ、1人掛け座席の肘掛け下には荷物を固定するためのワイヤーが備えられた。221系で車体妻面に1両あたり2か所設置されていたLED式の旅客案内表示装置は客用扉上に1両あたり6か所に変更された。内壁は白色、窓の仕切りは銀色である。
207系で採用されたドアチャイムやミュージックホーンといった装備は引き続き設置されている。ドアチャイムは製造当初同系列前期製造分と同様に閉まる時のみに鳴っていたが、現在では開く時も鳴るように改良されている。また、ミュージックホーンは他形式車と同様に運転席下部のペダルを軽く踏むとミュージックホーンだけが、強く踏むと通常の空気笛が同時に鳴る仕組みとなっている。
竣工時期が関空開港よりも早かったため、当初は乗務員の慣熟を兼ねて1994年4月1日に阪和線快速・B快速・区間快速・普通の運用に暫定的に投入された。この時期は和歌山行の運用もあった。
同年6月15日の関空開港準備のダイヤ修正で関空への乗り入れを開始、その後関空開港に伴う9月4日のダイヤ改正で本格的に空港連絡を開始した。当初、一部列車では京橋発着の6両編成とJR難波発着の2両編成が天王寺で分割・併合を行う運用が行われた。この時点で阪和線日根野以南へ乗り入れる列車は平日朝の和泉砂川発着の区間快速と深夜の和泉砂川行の最終快速を除き消滅し、和歌山乗り入れが一旦なくなった。当時2両編成はどちらかというと運用的に持て余し気味で、日中は2編成を連結した4両編成で普通列車(天王寺 - 日根野・和泉砂川間)にも使われていた。
1995年4月20日には関空直行高速バスに対抗するため、指定席を設けた特別快速関空特快「ウイング」の運転が開始された。検札の利便性から編成の最後尾車両が指定席車両とされ、該当車両は自由席車との区別のために種別幕が下部に黄緑帯が入れられたものが使用されたが、車内が自由席車と変わらないこともあり、指定席車と気付かないで誤乗する乗客が絶えなかったという。
1996年3月22日には、2両編成のうちJR難波寄り車両の乗務員室直後の客用ドア1つ分のスペースに、JR難波駅直上に設置された大阪シティエアターミナル(OCAT)にて国際線搭乗手続きを受けた乗客の荷物搬送用に荷物室が追設された。同時に該当部分の客用ドアは締め切りとなり、駅には「この乗車位置からは乗車できない」旨の表示があった。荷物室は名目上「業務用室」とされていたため、荷物車を示す記号「ニ」は付かず、車種や車体番号の変更も行われなかった。荷物室は1998年にOCATでの搭乗手続きの利用率低下により廃止され、この部分は客室に復元された。
1999年5月10日には阪和線の快速列車の運転系統の変更に伴い、編成構成が5両(編成番号E801 - )編成9本(45両)と3両(編成番号E851 - )編成9本(27両)に変更された。「関空特快ウィング」は廃止[3]され、新たに設定された和歌山への紀州路快速が関空快速と日根野で分割・併合する運転形態となった。また、この編成変更時に2本分の両先頭車、計4両が不足したために2500番台(1次車)が4両製造され、0番台の中間車と編成を組成する事となった。このような編成は5両編成にのみ存在する。
2006年には転換式の座席が全て2500番台と同様の日本製に交換された。座席配置は改造前と不変だが、形状に差異が生じており、窓下の肘掛けと1人席の荷物固定用ワイヤーは廃止された。
長らく転落防止幌は未設置であったが、2007年より検査入場などの機会に設置工事が進められている。同年冬ごろ出場のクハ222-101より、クハ222形のトイレ前の座席を撤去して車椅子スペースに改造する工事が、2008年初頭出場のクハ222-105より、トイレを2000番台・2500番台と同型の車椅子対応の大型トイレに交換する工事も始まっている。
2008年3月には新造の2500番台を含めた編成替えが行われ、全編成が4両編成となった。同時に方向幕や外国人向けの車内英語自動放送装置の更新も行われている。
2007年9月より223系0番台のM車のモーターをWMT102Cに取替えが行われた。{180kW(WMT100B)→230kW(WMT102C)}
2500番台
| 2500番台 | |
|---|---|
2500番台2次車・クハ222形以下4両編成
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| 編成 | 3両/5両 → 4両 |
| 起動加速度 | (4M4T) 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 120km/h |
| 設計最高速度 | 120km/h |
| 減速度 | 3.5km/h/s(常用最大) 4.2km/h/s(非常) |
| 編成質量 | 31.7t(クハ222) 40.5t(クモハ223) |
| 主電動機 | 220kW(WMT102B) |
| 制御装置 | PWMIGBT-VVVFインバータ制御(WPC10) |
| 保安装置 | ATS-SW・ATS-P |
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この表について
