JR西日本683系電車

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JR西日本・北越急行683系電車
JR西日本所有車(0番台)
JR西日本所有車(0番台)
設計最高速度 160 km/h
起動加速度 1.8 km/h/s
減速度 4.6 km/h/s(常用最大)
5.2 km/h/s(非常)
車体材質 アルミニウム合金
軌間 1,067 mm
電気方式 交流 20,000V (60Hz)
直流 1,500V
架空電車線方式
歯車比 1 : 5.22
駆動装置 WNドライブ
制御装置 PWMコンバータ (WPC12) +PWM IGBT素子VVVFインバータ (WPC11)
1C1M制御(静止形インバータ一体型)
台車 軸梁式ボルスタレス台車ヨーダンパ付)
制動方式 電力回生併用電気指令式空気ブレーキ
直通予備抑速・耐雪ブレーキ付き)
保安装置 ATS-PATS-Sw
EBTE装置
製造メーカー 川崎重工業近畿車輛日立製作所日本車輛製造(2000番台「しらさぎ」用のみ)、新潟トランシス(北越急行所有の8000番台のぎ装を担当)

683系電車(683けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)と北越急行交直流特急形車両である。

概要[編集]

北陸方面の特急列車で運用されていた485系はリニューアル工事を施工するなど延命を行ったが、経年が30年前後と老朽化が進行していた[1]。485系の置き換え用として製造されたのが本系列である。681系の後継車として2001年3月3日のダイヤ改正から運用を開始した。

製造メーカーは川崎重工業近畿車輛日立製作所日本車輌製造新潟トランシスである。

2011年4月1日時点でのJR西日本・北越急行両社の合計車両数は261両である[2]。JRグループ発足後設計・製造された特急車両では、特急「あずさ」などで運用される東日本旅客鉄道(JR東日本)E257系の249両[3]を凌いで最多となる。

車両単位での681系との混結はできないが、編成単位では681系との相互連結を可能とした。

製造時期や投入列車などにより番台区分がなされ、0番台、2000番台、4000番台、8000番台が存在する。

構造[編集]

車体[編集]

非貫通型先頭車
非貫通型先頭車(貫通扉は準備工事のみ)
下枠交差式パンタグラフ(0番台)

アルミニウム合金による中空トラス断面のダブルスキン構造が採用されており、4000番台は、JR福知山線脱線事故後に製造されたため、オフセット衝突を考慮した車体強度の向上が行われている。

先頭車両の形状には編成間の移動を考慮した貫通型と非貫通型が存在するが、多客時の増結や他線への転用を考慮した結果、貫通型先頭車両の割合が増加しており、4000番台の両先頭車は貫通構造となっている(ただし、大阪方の先頭車であるクロ683形4500番台は準備工事)。

非貫通型先頭車は前面の前照灯尾灯形状を変更し、連結器カバーを簡素化した。さらに、北越急行所有の8000番台は前照灯にHIDを採用している。

また、681系と比較して屋根高さを60mm、床面高さを35mm下げ、さらなる低重心化が施された。曲線通過速度は681系と同様に半径400mのカーブの場合で最大本則+20km/hの走行が可能である。 0・2000・8000番台のガラスは681系と同様のグレー色のUVカットガラスで、4000番台では緑色のUVカットガラスに変更されている。側面窓が連続窓構造の681系とは異なり独立窓になっているが、窓と窓の間を黒塗装で繋げることで連続窓の様に見せて681系と併結した時に違和感が出ないようにしている。

主要機器[編集]

電動車(M車)は直流電車相当の機器のみを搭載し、付随車(Tp車)に集電装置変圧器整流器などの交直流対応装備が搭載されるというM-Tp(pはパンタグラフのp)ユニット構成となっている。これにより、電動車は直流電車と機器の共通化が容易となり、保守上も特高圧機器と高低圧機器の混在によるトラブル防止のメリットがある。それに加えて、ユニットを組まない付随車(T車)を組み込むことで編成を構成している。ユニット間に付随車を挟んでM-T-Tpといった組成も可能となっている[4]

M車には車両制御装置[5][6]空気圧縮機を、Tp車には主変圧器、主整流器、集電装置を搭載する。

主変圧器 (WTM27) は走行風利用自冷式を採用し、1,200kVAの容量を備える[7]

主整流器 (WPC12) は、通商産業省資源エネルギー庁によって示された「高圧又は特高圧で受電する需要家の高調波ガイドライン」に対応するために、自励式PWMコンバータが採用されている[8]

