JR西日本221系電車

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JR西日本221系電車
221系電車(2006年撮影)
221系電車(2006年撮影)
編成 2,4,6,8
起動加速度 2.5km/h/s
営業最高速度 120km/h
設計最高速度 160km/h
減速度 3.5km/h/s(常用最大)
4.2km/h/s(非常)
車両定員 座席52・立席78(トイレ付き先頭車)
座席56・立席77(トイレ無し先頭車)
座席64・立席80(中間車)
全長 20,000mm
全幅 2,950mm
全高 4,140mm
車両質量 31.8t
軌間 1,067mm
電気方式 直流1,500V
主電動機 120kW
1C8M:WMT61S
1C4M:WMT64S
歯車比 1:5.19
制御装置 界磁添加励磁制御
1C8M:WCS57B
1C4M:WCS59A
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
ブレーキ方式 電力回生併用電気指令式空気ブレーキ
抑速ブレーキ
耐雪ブレーキ
保安装置 ATS-SW,ATS-P,列車防護無線装置
EB装置(一部),TE装置(一部)
備考
第30回(1990年
ローレル賞受賞車両

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221系電車(221けいでんしゃ)は1989年に登場した直流近郊形電車西日本旅客鉄道(JR西日本)によって初めて新規に設計・製造された系列である。

開発にあたっては、1988年に瀬戸大橋線用クロ212形の設計を担当した近畿車輛が、同車のエクステリアデザインを基本としつつ、同社の親会社である近畿日本鉄道(近鉄)向け5200系電車で採用した、3扉転換クロスシートや扉間の連窓構造などを盛り込んだ設計コンセプトを提案し、これを全面的に採用する形で実設計が行われた。

製造は主に近畿車輛・川崎重工業日立製作所が担当したが、一部は旧・鷹取工場後藤工場で組み立てられた。

目次

[編集] 概要

JRグループ他社が新型特急電車を新造する中、JR西日本が新生JRを象徴する車として私鉄との競合が激しい東海道山陽本線琵琶湖線JR京都線JR神戸線)や関西本線大和路線)に新製投入された。窓の大きな明るい車内など快適な居住性と高速走行性能は好評で、大量増備と線区限定での集中投入が続けられ、新快速大和路快速の主力車両となった。

新快速の運用車両には153系が「ブルーライナー」、117系が「シティライナー」と愛称があったことに倣い、221系にも「アメニティライナー」の愛称が命名されたが、これは浸透しなかった。本来ならばアーバンネットワーク内における基幹車両という位置付けであるため、「アーバンライナー」としたかったが、これはすでに近鉄の特急用車両である21000系電車で使用していたために断念した。しかし、愛称が浸透しなかったこともあり、後継の223系には初代新快速用の113系と同様、特に車両愛称は与えられていない。(ただし223系1000番台は登場時の会社発行資料に新型アメニティライナーと記載されていた)

登場当時は、製造時期がほぼ同じで設備も大差ない東海旅客鉄道(JR東海)の311系九州旅客鉄道(JR九州)の811系とよく比較されたが、最終的に居住性に勝ると評価された221系が1990年(第30回)の鉄道友の会ローレル賞を受賞するという結果となっている。

なお、本系列は営業最高速度が120km/hに設定されているが、初期製造グループの新造直後に一部装備を改造[1]の上で湖西線において160km/hによる試験走行を行い、北陸本線特急サンダーバード」用681系電車の開発に当たって貴重なデータを提供した。