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1次車
先述したが、0番台の編成組み替え時に、2本分の両先頭車、計4両が不足したため、補充として製造されたグループである。よって、クモハ223とクハ222が各2両のみ存在し、単独で編成を構成する車両は無く、0番台と編成を組む。
この4両は0番台製造から時間が経過していため、当時量産が続いていた2000番台(1次車)の機器類や車体構造が流用され、内外共に0番台とは大きく異なることから新たに2500番台と区分された。よってこのグループは前照灯がフォグランプ付きの角型4灯で、窓は扉間に内倒れ式2枚を含む5枚となり、戸袋窓は廃止されている。
各部の配色は0番台の空系が踏襲されているものの、形状や経年の違いから異なる部分も多い。窓周りには2000番台の茶帯にあたる、パールブルーの帯が入れられており、座席の色は空色だが、2000番台と同じ国産で、車体の窓配置の関係で扉間の座席数が0番台よりも1列少ない5列である。2000番台が装備するドア脇の補助椅子も省略されたため、座席定員が極めて少ない。また、LED式の旅客案内表示装置も同番台に準じて1両あたり3か所の千鳥配置に削減された。
一方でトイレは車椅子対応となり、トイレ前に車椅子スペースが設けられ、連結面には転落防止幌が取り付けられるなど、バリアフリー対策は徹底されている。ただし、転落防止幌については隣接する0番台車は長らく未設置のままであったため、2007年に設置工事が行われるまでは役割は不完全であった。また、車外放送は車内放送との分離は行われなかった。
2次車
2007年3月改正で223系の所要両数が増加したため、2006年度に2500番台のみによるフル編成として製造されたグループである。編成全てが新造であるため、2500番台として初めて中間車が設計された。5両編成と3両編成各1本・計8両が川崎重工業で製造され、2007年2月5日より運用を開始した。
基本的な形態は1次車に準じているが、2000番台での各種の改良が取り入れられ、窓ガラス色や蛍光灯カバー形状などに変更が加えられている[4]。また、当時は0番台への転落防止幌設置工事が未着手であったため、日根野電車区の223系では初の完全な転落防止対策がなされた編成となった。
3次車
2007年より、日根野電車区所属車の増車と既存の5両・3両編成の4両化のため、近畿車輛で比較的まとまった数が製造されたグループである。投入の目的上、4両編成で製造された車両はごくわずかに留まり、既存編成との混結を前提にクモハ223形-モハ223形-クハ222形の3両編成[5]やモハ223形単独[6]で製造された車両が多くあるのが特徴。2008年3月14日より営業運転を開始した。
2次車から更なる改良が加えられ、同時期の2000番台(5次車)に準じた仕様となった。よって、窓周り帯が細くなるなど、外観にも大きな変化が発生している。また、先述の通り方向幕や自動放送装置は当初から仕様変更されたものを搭載しており、組み換え時に既存のの0番台、2500番台も同じ仕様に変更されている。
0・2500番台の組成の変遷
| ←大阪・京橋 | 関西空港・和歌山→ | ||||||||||||
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1000番台
| 1000番台 | |
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クモハ223形1000番台(2007年11月23日撮影)
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| 編成 | 4両/8両 |
| 起動加速度 | 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 130km/h |
| 設計最高速度 | 130km/h |
| 減速度 | 4.3km/h/s(常用最大) 5.2km/h/s(非常) |
| 編成質量 | 28.1t(サハ223) 32.0t(クハ222) 38.0t(モハ223) 40.0t(クモハ223) |
| 主電動機 | 220kW(WMT102A) |
| 制御装置 | PWMIGBT-VVVFインバータ制御(WPC7) |
| 保安装置 | ATS-SW・ATS-P |
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この表について
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東海道本線・山陽本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)で運行される新快速を最高速度130km/h運転に対応させる目的で製造されたグループである。
