モペッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
フロントタイヤ上部にエンジンを備えるヴェロ・ソレックスVéloSoleX

モペッド(Moped)はペダル付きのオートバイで、エンジン電気モーターなどの原動機だけで走行することも、ペダルをこいで人力だけで走行することも可能な車両の総称である。Motor(モーター、原動機)と Pedal(ペダル)のかばん語が語源とされる。日本の年配者を中心にバタバタとも呼ばれる場合もある。

概要[編集]

モペッドは本来、「原動機が付いた自転車」あるいは「ペダルでこげるオートバイ」のことであるが、日本以外の国ではペダルの有無にかかわらず小排気量のオートバイ全般がモペッドと呼ばれている。同様に、日本の法規において「原動機付自転車」はペダルの有無にかかわらず125cc以下あるいは50cc以下のオートバイを指す。このため、警察庁では本来の意味のモペッドに対して「ペダル付きの原動機付自転車」という呼称を用いている[1]

メカニズム[編集]

原動機は排気量が50cc前後の小型の内燃機関が多く、モーターを原動機とするものもある[2]。駆動方式にはいくつかあり、足こぎペダルとは別の駆動系で後輪を駆動する場合[3]や、足こぎペダルと共用のチェーンを介して後輪を駆動する方式[4]、フロントタイヤを駆動する方式[5]がある。より高性能なペダル付きオートバイでは、原付スクーターに見られる無段変速機(CVT)や自動変速機を備えたものもある。フキ製品には自転車用内装変速機のオプションがある。セルモーターを搭載している車種は少なく、ペダルで走行しながらエンジンを始動する方式のる車種もある。フレームは、自転車と同じ構造のものもあるが、走行安定性を向上させるサスペンションを搭載した車種が多い。

法規[編集]

かつてのヨーロッパでは許可制または車両登録のみで運転でき、運転免許が必要ない国が多かったことから、日本よりも普及し、他のオートバイと比べて欧州メーカーの割合が高い。なお2013年1月19日より、全てのEU加盟国で「Moped」(設計上の最高速度が25km/h超45km/h以下のオートバイ)の運転にはAM運転免許が必要となった。[要出典]

日本の公道で運用するためには、国土交通省が定める道路運送車両の車両保安基準に基づき、以下の部品を装備することが義務づけられている。

このうち、速度計と尾灯・制動灯、方向指示器については、構造により平地での最高速度が20km未満となる車両については義務とはならない。ただし道路交通法により、方向指示器や制動灯を装備していない車両であっても、手信号で合図を行うことが義務づけられている。また、エンジンを始動せずにペダルでこいで運転する場合でも原動機付き自転車としてヘルメットの着用などが義務づけられている[1]

日本における歴史[編集]

ホンダ カブ Fを取り付けた自転車

日本の純国産オートバイ第一号は1909年のNS号で、欧米に遅れること約40年。島津楢蔵によって製作されたNS号は400ccの4ストローク単気筒エンジンを自転車に搭載したペダル付きオートバイだった[6]

太平洋戦争後、旧日本軍から放出された発電用エンジンを取り付けた自転車が出現した。やがて小さなメーカから専用の自転車用取付エンジンが発売され、販売数は1948年には2,000台、1949年には10,000台ほどに達した。現在まで続くメーカーのうち、ホンダは1948年に50ccのホンダAを発売、1952年に「カブ 取付エンジン F型」を発売して1955年まで販売した。スズキは、1952年にパワフリー(36cc)を発売し、後継機種のダイヤモンドフリー、ミニフリーシリーズ(50cc他)を1959年まで発売した。当時オートバイも販売していたブリヂストンは、1954年に50ccの富士精機製エンジンを用いた取付エンジンを発売した。この頃は「バタバタ」とも呼ばれていた。[要出典]

1952年に原動機付自転車が届出のみで運転できるようになると、国民の足としてのオートバイの需要が増えた。1957年にタス・モーペッドが発売され、完成品としてのペダル付きオートバイが販売されるようになった。それまでは、50cc以下のオートバイは普通の自転車にエンジンを後付けにしたものしか存在しなかった。スズキはタスの翌年1958年にスズモペット(50cc)を発売した。[要出典]当時、原語のmopedと愛玩動物の「ペット」の両方にひっかけて[独自研究?]、「モペット」と呼んだ。

「モペット」は、ホンダ・スーパーカブ(1958年)などのようなアンダーボーンフレームのビジネスバイクも意味するようになり[要出典]、山口オートペット、ヤマハモペット、カワサキペットなどの車名に用いられた。1961年をピークとする「モペットブーム」はこれらアンダーボーンフレームのビジネスバイクのブームを指している[7]。その後も50ccのスクーターやビジネスバイクを含めた原動機付自転車のブームは度々訪れたが、足こぎペダルが付いていることを特徴とするモペッドは、日本の法規においてその利点を活かせず、ほかの種類のオートバイに比べると普及しなかった。しかし平坦な町乗りであればある程度実用になり、手がかかる分逆に愛着が湧く、いざとなれば自転車になる、ヨーロッパ風でおしゃれなどの点で、根強い人気がある。[独自研究?]

1966年にホンダ・リトルホンダP25、1973年にホンダ・ノビオ (PM50) が発売された[8][9]フランスのSOLEX5000をダイハツが輸入販売した(1974 - 76年)。ホンダ・ピープル(1984年)が国内バイクメーカー製ペダル付きオートバイの最後になった。1998年からフキ・プランニングがFK310を製造販売し、その後マメデザインがジャペッドを発売した。[要出典]

主な製造元と製品名[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 警察庁交通局 「ペダル付き原動機付自転車」の取扱いについて
  2. ^ SOLEX e-solexの試乗インプレッション|電動バイクならGooBike EV”. 株式会社プロトコーポレーション. 2014年3月17日閲覧。
  3. ^ NS号ホンダ・ピープルなど
  4. ^ ホンダ・ノビオなど
  5. ^ VéloSoleXなど
  6. ^ 日本の自動車技術240選
  7. ^ 「国産オートバイ20年のあゆみ」月刊オートバイ 2006年2月号。初出は1968年5月号
  8. ^ HONDA Collection/HONDA LITTLE HONDA P25”. 本田技研工業株式会社. 2014年3月19日閲覧。
  9. ^ ホンダノビオ〈PM50〉”. 本田技研工業株式会社. 2014年3月19日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]