車両制御装置 (WPC11) は、IGBT素子を使用した3レベル電圧形PWMインバータである。1基の装置中にインバータを5基(主回路部4基+補助電源部1基)搭載し、インバータ1基で1台の主電動機を制御する1C1M制御方式を採用している。補助電源部が故障した際には主回路用インバータをCVCF制御することで補助電源のバックアップとしている。

空気圧縮機は除湿装置と一体化した、低騒音型スクリュー式 WMH3098-WRC1600 を搭載する[9]。スクリュー式空気圧縮機は223系2000番台以降や285系などでの採用実績がある。

集電装置は、681系と同一の下枠交差式パンタグラフ WPS27C である。4000番台は集電装置への着雪防止が考慮されたためシングルアーム式 (WPS28D) に変更された。

空調機器は、集中式の WAU704B が1両あたり1基搭載される。冷凍能力は36,000kcal/hであり、環境対策から冷媒フロンから3種混合ガスに変更されている。

デッドセクション通過時は運転席の交直切替スイッチを操作することで主回路が切り替わる。車内照明は直流電源方式で、デッドセクション通過時には蓄電池からの供給に切り替わるため、基本的に消灯しない。

台車[編集]

台車は、軸はり式のボルスタレス台車WDT301(電動台車)・WTR301(付随台車)である。乗り心地改善のために空気ばね中心間隔が30 mm拡大されて1,980 mmとなり、床面高さの低下から、台車は側枠の形状を変更し枕ばね取り付け位置が20mm引き下げられた。WDT301 の基礎ブレーキ装置は踏面ユニット方式であり、681系で採用されたキャリパディスクブレーキ方式に変更できるよう準備工事がなされている[10]。これは、130 km/hを超える速度での運用を考慮していないためである。WTR301の基礎ブレーキ装置は、踏面ブレーキとディスクブレーキ(1軸2枚)の併用である。

車内[編集]

683系のドア開閉時に鳴動するチャイム

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編成中の付随車(3両に2両の割合)でトイレ洗面所が設置され、そのうち編成中の1か所は車椅子に対応したものである。

客室両端には、3色LED式の車内案内表示装置が設置されており、4000番台は大型化されている。また、乗降扉にはドアチャイムが設置されている。音色は223系などと同一である。 デッキと客室との仕切扉は自動ドアであるがタッチセンサ式とすることで混雑時の仕切扉の無駄な開閉が見直された。

普通車は通路を挟んで横2列+2列の4アブレストリクライニングシートが配置されており、肘掛内蔵テーブルや、シートバックテーブルが備えられている。シートピッチは970mmで、座席モケットの色は、奇数号車はサーモンピンク、偶数号車はグレーブルーと分けられているが、4000番台では全車がブルーに統一され、腰掛の形状変更により乗り心地の向上が図られている。

グリーン車は通路を挟んで横2列+1列の3アブレストでリクライニングシートが配置されている。シートピッチは1,160mmで、肘掛内蔵テーブルやフットレストが備えられている。681系や新幹線500系のグリーン席と同様に、背もたれ上部にヘッドレストが装備されているのが特徴である。

2000番台には、普通車の最前列・最後尾列の座席にモバイルコンセントが設置されており、4000番台はグリーン車の全席にも設置が拡大されている。

4000番台は携帯電話の普及により、車内公衆電話は製造当初から設置されておらず、携帯電話の通話などに利用できるフリースペースを2・6・8号車に設置している。このスペースは当初喫煙ルームを予定していた[11]が、製造中に在来線特急全面禁煙化の方針に転換したため、『鉄道ファン』『鉄道ピクトリアル』両誌に掲載された形式平面図では業務用室扱いとなっていた。その後、営業運転開始とともに、携帯電話の通話などに利用できるフリースペースとして機能することになった[12]

番台区分別概説[編集]

形式・編成[編集]

大きく分けて、JR西日本所有で特急「サンダーバード」で運用され485系「雷鳥」「スーパー雷鳥」を置き換えた0番台と4000番台、同じくJR西日本所有で特急「しらさぎ」で運用される2000番台、北越急行所有で特急「はくたか」で運用される8000番台がある。ただし8000番台をのぞく電動車両には160km/h走行対応本工事がなされていないため、車両番号に1000が加算されている。

2000番台のみ編成の組成は逆向きでクロ682形を富山名古屋寄りに連結しており、クロ682形はパンタグラフを装備するTpscになっている。基本編成はT編成からサハ(付随車)1両を抜いた5両編成となっている。4000番台は着席定員の増加を目的に9両固定編成へ変更された。

