オートバイの種類

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様々な種類のオートバイが一堂に介してのパレード。

オートバイの種類(オートバイのしゅるい)では原動機を搭載した二輪車であるオートバイの形状や用途による分類を解説する。

分類[編集]

オートバイは用途、設計、特徴などのさまざまな要素によって分類され、その種類は数多い。分類方法には法規に基づく排気量や変速型式を規準にする分類や、用途、構造、特性など、利用者の価値観に基づく分類などが挙げられ、それらを組み合わせた説明がなされている場合が多い。

たとえば、1980年代に出版された百科事典では、大別すれば、

  1. スポーツ性を重視し、身体を使いつつ、走行すること自体を楽しむタイプ[1][注釈 1]
  2. 通勤、通学などの移動手段として利用される比較的小型のタイプ[1]

になるとされ、1 のスポーツ性を重視したものをさらに細分化すると、

  1. 舗装道路を快適に走るためのオンロードモデル
  2. 路面状況を選ばず走るためのオフロードモデル

に大別できるとされている[1]。さらにスポーツ性を重視したモデルの中でも、オンロード、オフロードともに一般公道での走行ができない、オートバイ競技専用の車両なども存在する。

こうした規準を踏まえたうえで、一般に流通しているオートバイを扱うカタログ雑誌ではネイキッド、スーパースポーツ、ツアラー、メガスポーツ、クルーザー、デュアルパーパス、スクーター、レーサー、ビジネスバイク、などといった分類のもとにオートバイの車種の解説が行われている[2]

排気量の大きさで区別して、排気量の大きなものを「大型バイク」、排気量の小さなものを「ミニバイク」と分類することもある。例えば駐輪場の管理者などが用いており、何cc以上を大型と見なすか、その線引きについては、さまざまな方法がある。駐輪場などでは実際上は125cc以上で線を引いている例は多いが、文言上は50cc以上としている例もある[3]。自動車免許での運転が可能な原動機付自転車など、排気量の小さなものを「ミニバイク」と呼ぶことがある。

その車両を使用したレースなどが存在し、レギュレーションから一定の仕様が求められる場合などにおいては厳格な仕様、分類などが当てはめられる場合もあるが、こうした分類はメーカーによる販売戦略を受け、使い勝手の広さをアピールする意図で他の分類を意味する単語が与えられたり、オートバイ雑誌やユーザーなどによって異なる分類がなされ、さらなる細分化がなされることが多々ある。したがって、以下に列記する分類名は必ずしも普遍的なものではない。

オンロードモデル[編集]

オンロード車でワインディングロードを駆けるのもオートバイの楽しみ方のひとつである。
オートバイの楽しみ方はさまざまあるが、オンロードモデルを用いてサーキットでレースを行う、という楽しみ方もある。

オートバイメーカーの総合カタログなどにも用いられる大分類で、ロードスポーツロードバイクとも呼ばれる。舗装路を快適に走行できるように工夫されたタイプのオートバイを総称してこのように分類され、道路舗装の進んだ日本などの国では最も車種構成の幅広い分類である。