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災後の輸送力増強のため、当初の予定よりも前倒しして同年夏に投入された。1次車として8両の基本編成(W編成)と4両の付属編成(V編成)各4本(計48両)が川崎重工業・近畿車輛・日立製作所で、1997年には2次車として同仕様の基本編成5本と付属編成1本(計44両)が川崎重工業と近畿車輛で追造され、総計92両が在籍する。W3編成は223系唯一の日立製車両である。
各部の構造が0番台から大幅に変更されている。前面は前照灯が角型4灯(白・黄2灯ずつ)に、側面はビードが付けられ、扉間の窓は6個から5個に減らされてこの部分の戸袋窓がなくなった。帯色は221系と共通イメージの白・茶(関西急電シンボルカラー)・青(JR西日本コーポレートカラー)・ベージュ(新快速シンボルカラー)の4色帯となり、戸袋部分にも窓周りと同色の茶色の帯が貼付された。冷房装置は電動車はWAU705。主要機器を搭載しない付随車については681系と同様、低重心化のため機器を屋根上と床下に分散させたセパレート型のWAU304を2基搭載に変更された。
車内は、座席が0番台の1 + 2人掛けから一般的な2 + 2人掛けに変更されるとともに、混雑対策のため扉間の座席数が6列から5列に減り、出入口のスペースが拡大されている。また、各部の色が0番台の青から外部塗色に合わせた茶に変更されている。
座席数は減らされたが、代わりに転換ができない固定座席の背面に収納式の補助席が装備された。全ての補助席を使用すると1両あたりの座席定員が221系より8席増えるので、昼間時の着席需要にも対応している。この補助席は中央扉では両側の固定座席の背面にあるが、両端の扉では中央寄りの固定座席の背面にしかない。このため、ホームで列車を待つ時に補助席の多い中央扉の乗車位置を狙う乗客も存在する。
補助席は混雑防止のため、平日ラッシュ時など多客時には車掌室からロックが掛けられ、使用できない構造となっている。その際は座席上に設置されている「使用不可」を表示するランプが点灯する。
製造前には京阪神の一部の快速に連結されていたグリーン車(1980年廃止)を復活させる構想もあったが、関空快速の指定席の利用率低迷などもあり、最終的には見送られている。この件は朝日新聞大阪版でその構想が記事になった[7]。
試験期間を減じて前倒しで投入されたため、WN継手から異音や振動が発生する、車両から発生する電気ノイズで近傍を走行する201系の保護回路を誤動作させて緊急停止させる[8]など、いくつかの不具合が発生したが、現在ではこれらの問題点は対策済みである。
2000番台
| 2000番台 | |
|---|---|
クモハ223形2000番台(2007年11月23日撮影)
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| 編成 | 4両/6両/8両 |
| 起動加速度 | 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 130km/h |
| 設計最高速度 | 130km/h |
| 減速度 | 4.3km/h/s(常用最大) 5.2km/h/s(非常) |
| 編成質量 | 29.0t(サハ223) 32.4t(クハ222) 36.7t(モハ222) 38.5t(モハ223) 40.7t(クモハ223) |
| 主電動機 | 220kW(WMT102B) |
| 制御装置 | PWMIGBT-VVVFインバータ制御 (1次車:WPC10) (2次車以降:WPC13) |
| 保安装置 | ATS-SW・ATS-P |
| 製造メーカー | 川崎重工業・近畿車輛 |
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この表について
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1000番台の増備車として、コストダウンを図り、大量に製造されたグループである。1999年から川崎重工業と近畿車輛で製造され、現在も続けられている。
車体構造は、従来の骨組み工法から東日本旅客鉄道(JR東日本)のE217系などで採用されている外板自体に強度を持たせる工法に変更され、外観では再び側面のビードがなくなり、1000番台では車端部に残っていた戸袋窓が廃されている。その代わりとして車端部の窓が拡大されている。また、将来の改造を容易にするため、側面第1ドアより前と第3ドアより後の鋼体は別扱いで組み立てられ、本体にボルトで後付けする方式が採用されたのも特徴である。これにより中間車⇔先頭車の改造が車端部の交換のみで簡単に行えるようになった。運転台構造は基本的に1000番台を踏襲するが、それまで前面ステップ端面に取り付けられていた尾灯が前照灯直下に移されている。
このグループではバリアフリー対策が従来より強化されている。トイレはJR東日本のE217系などとほぼ同一構造の車椅子対応の大型タイプとなり、向かいには新たに車椅子スペースが、車端部の連結面には落下防止幌が設置された。車椅子スペースには車椅子で使用できる高さの手すりと壁に沿ったヒーターがある他は、座席のない空きスペースである。
