点火プラグ

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点火プラグ(てんかプラグ)は予混合燃焼式内燃機関において混合気点火する装置である。電気的に火花(スパーク)を発生させる方式のものはスパークプラグ(: Spark plug)、電熱線または燃焼熱によって金属を赤熱(グロー)させる方式のものはグロープラグとも呼ばれる。プラグと略してよばれる場合もある。

接地電極1極式の点火プラグ。
+側ターミナルにキャップが付いた状態。
接地電極2極式の点火プラグ。
+側ターミナルのキャップを外した状態。

概要[編集]

点火プラグは予混合燃焼式内燃機関において、燃焼室に満たされた混合気に電気放電や赤熱した金属によって点火することにより、燃焼サイクルのきっかけを作る装置である。点火プラグが固定されるのはエンジンに設けられたプラグホールと呼ばれる穴で、シリンダー外部から燃焼室まで貫通している。点火プラグはプラグホールに栓をするように固定され、一端はシリンダー外部から電気を受け取り、もう一端はシリンダー内で放電あるいは発熱する。したがって、シリンダー内の燃焼熱や爆発圧力に耐えながら、火炎や圧力が燃焼室から漏れないように保つ構造を持つ。

スパークプラグ[編集]

典型的な4ストロークDOHCピストンエンジンの概念図。(E)排気カムシャフト、(I)吸気カムシャフト、(S)点火プラグ、(V)バルブ、(P)ピストン、(R)コネクティングロッド、(C)クランクシャフト、(W)冷却水が通るウォータージャケット

航空機や一部の自動車などを除き、レシプロエンジンでは基本的に1つのシリンダーに1本の点火プラグがあり、適切な隙間を設けた電極間に高電圧をかけることで火花放電を起こし、圧縮された混合気に点火する。点火プラグに供給される電圧はイグニッションコイルマグネトーで発生させ、点火プラグの中心電極をイグニッションコイル等に接続し、接地電極(もしくは側方電極)をエンジンのシリンダーヘッドカバーに接触させてアースとしている。イグニッションコイルからの電圧はプラグコードを介して供給される場合や、複数のシリンダーを持つエンジンではディストリビューターによって通電タイミングを定めている場合があるほか、イグニッションコイルが点火プラグに直接接続される場合もある。航空機用レシプロエンジンでは、失火によるエンジンストールを防止するために1シリンダに2本のスパークプラグがある。2本の点火プラグには別系統のマグネトーから電力が供給される。自動車やオートバイでも燃焼効率を上げる目的などで同様の形態をとるものがある。また、ヴァンケル型ロータリーエンジンでは点火時の気室が2部屋に分かれたような形状であるため、1ローターあたり2本の点火プラグを持つ。

中心電極と接地電極間の隙間はプラグギャップと呼ばれる。シリンダー内の混合気は絶縁体であるため電圧が低いと電極間に電流が流れることはないが、高電圧が印加されると混合気に絶縁破壊が起こり放電する。イグニッションコイルから供給される電圧は通常、10,000-30,000Vの電圧で[1]排ガス規制対策が進んだ近年のエンジンに用いられる点火装置では、より高温でより長時間のスパークを発生させるために45,000Vに達するものも登場している[要出典]

放電により生じた火花通路の温度は60,000ケルビンに達して混合気に点火し、発生した小さな炎の玉から次第にシリンダー全体に燃焼反応が伝播していく[2]。点火直後の火の玉の大きさはプラグギャップ内にある混合気の濃度や燃焼室内で発生する気流の乱れ強度に依存し、火の玉が小さいとエンジンは点火タイミングが遅れたような挙動を示し、大きいと点火タイミングが進んだような挙動を示す[2]

日本では日本特殊陶業 (NGK) とデンソーが製造している。かつては日立製作所も製造していた。日本国外では、米国のチャンピオンACデルコ、ドイツのロバート・ボッシュ、チェコのブリスク、イギリスのロッジ、フランスのEYQUEM 中国の湘火炬などが製造している。

歴史[編集]