ネイキッド
他言語においてはスタンダード、あるいはロードスターと呼ばれることから、道路舗装の進んだ2012年現在ではもっとも基本的な形状であり、長時間の走行であっても負担のかかりにくい自然な前傾姿勢と足や腰にバランスよく割り振られた体重などから、状況やライダーの意思に応じて運転をある程度自由に選択でき、様々な状況に対応が可能な設計がなされた形状である。
1970年代にカウルが装着された車両の広まりを受けて、カウルを装着していない車両を対象にネイキッドと呼ばれるようになったが、それ以前はヨーロピアンといった名称が用いられていた。
これは戦後に、それまで一般的であったアメリカンと呼ばれる、シートに深く腰を掛け、上半身を後ろに反らした運転姿勢をとるオートバイと対照的な、やや前傾な搭乗姿勢をとるヨーロッパで広まっていた車両が新たに人気を得ていったことに端を発する。
なお、ヨーロッパではそのような形状のオートバイを用いてレース活動が行われていたことから、スポーツタイプといった呼ばれ方もされていた。そして、2012年現在ではヨーロピアンの特徴はネイキッドよりもオールドルックにその特徴を残している
ストリートファイター
これまでのネイキッドバイクと構成は似ているが、高い剛性を実現するダイヤモンドフレームやバネ下重量軽減を目的としたモノショック、倒立フォークなどの高い走行性能を実現する為に必要な車体構成にスーパースポーツと基本設計を共有するエンジンを搭載し走行性能を高めたもの。フルカウル車両のように徹底はされないものの、ネイキッドタイプより高い速度レンジでの走行を見越してある程度の風防性能を得るためのハーフカウルなどが装着される場合も多い。
スーパースポーツ
かつてのレーサーレプリカと呼ばれた分類に通じる、サーキットなどの高い性能が求められる状況での走行に比重をおいた設計がなされた形状。速さを主題とした設計がなされるために先進技術や軽量な素材などが投入され、各メーカーの技術や性能のイメージ牽引を担う存在であるために、車両を越えた各メーカー間の熾烈な競争が繰り広げられている。
スポーツ走行に最適化されたライディングポジションやエンジン性能のため、サーキットなどでは高い性能を誇る反面、強い前傾姿勢となるために長距離走行では疲労がたまりやすく、市街地走行や渋滞では廃熱量に対する十分な冷却が得られない危険性がある。
メガスポーツ
外観はスーパースポーツに近いが、大排気量のエンジンと比較的大柄な車体を持ったものをこのように呼ぶ場合がある。最高速度の自主規制が行われる以前に、世界最速、時速300kmを競い合っていた車両で培われたエンジン技術や車体構成を下地に、高速巡航での快適性、楽しみを追求した設計がなされた車両である。
ツアラー
長距離のツーリングを快適に行うことを目的とした設計がなされた車両。ツアラーとしての特性を与えられた車両は基本設計の差異により多岐にわたるが、総じて走行風による疲労を軽減するための大きめのカウルや無理のかからない搭乗姿勢、回転域を選ばず加速させる出力特性を有するエンジン、直進安定性の高い車体特性などを備えているのが特徴である。走行中の会話を可能にする無線システムの装備やタンデムシートの居住性能などを考慮した車両も存在し、高出力エンジンを搭載したハイスピードツアラーや旋回性能などを高めたスポーツツアラーといった細分化がなされる場合もある。
アメリカン
リクライニングチェアに座るように腰に体重をあずけ、北米大陸の郊外に多く見られる直線道路を長く移動する利用環境のなかで、アメリカ合衆国を中心に発達したタイプを日本ではこのように呼び、オートバイメーカーの分類にも用いられる。英語圏ではクルーザーと呼ばれる。ヤマハ・VMAXのようにドラッグレースをイメージさせるものはドラッグとも呼ばれる。
ストリートバイク
若者を中心に広がりをみせ、取り回しが楽で、市街地走行に十分なエンジン性能、空冷単気筒エンジンやシングルクレードルフレームといったシンプルな車体構成であるがゆえにスカチューンローダウンといった改造に対する自由度が高く、市販車両と異なる自分だけの仕様を実現できるような車両をストリートバイクと呼ぶ場合がある。
オールドルック
レトロ、ビンテージとも呼ばれ、スポークホイールや空冷エンジンなど、旧車が持つ外観的特徴を持つものをこのように分類する。本当の旧車は設計や製造そのものが古いのに対し、オールドルックは昔の(オールド)オートバイを模した外観(ルック)の意匠を持つだけで、部品は新しい設計のものが搭載されている。ビンテージは70年代のオートバイが多い。とりわけ、セパレートハンドルやカウルなどを装着し、60年代のレーサーを模した外観にしたものをカフェレーサーとも呼ぶ。
ビッグスクーター
従来は「スクーター」というと原付や小排気量車が一般的で、コストの低さや利便性がもてはやされ、ワインディングや高速道路での走行性能を重視したものは存在しなかった。そういったこれまでのスクーターの収納スペースなどの利便性、無段変速機ゆえの快適性は残しつつ、ワインディングに耐えられるような剛性のフレームや高回転域でパンチのあるエンジンなどを採用する事により、ライディングする楽しみを演出したバイクとしてビッグスクーターは提案された。快適で、かつ気軽にスポーツ性も得られるので、若者を中心としつつも中高年の人々まで幅広く受け入れられている。すでに日本でのビッグスクーターの販売台数は、ミッション式のオートバイの販売台数を抜いている[4][5]