[編集] 現在の配置と運用線区

2008年3月15日現在の配置と運用線区を以下に記す。

[編集] 網干総合車両所

221系と223系の連結。前面貫通扉などにオレンジ色の帯を追加しているのが6000番台である

A編成8両×13本(104両)・B編成6両×18本(108両)・C編成4両×2本(8両)の合計220両でA編成12・B編成16・C編成9の運用をこなしている。

  • 東海道・山陽本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線) 
本線快速として各編成単独または2編成併結の6・8・10・12両編成で運転される。2004年10月16日のダイヤ改正からは、B編成とC編成による大垣までの運用もある。C編成運用には221系と同等の性能に固定した223系6000番台を含むグループが充てられている。
なお、北陸線は朝の長浜発着に運用されているが、2006年に直流化された区間には入っていない。また以前定期運用のあった湖西線・草津線では網干車の運用はなくなっている。
JR神戸線からの直通列車のほか、岡山電車区所属の115系とともに姫路 - 播州赤穂・上郡間の小運転にC編成が使用されている。
B編成が朝の1往復に運用されている。
大阪 - 篠山口間の快速列車にA編成が毎日、B編成が平日のみそれぞれ1往復が充当され、大阪 - 新三田間の快速列車に朝の1本を除いてA編成の運用がある。以前は福知山まで乗り入れていた。
2008年6月27日までは丹波路快速としてC編成が宮原総合運転所を拠点として全線にわたって運用されていたが、6月28日からは同区に追加配置された223系6000番台に置き換えられた。同時に福知山までの乗り入れがなくなる。
  • 多客時の臨時運用など
定期列車での新快速運用はなくなっているが、神戸ルミナリエや淀川花火大会などで運転される臨時新快速に使用されることがある。また春秋の行楽期土休日に、A編成を福知山線に送り込むための定期回送列車(米原発大阪行)の京都 - 大阪間を臨時の新快速として客扱いすることがある。

[編集] 京都総合運転所

K編成4両×19本(76両)

2008年3月改正で網干区からの転属車が運用を開始した。従来の京都車113系・117系運用の一部を置き換えて運用されている。

京都 - 園部(一部 福知山)間で運用されている。
2008年2月18日、嵯峨野線内にて運用を開始。当初の運用数は4本であったが、7月15日から8本、8月11日には15本、10月18日には17本に増加した。また2008年8月11日から、一部列車で福知山区の223系5500番台を併結した6両編成で運転を開始している。
2009年にはクモハ221の運転室側にもパンタグラフを搭載した車両が登場している[2]
1989年の登場時から網干車が湖西線で運用されていたが、2006年10月改正で一旦なくなった。その後2008年3月15日改正で新たに京都 - 近江今津間で運用されている。

[編集] 奈良電車区所属車

NA編成4両×18本(72両)、NB編成2両×8本(16両)、NC編成6両×15本(90両)の合計178両が配置されている。

6連や4+2の編成で大和路快速とラッシュ時のJR難波始発・終着の快速、4連で昼間のJR難波 - 高田間の快速(通称T快)で運転される。さらに関西本線王寺 - 奈良間では和歌山線直通列車との2層立て列車だったものの中に、2連単独で運転される快速・大和路快速が存在するほか、これとは逆に和歌山線王寺 - 高田間で2連単独運転となる区間快速・大和路快速崩れの快速列車が存在する。またラッシュ時の環状線直通の区間快速(通称Y電)や大和路快速では4+4、あるいは6+2の編成で運用される。大和路線では早朝や深夜には4連や6連でJR難波~王寺・奈良や大和路快速・快速の出入便となる奈良~加茂の普通にも充当されることがある。桜井線には通常は朝ラッシュ時にのみ乗り入れるが、正月3が日の特別ダイヤでは夜間時間帯以外の全ての時間帯で運用されるほか、行楽期の日中時間帯のレジャー号や天理教祭礼時の臨時列車でも運用される。
4連で天王寺 - 日根野和歌山間の快速に使われる。ラッシュ時には4+4の8連で運用され、きのくに線にも4連で乗り入れる。奈良への出入区は当初は和歌山線経由で行われていたが、以後は夜間にJR難波まで回送し、そこから快速で折り返す運用に改められている。また2002年3月のダイヤ改正から、同年できのくに線の運用から撤退した165系に代わって、深夜に走る新大阪 - 紀伊田辺間の快速列車にも充当されている。
定期運用が実施される前の臨時列車の運用実績としてきのくに線白浜駅までの急行列車(後に快速列車に格下げ)や和歌山から嵯峨野線・湖西線まで乗り入れるレジャー快速などがある。いずれも指定席の設定があった。
6連や4連でみやこ路快速や快速、区間快速に運用される。4連には現在は同線のみとなった2+2の編成のものも使用される(ただし土休日のみ)。早朝深夜には関西本線との直通列車にも運用される(朝ラッシュ時運転のものは時刻表にも掲載されている)。2006年3月改正までは2連単独での運転もあったが現在は存在しない。