側枠の形状を変更し枕ばね取り付け位置を引き下げた新型台車の採用により、車体の重心が下がったことから、冷房装置についてはセパレートクーラーは採用されず、WAU705Aに形式変更・統一された。また、コストダウンの一環としてメーカーごとの工法の差がある程度許容されており、製造メーカーによって妻面のビードの有無[9]など、細部の形状が異なっている。空気圧縮機(CP)は285系で採用実績がある低騒音形スクリュー式に変更された[10]。
1次車
2000年3月11日の新快速の最高速度130km/hへの引き上げとそれに伴う使用車両の223系統一を主目的として2002年まで製造されたグループである。8両編成18本と4両編成23本の計236両が製造された。なお、編成名はW編成・V編成とも1000番台の続番となっている。
2シート工法では窓を下降式にするのが困難なため、扉間のうち2つ目と4つ目の窓が非常用に開閉する内倒れ式とされた[11]。この開閉機構はあくまでも非常用のため、非常の場合以外は開けないようにという注意書きのステッカーが貼られている。この部分では上から5分の2程度の部分に黒い桟が入っている。また、窓周りの茶色い部分が上下に拡大され、窓周囲が茶色で囲われる形になっている。
機器類では従来MT比1:2を基本にして性能の設定がされていたが、東海道・山陽本線の実際の編成は4両(MT比2:2)または8両(MT比3:5)で余裕があるため、本来は1両あたり4基装架のところをモーターを1基未装架とした3個モーター車が設定された。8両編成のうち1両と4両編成のすべての電動車が主電動機を3基裝架とされ、通常の電動車と区別するため、2000番台の続番に1000を足した3000番台として区別された。この措置によって通常の2000番台車両に欠番が生じており、将来3000番台車両に主電動機を1基増設し2000番台への改番がなされた場合、単純に現番号-1000で容易に欠番を埋められるように配慮されている。 補機類についても容量がアップされ、従来の1個あたり3両から4両対応として個数の削減が図られた。このことから補機類を搭載しない中間電動車が製造され、既存の中間電動車(モハ223形)との区別のためにモハ222形と区分された。
先行の1000番台と客室内の違いでは、座席のクッションの減少、座席窓側の肘掛けの廃止、補助席の格納式背もたれの廃止、補助席の使用告知ランプのプレート化[12]、窓の濃い灰色の熱線吸収ガラス化によるカーテン省略[13]などのコストダウン対策がなされている。しかし、カーテン省略は窓ガラスの熱線吸収率が低かったこともあって特に長時間に渡って遮蔽物のない海沿いを走行する神戸 - 明石間などで乗客から不評を買い、後に全車とも取り付けられた。
2002年の末期製造分から運転席にパイプ型のプロテクタやガラスへの飛散防止フィルム装着などが行われた。これは大型の前面窓ガラスを採用しているため、人身事故時に窓ガラスの破損や乗務員のケガが相次いだためで、未設置車や他の番台にも施行された。
このグループのクモハ223-3033には、2004年からシングルアーム式パンタグラフが試験として装備されていたが、2005年11月限りで通常型に復元されている。これは後に125系で本採用された。また、東芝製インバータ搭載車は2次車登場後、同グループに合わせてインバータ装置のソフトが変更され、純電気ブレーキ機能が追加された。
2008年1月にこの一次車グループの4両編成6本が221系との併結用に一部機器の設定変更を受け、車番に+4000を加えられて他の223系グループから運用が独立した(→6000番台 (網干車))。
2次車
アーバンネットワークのさらなる輸送改善と東海道・山陽本線の快速に残っていた旧型の113系・117系の置き換えのために2003年に投入されたグループである。8両編成5本・4両編成7本と快速を中心に使用するために新たに6両編成2本(J編成)の計80両が製造された。冷房装置は2次車以降小改良が施されたWAU705Bに変更されている。また、EB装置やTE装置の搭載もなされている。
1次車は雨天時など走行中に駆動輪の空転が多発し、対策として3個モーター車が廃止され、全電動車が4個モーター車となった。また、三菱・東芝製インバータ搭載車には新たにインバータ制御プログラムの変更により純電気ブレーキ機能が追加された。東芝製のインバータは3レベル方式から2レベル方式に変更された。
補機類の配置も見直されて冗長性確保のため、モハ222形にSIVが搭載されるようになり、モハ223形の一種(2100番台、2140~2176・2180~)という扱いに改められた。これらについても1次車の3000番台と同様、将来空気圧縮機の追加による2000番台化が行われても番号が重複しないよう、飛び番で番号が付され、下2桁が同じ番号の2000番台車両(2040~2076・2080~)が欠番となっている。なお、この車両は運転台の液晶モニターには「M1」と表示される。