オンロードモデルの画像イメージ[編集]

オフロードモデル[編集]

オートバイでは、舗装路を離れて大自然の中へと乗り出してゆく、という楽しみ方もある。オフロード車の特徴は未舗装路も走ることができることであり、一般にストロークの長いサスペンションなどを備え、オンロード車では走行不可能なこうした道でも走ることができる。
デュアルパーパスは未舗装路・舗装路のどちらも快適に走行でき、写真のような未舗装路のロング・ツーリングにも向いている。デュアルパーパス車やアドベンチャー車で大陸横断や複数の大陸走破を行う人もいる。

舗装道路以外でも走ることを前提に設計されたものを「オフロードタイプ」や「オフロード車」などと呼ぶ。中排気量のものを「ミドルオフロード」または「ミドルオフ」、大排気量のものを「ビッグオフロード」または「ビッグオフ」とも呼ぶ。総じて大径のスポークホイールや長いストロークを持つサスペンション、軽量で細身の車体を持っているのが特徴である。軽量化のためにバッテリーやセルモーターを廃したものもある。


デュアルパーパス
オフロードタイプのうち一般舗装路でも走ることも想定して必要な法定保安部品類[注釈 2]を備えたものをメーカーの大分類ではこのように呼ぶ。メーカーによってはトレイル(トレール)と呼称している場合もある。
最低地上高、サスペンションの構造やストローク、シート高、エンジン出力特性、純正装着されるノビータイヤのトレッドパターン、フロントフェンダーなどの外装の組み合わせにより千差万別である。
モトクロスタイプを意識した車高が高く、ライダーの技術を要するようなもの、舗装路での走行を主な用途としつつも突然の未舗装路などに対応できるよう適応力を高めたもの[注釈 3]、比較的コンパクトで全高の低い車体に小径幅広のノビータイヤを装着し、砂浜や雪原・泥濘などの走破性を特に重視したものなどが存在する。
アドベンチャー
デュアルパーパスのなかでも大排気量のエンジンとハーフカウルを搭載したものを、近年ではアドベンチャーと呼ぶ例が多い。[注釈 4]アフリカオーストラリアに見られる広大で平坦な砂漠地帯でのラリーレイド競技(ダカール・ラリーなど)で従来から使用されている車両のイメージを踏襲しながら、一般ユーザー向けに舗装路や市街地でも快適で使いやすい設計とした製品が多い。
スーパーモタード
スーパーモタードという競技を行うために設計された形状。また、スーパーモタードは市街地の走行に適した17インチラジアルタイヤが装着できたことから、レースに参加しないユーザーも市街地走行に適したオフロードバイクとして従来のデュアルパーパスをモタード風に改造したり、保安部品を装備したモタード風の車種がメーカーから市販されたりと、ストリートバイクのような使い方としても広く流行した。急斜面や段差などの走破性能に重点を置いた基本設計と、ラジアルタイヤを用いたアスファルトの上での走行性能を組み合わせ、パフォーマンスに主眼をおいたエクストリームと呼ばれる分類がなされる場合もある。大排気量のものは「ビッグモタード」または「メガモタード」と呼ばれる。
フラットトラッカー、ダートトラッカー
アメリカで発祥したダートトラックレースに特化したオートバイを指す。単気筒のエンジンを搭載したスリムで低めの車体で、サスペンションストロークは少なく、ダウンフェンダーで後部に大きなゼッケンプレートを持つ外観が特徴である。こうした外観的特徴を持ちながら保安部品を備えた車種も国産メーカーから市販されていたことがある。
モトクロッサー、モトクロスバイク
モトクロスと呼ばれる、林間や岩場などに設けられたコースでの競技に特化したもので、公道走行に必要な保安部品を持たないものがほとんどである。
エンデューロレーサー、エンデュランサー、エンデューロマシン、エンデューロバイク
オフロードの耐久レースに特化したオートバイを指す。モトクロスバイクに近いが、長時間の走行でも疲れにくい特性を持っている。公道走行できるようになっているものが多く、前述のデュアルパーパスと重なる特徴が多い。
トライアルバイク、トライアラー
岩場や沢、、あるいは人工の障害物などを走破する技術を競う競技(トライアル競技)に特化したオートバイを指す。車体は非常に軽くて細身で、燃料タンクも非常に小さい。トライアル競技中、競技者は微妙なバランスをとるために基本的に腰をおろさないため、このタイプではシートを持たない車両もある。かつては保安基準を備えて公道走行できる国産車も市販されていた。
ファームバイク、アグリカルチャー
一般的な特徴として、左右両側に備えられたサイドスタンド、大型のリアキャリアとハンドルポスト上のフロントキャリア、大型の泥除け(マッドガード)などを有し、人が歩く程度の速度で移動可能な低いギア比のトランスミッションや副変速機が備えられる。チェーンドライブの場合には牧草等の巻き込み防止の為にフルカバータイプのチェーンカバーが選択される事もあり、操作系統もクラッチレバーやブレーキレバーを引いた状態で固定しておけるロック機構が装着される等、一般的なデュアルパーパスとは大きく異なる外観や機能性が持たせられている。かつては機構の一部を省略しながらもこうした外観的特徴を強く残した車種が国産メーカーから市販されていたことがある。