[編集] 臨時列車としての運用

1990年代には、休日に「○○ホリデー221」などという愛称で臨時快速に、また夏には「マリン白浜221」や「マリン城崎221」などといった臨時急行にも使われていた。その後、編成中に指定席車両を連結した行楽臨時列車「ホリデー」号にも多く抜擢された関係で列車種別表示幕には「嵯峨野・嵐山ホリデー号」「熊野古道ホリデー号」「山の辺の道ホリデー号」「スキーホリデーびわこ号」など「ホリデー」の表示を有する。その後は指定席車両を廃止し、全車自由席とした臨時列車「レジャー」号に移行し「赤穂レジャー号(その後223系化)」「忠臣蔵レジャー号」「山の辺の道レジャー号」などで使用され、この際「レジャー」表示も用意した。ホリデー号や花博臨時列車として岐阜まで運用された例もある。

過去には快速「マリンライナー」の臨時便として瀬戸大橋線の運用に入った実績もあり、瀬戸大橋をわたって四国へも足跡を残している。また多客時に赤穂線や山陽本線経由で三原までの運用を代行した例や、北近畿タンゴ鉄道への入線実績などがある。

このほか、「ひまわり号」や奈良線の修学旅行臨、桜井線の天理臨としての団体列車として使用されることもある。

[編集] 車体

20m級鋼製車体に片側3箇所の両開き扉という、近郊形としてはオーソドックスな構成となっている。

[編集] 前頭部形状

前頭部形状は展望、空気抵抗、見た目の良さなどを重視して、好評であったクロ212のデザインを継承した。このため、一般車としては破格の大型曲面ガラスを使用し、上半分に後退角がついた流線形となっており、スピード感を強調している。また、運転台は若干低く、窓ガラスは側面以上に巨大なものとなった。また、地下区間の走行を考慮して中央に非常用貫通扉が設置され、種別表示器が中央下部から上部に移動した点も異なっている。前面では種別表示、運用番号表示、コーポレートマーク掲出のみを行い、行先は表示していない。その後ガラス破損時に223系後期車と同等の緑色ガラス[3]に交換された車両も出てきている。

[編集] 側窓

側面窓は明るい車内を演出するため、従来車に比べて天地方向に大幅に拡大され、高さ1mとなった。また、外の景色がどの席からも見られるように座席1つに対して1枚の幅狭窓が連続で配置され、腐食対策としては不利となる戸袋部にも窓が設けられた。そのため、窓配置は便所無しの運転台付きがdD(1)4(1)D(1)4(1)D(1)2(d:乗務員扉、D:客用扉、(1):戸袋窓)、中間車は2(1)D(1)4(1)D(1)4(1)D(1)2となり、これだけを見るとどこか旧型国電のような雰囲気を有する。

なお、客用扉間の4連窓の内寄り2枚は非常時の換気などを考慮して下降式窓となっている。また、1mと大きくとられた窓高さのため、本系列は車体剛性確保の観点から構体をステンレス製軽量構体とできず、普通鋼製となった。

後継系列の223系ではステンレス製への移行で車体強度の制約から側窓高さが50mm縮小されて950mmとなり、さらに1000番台以降は座席配置の変更で戸袋窓も廃止されたため、大窓が並ぶエクステリアは221系固有の特徴である。クモハのみ電動機冷却風取り込みのための通風孔が側面に片側1か所ずつ設けられているが、これは後の各系列にも引き継がれた。

[編集] 塗装

塗装は全車白を基本に関西急電色である茶、琵琶湖、JR京都・神戸線のラインカラーである青、新快速シンボルカラーであるベージュの帯が車体下部に入るというものである。223系ではさらに窓周りに茶帯を追加したが、221系には波及していない。