車内はシートの材質が変わって1次車に比べて硬くなっている他、転換シートと化粧板の間にあった詰め物や座席背ずりの中央にあった窪みが省略されている。なお、シートの硬さについては経年によって柔らかくなったものも存在する。
また、窓ガラスは緑色のUVカットガラスに変更された。最近では1次車以前の車両も破損の復旧にこのグループと同じ緑ガラスが使われるようになっている。
他にも貫通扉の渡り板手前にスロープが設置され、段差が無くなっている。ただしクハ222形はトイレと干渉したためスロープは設置されず、危険防止のため渡り板の段差部分に目立つよう蛍光テープが貼り付けられている。
3次車
JR京都・神戸線のさらなる高速化と朝ラッシュ時の快速の本系列への統一に向けて2004年に投入されたグループ。当初は8両編成6本・4両編成17本と6両編成8本、2005年4月25日のJR福知山線脱線事故後に追加で、同線ATS-P整備に伴う、ATS-P未設置の117系置き換えに転用された221系の補充用に4両編成2本の計172両が製造された。この時に製造された車両は速度計が321系と同じものに変わっている。
このグループより排障器(スカート)が鉄板の量が増やされた強化型となり、従来の車両も順次改良された。その他の構造は2次車から変化がない。
4次車
2006年10月21日の新快速敦賀延長に際して増備されたグループである。8両編成1本・6両編成2本・4両編成3本の計32両が製造された。
3次車からの主な変更点は
- 運転台の設計に321系での改良点をフィードバック。
- 2003年に韓国・大邱市で起きた地下鉄火災の調査結果を受けて、国土交通省が2004年末に鉄道に関する技術上の基準を定める省令を改正したことを受け、蛍光灯カバーを321系と同様の、特殊樹脂でコーティングしたガラス繊維製に変更[14]。
- 標記類の一部をコストダウンのためプレートからステッカーに変更。上記省令改正に伴い消火器や非常通報ボタンの標記のデザインを合わせて変更。
- 優先座席ステッカーを大型化。
など。
5次車
2007年から製造されているマイナーチェンジ車である。2007年4月13日から順次営業運転を開始し、計画では84両が製造される予定である。2008年3月現在、2000番台はV編成(4両)とJ編成(6両)のみであり、W編成(8両)は製造されていない。宮原総合運転所の6000番台については6000番台 (宮原車)を参照。
車体の細部の構造が4次車から変更され、
- 側面窓の2枚目と4枚目が下降式に
- 窓周りの茶色い部分が上下に縮小されて1000番台や後述の5000番台の側面と同じ意匠に
- 前面扉の窓が若干縮小
- 床材の変更
- ドア開閉チャイムの音源が変更されて音程が低い
などの変化が見られる。
6次車
2008年から製造されたグループ。6000番台 (宮原車)を参照。
7次車
2008年7月以降に落成したグループ。車両の前面・側面が50km/hで衝突した際の室内残存空間が既存車両より約2割増加するよう車体強度が強化され、321系や683系と同程度の車両強度を有する[15]。
- 屋根と車体側面、台枠と車体側面への結合部材の追加
- 戸袋部柱への補強の追加
- 車体側面の外板の材質変更
- 車両端と台枠の重なり代を65mm延長し接合部を強化(車両の前面の一部が衝突する「オフセット衝突」対策)
その他・共通事項
1次車 - 5次車の一部、および7次車が網干総合車両所に配置され、前述の1000番台と共通で新快速を中心に運用されている。5次車の一部と6次車は6000番台に改番され宮原総合運転所に配置されている。
6000番台 (網干車)
| 6000番台 | |
|---|---|
クハ222形6000番台(網干車)。後部に221系を連結している。(2008年2月3日撮影)
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| 編成 | 4両 |
| 起動加速度 | 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 120km/h |
| 設計最高速度 | 130km/h |
| 減速度 | 3.5km/h/s(常用最大) 5.2km/h/s(非常) |
| 編成質量 | 29.0t(サハ223) 32.4t(クハ222) 36.7t(モハ222) 38.5t(モハ223) 40.7t(クモハ223) |
| 主電動機 | 220kW(WMT102B) |
| 制御装置 | PWMIGBT-VVVFインバータ制御 (旧1次車:WPC10) (旧2次車以降:WPC13) |
| 保安装置 | ATS-SW・ATS-P |
| 製造メーカー | 川崎重工業・近畿車輛 |
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この表について