1777年に、イタリアのアレッサンドロ・ボルタが、スパークによる燃料への着火を提唱。スイスのフランソワ・イザック・ドゥ・リヴァ (François Isaac de Rivaz) が1807年に、内燃機関用として提唱し、これがスパーク=イグニッション・エンジンの源となる。実際に製作したのは、フランスのジャン=ジョゼフ・エティエンヌ・ルノアールで、1876年のことだった。商用の観点からは、ロバート・ボッシュ社の技術者ゴットロープ・ホノルト (Gottlob Honold) が1902年にマグネトー型点火システムの一部として高電圧スパークプラグを開発したことが、その後のスパーク=イグニッション・エンジンの発展を促した。

年表

  • 1777年:ボルタがスパークによる燃料への着火を提唱
  • 1807年:ドゥ・リヴァが内燃機関用に提唱
  • 1876年:ルノアールが発明
  • 1885年:ルノアールがフランスで特許取得
  • 1898年:ニコラ・テスラが米国で特許取得
  • 1898年:リチャード・シムスが英国で特許取得
  • 1902年:ホノルトがドイツで商用化に貢献

(ドイツでカール・ベンツも特許取得している)

スパークプラグの構造[編集]

側方電極1極型の点火プラグの概念図。

スパークプラグの基本構造は、接地電極が溶接された外殻構造であるハウジングとイグニッションコイル等から受けた電圧を中心電極へ伝達する中心導体、およびそれらを絶縁する碍子で構成される。