オフロードモデルの画像イメージ[編集]

タウンユースモデル[編集]

出前機を搭載した出前仕様のカブ。
ベトナムホーチミン市など、東南アジアでは日本とは比較にならない重積載で運用される事もしばしばである。

通勤通学、あるいは事業活動そのものを補助する目的でオートバイが利用される場合は多い。移動や輸送を目的としたオートバイは日常の買い物などにも用いられ、通勤や通学の交通手段として用いられているオートバイをコミューターと呼ぶ場合もある。英語の"commuter(通勤者、通学者)"を由来としていているが、特にオートバイを限定して指す言葉ではない。

ファミリーバイクと呼ばれることもある。これはメーカーによる製品の分類名とする場合や、保険会社が提供する特約の対象として、用途が限定された車両の区分として用いられている場合などがある。[注釈 5]

また、報道や行政では、小型のオートバイを総称してミニバイクと呼ぶこともある。

経済活動を補助する目的で運用されるオートバイはあくまで目的を達成するための手段であるため、片手がふさがった状態であってもシフトチェンジができるように遠心式自動クラッチを採用してクラッチレバーを割愛するなど、運用を補助する簡便な操作形態に設計されている場合がある。 あくまで事業を補助する手段であるために、出力よりも経済性、利便性が優先され、積載量、耐久性、燃費や車両価格などに秀でた製品が重用される傾向にある。

