かばん語

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かばん語(かばんご)あるいは混成語(こんせいご)とは、複数ののそれぞれの一部を組み合わせて作られた語である。語の一部ではなく全部を組み合わせたものは合成語である。その語源からポートマントーとも。

語源[編集]

この単語は、『鏡の国のアリス』の作中において、旅行カバンと関連付ける形で作成された、ルイス・キャロルによる造語である。作中でハンプティ・ダンプティは以下のように発言している。

「さよう、粘滑 (: slithy) とは、滑らかで粘っこい (lithe and slimy) 様子じゃ。この言葉は旅行カバン(portmanteau)のようじゃろう — 2 つの意味が、1 つの言葉に詰め込まれておる」

キャロルはこのようなかばん語を、ハンプティ・ダンプティがアリスに説明する「ジャバウォックの詩」を代表とする、自作の詩の中にユーモラスな効果を狙って使用した。

英語においては、 これらの単語を示す本来の用語は(1990年代初頭に出版された辞書に記載されている通り)「portmanteau word」であったが、かばん語という用語と、かばん語が指し示す用語の形式が広く一般に用いられるようになり、この用語は単純に「portmanteau」と省略されるようになった。この形式の旅行カバンが廃れたことにより、現在の英語で「portmanteau」という用語が本来の意味で使用される事は滅多にない。

ジェイムズ・ジョイスは『フィネガンズ・ウェイク』において、広く混成語を使用した。

日本語の場合[編集]

日本語、殊に大和言葉においては、正規の語法として用いられることは少ない。かなり古くから用いられた例として「やぶく」(「やぶる」と「さく」から)、「とらまえる」(「とらえる」と「つかまえる」から)などがあるが、これらは誤って二つの単語が混同されたものとして扱われることが多い。現代人が比較的目にしやすいかばん語は商品名に用いられているものであり「熱さまシート」(熱さまし+シート)、「ネスプレッソ」(ネスレ+エスプレッソ)などがこれにあたる[1]。昆虫の「コロギス」も混成語である。

三字の漢語については、「青少年」(「青年」と「少年」から)、「国公立」(「国立」と「公立」)のような例が散見されるが、漢字の表意的性格により、個々の字義から意味が明らかであるため、辞書に載らない暫定的な造語であることが少なくない。

構成[編集]

混成語は、以下の手法の内のいずれかにより作成される。

  1. 上記の「slithy」のように、原型となる各単語成分の発音の一部が、各語の意味のほとんどを保存したまま混合される。この手法はルイス・キャロルの好むところであり、他の手法はほとんど使用していない。
  2. breakfast」(朝食)と「lunch」(昼食)で「brunch」(ブランチ)のように、第一の語の前半と第二の語の後半が連結される。この手法は混成語を作成する最も基本的な手法である。
  3. 両方の単語成分が共通する文字や発音の配列を有している。作成されるかばん語は、第一の語の前半と共通部分、第二の語の後半から構成される。この手法で生成される混成語は少数である。

脚注[編集]

  1. ^ 「ことば遊びの読み解きと鍵」西脇沙織[1]P.27

関連項目[編集]