ターミナル(端子
シリンダーの外に出る部分の先端には、イグニッションコイルなどで生成した電圧を受けるターミナルが設けられている[3]。車両側のターミナルにはネジ式と嵌め込み式の2種類があり、点火プラグによっては両方の形式に対応できるように、ネジ式のターミナルに嵌め込み式ターミナルに対応するためのアダプターが付けられ、必要に応じてアダプタを取り外して使用する製品もある[4]
碍子
高電圧がかかった中心導体から外部への漏電を防ぐために、中心導体を覆う白い磁器製の絶縁体である[3]。多くのスパークプラグでは碍子にリブと呼ばれる複数のくびれが設けられており、ターミナルからハウジングまで間にある絶縁体の表面距離を長くすることで漏電しにくくしている。
碍子脚部
ハウジング内部から燃焼室に向かって円錐状に突き出し、中心電極の根本を覆う部分の碍子は、碍子脚部と呼ばれる[5]。耐熱性と強度が高く、高温下での熱伝導性に優れたアルミナが使用され[3][6]650℃以上の高熱と6万ボルトの高電圧に耐えるように設計されている[要出典]
中心電極の温度を適切に保つように、ハウジングを介して熱をシリンダーヘッドへ伝達する機能を持つ[5]。碍子脚部が短いと、火炎に晒される表面積が小さいことにより火炎からの熱を受けにくく、中心電極の熱が伝わる距離が短いことにより中心電極から放熱しやすい、すなわち中心電極が冷めやすい「冷え型」のプラグとなる[5]。逆に碍子脚部が長いと、中心電極が冷めにくい「焼け型」のプラグとなる[5]。こうしたプラグの特性は熱価と呼ばれ、中心電極の熱を逃がしやすい(すなわち冷え型である)ほど熱価が高い[5]
かつてのレシプロエンジンの航空機に用いられていた古い点火プラグでは、碍子脚部に圧縮加工された雲母を用いていた。1930年代の有鉛ガソリンの開発に伴い、プラグの自己洗浄作用にとって雲母に含まれる鉛成分が問題となったため、これを解決するべくドイツシーメンスが酸化アルミニウム製の碍子脚部を開発した。[7]
シール
ハウジングと碍子の間に生じる隙間を密封し、燃焼室内の圧力が漏れ出さないように保つシールである。通常はろう付けによって[要出典]複数の箇所に施されている。
ハウジング
ハウジングは金属製の円筒構造で、端部に接地電極が溶接され、内部に碍子と中心導体を保持している[3]。接地電極をシリンダーヘッドにアース(接地)させる機能のほか、シリンダーヘッドに固定するためのネジ部と着脱時に工具のトルクを受ける機能を持つ[3]。また、中心電極の温度を適切に保つように、碍子を介して受けた熱をシリンダーヘッドへ伝達する機能を持つ[5]
ガスケット
ほとんどの点火プラグはシリンダーヘッドとハウジングとの間を密封するために、ハウジングのネジ部根本に金属製で中空の円環を備え、ガスケットとしている。ガスケットは中空の断面形状が変形してプラグホールの縁とハウジングの間に生じる隙間に密着して高い気密性を保つ。点火プラグをエンジンに取り付ける際には気密性を保ちながら、過度なトルクを掛けないように、プラグのネジ径に応じて推奨トルクや推奨回転角が設定されているが、ガスケットを備えたプラグにおいては再使用時の推奨回転角が小さく設定されている[8][9][10]
一方、ガスケットを廃してネジ部をやや先細にすることで気密性を保つテーパーシートタイプもある[8]かつてのフォードエンジンはワッシャーの再利用による密封性の低下を嫌い[要出典]、テーパーシートタイプのプラグを採用していた時期があった。後にフォードは、フォード・フィエスタフォード・Kaなどにおいて、上記と同様にワッシャーを持たない新しいシーリングシステム[要出典]を採用した。このシーリングはテーパー型に比べてプラグ脱着に必要なトルクは減少したが、必要に応じて増し締めが行えない欠点はテーパー型と代わることがなかった。フォードは後に、整備士達が正しい手順で整備を行うように何度かen:Technical_Service_Bulletinと呼ばれる注意広報を発行する必要に迫られることとなった。[要出典]
中心導体
中心導体はラジオや自動車電話などの電波通信やエンジン制御コンピュータなどのの作動に影響を及ぼす点火ノイズの放出を減少させるために、セラミック抵抗体を内蔵している[11]
中心電極
中心電極はニッケル合金で作られ、芯部にを用いて熱伝導性を向上させる場合や、先端部にプラチナイリジウムなどのレアメタルが用いられる場合がある[3][6]。かつて中心電極はニッケルクロム鋼で作られていたが、1970年代後半になると低温から高温までの幅広い温度域で機能するプラグが求められるようになり、中心電極の芯に熱伝導性の高い銅を封入した銅芯電極が英国Floform社によって実用化された[12]
通常、中心電極は正極として設計される。電極は細いほど火花が飛びやすく、点火直後の火炎の核が大きくなりやすい[13]。しかし、電極は燃焼室内の高温環境下で酸化浸食されて消耗するため、細くても十分な耐久性を保つ素材としてニッケル合金よりも融点が高いプラチナ、さらに融点が高いイリジウムが用いられるようになった[14]。中心電極にイリジウムやプラチナを使用した製品の中には交換時期の目安が10万キロと、従前の製品よりも大幅に耐久性が向上した製品も登場するようになった[15]
スパークプラグの手入れ方法として、プラグメーカーではプラグクリーナーで清掃するか、あるいはパーツクリーナーのような有機溶剤を吹きかけてナイロンブラシ等で絶縁体に付着した汚れを落とすように推奨しており、金属製のブラシは避けるように注意喚起している[16]。また、プラチナ製やイリジウム製の細い中心電極に用いたプラグでは、中心電極を痛める恐れがあるためブラシを当てないように注意喚起している[16]
特殊な事例としてファイアストン「放射能が電極間の混合気のイオン化をより促進する」という理論の元で[要出典]ポロニウム製の中心電極を持つプラグを販売していたことがある。[1]
接地電極(側方電極)
接地電極はニッケル鋼によって作られ、ハウジングの端部に溶接されている。接地電極は高温になる部分であるため、排熱しやすいように銅製の芯を入れてハウジングへの熱伝導を向上させた製品も存在する[要出典]。複数の接地電極を持たせることで、電極消耗を分散したり、放電特性を改善した製品もある[17]

スパークプラグの種類[編集]

様々なサイズの点火プラグ。左右の2本は半球型燃焼室に多い側方配置型のヘッドに用いられる物で、右の物はより分厚いヘッドに使用される分ネジ長が長いが、碍子長さ、電極突き出し量、プラグ熱価は左右とも同一である。中央の物はペントルーフ型燃焼室に多いセンタープラグ式のヘッドに用いられる物で、側方配置に比べてスペースの制約が大きいため、碍子長さやネジ長がよりコンパクトに作られている。