クモハ683形 (Mc)
普通席を備える制御電動車。クハ682形・サハ682形とユニットを組んで使用される。富山・名古屋向き[13]運転台、車椅子対応設備を備え、車両制御装置・電動空気圧縮機などが搭載されている。
モハ683形 (M)
普通席を備える中間電動車。クロ682形・クハ682形・サハ682形とユニットを組んで使用されている。車両制御装置・電動空気圧縮機などが搭載されている。
クロ683形 (Tsc)
グリーン席を備える制御付随車。大阪向き運転台・トイレ・洗面所が備えられている。
クロ682形 (Tpsc)
グリーン席を備える制御付随車。モハ683形とユニットを組んで使用されている。富山・名古屋向き運転台・トイレ・洗面所・喫煙コーナー[14]を備え、主変圧器・主整流装置・集電装置などが搭載されている。
クハ683形 (T'c)
普通席を備える制御付随車。富山・名古屋向き運転台・トイレ・車椅子対応設備が備えられている。
クハ682形 (Tpc)
普通席を備える制御付随車。クモハ683形・モハ683形とユニットを組んで使用されている。大阪向き[13]運転台・トイレ・洗面所を備え、主変圧器・主整流装置・集電装置などが搭載されている。
サハ683形 (T)
普通席を備える中間付随車。トイレ・洗面所・車内販売準備室・車椅子対応設備・多目的室・自動販売機・業務用室・車掌室が備えられている。
サハ682形 (Tp)
普通席を備える中間付随車。クモハ683形・モハ683形とユニットを組んで使用されている。トイレ・洗面所・公衆電話を備え、主変圧器・主整流装置・集電装置などが搭載されている。
JR西日本
← 大阪・米原
名古屋・富山・和倉温泉 →
0番台 クロ683
-0
サハ682
-0
モハ683
-1000
サハ683
-300
サハ682
-0
クモハ683
-1500
クハ682
-500
モハ683
-1300
クハ683
-700
2000番台
「しらさぎ」用
クモハ683
-3500
サハ683
-2500
サハ682
-2200
モハ683
-3400
クロ682
-2000
クモハ683
-3500
サハ683
-2400
クハ682
-2700
2000番台
「サンダーバード」用
クハ682
-2700
サハ683
-2400
クモハ683
-3500
4000番台 クロ683
-4500
サハ682
-4300
モハ683
-5400
サハ682
-4400
モハ683
-5000
サハ683
-4700
サハ683
-4800
サハ682
-4300
クモハ683
-5500
北越急行
← 越後湯沢・和倉温泉
金沢 →
8000番台 クハ683
-8700
モハ683
-8000
クハ682
-8500
クモハ683
-8700
サハ682
-8000
サハ683
-8000
モハ683
-8300
サハ682
-8000
クロ683
-8000

0番台[編集]

JR西日本 0番台
0番台(非貫通車)
0番台(非貫通車)
編成 基本編成:6両 (2M4T)
付属編成:3両 (1M2T)
営業最高速度 130 km/h
編成定員 536名 (9両編成時)
編成質量 347.3t (9両編成時)
出力 245kW / 基 (WMT105)
台車 WDT301・WTR301
製造メーカー 川崎重工業
近畿車輛
日立製作所

特急「雷鳥」で使用している485系の置き換えを目的に製造された。車体側面には681系T編成と同様に THUNDERBIRD と表記したエンブレムを配している。色はグレーとブルーと□ホワイトである。

2001年(平成13年)3月3日ダイヤ改正ですべての「スーパー雷鳥」を置き換えるために、2001年1月から2月にかけて基本編成4本(T21 - T24編成)、付属編成4本(T31 - T34編成)の36両が落成した[15][16]

JR西日本持ちの「はくたか」で運用していた485系8両編成2本を681系に置き換えるため、2001年12月から2002年2月にかけて基本編成2本(T25・T26編成)、付属編成2本(T35・T36編成)の18両が落成した[15]

後述する683系4000番台の増備により、全車両が2009年10月から2011年3月にかけて京都総合運転所(現:吹田総合車両所京都支所)に転出し[17][18]、編成番号については基本編成がT21 - T26からW31 - W36に、付属編成がT31 - T36からV31 - V36に変更された。

2000番台[編集]

「しらさぎ」用編成[編集]