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琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線系の221系運用に充当する目的で、車両性能を221系と同一水準になるよう機器の設定が変更された改造車グループで、2008年1月21日から運用を開始している。元々、網干総合車両所所属の223系は221系併結運用を可能とするため、223系側で加速性能等を221系のそれに合わせられるように設計されており[16]、過去には回送を含むラッシュ時などの一部の定期運用で両系列の併結運転が行われた実績があった。また2000年に新快速が全列車223系に統一されて以降も、ダイヤが乱れた際などには緊急的に併結運転が実施されていたが、これらはいずれも限定的な運用であり、恒常的に併結運転を実施する目的のものではなかった。
その後、223系の増備により従来琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線系で運用されていた221系の他線区への転出が進み、221系のみで運用を組むのが困難となったため、従来221系が限定で充当されていた運用にも223系が充当されることになった。このため221系との併結が恒常的に発生することや、運用そのものが221系の運転曲線を前提にダイヤが作成されていることから、223系側の性能選択スイッチの切り替えミスを防ぐ目的で当該運用への充当対象車は221系相当の性能に制御器の動作モードが固定されることとなった。
2000番台1次車の4両編成を改造種車としており、他の223系一般車との識別のために元番号に4000が加えられて6000番台(電動車は7000番台)へ番台変更されている。
6000番台 (宮原車)
2008年3月15日に開業したおおさか東線に開業にあわせて新規に製造されたグループ。2000番台5次車および6次車として4連20編成の合計80両が宮原総合運転所に配置されたが、営業運転開始前に全車が6000番台に番台変更された。走行線区のほとんどが130km/h対応線区ではないため、221系と同等の車両性能に設定されている[17]。2000番台5次車までの仕様変更を受けて製造された新製車のため、2000番台1次車を番台変更した6000番台網干車とは編成形態や各部の仕様が異なっている。
東西線の剛体架線区間通過のため、離線対策として全ての電動車(クモハ223形・モハ223形)にパンタグラフを2基搭載して製造された。223系の電動車は、元々パンタグラフが2基搭載可能な構造であったが、実際に2基の搭載が行われたのは本グループが初めてである。編成番号は「MA」。
また、6000番台では網干車・宮原車ともに、先頭車(クモハ223形・クハ222形)の前面貫通扉の下部と側面乗務員扉の下部にオレンジ色の細いライン2本がシールで追加されており、運転台にも「221系性能」といった表記が追加されている。方向幕については、文字間隔が微妙に狭い。
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223系6000番台(宮原車)福知山線での運用 |
5500番台
| 5500番台 | |
|---|---|
クハ222形5500番台(2009年1月12日撮影)
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| 編成 | 2両 |
| 起動加速度 | 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 120km/h |
| 減速度 | 3.5km/h/s(常用最大) 4.2km/h/s(非常) |
| 編成質量 | 42.0t(1基パンタ車、クモハ223) 42.3t(2基パンタ車、クモハ223) 34.4t(クハ222) |
| 軌間 | 1067mm |
| 電気方式 | 直流1500V |
| 主電動機 | 220kW(WMT102B) |
| 制御装置 | PWMIGBT-VVVFインバータ制御 WPC13 |
| 保安装置 | ATS-SW・ATS-P |
| 製造メーカー | 川崎重工業・近畿車輛 |
| 備考 | ワンマン対応 |
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この表について
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福知山地区で使用されていた113系3800番台・5800番台の置き換え用として2008年に製造された。
5000番台や521系と同様な前面に貫通扉を持った外観形状である。ワンマン設備やそのためのセミクロス座席配置など、521系の直流版と言える。クハ222形の後部に設けられた便所の汚物処理形式は、従来のカセット式(0番台・2500番台は循環式)ではなく521系で採用された臭気性に優れた真空式に変更された。クモハ223形16両のうち、5両(5501 - 5504・5509)には霜取り用にパンタグラフが2基搭載され、残りの9両は後部側に1基のみ搭載されている。
全車が福知山電車区に所属し2両編成16本が運用されている。嵯峨野線内で221系と併結運転されることもあり、221系性能固定で6000番台と同様に運転室扉と前面貫通扉にオレンジのラインが入っている。