エンジンの設計に応じてプラグホールの径や深さは一様ではないため、点火プラグのネジ部には径と長さに複数の種類がある。長さについてはネジリーチと呼ばれ、適切なものを選択しない場合はエンジンの不調や破損を招く恐れがある[18][19]。ネジリーチが長すぎる場合は、接地電極が過熱したりネジ部に堆積物が溜まるだけでなく、ピストンとプラグの先端が衝突してエンジンやプラグ破損を招く可能性がある[18][19]。ネジリーチが短すぎる場合はプラグホールのネジ部に堆積物が溜まる場合がある[18]

同じネジリーチでも、燃焼室内への電極の突き出し量が大きいものもあり、ハウジングが長く突き出している場合や電極だけが長く突き出している場合がある[18]燃焼室の中心への突き出しが大きくなる程、一般には混合気の点火性が向上する。ただし、バルブからのオイル下がりが若干発生しているような旧式のエンジンの場合は、長めの電極突き出しはカーボンの堆積を招きやすくなり、スパーク性能の低下に繋がりやすくなる。[要出典]

標準的なプラグにおける接地電極は断面が長方形で、ハウジングから伸びた1本の接地電極が中心電極の頭頂面と平行に配置される形状を持ち、平行電極プラグとも呼ばれる。これに加えて、中心電極だけでなく接地電極の先端に細い白金チップを付けたり、電極にV字型の溝を付けて電極外縁に近い部分で放電が起こるようにして着火性を改善した製品がある[20]。平行電極プラグよりも短い複数の接地電極を設けて中心電極の側面との間で放電させ、耐久性を向上して接地電極の過熱を抑制する製品もある[20]

ハウジングから突出した形状の接地電極を持たず、極めて短い碍子脚部の表面に沿って放電させる沿面放電プラグと呼ばれる種類があり、絶縁部に堆積した汚損を焼き切る機能を持つ[20]。振動の激しい船外機や、レース用として利用されているが[21]、熱価が極端に高い特徴を持つ[20]。あるいは碍子端部を長くして部分的に沿面放電させながら熱価を低くしたセミ沿面タイプや、碍子脚部の汚損時にのみ沿面放電して堆積物を焼き切るよう通常の接地電極と沿面放電用の接地電極を組み合わせたハイブリッドタイプ、汚損時にガスポケットの底部に補助火花ギャップで放電するタイプ、汚損時に中心電極周辺のエアギャップで放電する間欠放電タイプも製品化されている[11]

Wankel Cycle anim ja.gif

高回転型の二輪車用やレース用には、接地電極を短くして耐震性向上させて電極の温度上昇を抑えた斜方電極プラグが用いられる場合がある[20]。また、ヴァンケル型ロータリーエンジンでは爆発回数が多く、プラグが燃焼ガスに曝される時間が長いため、特殊な形状の接地電極を持つ専用品が用いられる[20]

熱価[編集]

点火プラグはエンジンの燃焼熱を受けて温度が上昇する一方、熱伝導によってシリンダーヘッドへ放熱して適切な温度を保つ[5]。プラグに求められる受熱と放熱のバランスはエンジンの設計によって異なり、その指標を表す数字は熱価と呼ばれる[5]。碍子脚部の長さを変えることで受熱面積や放熱性が調節されていて、碍子脚部が長いほど熱を受ける面積が大きく放熱性が低くなり、温度が上昇しやすい特性を持つ[5]。熱価を示す数値や記号はメーカーによって異なり、多くの場合は放熱性が高いものほど数値が高いが、一部のメーカーでは逆に放熱性が高いほど数値が低く設定されている[22]

点火プラグは自己清浄温度と呼ばれる温度以上では不完全燃焼によって発生したすす(カーボン)が付着しても焼き切ることできる[5]。しかし、適切な熱価のプラグを使用せずに放熱性が高すぎる場合は自己清浄温度に達することができずにカーボンが溜まり、碍子脚部の絶縁抵抗を低下させて混合気中で火花を発生することができなくなる、「くすぶり」と呼ばれる状態になる[23]。一方、プラグの温度が高すぎると電気火花を発生させるより早いタイミングで、プラグの熱によって点火し、早期着火(プレイグニション)と呼ばれる現象が発生してエンジンの出力が低下する[5]