JR西日本 2000番台
2000番台
2000番台
編成 基本編成:5両 (2M3T)
付属編成:3両 (1M2T)
営業最高速度 130 km/h
編成定員 466名 (8両編成時)
編成質量 310.9t(8両編成時)
出力 245kW / 基 (WMT105)
台車 WDT301・WTR301
製造メーカー 川崎重工業
近畿車輛
日立製作所
日本車輌製造
2000番台(付属編成)

「しらさぎ」「加越」で使用していた485系の置き換えを目的に製造された。車体側面には白鷺イラストを添えた SHIRASAGI のエンブレムを配している。投入当初はエンブレムの上部に小さくShirasagi Kaetsuと表記した(登場時のパンフレットでも確認できる)が、「加越」の名称が消滅した2003年10月以降に消されている。

客室窓の下部の帯は「サンダーバード」用T編成の青一色と異なり上側が、下側をオレンジ色とし「サンダーバード」用のものより若干帯が太い。オレンジ色のラインに関してJR西日本では「『サンダーバード』との誤乗車を防ぐために入れた。名古屋に直通するイメージを簡単にあらわしたものである[19]」としている。これらのカラーパターンは先代の485系リニューアル車でも使われていた。

2003年3月15日ダイヤ改正で名古屋駅 - 富山駅間の「しらさぎ」4往復に投入するために、2002年11月から12月にかけて、基本編成4本(S01 - S04編成)、付属編成6本(S21 - S26編成)の38両が落成した[20]

同年6月1日に、485系で運転されていた残りの「しらさぎ」の4往復を本系列で置き換えるために、2003年4月から5月にかけて、基本編成4本(S05 - S08編成)、付属編成2本(S27・S28編成)の26両が落成した[20]

同年7月19日に、485系で運転されていた「加越」を本系列で置き換えるために、2003年6月から7月にかけて基本編成4本(S09 - S12編成)、付属編成1本(S29編成)の23両が落成した[20]

「サンダーバード」用編成[編集]

2005年(平成17年)に「サンダーバード」増結用に2000番台3両編成を4本(R10 - R13) の12両が製造された。方向転換(S編成とは向きが逆)を行ってT編成との整合性を取っている。また、車両番号はS編成からの連番になっている。全車が近畿車輛で製造されている。

ドア位置をS編成と同じにすることで、6号車(9号車)富山・和倉温泉寄りと7号車(10号車)大阪寄りでこれまで不便だった乗降をスムーズにしている。車体側面の帯色はT編成と同一である。

4000番台[編集]

JR西日本 4000番台
4000番台
4000番台
編成 9両編成(3M6T
営業最高速度 130 km/h
編成定員 546名
編成質量 353.9t
出力 255kW / 基 (WMT105A)
台車 WDT301・WTR301
製造メーカー 川崎重工業
近畿車輛

老朽化の進む特急「雷鳥」で運用されていた485系を置き換えるために製造されたグループ。本系列の投入によって「雷鳥」が廃止された。この4000番台には0番台などには存在する流線型の非貫通の運転台の車両は製造されていない。また、大阪側の貫通路は準備工事の段階であり、扉が開く状態にはなっていない。また、683系内ではシングルアームパンタグラフを初搭載した。

第1編成は2008年12月に近畿車輛で落成し、同年12月14日に金沢まで甲種車両輸送が実施され[21]、金沢総合車両所に配置された。その後、2009年2月3日に公式試運転[22]、同年4月29日に富山駅・福井駅・金沢駅の順に車両見学会が行われた[23]

2009年6月1日のダイヤ改正で「サンダーバード」で営業運転を開始した[24]。2011年7月22日に最終編成が近畿車輛から出場したが、この編成は前面上部の前照灯が変更されている[25]

8000番台[編集]

北越急行 8000番台
8000番台(非貫通車)
8000番台(非貫通車)
編成 基本編成:6両 (2M4T)
付属編成:3両 (1M2T)
営業最高速度

JR線内 130 km/h

ほくほく線内 160 km/h
編成定員 536名
編成質量 354.9t
出力 245kW / 基 (WMT105)
台車 HDT301・HTR301
製造メーカー 車体:川崎重工業
艤装:新潟トランシス

特急「はくたか」で使用していた東日本旅客鉄道(JR東日本)の485系3000番台での運用を置き換えるために製造したグループで北越急行が所有している。車両愛称は681系2000番台と同じ Snow Rabbit Expressノックダウン生産であり、新潟トランシス(車体は川崎重工業)で製造され、2005年(平成17年)3月1日に営業運転を開始した。

