JR九州817系電車

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JR九州817系電車
編成 2両編成49本(98両)
起動加速度 2.6km/h/s
営業最高速度 120(速度種別A24)km/h
設計最高速度 120km/h
編成定員 168人(立席)+90人(座席)=258人
全長 20,000mm
全幅 2,950mm
全高 3,680mm
編成質量 62.0t
軌間 1,067(狭軌)mm
電気方式 交流20,000V 60Hz
架空電車線方式
モーター出力 150kW
主電動機 かご形三相誘導電動機
編成出力 150kW×4=600kW
制御装置 VVVFインバータ制御
IGBT素子
駆動装置 TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式
ブレーキ方式 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 ATS-SK
製造メーカー 日立製作所

817系電車(817けいでんしゃ)は、九州旅客鉄道(JR九州)の交流近郊形電車

目次

[編集] 概要

1999年平成11年)に製造された815系を基本に、前面デザインや車内接客設備などの設計変更を行った車両。

筑豊本線折尾桂川間)および篠栗線の電化を前に製造され、2001年(平成13年)10月6日から同線と長崎本線佐世保線で営業運転を開始した。その後、増備が進み、南九州各地の電化区間でも使用されるようになっている。

815系同様、ワンマン運転に対応する。

[編集] 構造

[編集] 車体

摩擦撹拌方式 (FSW) により製造されたダブルスキン構造アルミ合金車体で、片側3箇所に両開き扉が設置されている。客室側窓は、扉間に1枚の固定式大窓を設けている。車端部の窓も固定式で、開閉可能な客用窓はない。窓ガラスUVカットガラスを使用し、カーテンを省略しているなど、日立製作所A-trainシステムを採用した815系の基本設計を踏襲している。

前面は貫通形であり、基本形状は815系に類似しているが、前照灯尾灯のデザインと取付位置が変更されているほか、左側前面窓の上に列車種別表示器を、右側前面窓の上に路線名表示器を設置している。

815系では行先表示が方向幕となっていたが、817系ではLEDによる表示に改められている。

車体塗装は無塗装(ヘアライン仕上げ)で、815系では赤色塗装であった車体前部の縁と側面客用扉は灰色に、貫通扉を含む前面部と前面下部のスカートは黒色に塗装されている。客用扉の脇にはシンボルマークが付く。このシンボルマークは配置される車両基地によって色が異なる。

[編集] 台車・機器

主回路制御方式も815系と同一のVVVFインバータ制御であり、IGBT素子を用いた交流回生ブレーキ全電気ブレーキが使用可能な主変換装置が採用されている。

運転台主幹制御器はワンハンドル式で、運転席側より力行5段、中立、抑速ブレーキ、常用ブレーキ7段および非常ブレーキとなっている。また、定速制御機能や乗務員支援モニタを装備するのは、815系と共通である。

台車は815系と同じく軽量ボルスタレス台車のDT404K(電動車)、TR404K(制御車)とされている。

[編集] 車内

車内

815系は座席がロングシートであったが、817系では座席は車端部も含め全席転換クロスシート(シートピッチ900mm、車端部連結面4席のみ固定かつシートピッチ850mm)とされている。転換クロスシートは座面と背もたれに木材を使用しており、座面と腰当部と枕部分には黒色の本革を張っている。また窓側の肘掛けは廃止して壁にくぼみをつけ、通路側の肘掛けも813系に比べ薄くして通路幅を拡大(813系約650mm、817系約820mm)している。壁・天井の化粧板は白色である。乗客への視認性を高めるため、2007年10月より「優先席」表示がされたシート枕カバー(白色)が装着されている。

出入口脇には折りたたみ式の補助椅子を設けている。この補助椅子は乗務員側でロックがかけられるようになっており、朝のラッシュ時等では立席スペース確保のためロックされる。座席のそばにある緑色LEDが点灯している時は補助椅子が使用可能となる。

出入口付近ではつり革を円形に配置し、乗降時の扉付近の混雑の緩和を図っている。この配置は817系の後に製造された813系300番台以降の車両にも採用されている。

LED式車内案内表示器は、一行表示で、下り列車進行方向に向かって右側(鹿児島本線川内〜鹿児島間では左側)となる客用扉の上部に設置されている。日本語と英語の表記が交互に表示される。これも815系と共通である。