5000番台
| 5000番台 | |
|---|---|
クモハ223形5000番台
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| 編成 | 3両(中間車は2000番台) |
| 起動加速度 | 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 130km/h |
| 設計最高速度 | 130km/h |
| 減速度 | 4.3km/h/s(常用最大) 5.2km/h/s(非常) |
| 主電動機 | 220kW(WMT102B) |
| 制御装置 | PWMIGBT-VVVFインバータ制御 (WPC13) |
| 保安装置 | ATS-SW |
| 製造メーカー | 川崎重工業 |
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この表について
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瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」の輸送改善と在来車の213系を置き換えるために投入されたグループで、2003年に2両編成7本(計14両・P編成)が川崎重工業で製造された。
基本的な構造については2000番台2次車を踏襲しているが、JR四国との乗り入れ協定もあり、様々な改良がなされている。前面は連結運転時に常時乗客が編成間を通行ができるように貫通幌が設置され、他番台より平面的な形状となり、側窓は1000番台とほぼ同一の下降窓構造となった。窓周りの茶色の部分は上下方向に縮小され、車端部以外1000番台と同じデザインとなっている。なお、1000番台では乗務員扉後部の帯は端が丸くなっていたが、本番台では角ばったものとなっている[18]。動力伝達装置は従来のWNドライブからTD継手式(中実軸)平行カルダン駆動に変更されている。
また、ATS-Pが整備されていない路線で運用されるため、本番台は唯一準備工事のみの施工となっている。本番台も新造後に前面のスカート部が強化されたが、運転台前面のパイプ型のプロテクタの設置は見送られている。
室内の変化としては、LED案内装置の下の広告スペースが従来より拡大された点、乗務員室付近の意匠が125系に準じたものになった点が挙げられる。車掌部は開放スペースになっているが、いたずら防止のためにドアスイッチ類にカバーが設けられている。
同年10月1日から同時に投入されたJR四国の5000系3両編成6本(計18両・M編成)とともに運用に就き、深夜・早朝が2 - 3両編成、日中が5両編成、ラッシュ時の一部が7両編成として運用についていた。しかし、2007年6月下旬からラッシュ対策として5000番台の2両編成に2000番台のサハ223形が組み込まれ、3両編成に増結された。そのため、深夜・早朝は3両編成、日中が6両編成、ラッシュ時の一部が9両編成となっている。増結されたサハ223形は全て窓が下降式ではない車両であったため、現在全編成で帯幅、窓構造が揃っていない。
9000番台
| 9000番台 | |
|---|---|
クモヤ223形9001(U@tech)(2006年12月26日)
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| 編成 | 1両 |
| 起動加速度 | 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 130km/h |
| 減速度 | 4.3km/h/s(常用最大) 5.2km/h/s(非常) |
| 編成質量 | 39.4t |
| 主電動機 | 270kW |
| 制御装置 | 1C1M 2レベル電圧型PWMVVVFインバータ制御 |
| 保安装置 | ATS-SW・ATS-P |
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この表について
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本来は1998年11月に川崎重工業で1両のみ製造した2シート工法(2000番台)の試作車である。クモハ223-9001と番号が付けられていたものの、川崎重工業の所有物であり、無車籍であった。
後の2000番台と異なり、前面にフォグランプが装備されておらず、フォグランプ部分に前照灯が、前照灯部分に尾灯が設置され、尾灯の分だけ灯具部分の切り欠きが狭められて1000番台と同じ切り欠き幅となっている。また、冷房室外機も集中式1台である。
車体の製造工法確認を目的として試作されたものであったため、車籍を与えられることもなく評価試験後は工場内に留置されていた。しかし、2004年8月に在来線用技術試験車を用意するにあたり、「130km/hで走行できる余剰車」ということからマリンライナーの新車置き換えで余剰となった213系2両(クロ212-1・サハ213-1)とともに試験車の種車として抜擢された。
