ディスチャージヘッドランプ

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ディスチャージヘッドランプ(discharge headlight、放電式ヘッドライト)は、従来の白熱電球ハロゲンなど)に替って、メタルハライドランプなどのHIDランプを使った自動車前照灯である。

メーカーによって、HIDライトキセノンヘッドランプなど、呼び方はさまざまである。

日本車で初めて設定された車種は三菱ふそうの大型トラック、スーパーグレート(1996年)、乗用車は日産テラノ(1996年9月)である。


目次

[編集] 概要

[編集] 原理

従来型ランプは家庭用の白熱電球と同様のバルブ内のフィラメントへの通電による電熱で点灯するのに対し、ディスチャージヘッドランプはキセノンガスを封入したバルブ内の電極間の放電で点灯する。仕組みとしては、そのほかのガスを使うネオン管や家庭用の蛍光灯と同様である。このため、従来型ランプとディスチャージランプでは、それぞれが白熱灯と蛍光灯に近い特徴を持つ。

HIDバルブを用いた前照灯は、白熱バルブに比べて明るい上に、消費電力が低いため発熱も少ない。フィラメントを使わないことで、消耗と突入電流や振動による断線の心配も無く、長寿命である。

放電灯の特性上、バラストと呼ばれる安定器が必要な他、点灯直後は色温度が高く暗いため、安定した光色や光束になるまで、数秒から数十秒を要する。

光束が従来型バルブに比べて大きいので、車両の姿勢によっては対向車への眩惑も大きくなるため、光軸調節の機能が付いている事が多い。 ヨーロッパに於いてはディスチャージ認可にあたって自動光軸補正機能が要件とされた。

[編集] 沿革

耐久レースでの試用に始まり、初期は趣味性の高いスポーツタイプの車や、大型トラックの一部に用いられるのみであった。その後、量産効果によるコストダウンに伴い、近年では実用車にも広く普及し、夜間の視認性、安全性の向上に寄与している。

[編集] 色温度

HIDバルブの色温度はメーカー純正のもので概ね4000-4500Kであるが、市販のバルブ(バーナーとも呼ぶ)では、3000K(電球色)、5000K(白色)、6000K、8000K、20000K(水色)といった様々な光色がある。

色温度が高いほど青白い光となり自動車の外観的イメージを変えられるが、色温度が高いほどライトの明るさが減少しかつ人間の目の感度も落ちるので、視認性向上の目的では色温度が高いほうが良いとは言えない。そのため、純正ヘッドランプでは最も運転中の視認性が高いとされる4000-4500K程度に設定されることが多い。また、蛍光灯程度の白色をしたライトならば路面の白線が見やすく晴天時には視認性が高まるとも言われるが、色温度が高く青白い光を発するライトでは路面の白線が視認し辛いことがある。

[編集] アフターマーケット

従来型バルブとの交換による、いわゆる後付けHIDバルブは、多くの用品メーカーが市販しているが、バラストの取り付けや配線の加工には、ある程度の技能と知識が必要である。交換後も、紫外線焼けによる反射鏡の劣化や、メーカーの保証が無くなるなどのリスクもある。また、色温度の高いものでは車検を通らない場合もある。なお、かつては雨や霧の中での視認性に優れるイエローバルブを装着している車種もあったが、2006年1月以降生産された新型車はヘッドランプが、イエローバルブでは車検に通らないので注意が必要。(ただしフォグランプはイエローバルブでも可)

[編集] 遠近切り替え

ハイビームロービームが別になっている4灯式では、HIDバルブの点灯が安定するまでに時間を要する点から、ハイビームはハロゲンなどの白熱電球で、ロービームのみに用いているのがほとんどである。2灯式ではソレノイドにより機械的に可動する反射板でロービームとハイビームの配光を切り替えるようになっているのが一般的である。

バイキセノンと呼ばれる物は、ロー/ハイの切り替えを一つのランプユニットで実現したものである。これはプロジェクターヘッドランプの構造を生かして遮光板を動かすもの、リフレクターヘッドランプではバルブの位置を動かすものとバルブの近傍にある遮光板を動かして照射範囲を可変させる。バルブ、あるいは遮光板は電磁ソレノイドなどで動かされる。

[編集] 水銀フリーHIDバルブ

一般的なHIDバルブには水銀が封入されているため、現状では、仕向け地によっては使用されていない。すでにハリソン東芝ライティングから、次世代用水銀フリーHIDバルブの技術発表もされており、今後は水銀不使用に移行する。

[編集] その他

白熱タイプに比べて発熱量が少なく、熱で変形・劣化しうる樹脂レンズの使用も容易になる。一方、レンズに付着した雪を熱で融かす効果はあまり期待できない。そのため積雪地では、ハロゲンなどの従来型の白熱タイプの方が、降雪時の視界確保には有利だとする意見もある。

国際連合欧州経済委員会 (UNECE) による自動車基準調和世界フォーラムWorld Forum for Harmonization of Vehicle Regulations:欧州諸国を中心に、日本、オーストラリアなども加盟)では、ロービームで2000ルーメン以上の光束を持つ光源を使用するヘッドランプに対して洗浄装置を装備することを規定している。ECE R99で規定されているD1、D2、D3、D4タイプを使用するディスチャージヘッドランプは、これに該当する。

[編集] 関連項目