ワイパー

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自動車のワイパー

ワイパー: Wiper)とは、汚れや不純物を拭き取る機構である。

自動車等の乗り物に装備されるもの、住宅窓ガラスを拭くもの、精密部品など工業製品用のものなどがあり、ウエス製のものもある。ちなみに毎年6月6日はワイパーの日である[1]

乗り物のワイパー[編集]

ウォッシャー液を噴射してガラスを払拭する鉄道車両
自動車用ワイパーのブレードゴム
ワイパーのスポイラー
自動車のワイパーのスイッチ

乗り物に装備されるワイパー (Wiper) は、自動車鉄道車両船舶航空機などの乗り物のガラス外側表面に付着した滴・、汚れなどを払拭して視界を確保する装置である。

主要な構造はゴム(ラバー)装着のワイパーブレードを取り付けたワイパーアームを左右に振ってフロントウインドー・リアウインドー・ヘッドライトに付着した水滴などを払拭して操作者の視界を確保するものであり、基本的な構造は発明されて以来100年以上ほとんど変わっていない。多くの自動車ではウインドウウォッシャー噴射装置も装備され、ワイパーと共に使用して付着した砂塵や軽い水垢などの汚れ、軽度の霜などを溶かして除去することができる。

フロントガラス等の払拭面に直接接触するのはワイパーブレードに取り付けられたゴムで、完全に水を拭き取るものではなく、定期的な動作によりガラス面に付着した水滴を拭いながらガラス表面に薄く均一な水の膜を作り、水滴による屈折を抑えて車内からの視界を確保[2]している。

ブレードゴムは消耗品で、使用によって傷んだ場合や経年によって劣化した場合は水滴を十分に払拭できなくなるため、定期的な交換を要する。ワイパーブレードにおいても、長期的に使用することで劣化・変形する場合があるため、アームから外して交換することができるようになっている。

フロントガラスのワイパーは、ボディの形状によっては高速走行時の気流がガラス面とワイパーゴムの間に入り込んでブレードが浮き上がり、雨粒等を十分に払拭できないことがある。これへの対策として、ワイパーのブレード部分およびアーム部分にスポイラーを設け、気流を利用してブレードをガラス面に押し付ける作用を持たせたものもある。

昨今の自動車では、ハンドル横に備えられたコンビネーションスイッチに電動ワイパーの操作機能を持たせたものがほとんどで、ハンドルから手を離さずに操作できるようになっている。

発明当初は電動ではなく、フロントガラスあるいはフロントガラス付近の車体を貫通したワイパーアームの軸に取っ手がついており、車内から手で直接ワイパーアームを動かした。

日本での法令用語は「窓ふき器」と称され、アメリカではWindshield wiper、イギリスではWindscreen wiper と称される。プジョーが世界で初めて自動車にワイパーを装備している。

安全上重要な装置で、メアリー・アンダーソン英語版(1866-1953) の発明である。類似の考案は従前から存在するも、彼女の考案によるゴムブレードとバネ式アームを使用した装置は曲面のガラスにも密着して効果的に払拭できることが画期的で、1903年11月に特許が成立した。1920年の特許切れ以降、大半の自動車に標準装備されている。

ワイパーの種類[編集]

リアワイパー[編集]

貨物自動車のリアワイパー

リアワイパーはステーションワゴンミニバン、軽自動車を除く2ボックスハッチバック車に多く装備され、セダンクーペでも見受けられる。2ボックス車はセダンなどのトランク部分がなく、リアタイヤから巻き上げる水滴などがリアウインドウに多く付着[3]するため装備率が高い。

ヘッドライトワイパー[編集]

自動車のヘッドライトワイパー

ヘッドランプの水滴を取るためのワイパーである。過去にはメルセデス・ベンツボルボ日産・サファリなど比較的高価格帯で販売される車両に装備されるも、現在は大多数が高圧ヘッドランプウォッシャーに代替されている。

欧州諸国を中心に、日本、韓国、オーストラリアなども加盟する国際連合欧州経済委員会 (UNECE) による自動車基準調和世界フォーラム英語版では、2000ルーメン以上の光束を持つヘッドランプに洗浄装置の装備を義務付けている。

その他[編集]

  • ワイパー以外に、ドアミラーに付着した水滴を超音波で除去する装置や、冬季のワイパー氷結を緩める熱線プリントによるデアイサーの装備がスバルなど各社の4WD車に設定されている。
  • 船舶や寒冷地における鉄道車両では、ガラス円盤を回転させその遠心力で雨滴や雪を吹き飛ばす「旋回窓」も使用されている。


家庭用品[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]