[編集] 編成

上:クモハ817-13下:クハ816-13
 
上:クモハ817-13下:クハ816-13
上:クモハ817-13
下:クハ816-13

すべて2両固定編成で、上り方(鹿児島本線川内〜鹿児島間では下り方)が制御電動車クモハ817形、下り方(鹿児島本線川内〜鹿児島間では上り方)が制御車クハ816形である。

クモハ817形は主電動機、シングルアーム式パンタグラフ主変圧器および主変換装置などの電装部品を備えており、定員131人(座席定員50名(40+10):折りたたみ座席使用時)である。クハ816形は空気圧縮機および補助電源装置を備え、車内の後位側(連結面側)に車椅子対応の洋式便所および車椅子スペースを設けており、定員は127人(座席定員40名(32+8):折りたたみ座席使用時)である。

車両番号は編成ごとに同じ番号で揃えられている。また編成自体にも「Vxxx」の編成番号が付与されている。「V」は817系であることを示し、「xxx」は車両番号に対応している。ただし、1000番台のみ「10xx」ではなく「1xx」となる(車両番号-900)。車両前面に表記される編成番号は「Vxxx」だが、正式な編成番号は筑豊配置車が「VGxxx」、長崎配置車が「VNxxx」、熊本配置車が「VTxxx」、鹿児島配置車が「VKxxx」である。以前は南福岡配置車「VMxxx」、大分配置車「VOxxx」も存在した。

811系813系・815系との相互連結運転が可能であり、うち813系および815系とは、貫通扉を介して編成間貫通とすることが可能であり、併結の定期運用も存在する。

[編集] 番台区分

0番台(V001〜031)
2001年に登場した最初のグループ。主変換装置はV026〜031編成が東芝製、その他は日立製である。
1000番台(V101〜114)
福北ゆたか線で運用中の1000番台(黒崎 - 八幡間、2009年)
2003年(平成15年)から2005年(平成17年)にかけて製造されたグループ。車両番号は1001〜1014。0番台からの変更点は、以下のとおりである。
  • 将来中間電動車を増結可能とするため、主変圧器の形式を変更(容量の増大)。
  • 冷房装置が変更された。
  • 座席の座布団の厚みが増大された。
  • スタンションポール(アーチ状の手摺り)を扉付近の補助座席に設置した。0番台のうち、2003年10月時点で直方に残留された車両にも追設された。
主変換装置は、V108〜112編成が東芝製、その他は日立製である。
1100番台(V1101〜1104)
福北ゆたか線で運用中の1100番台(博多駅にて)
2007年(平成19年)に登場したグループ。1000番台からの変更点は、以下のとおりである。
  • 行先表示器を大型化した。本系列の前面上部には左から種別表示器と行先表示器と路線名表示器が独立して設置されていたが、本区分番台ではそれらの表示器が一つにまとめられキハ220形200番台813系1100番台のように大型化された。また、同様に側面の表示器も大型化され、その下の客室窓(第4エンド端)のタテ寸法がその分縮小された。ただし、車体正面の断面形状は従来車と同一であるほか、表示もこれまでの3色表示から橙色1色表示となった。
  • 1100番台の運用区間ではワンマン運転方式が車内収受式から駅収受式に改められていたため、駅収受式ワンマン運転には不要な運賃表示器整理券発行機、運賃箱は省略された。
  • 車両間に仕切り扉を設置した。
全編成とも、主変換装置は日立製である。

[編集] 沿革

[編集] 所属および運用

[編集] 直方運輸センター所属車

運用区間
配置


2両運転時はワンマン運転を実施している(小倉 - 門司港間は車掌乗務)。運行開始当初から2006年3月17日までは、無人駅では車内で整理券発行と運賃収受を行う車内収受式であった。

2006年3月18日のダイヤ改正で駅収受式となり、現在は整理券発行機は使用されておらず、運賃表示機は次駅のみを表示するようになった。

また、2007年3月より、運転席に設置されたホーム確認用液晶モニターの運用を開始した。これは、従前プラットホームに設置されていたホーム確認用バックミラーの機能を有するものである。駅に近づくと点灯し、駅からある程度離れると自動的に消灯する。