書類上の所属は北越急行六日町運輸区であるが、保守整備は681系2000番台と同じくJR西日本に委託しており、金沢総合車両所で一括して整備している。付属編成の先頭車は0番台、2000番台と同様の貫通構造である。最高速度は160km/hで、683系では唯一160km/h運転を行う編成である。160km/h運転に対応するため、電動車では他番台で省略されていた681系電動車と同様のキャリパ式ディスクブレーキが復活した。

付属編成の乗降扉位置は既存編成との整合性を取るために変更せず、6号車と7号車の間には乗務員用の扉しかない。基本編成の3号車と4号車の間にも乗降扉は設けられておらず、屑物入れと自動販売機用のスペースになっている。

JR東日本の485系3000番台の運用を置き換えるにあたっては、JR東日本が新規に車両を開発・新造すること[26]もひとつの手段ではあった。しかし「はくたか」の運行区間のうち自社線内となるのは、直江津駅 - 犀潟駅間および六日町駅 - 越後湯沢駅間と非常に短いこと、ほくほく線での最高160km/hの高速運転には車両側に高速性能や気密構造が要求されること、仮にJR東日本が車両を新造した場合、北陸新幹線開業後に他線区に転用することがほぼ確実であることなどに鑑み、新潟地区など他線区の置き換えと同時に新造したり、1編成だけ新造するのは不合理との判断がなされ、北越急行が置き換える車両を受け持つことになった。このことにより走行距離相殺のバランスが崩れ、ほくほく線内においてはJR東日本への車両使用料の支払いがなくなり、逆にJR東日本・西日本線の走行時には両社から北越急行への車両使用料の支払いが発生する。北越急行としては、北陸新幹線開業後の採算悪化に備え早めに収入を上げるという判断も働いた[27]

車両配置と運用線区[編集]

2012年4月1日の車両配置[28]と運用線区は次の通り。

JR西日本[編集]

金沢総合車両所[編集]

金沢総合車両所には、2000番台3両編成4本(R10 - R13編成)、4000番台9両編成12本(T41 - T52編成)、2000番台5両編成12本(S01 - S12編成)、2000番台3両編成9本(S21 - S29編成)の合計207両が配置されている。

S編成は特急「しらさぎ」で運用されている。米原駅発着は原則5両編成、名古屋駅発着は原則8両編成(基本5両+付属3両)であるが、多客期には最大11両編成(基本5両+付属3両+付属3両)で運転することもあり、米原駅で増解結を行う。また、「しらさぎ」3・12号については金沢駅で富山駅発着の基本編成5両と、和倉温泉駅発着の付属編成3両と増解結を行う。米原駅で増解結した編成の間合い運用を兼ね、米原駅発着となる下り53号・61号と上り54号・62号を中心に基本5両+付属3両の8両編成で運転される場合がある。このほか、東海道本線「ホームライナー大垣」「ホームライナー関ヶ原」にも使用している。また、金沢側にS編成の基本編成を、大阪側にT編成の基本編成を連結した11両編成で運転されたこともある。

T編成は特急「サンダーバード」の大阪駅 - 富山駅・魚津駅間で運転されているすべての定期列車で運用されている。多客期には12両編成で運転されることもある。2011年5月中旬頃からは従来の489系に代わって、特急「はくたか」の異常時代走にも運用されている[29]

R編成は波動用編成であり、681系T11編成と共用で「サンダーバード」の増結用や臨時列車団体専用列車として運用されている。

吹田総合車両所京都支所[編集]

吹田総合車両所京都支所(旧:京都総合運転所)には、0番台6両編成6本(W31 - W36編成)、0番台3両編成6本(V31 - V36編成)の54両が配置されている。

同所所属の681系と共通運用で、特急「サンダーバード」8往復(大阪駅 - 金沢駅和倉温泉駅間)[15]と「びわこエクスプレス」(大阪駅 - 米原駅)、「おはようエクスプレス・おやすみエクスプレス」で運用されている。なお、「おはようエクスプレス」については福井駅→富山駅間の列車のみの運用である。「サンダーバード」のうち下り19・29・33・43号と上り8・12・20・32号の4往復は平日のみ6両編成、それ以外の列車は曜日に関係なく9両編成(基本6両+付属3両)で運転されている。

金沢所属時代の2003年3月15日には小浜線電化開業記念列車として小浜線にも乗り入れた[30]