スクーター
ほとんどの車両がオートマチックトランスミッションを用いた簡単な操作方法であるために特殊な技能が必要なく、フットボードの下をフレームが通る車体構成から車両をまたいで搭乗する必要がなく、自由度の高い着座姿勢をとることが可能で、オートバイに対する知識があまりない人であっても移動手段として利用することができるように設計された分類。
ビジネスバイク
郵便新聞などの配達業務、ラーメン屋蕎麦屋などに代表される外食業界の出前業務、銀行証券会社の顧客訪問などに利用されることを主眼に設計された車種をこのように分類する。多くは原付もしくは小型自動二輪車で、高い耐久性と低燃費が特徴である。一般に、多くの荷物を積めるように後ろの荷台が大きく頑丈で、また大きな前カゴをつけられるように設計されている。サスペンションは重積載に耐えるように固めのバネが組まれ、後ろの荷台に大きく背の高い貨物[注釈 6]を積んだ際にも乗降が楽なように、アンダーボーンフレームを有する「座る」スタイルの着座姿勢や、雨天時でも足もとが前輪の泥はねで汚れないように両足を覆うレッグシールドを備える場合も多い。[注釈 7]
宅配バイク
ビジネスバイクのなかでもピザやビールケースなどの運搬に最適化されたものが広く普及してこのように呼ばれるようになった。屋根付きの三輪スクーターが元来の形態で現行の市販車ではホンダ・ジャイロキャノピーが代表格となっている。1985年2月15日より道路交通法上はミニカーの扱いで[6]、ヘルメット着用と法定速度30km/hが適用されないことから、1985年に日本初の宅配ピザであるドミノ・ピザが創業する際に、ヒガ・インダストリーズがオリジナルで設計したのが始まりであった。1980年代後半から登録台数の増加に伴って事故も激増したことを受け、運行上の特性が二輪車に類似しているなどの理由から、1991年1月1日から道路交通法上の扱いが原動機付自転車に変更された[6]。後部には宅配商品を乗せるトランクが付いている。現在では屋根付き三輪スクーターに限らず、似たような形態のものを呼ぶ場合も多い。
モペッド
自転車のように足でこぐこともエンジンの動力で走ることもできる二輪車を指す。日本では訛ってモペットとも呼ばれる。原動機を指すモーター (motor) とペダル (pedal) のかばん語でモペッド (moped) と呼ばれるようになった。無免許で運転可能なフランスやイタリアの製品が多いが、現在の日本ではエンジンの動作状態にかかわらず原動機付自転車の扱いとなるため普及していない。

タウンユースモデルの画像イメージ[編集]

特殊車両[編集]

警察用車両[編集]

世界各国の警察がオートバイを警察車両として運用している。日本の警察では1914年に宮田製作所によって製作された車両の一部が導入されたのを最初として、1936年以降白バイに代表される運用がなされている。

消防用車両、救急用車両[編集]

消防庁も消防バイクとしてオートバイを活用している。消防バイクはオフロード車などを用いてポンプ車が入れない狭隘地などへ入り初期消火を担当している。

救急バイクはオートバイが四輪者に比べて小型で機動性の高い特性を利用し、渋滞の先にある事故現場へいち早く駆けつけて救命率を高めるために用いられている。日本でもわずかづつだが導入される動きがある。

軍用車両[編集]

第一次世界大戦以降、各国の軍隊はそれまでのに代わり、オートバイを用いて騎兵機械化を図っていった。始めは戦場での悪路走行や劣悪な整備事情を考慮して、サイドバルブやリジッドフレームなどの頑丈で信頼性の高い設計を用いた、ハーレーダビッドソンen:BMW R75等の大排気量のオートバイがサイドカー等の形態で用いられる事が多く、大日本帝國陸軍もハーレーのサイドバルブモデルをライセンス生産した九七式側車付自動二輪車等を採用していた。

第二次世界大戦航空機が発展してくると、空挺部隊などの新たな兵科が台頭する。この戦争でも前述の大型オートバイが引き続き使用され続けた一方、空挺兵の空挺降下後の移動手段の一つとして、輸送機内での携帯にも適した超小型スクーターが各国で研究開発され、幾つかは実戦配備に漕ぎ着けている。

戦後は復興に伴う道路事情の改善などにより、前述の旧式設計の大型オートバイは次第に淘汰されていき、憲兵の日常のパトロールに敵した高速走行重視のオンロード車、荒れ地でのより高速な機動性の確保を重視したオフロード車など、各国の軍事事情に合わせて様々な車種が選定され、採用されている。変わった例ではアメリカ軍が自軍の採用車種の使用燃料をJP-8に統一する目的で開発したディーゼルオートバイ(en:Diesel motorcycle)である、Hayes Diversified Technologies(HDT) M1030M1が存在する。

