クラッチペダル

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自動車運転席下部のペダル。左からクラッチペダルブレーキペダルアクセルペダル

クラッチペダル英語:clutch pedal)は、自動車クラッチを断続するための足踏み式の部品。マニュアルトランスミッション(MT)車に装備される。四輪車ではほとんどの場合、運転席の足元に位置し、ブレーキペダルの左側にある。

操作[編集]

クラッチペダルは通常左脚で操作する。踏み込む時には一気に踏み込み、戻す時は1~3速などの低いギアではゆっくり戻すように操作するのが原則である。慌ててペダルを戻すと、速度域によってはエンストしたり、車体が揺れたりすることがある。

標準品では通常、足の滑りを防止するためにペダル表面にゴムが貼られているが、美観を重視した後付け品ではそれが備わっていないものが多いため、足裏が濡れている時には操作に注意を要する。

半クラッチ[編集]

クラッチペダルを完全に踏み込んだ位置から徐々に戻していくと、エンジンの動力が部分的に伝わり始める。この操作を半クラッチと呼び、停車時から発進する時や、低速ギヤで低速走行する時に用いる。自動車教習所では、坂道発進、S字やクランク、車庫入れ、縦列駐車の際にも使われるテクニックではあるが、長時間この操作を続けるとクラッチディスクを傷めるので注意が必要である(よく教習所等で車両毎に半クラッチの位置が違うのは、クラッチディスクの摩耗度合によるためである)。

シフトダウン[編集]

一般的なMT車のシフトダウン操作手順は次のとおり。

  1. クラッチペダルを完全に踏み込む。
  2. シフトノブを操作して現在のギアから低いギアへ落とす。同時にアクセルを吹かしてエンジン回転を上げる。
  3. クラッチペダルを戻す。

低いギアへ落とす際、ギア同士の噛み合いには回転差が生じているが、現代のMTにはシンクロメッシュ機構が備わっており、その回転差を吸収するためスムーズに変速できる。手順中にあるアクセルを吹かす操作をブリッピングとも呼ぶ。

ダブルクラッチ[編集]

旧車(クラシックカー)トラック、建設機械の中にはシンクロメッシュ機構が貧弱であったり備えないものがあり、その場合はギア同士の回転合わせを運転者自らが行わなければならない。一般的な手法としてはダブルクラッチが挙げられる。操作手順は次のとおり。

  1. クラッチペダルを完全に踏み込む。
  2. ギアをニュートラルへ。
  3. クラッチペダルを戻す。
  4. アクセルを吹かす。
  5. クラッチペダルを完全に踏み込む。
  6. ギアを落とす。
  7. クラッチペダルを戻す。

クラッチスタートシステム[編集]

かつてクラッチペダルを踏まずにエンジンを始動した際、ギアが入っていることに気付かず車両を暴走させる事故が後を絶たなかったため、近年のMT車ではクラッチペダルを踏み込まないとセルモーターが回転しない仕様の車種が増えている。踏み切りなどでエンストした際に、セルモータを回転させて脱出するという方法がとれないので注意が必要である。

関連項目[編集]