スプロケット

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16Tのスプロケット(片ボス、キー溝あり)
スプロケットと
ローラーチェーン

スプロケット (: sprocket)とは軸の回転をローラーチェーンに伝達したり、ローラーチェーンの回転を軸に伝達するための歯車のことである。チェーンホイールとも呼ばれる。身近な物ではオートバイ自転車無限軌道などの駆動伝達、写真映画フィルムの給送部品に広く用いられている。

概要[編集]

汎用の伝達用機械要素として、国際規格ではISO 606、日本工業規格ではJIS B 1802[1]に規格化されている。他の部品とローラーチェーンとの機械的干渉を避けるため、または軸とのフィッティングのため中心軸受けの軸方向に出た凸部をボス: boss)といい、ボスの有無によりA型(ボスの無い平板型)、B型(片ボス型)、C型(両ボス型)などの種類がある。歯数は「T」として表記され、「30T」なら歯が30個である。[2]

チェーンピッチをPとすると次式が成り立つ[2]

  • スプロケット外径:Do=P(0.6+cot(180/T)°)
  • ピッチ円直径:Dp=P/(sin(180/T)°)

ローラーチェーンのコマ数と、少なくとも一方のスプロケット歯数との比が単純なほど摩耗が偏りやすいが、歯車減速の場合程は重視されない[要出典]

自転車用[編集]

自転車のリアスプロケット

クランクペダル側は「チェーンリング」と呼ばれ、通常は後輪側よりも大きい。外部変速機を装備しているものは後輪側のみ、あるいはクランク側と後輪の側両方に、大きさの違うスプロケットを複数並べて任意にチェーンを掛け替えられる構造になっている。特に、後輪の変速式スプロケットは5段以上になるものも多く、組み合わせた状態でハブへの着脱が可能となっていることから「カセットスプロケット」とも呼ばれる。

競輪などに用いられる固定ギアトラックレーサーや、シングルスピードマウンテンバイクなどでは、前後のスプロケットを交換して加速重視や最高速重視などにギア比の調節が行なわれる。

オートバイ用[編集]

エンジン側を「ドライブスプロケット」、後輪側を「リヤスプロケット」あるいは「ドリブンスプロケット」と呼び、自転車とは逆に後輪側の方が歯車が大きい。オートバイ用スプロケットでも前後の組み合わせで二次減速比を変化させて、最高速の伸びや低速域での加速力などを変化させて、用途にあわせた特性にカスタマイズする場合がある。

脚注[編集]

  1. ^ 大西清 (1955). JISにもとづく機械設計製図便覧. 理工学社. p. 11-37. ISBN 4-8445-2021-0. 
  2. ^ a b 大同工業株式会社. “伝動用チェーン スプロケット dendou09.pdf”. 大同工業株式会社. 2011年7月24日閲覧。

関連項目[編集]