パーキングブレーキ

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パーキングブレーキレバー(日産・キューブZ10用)
一番左端にあるペダルが脚踏み式のパーキングブレーキ(日産・オッティAT車仕様))
大型車のホイールパーク式パーキングブレーキレバー(中央:三菱ふそう・エアロスター用)
ブレーキ警告灯 パーキングブレーキ使用中やブレーキフルードの液面低下時に点灯する

パーキングブレーキ: parking brake)とは、

  1. 機械の動作や移動をとめるための手動式の制動機構。または、その機構で止める行為。
  2. 自動車ブレーキ機構のひとつ。駐車ブレーキとも表記される。また、運転席の横にあるものは和製英語サイドブレーキとも呼ばれる。英語では、通常のブレーキが効かない場合に非常用として使われるためエマージェンシーブレーキ (emergency brake) とも、また手で操作する物はハンドブレーキ (hand brake) とも呼ばれる。

いずれも止めるための仕組みは摩擦ブレーキで、多くの場合、動作はてこねじカムなどによって倍力される。また、操作の伝達もロッドケーブル歯車チェーンによる機械式となっている。

目次

[編集] 自動車用

[編集] 操作方法

自動車のパーキングブレーキは、従来は床のブレーキレバーを手で上に引き上げたり、ダッシュボード付近から手前に引っ張り出したりしていたことから、「ハンドブレーキ」「サイドブレーキ」と呼ばれていた。しかし、近年ミニバンや高級セダンを中心に足踏み式や、小型のスイッチで作動させる電気式パーキングブレーキが広まりつつあり[1]、「ハンド」「サイド」ともに実情にそぐわなくなってきたことから、カタログの表記などでは「パーキングブレーキ」あるいは「駐車ブレーキ」という呼称に統一されている。

パーキングブレーキは駐車時のみならず、ドリフト走行のきっかけとしてや、フットブレーキの故障などで車を停止できなくなったときの非常用ブレーキとしても有用である。特に後者に関して自動車ジャーナリスト笹目二朗は、足踏み式(特に2度踏み解除方式)や電気式ではオンオフのスイッチ的な使い方しかできず、安全性に問題があることをたびたび指摘している。

氷点下ではブレーキ周りやワイヤー被覆内の水分が凍結し、長時間の駐車の際にブレーキ解除が不可能になる恐れがあるため、パーキングブレーキを使わないことが推奨されている(オートマチックトランスミッションではP位置にレバーをセットし、マニュアルトランスミッションではエンジン停止後、1速(上り坂)あるいは後退位置「R」(平地・下り坂)にセットする その後、輪止めを車輪にかませることが推奨される)。初代レンジローバーのパーキングブレーキはプロペラシャフトと同軸のセンターブレーキであるが、その動作にはワイヤーに代えてロッドを用いており、ある程度の凍結であればパーキングブレーキレバーを押し込むことで解除できるようになっている。

[編集] 構造

パーキングブレーキ機構は、ほとんどの場合はリアブレーキに備え付けられる [2]。 一般的にはワイヤーで駆動されるものが多く、1980年代に総輪ディスクブレーキが採用され始めた頃は、ワイヤー駆動でリアキャリパーを作動させるタイプのものが存在したが、このタイプのパーキングブレーキは自己倍力作用がなく拘束力が小さいため[3]、ほどなくハブ内部にパーキングブレーキ用の小型のドラムブレーキを内蔵したインナードラム式(ドラムインディスク)に取って代わられた。後輪がドラムブレーキの場合は自己倍力作用による拘束力が強く、リアブレーキとパーキングブレーキを一つのドラムで兼用できるため、車両総重量の大きい大型トラックバスを始め、大衆車軽自動車などでいまだに広く用いられている。 ライトトレーラーでは、車体に設置したワイヤーやチェーンをホイールに引っ掛ける簡易な方式のパーキングブレーキも、近年認められるようになった。

[編集] センターブレーキ

大型車や一部の四輪駆動車ではプロペラシャフト(推進軸)を拘束する「センターブレーキ」が採用されていた。これは通常トランスミッションの直後に設置されており、ファイナルドライブギア減速比に応じて拘束力がさらに強まる長所があるが、片輪が接地していない場合、ディファレンシャルギアの作用によって反対側も回転してしまい、車両が転動する危険もあるため、特に凍結した坂への駐車には適していない。坂路でのチェーンかけ中の転動事故は、他の方式に比べて起きやすいといえる。中期ブレーキ規制対応大型車輌の場合、「ホイールパーク式」のパーキングブレーキが現在の主流となっている。

[編集] エアブレーキ

大型車のほとんどは基礎ブレーキがエアブレーキで、そのためのエアコンプレッサーを持っており、パーキングブレーキの動作にも圧縮空気を用いている。圧縮空気でパーキング用のブレーキチャンバを加圧することにより、パーキング状態が解除される。シフトレバーや運転席の横に短い操作レバーがあり、一般的にレバーを上げると駐車状態、下げると走行状態となる[4]

  • 大型セミトレーラトラクタの場合は、パーキングブレーキとは別にトレーラ側にだけブレーキを掛けるレバーが有り、それを「ハンドブレーキ」と呼ぶ場合があるが、駐車ブレーキのことではない。

[編集] 備考

走行中のテレビ視聴を防ぐため、パーキングブレーキをかけないとテレビなどが映らない機種がある。同様にカーナビでは、パーキングブレーキセンサーを接続しないと操作ができないものもある。

[編集] オートバイ用

オートバイにおいては、斜面で停車してスタンドを立てた際に車体がずり下がり、転倒する恐れがあるために、古くはワイヤー式ドラムブレーキを装備する車種[5]において、機械的にブレーキレバーを固定する簡素なパーキングブレーキ機構を備えるものが存在した。その後、一般的なオートバイにおいては油圧式ディスクブレーキが一般化したために、機構上ワイヤー式ブレーキにしか装備できないブレーキレバー固定機構は廃れていった。

しかし近年では大柄で重い車体を持つビッグスクーターにおいて、乗降の際の安全性を確保する目的で、過去に見られたブレーキレバーロック機構とは異なる、専用のパーキングブレーキを装備した車種が一般的に見られるようになってきている。

[編集] 脚注

  1. ^ 電動式は欧州の高級車などから普及が始まった。
  2. ^ 前輪にパーキングブレーキ機構が備え付けられた車種としては、スバル・レオーネが挙げられる。これには、対米輸出に際し、「駐車ブレーキは駆動輪に設けること」とされたアメリカのいくつかの州法に適合させる目的があった。
  3. ^ それ以外にも、ワイヤーディスク機構は構造上スライド式キャリパーにしか内蔵できず、ブレーキキャリパーのマルチピストン化にも対応できなかったため、早期に廃れてしまった。
  4. ^ バスの場合、インパネ側にレバーがある場合があり、その場合は上げて走行、下げて駐車となる。
  5. ^ ホンダ・CT110ホンダ・リードなど

[編集] 関連項目

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