試験車は「U@tech」(ユーテック)と名付けられ、試験の主目的である地上と車両を高速大容量通信で結ぶ「沿線無線WAN」[19]が搭載された他、本線走行用のATS設置、新開発の永久磁石同期電動機、台車、シングルアームパンタグラフなど、様々な試験装備を搭載して試験データの収集を行っている。
改造後も無車籍(機械扱い)の状態が続いていたが、2007年3月31日付でクモヤ223-9001として正式にJR西日本籍に編入され、またクロ212とサハ213はそれぞれクヤ212-1とサヤ213-1に改称された。塗装は3両とも統一の青系統のラッピングが施され、配置区所の吹田工場を示す「京スイ」の文字が入れられた。
実験は主に吹田工場内とJR京都・神戸線で行われる。なお、高槻駅の1番線には「U@tech」専用の停止位置目標(折り返し用)がある。
鉄道総研R291形試験電車
鉄道総合技術研究所(鉄道総研)向けに、R291形試験車が223系2000番台の車体をベースに近畿車輛にて2両製造され、2005年に納入された。塗装は窓周りが2000番台同様の茶、窓下が青紫の2色の帯となっている。
後にJR東日本E231系電車用の台車、開発中の燃料電池システムと組み合わせて、燃料電池試験車のクヤR291-1に改造された。改造後は単独でも運転可能だが、動力車とクモヤR290-1との2両編成が基本である。ただし、車籍がないので、本線走行はできない。
クヤR291-1は、35MPa高圧水素タンクを床下に搭載するが、燃料電池システムとインバーターは客室の一部を占める形で搭載されており、あくまで鉄道車両用燃料電池システム開発のための試作車である。セルスタックはアメリカ・NUVERA社製18.75kWの固体高分子形燃料電池(PEFC)を8基[20]、電動機は95kWを2基搭載する。実用規模での鉄道車両用燃料電池システムの開発は2007年~2008年を予定しており、二次電池も今後搭載される予定である。
燃料電池試験車両としては、この他にJR東日本のNEトレインがある。
脚注
- ^ a b ただし、全て3000番台を番台変更しているので変更後は7000番台のみ。
- ^ 2200番以降の車両は、CPを搭載して2000番台化(100を引く)した際に2100番台(2140番以降)の車両と重複しないように2300番台(2301~)にされた。その後2193~2200・2301~は6000番台化され6193~6200・6301~に変更されている。
- ^ 従ってこの時点で本系列使用の指定席車はなくなった
- ^ 結果的に同時期に製造された2000番台4次車との類似点が多く、223系では少数派の仕様となっている。
- ^ 既存の5両編成からサハ223形1両を編入する事が前提。
- ^ 既存の3両編成に連結される事が前提。
- ^ その後2006年頃にJR西日本の社長である山崎正夫より再び指定席車両を連結する構想が発表されたが、これは普通車の指定席での構想でありグリーン車の設計名目での発表ではない。
- ^ 本系列のVVVF制御器が発するスイッチングノイズが原因で、201系のCH-1サイリスタチョッパ制御器の前段に置かれた低周波検出装置が動作し、同一軌道を新快速と緩行が共用する大阪 ~ 新大阪間で201系緩行が走行不能に陥る現象が頻発した。この現象は223系側の制御器の個体差によるものであったとされ、原因の絞り込みと対策に時間を要することとなった。
- ^ 川崎重工業製はあるが、近畿車輌製はない
- ^ 同時期に登場した2500番台も同様である。
- ^ 窓を下降式にすること自体は不可能ではなく、実際同時期に同じ工法で製造されたE231系などでは窓が下降式になっている。後に本形式にも窓を下降式にした車両が投入されている。
- ^ 「混雑時など、時間帯により使用できません。」と書かれたプレートが設置されている
- ^ ただし、将来の設置を考慮して窓上部のロールカーテン巻き取り機構取り付けスペースと窓柱のカーテンレールは製造時より用意されており、後者はベージュ色の樹脂製目隠し板によって隠されていた。
- ^ これにより火災時の発煙が抑制されることになる。なお、321系と本系列ではつり革取り付け位置が異なるため、同系列では蛍光灯カバーと一体化されていたつり革支持棒が別取り付けに変更されている。
- ^ JR西日本平成20年5月定例社長会見
- ^ 鉄道ピクトリアル2008年5月号 2008年5月1日(株)電気車研究会 鉄道図書刊行会 発行
- ^ ROLLING STOCK & MACHINERY 2008年9月号 p.40 (社)日本鉄道車両機械技術協会 発行
- ^ 後に製造された2000番台5次車も同じものになっている
- ^ JR西日本傘下のジェイアール西日本テクノスとシスコシステムズが共同開発を行い、シスコシステムズが開発した無線装置内蔵モバイルルータの車載試験などを実施している。
- ^ システム内部で30kW使用するので外部出力は120kW
関連項目
- JR西日本の在来線車両 (■国鉄引継車を含む全一覧 / ■カテゴリ) ■Template ■ノート