北越急行[編集]

8000番台(貫通車)

六日町運輸区に6両編成1本 (N03) と3両編成1本 (N13) が配置されているが、車両の管理はJR西日本に委託しており、金沢総合車両所の681系「はくたか」用の編成と共通運用で、特急「はくたか」「おはようエクスプレス」(泊駅 → 金沢駅間)で運用されている。

また使用車両に関する問い合わせが多いことから、編成運用計画一覧が北越急行公式ウェブサイトで公開されている。付属編成は両側とも貫通構造になっているが、その構造を利用した12両編成での運用や付属編成2本を連結する運用は定期列車では存在しない。

脚注[編集]

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  1. ^ 8月定例会見(「しらさぎ」「加越」への新車投入について)インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2002年8月21日
  2. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表 2011夏』交通新聞社、2011年、p.402。ISBN 978-4-330-21211-1
  3. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表 2011夏』交通新聞社、2011年、p.405。ISBN 978-4-330-21211-1
  4. ^ 『鉄道ファン』2012年1月号、交友社、2011年、p.41
  5. ^ 主回路用インバータ(VVVF制御装置)と補助電源用インバータ (SIV) を一体化したもの
  6. ^ 編成ごとに東芝製と三菱電機製の2種類が使用されている。
  7. ^ 車両システム・推進制御システム・主変圧器--製品紹介-- - 三菱電機車両システム
  8. ^ 『鉄道ファン』2001年5月号、交友社、2001年、p.59
  9. ^ 『鉄道ファン』2009年5月号 交友社 2009年 「新車ガイド JR西日本683系4000番台」 p.73
  10. ^ HDT301(8000番台)は160 km/h運転を行うため、681系同様のキャリパ式ディスクブレーキが落成時から採用されている。
  11. ^ 鉄道ジャーナル』2009年8月号、鉄道ジャーナル社
  12. ^ 『鉄道ジャーナル』2009年9月号、鉄道ジャーナル社。
  13. ^ a b 一部編成では逆向きとなる
  14. ^ 2009年の全面禁煙化後は灰皿を撤去しフリースペースに変更。
  15. ^ a b c ジェー・アール・アール編『JR電車編成表 2011夏』交通新聞社、2011年、p.145。ISBN 978-4-330-21211-1
  16. ^ 通常、車両の新製日時に関しては編成ごとに記されるものである。しかし、T21編成に関しては2001年1月9日に落成したが、1号車のクロ683-1のみ同年2月28日に落成となっている。これに関して、製造時のミスによりクロ683-1の落成が遅れたとの説があるが、真偽は不明である。
  17. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表 2010夏』交通新聞社、2010年。pp.398 - 399。ISBN 978-4-330-14310-1
  18. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表 2011夏』交通新聞社、2011年、p.359。ISBN 978-4-330-21211-1
  19. ^ JR東海のコーポレートカラーはオレンジ色である。
  20. ^ a b c ジェー・アール・アール編『JR電車編成表 2011夏』交通新聞社、2011年、p.116。ISBN 978-4-330-21211-1
  21. ^ 683系4000番台,甲種輸送される - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2008年12月15日
  22. ^ 683系4000番台が公式試運転を実施 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2009年2月4日
  23. ^ 特急「サンダーバード」の新製車両見学会の開催について - 西日本旅客鉄道プレスリリース
  24. ^ 683系4000番台が営業運転を開始 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2010年6月20日
  25. ^ 683系4000番台が近畿車両から出場 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2011年7月23日
  26. ^ JR東日本在来線交流電化区間の商用電源周波数は50Hzだが、北陸本線梶屋敷駅以西に乗り入れるためには60Hz対応設備を要する。常磐線に配備されている特急車両のE653系は、50/60Hz双方の電源周波数に対応する。
  27. ^ 新たに「はくたか」仲間入りする特急車両(683系)について - 北越急行
  28. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表 2012夏』交通新聞社、2012年。ISBN 978-4-330-28612-9
  29. ^ 683系4000番代T52編成 出場試運転 - 鉄道ホビダス ネコ・パブリッシング RMニュース 2011年7月27日
  30. ^ わだちNo.95(2003年5月号) (PDF) - 鉄道友の会

参考文献[編集]

  • 「683系特急形交直流電車」 『鉄道ファン』2001年5月号(通巻481号)、p.58 - 64、交友社
  • 『データで見るJR西日本』 - 西日本旅客鉄道、p.117

外部リンク[編集]