2009年4月より、ホーム検知装置の運用を開始した(ワンマン運転時のみ)。これは、車両側に設置された装置と各駅のホームの線路内に設置された地上子により、ホームの有無・左右方向を判定し、ドアがホームにかかっていない場合もしくはホームと反対側のドアを開扉操作した場合には、開扉できないようにする装置である。
装置取付は直方運輸センター所属の817系・813系電車に順次行われ、取付済み車両には「ホーム検知搭載車両」のステッカーが運転台モニタ上に貼り付けられている。

[編集] 長崎運輸センター所属車

運用区間
  • 長崎本線(非電化区間を除く)
  • 佐世保線
  • 鹿児島本線(荒木 - 鳥栖)早朝の上り1本のみ

鹿児島本線荒木 - 鳥栖間の運用は、715系が使用されていた頃から継続されている。この他、鳥栖 - 南福岡間の回送運用がある。

配置
  • V020 - 031(12編成24両)

新製時は南福岡電車区(本ミフ→北ミフ)に所属していたが、2005年2月に全編成とも転属している。

運用線区全区間で、2両編成時はワンマン運転を実施している。当初は全区間車内収受式であった。

2006年3月18日ダイヤ改正より鹿児島本線と長崎本線鳥栖 - 肥前山口間、長崎本線諫早 - 長崎駅間は駅収受式に変更された。それ以外の区間は車内収受式である。

[編集] 熊本運輸センター所属車

運用区間
配置
  • V001・012・013・015~017(6編成12両)


当センター所属の815系とは運用が分離されている。ただし、互いに代走することがあるほか、815系と817系の併結運用もある。なお、大分運輸センター所属時は日豊本線柳ヶ浦佐伯間で車内収受式ワンマン運転により運用されていた。

運用線区全区間で、2両編成時は駅収受式ワンマン運転を実施する。ただし、田原坂駅乗車券自動券売機が設置されていないため、乗車方法が異なる。2006年3月までは全区間車内収受式だった。

[編集] 鹿児島総合車両所所属車

運用区間
配置
  • V002 - 011・018・019(13編成26両)

いずれも新製時は直方運輸センター所属であったが、1000番台・1100番台配置に伴い転入した。


転属当初は日豊本線での運用が主体だったが、2004年3月13日以降は在来線特急「つばめ」が廃止された鹿児島本線での運用が主体となり、同線内普通列車のスピードアップや老朽車両の置き換えが図られている。また編成の向きは、転入当初では本所所属の475・457系等と同様に鹿児島本線上での向きを基準としていたため、日豊本線等その他の線区では上下の向きが逆転していたが、2007年3月現在では方向転換が行われ日豊本線を基準とする向き(クモハ817形が713系のクモハ713形と同一方向を向く)となった。

運用線区全区間で、2両編成時は日豊本線の一部の列車を除きワンマン運転を実施している。 鹿児島本線と日豊本線国分鹿児島間のみ2006年3月に車内収受式から駅収受式に変更された。

[編集] 車体のロゴ

本系列も他のJR九州の車両と同様に、多数のロゴ類が車体に貼付されている。

車体側面のシンボルマークは、配置される車両基地によって色が異なる。ただし、熊本所属車のうちV016・017編成はロゴ下部に黄色が残されている。また、運転席横の縦書きの「KYUSHU RAILWAY COMPANY」ロゴは、長崎(旧南福岡)所属車のみ赤色で、他の車両は全て黄色である

管轄
  筑豊篠栗鉄道事業部直方運輸センター
  長崎鉄道事業部長崎運輸センター(かつては南福岡電車区所属車が使用)
  熊本鉄道事業部熊本運輸センター(かつては大分鉄道事業部大分運輸センター所属車が使用)
  鹿児島総合車両所

[編集] その他

  • JR九州によると、817系は走行する際の1両あたりの消費電力が415系の半分程度(53%)としている。[1]

[編集] 脚注

  1. ^ 省エネ型車両の投入割合62%に到達 九州旅客鉄道、平成20年6月24日

[編集] 関連項目

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