[編集] 座席配置

車内座席

先代117系は片側2扉であったが、新快速の乗客増加と快速運用を考慮し、221系では3扉となった。この3扉でかつ全席クロスシートという配置は近鉄5200系に次ぐもので、座席には117系と同様の転換クロスシート[4]を採用し、117系にあった車端部の配電盤や機器箱などの機器類を極力床下に移設して無駄なスペースを徹底的に排除することで、117系とほぼ同数の座席数を確保している。

座席配置は扉間に2人掛け6脚(うち両端2つは固定式)×2列、車端部に4人掛けボックス席×2セットという構成で、中間車の場合1両に64席用意されている。モケットは写真に見られるような淡い茶色[5]で、座席カバーは一般席が白、優先座席が緑となっている。

その反面、運転台の奥行き拡大で直後の座席が1列分省略され、加えて便所の寸法も拡大されたため、運転台付き車両については便所有りが6名、便所無しが4名、座席定員が117系より少なくなっている。また、吊り革も車内の見通しの良さを優先し、扉付近以外は引き通し棒のみの準備設置に留めたが、混雑時に問題が多いことが指摘され、中期以降は車内全体に通して設置する形に変更された。後に初期の車両にも追設されている。

[編集] 種別・行先表示器

種別表示器と行先表示器
ラインカラーを取り入れた種別幕

側面行先表示器は、列車種別を回転幕で、行先と号車番号をLEDで、それぞれ表示するという独特な方式が採用された。これは運用線区が多岐に渡る事を予想して、列車種別の文字色で運用線区を表すというアイデアであったが、塗装が1種類、LEDも2色しか製品化されていなかった当時の事情により、表示内容の多様化に対する対応が容易なLEDと、色の自由度が高い回転幕を併用する方式を採用した。

LEDは寿命保持のため60km/h以上では自動的に消灯するようにしているが、それでも最近は読み難くなってきている。これらは後に登場する223系や207系321系、および681系281系などの特急形電車にも採用している。

しかし、種別表示は琵琶湖、JR京都・神戸線では「新快速」・「快速」共に目立ちにくい濃い目の青色で表記されるなど乗客の誤乗が絶えず、苦情が出たことから、列車種別により文字色を変えるという方式に改め、さらにその後英語表記入りの幕に交換するなど、当初の構想とは異なる使い方をされている。

現在の列車種別の文字色は次の通り。

  • 普通:白色
  • 快速(大和路線除く)・丹波路快速・みやこ路快速・直通快速(阪和線)・区間快速(阪和線):橙色
  • 大和路快速・区間快速(大和路線)・快速(大和路線):緑色
  • 直通快速(おおさか東線):青灰色
  • 新快速:青色

線区によって色を変えるという発想は207系以降「種別幕の下3分の1程に線区毎のラインカラーを入れる」という方式に昇華されている。221系では新快速[6]と福知山線(JR宝塚線)・奈良線を走る列車のみにラインカラー(黄色・茶色)を付加していたが、2008年3月15日のダイヤ改正で奈良電車区所属車の幕を交換した。大和路快速や阪和線快速ではラインカラーがなかったものの、一部の種別を除いてラインカラーが追加されている。また交換されたものは、文字間隔が微妙に狭い。

種別幕は英語表記入りのものに交換された時期の差により2種類存在し、早い時期のものは網干総合運転所所属車、遅い時期のものは奈良電車区所属車に多く採用されている。

両者の相違点は回送の英語表記が前者ではOut of serviceであるのに対して、後者がNot in serviceとなっている点や、快速の文字色が前者では濃橙色であるのに対して、後者が黄色に近い橙色であることなどが挙げられる。なお、網干総合車両所所属車には奈良線「みやこ路快速」「区間快速」の表示が、奈良電車区所属車には「丹波路快速」「快速(黄ライン)」「普通(黄ライン)」の表示幕が入っていない。

車内の旅客案内表示器(奈良電車区の編成)