電子制御式の燃料噴射装置が一般化する前のキャブレター仕様のエンジンでは[独自研究?]、そのエンジンの常用回転域に応じて2つ或いはそれ以上のプラグ熱価を指定することが一般的であった。例えば、一般的な街乗りではやや焼け型のプラグを使用し、高速道路を長時間走行する時には有鉛ガソリンの使用及び、標準指定より冷え型のプラグに交換して走行する必要があった[独自研究?]。しかし、燃料噴射装置の電子制御が高度となった今日では、空燃比の監視によってエンジンの温度が高度にコントロールされるようになったため、この習慣はオートバイを除いてはほぼ廃れることになった[独自研究?]

ただし、モータースポーツの世界ではエンジンのセッティングに応じて適切なプラグ熱価を選択する事は今日でも行われている。非常に古い設計のレース用エンジンには、出荷段階で2セットの点火プラグが用意されていることも珍しくはない。このような仕様のエンジンの場合、暖機運転専用の焼け型点火プラグでまずエンジンを暖め、実際にコースインする際には全開走行用の極端に冷え型のプラグに交換して出走することになる。[独自研究?]

スパークプラグの点検と調整[編集]

チャンピオンプラグ社製の円盤形隙間ゲージ。ゲージの縁は反時計回り方向に次第に厚くなっていき、プラグギャップにこの縁を差し込んで測定を行う。

点火プラグは、そのプラグを選定した技術者や整備士が電極隙間(プラグギャップ)を簡単に調整できるように[要出典]、L字型の接地電極を持つことが多い。電極隙間は0.8 - 1.8mm前後の幅で選定されることが多く、新品のプラグであっても製造誤差などにより必ずしもギャップが全数一定に揃っているとは限らないことや、エンジンの種類によってはプラグの熱価などは全気筒同じであっても、気筒毎に異なる電極隙間を要求するものも存在するため、装着の前に電極隙間を測定して調整することは整備の必須項目でもある。[要出典]

電極隙間は専用の隙間ゲージで測定を行う。隙間ゲージは厚みの異なる縁を持つ円盤状のものが多く、電極を押し広げて隙間を広げる工具としての役割も必要になるため、一般的なシクネスゲージの使用はあまり推奨されないことが多い。[要出典]

近年のダイレクトイグニッション燃料噴射装置が組み合わされた近代的なエンジンでは、電極隙間は1.1mm以上の広い隙間を採用することが多い。これはキャブレターとコンタクトポイント式のディストリビューターに比べると遙かに広い隙間であり、[要出典]時代が下る毎に点火装置の性能が向上していることを示している。[独自研究?]

  • 狭いギャップのリスク: スパークが小さくなり、失火やカブりを起こす可能性がある。
  • 狭いギャップの利点: 高速回転でもより確実に火花が飛ばせる。弱い点火装置でも確実に火花が飛ぶ。
  • 広いギャップのリスク: 極度の高速回転では火花が飛ばず、失火を起こす可能性がある。また、より強力な点火装置も必要となる。
  • 広いギャップの利点: スパークがより大きくなり、完全燃焼に繋がる。[要出典]

点火プラグが老朽化すると、中心電極と接地電極は浸食されて電極隙間はより広くなる傾向がある。したがって、整備士によってはより長い使用期間でも確実に点火性能が維持できるように、新品のプラグでも指定隙間よりやや狭めに隙間を調整する場合がある。[要出典]

2種類の点火プラグビュワー

点火プラグの電極と碍子脚部は燃焼室の内部環境に影響を受けることから、それらの状態を目視することでエンジンの運転状態を診断する指標とできる[24]。碍子脚部の色が黄褐色もしくは灰白色の場合は良好な運転状態と判断でき、不完全燃焼が多くなると堆積したすすにより黒色になる[24]。一方、空燃比が希薄になるなどで燃焼室の温度が高くなりすぎると、碍子脚部が白く焼けた状態になる[24]。目視点検によってプラグ熱価の不適正や点火タイミングの不適正を発見することもできる[24]。点火プラグの目視点検用に、点火プラグの電極に照明を当てて拡大鏡で見ることができる道具が販売されている。