陸上自衛隊の情報小隊などではオフロード車を偵察、連絡用に使用している。災害時には、崩落地帯やがれきの山を突破して連絡したり救助活動を行うことができる。

競技用[編集]

オンロードレースやオフロードレースに関わらず、競技用の車両として一般向けに市販される完成車で、コンペティションとも呼ばれる。保安部品を備えず、登録書類は発行されないのが一般的である。レギュレーションに基づいて製造販売される物もある(ホモロゲーション)。輸入車両については、通関証明書類を提示し保安部品を備えれば正規に車両登録することが可能で、公道走行も行える場合がある。このことから、日本でも販売している競技用車両を海外から輸入(いわゆる逆輸入)して公道走行仕様にする業者もある。

ポケットバイクと呼ばれる、1970年代に日本で誕生したミニチュアサイズのオートバイや、ホンダ・QR50ヤマハ・PW50のように子供用として設計されたモデルもある[7]

その他[編集]

ファンバイク、プレイバイク
ホンダ・モンキーモトコンポなど、特殊なコンセプトを実現するために設計されたもの。採用されるコンセプトは他のオートバイでは考えられないようなものが多く、それゆえ嗜好性の高い製品としての個性を放つ。ファンライドバイクとも呼ばれる。[独自研究?]
トライク
3輪のオートバイをこのように呼ぶ場合がある。
サイドカー
オートバイ本体に平行して、追加の車体を取り付けたもの。側車とも呼ばれる。
全地形対応車
道路以外の地形も走ることを想定して設計された3輪または4輪の乗り物で、オートバイと同様の乗車装置や構造を持つ。ATVと略称されたり、日本ではバギーとも呼ばれる。
スノーモービル
雪上を走らせる乗り物で、オートバイと同様の乗車装置や構造を持つ。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ スポーツレースとは別の言葉で、同義ではない。
  2. ^ ヘッドライトブレーキランプウィンカー 等。
  3. ^ トレッキングバイクとも呼ばれる。
  4. ^ アルプスローダー(和製英語)やマルチパーパスと呼ばれる場合もある。
  5. ^ ファミリーバイク特約と称して125cc以下のオートバイに限定した保障内容を設けるなど。
  6. ^ 施錠可能な金属製ケースや、岡持ちを積載する出前機など。
  7. ^ 台数的に見て、多くがホンダスーパーカブに似た外観や機能性を持ち、その結果「カブ」がこのタイプのオートバイの代名詞となっている。なお、海外では「カブに似た外観や機能性を持つ」ビジネスバイクを総括してアンダーボーン(en:Underbone)という名称で呼んでおり、その分布は東南アジア全体に渡り、各国で独自の進化を遂げてきたと説明されている。。しかしながら、少数ではあるがヤマハ・ギア等のスクーター型や、スズキ・Kシリーズ等のオンロードと同じ「跨る」着座姿勢のものも存在する。

出典[編集]

  1. ^ a b c 世界大百科事典 第4巻、P. 303 オートバイ
  2. ^ 青木タカオ『図解入門よくわかる最新バイクの基本と仕組み』秀和システム、2010年
  3. ^ [1] (PDF)
  4. ^ 注 - 販売シェアの増大の影響により、自動二輪の免許制度にオートマ (AT) 限定枠が新設された。メーカー各社が良いビッグスクーターをいくつも市場に投入したため、購買者によってはミッション式のバイクからビッグスクーターへと志向をシフトさせ、結果として同一メーカー内でミッションタイプの販売台数の低迷に拍車をかけることになった、とも言われる。
  5. ^ とりわけ車検が存在がないため比較的自由にカスタムもできる250ccクラスのビッグスクーターは若い所有者の個性を表現するファッションアイテムとしても人気を博している。
  6. ^ a b 交企発第434号交指発第590号 (PDF) 石川県警察 平成2年12月26日
  7. ^ 仕様:PW50 - バイク スクーター”. ヤマハ発動機株式会社. 2014年3月31日閲覧。 “PW50は体重が25kg以下の方の使用を想定して開発しています。”

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]