これに対し、車内の旅客案内表示器は車両の前部と後部の壁面に設置しており、後に登場した223系と違って、クロスシートに座った乗客から見やすいようになっている。この上部には号車番号表示とデジタル式時計も合わせて設置されており、乗車券のみで乗れる車両では221系と311系、E233系のみの特徴となっている。後に増備された223系ではドアの上にLEDのスクロール式の旅客案内表示器と号車番号表示が千鳥式で設置されているが、デジタル式時計は設置していない。

なお、駅名や種別が表示される際、網干総合運転所所属車の運行範囲の2文字の駅名と種別は、種別・行先案内のみ全角1文字分の空白が入れられて表示され、停車駅案内のみ詰めて表示される。これに対し、奈良電車区所属車の運行範囲の2文字の駅名と種別は、種別・行先案内と停車駅案内ともに全角1文字分の空白を入れて表示されるという違いがある。

行き先表示案内の違い例(実際に表示される順に再現)

  • 網干総合運転所所属車
『この電車は、普 通、尼 崎行きです。』⇒『次は、高槻』⇒『まもなく、高槻です。』⇒『高槻』
  • 奈良電車区所属車
『この電車は、普 通、奈 良行きです。』⇒『次は、郡 山』⇒『まもなく、郡 山です。』⇒『郡 山』

[編集] 主要機器

機構的には国鉄分割民営化後に製造された205系1000番台および213系を基にしており、加えて耐雪ブレーキなどの耐寒・耐雪装備を備える。

基本的なシステムは日本国有鉄道(国鉄)時代に新製した211・213系に準ずるが、高密度高速運転が実施されている線区への導入を前提としていたためもあってか編成内のMT比1:1が維持され、かつ加速度も大きく設定されている。

[編集] 主電動機

編成や車種構成の都合から1M方式とMM'ユニット方式[7]の2種の主回路構成を採る形式が混在していることから、713系用として開発されたMT61を基本とするWMT61S[8]および213系用として開発されたMT64を基本とするWMT64S[9]の2種の主電動機が採用されている。

これらは端子電圧は異なるが、磁気回路の工夫などにより出力特性が極力同一となるように設計されており、いずれも全界磁時には低定格回転数・強トルクの出力特性を備える。

駆動システムは中空軸平行カルダンであり、これはJR西日本最後の採用例となった。また、歯車比は211系と同じ5.19である。

[編集] 制御器

205系で開発されたCS57(MM'ユニット方式)と、213系で開発されたCS59(1M方式)をそれぞれ基本とする、WCS57B・WCS59Cを搭載する。制御方式は界磁添加励磁制御であり回生ブレーキを常用する設計となっているため、211系などと同様、勾配線での抑速ブレーキも使用可能である。

このシステムでは主回路に電動カム軸制御器と抵抗器が残されており、抵抗最終段までは従来通りの抵抗制御と直並列制御を組み合わせて加減速するため、本系列でも起動加速時等に進段に伴う前後衝動が発生する。

運転台のマスコンは、ブレーキとマスコンが別々の横軸ツインレバー型をJR西日本としては初めて採用した。これはブレーキを掛けた状態から加速すると発車時の衝撃を緩和できるとの発想などから採用されており、阪急大阪市交通局堺筋線以外の関西鉄道車両に多く見られる方式である。ワンハンドル型ではこの様な操作ができないため、あえて採用しなかったとの説もある。

[編集] 集電装置

パンタグラフとして、JR西日本としては初の下枠交差式であるWPS27が採用された。これは以後207・223系の各系列にも継承されている。

[編集] 台車

円錐積層ゴムによる軸箱支持機構を備えるボルスタレス台車であるDT50・TR235を基本とするWDT50H(動台車)・WTR235H(付随台車)が採用された。オリジナルとの相違点は高速走行時の安定性向上を睨んだヨーダンパ設置準備工事の有無で、これは1998年以降、順次追加取り付けが実施されている[10]