モータースポーツではシリンダー内でのプラグの向きが特定の方向に向くように、厚みの異なるワッシャーをネジ部の根本に追加して、適性トルクに達した際の締め付け回転角度を調節する、インデクシング(indexing)と呼ばれる調整が行われる場合がある。[25]。ただし、プラグをどの向きに向けるのが最適であるかはエンジンの設計により一様ではない上、インデクシングによって見込めるエンジン出力の向上は1%に満たないとされている[25]

グロープラグ[編集]

グローエンジンにおいて、エンジンの燃焼熱を利用して自らの点火部分(コイル状または棒状の蓄熱部分=点火部分)の赤熱状態を保つプラグである。

始動時には電気を流して、内蔵された抵抗体(コイルや棒)をジュール熱により赤熱させ、燃料に点火し始動する。一度始動すると、燃焼による熱でさらに赤熱し、以降の燃焼の火種となる。

この方式の特徴として、マグネトー点火コイルディストリビューターなどを用いた複雑な点火回路や、点火時期の調整が不要で、エンジンの回転が上がればそれにつれてプラグの赤熱度も行進し、点火時期を早める自己調節機能を持つ。一般的には、点火部分の材質はニクロム白金が使用される。高温用や低温用など様々な製品がある。

現在では、軽量化できることから模型用エンジンのほとんどがこの点火方法(グロー点火)を利用している。

脚注[編集]

  1. ^ デンソー プラグの基礎知識 飛火と着火”. 株式会社デンソー. 2013年12月5日閲覧。
  2. ^ a b How Spark Plugs Work”. Green Spark Plug Co.. 2013年12月5日閲覧。
  3. ^ a b c d e f デンソー プラグの基礎知識 構造”. 株式会社デンソー. 2013年12月13日閲覧。
  4. ^ プラグの選び方|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2013年12月13日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k デンソー プラグの基礎知識 熱価”. 株式会社デンソー. 2013年12月13日閲覧。
  6. ^ a b スパークプラグとは|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2013年12月13日閲覧。
  7. ^ Air Commodore F. R. Banks (1978). I Kept No Diary: 60 Years with Marine Diesels, Automobile and Aero Engines. Airlife. pp. 113. ISBN 0-9504543-9-7. 
  8. ^ a b プラグの取り付け方|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2014年1月7日閲覧。
  9. ^ デンソー プラグの基礎知識 推奨トルクと推奨回転角”. 株式会社デンソー. 2014年1月7日閲覧。
  10. ^ 何度も再使用する場合は予めこの指定トルクよりも少なめのトルクで締めておくこともあるが、厳密には余り推奨されない方法である。[独自研究?]
  11. ^ a b プラグの種類|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2013年12月10日閲覧。
  12. ^ Floform statement on copper cored electrodes(2007年10月19日時点のアーカイブ
  13. ^ イリジウムプラグの特徴|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2013年12月13日閲覧。
  14. ^ スパークプラグ”. 株式会社マツダアンフィニ両毛. 2013年12月13日閲覧。
  15. ^ プラグに起こる現象と対処方法|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2013年12月13日閲覧。
  16. ^ a b 適応検索利用上の注意(必ずお読みください )|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2013年12月17日閲覧。
  17. ^ プラグの種類|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2013年12月13日閲覧。
  18. ^ a b c d プラグの選び方|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2014年1月7日閲覧。
  19. ^ a b デンソー プラグの基礎知識 不具合の診断方法”. 株式会社デンソー. 2014年1月7日閲覧。
  20. ^ a b c d e f 新車組み付け用プラグ”. 日本特殊陶業株式会社. 2014年1月9日閲覧。
  21. ^ 標準プラグ|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2013年12月13日閲覧。
  22. ^ Heat Range Conversion Chart”. Monarch Products, Inc.. 2014年1月10日閲覧。
  23. ^ プラグの症状一覧|NGKスパークプラグ プラグスタジオ”. 日本特殊陶業株式会社. 2014年1月10日閲覧。
  24. ^ a b c d デンソー プラグの基礎知識 不具合の診断方法”. 株式会社デンソー. 2014年1月10日閲覧。
  25. ^ a b Spark Plug Installation Instructions”. NGK Spark Plugs (U.S.A.), Inc.. 2014年1月13日閲覧。

関連項目[編集]