[編集] ブレーキ

システムとしては205系や211系などと同様、電力回生併用電気指令式空気ブレーキ 方式であるが、最高速度が110km/hから120km/hへ引き上げられたため、その分ブレーキの増圧などの強化が図られている。

[編集] 冷房装置

冷房装置はそれまで国鉄が採用していたAU75系の集中式1基搭載から、集約分散式のWAU701[11]2基を各車毎に搭載する方式を採用した。これにより冷房装置の重量が2分されるため、集中式1基搭載と比較して構体、特に冷房装置を支持する天井の梁や側柱の強度設計が容易になっている。

また、このWAU701はマイコン搭載により自動運転が可能となっており、通年連続運転により屋根上で腐食の原因となっていたベンチレーターの廃止が実現している。

[編集] 警笛

警笛は、通常のタイフォンが採用されたが、それまでの113系117系電車などに装着されているものとは違った音色を出すものになった。このタイフォンは223系、207系などのタイフォンと同じ音である。なお、223系、207系はミュージックホーンと同時吹鳴される。なお網干区在籍車はタイフォンと合わせてホイッスルが装着された。

ホイッスルはタイフォンと同じく床下のスカートの裏面部に装着されている。また、奈良電車区の221系はEB、TE設置の際に警笛にホイッスルが追加されている。

[編集] 形式・編成

当初から新快速としての運用以外にも近郊線区への配属も視野に入れていたこと、常にMT比(編成内の電動車と付随車の比率)が1:1になるように設定したことから、電動車2両でユニットを組む221形グループと電動車1両と付随車1両の2両でペアを組む220形グループが並行して製造された。この結果、奈良線向けの2両編成から東海道・山陽本線の最大12両編成まで需要に応じた編成を自由に組成でき、また6両編成時の113系[12]のように電動車比率が必要以上に高くになることもなくなった。

[編集] MM'ユニット車グループ

クモハ221形(Mc)

米原大垣京都(山陰本線)・天王寺JR難波方の先頭に連結される制御電動車。パンタグラフと主制御器などを搭載し、モハ221形とユニットを組んで使用される。

モハ221形(M')

クモハ221形とユニットを組む中間電動車。空気圧縮機(CP)などの空制系機器と冷暖房などのサービス電源を供給する静止形インバータ(SIV)などの補助機器を搭載する。

クハ221形(Tc)

トイレを設置する制御車播州赤穂上郡園部福知山加茂方の先頭に連結される。

サハ221形(T)

付随車。主要機器は搭載されておらず、連結位置はモハ221形の下り方に固定されている。

[編集] 1M車グループ

クモハ220形(Mc1)

JR難波・天王寺(阪和線)方の先頭に連結される制御電動車。パンタグラフ、制御器と補助電源用SIVを搭載する。クハ220形とペアを組み、2両編成を組成した。後にサハ220形とペアを組み、4両に組成されるものも出現した。網干には配置されていない。

モハ220形(M1)

パンタグラフ、制御器と補助電源用SIVを搭載する中間電動車。サハ220形またはクハ220形とペアを組み、6連および8連組成では、MM'ユニット車グループと混結される。

クハ220形(Tc')

加茂・京都方の先頭に連結される制御車。CPを搭載、トイレを設置し、クモハ220形とペアを組み、2両編成を組成した。後にモハ220形とペアを組み、4両に組成されるものも出現した。網干には配置されていない。

サハ220形(T')

CPを搭載する付随車。クモハ220形またはモハ220形とペアを組み、6連および8連組成では、MM'ユニット車グループと混結される。

[編集] 編成

←大垣・米原   播州赤穂・上郡→
網干
総合車両所
所属車
クモハ221
(Mc)
モハ221
(M')
サハ221
(T)
モハ220
(M1)
サハ220
(T')
モハ220
(M1)
サハ220
(T')
クハ221
(Tc)
クモハ221
(Mc)
モハ221
(M')
サハ221
(T)
モハ220
(M1)
サハ220
(T')
クハ221
(Tc)
 
クモハ221
(Mc)
モハ221
(M')
サハ221
(T)
クハ221
(Tc)
 
←JR難波・天王寺   奈良・加茂→
奈良電車区
所属車
クモハ221
(Mc)
モハ221
(M')
サハ221
(T)
モハ220
(M1)
サハ220
(T')
クハ221
(Tc)
 
クモハ221
(Mc)
モハ221
(M')
サハ221
(T)
クハ221
(Tc)
 
クモハ220
(Mc1)
サハ220
(T')
モハ220
(M1)
クハ220
(Tc')
 
クモハ220
(Mc1)
クハ220
(Tc')
 
←近江今津   園部・福知山→
京都総合運転所
所属車
クモハ221
(Mc)
モハ221
(M')
サハ221
(T)
クハ221
(Tc)
 

[編集] 新製配置とその後の経過

[編集] 短期間での大量増備

大きな窓や快適な座席は好評を博し、製作期間わずか3年で総数474両に達する大量増備となった。そのため、増備前後の車両相違点は少ない(出入り口ドアの頭上に通路上と分離してつり革がある車両が初期車であることなど)。

  • 1989年2月から3月にかけて第1陣54両が竣工し、新生JRの象徴として強い印象を世間に与えた。続いて7月にかけて第2陣として118両が製造され、合わせて網干総合車両所に100両・奈良電車区には72両が配置された。網干所車は東海道・山陽線の新快速・快速運用に、奈良区車は関西線の大和路快速にそれぞれ運用された。
  • 翌1990年度にも200両の大量増備が実施された。このうち194両は網干所に配置されて東海道・山陽線の新快速・快速運用に充当され、中間車のみの6両が奈良区に配置され大和路快速の編成増強に充てられた。
  • 1991年度にも網干所に102両が新製配置され、ラッシュ時を除くほとんどの新快速運用を221系で行うようになった。この時点で網干には396両、奈良には78両が配置されている。

[編集] 本線運用の縮小と他路線への転出

網干区に1997年に223系が追加投入され始めて以来、本線から捻出された車両が他路線に転出する形態が続いている。

  • 1997年3月に223系1000番台44両が投入されたことにより、24両が網干から奈良へ転出し、関西本線(大和路線)の快速強化に使われた。この時点では網干372両、奈良102両の配置。
  • 1999年5月223系2000番台新造に伴い、余剰となったA編成の定期運用が宝塚線で設定された。
  • 2000年3月からは新快速をすべて223系の130km/hでの運転とした。一方阪和線での快速運用に221系を投入することになり、8両・6両・4両編成各2本の合計36両が網干所から奈良区に転属した。阪和線内運用も奈良車でまかなっている。
  • 2001年3月改正で奈良線にみやこ路快速を新設した。その運用増のため、6両・4両編成各3本の計30両が奈良区に転属。ちなみに本線ではこの時は223系の追加補充はなく、余剰気味の113系を活用して対処した。
  • 2003年12月1日改正では、新快速を芦屋に全列車停車させることとし、新快速が8分間隔で運転される時間帯の朝の上りの快速も223系による130km/h運転とし、神戸から大阪まで先発先着とした。
  • 2004年10月16日からは、すべての本線快速を221系または223系で運転することになり、6両編成2本が8両1本,4両1本へと組み替えられ、JR東海管内の大垣への乗り入れを開始した。また、神戸線に続き、京阪間でも朝の下り快速を223系で130km/h運転することとしたため、221系による快速は朝ラッシュ時間帯終了後の運転となった。
  • 2007年には奈良区の車両配置に余裕を持たすため、1月に6両編成、3月に4両編成各1本の合計10両が網干所から奈良区に転属した。その結果同年3月改正時点で網干区には296両、奈良区には178両の配置となった。
  • 2008年1月21日より琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線系の221系運用に充当する目的で、一部の223系2000番台1次車の車両性能を221系と同一水準になるよう機器の設定が変更された223系6000番台(網干区所属)が運用を開始した。223系#系列別概説を参照。
  • 2008年3月、山陰本線(嵯峨野線)、湖西線、草津線に残る113系電車を置き換えるため、網干所から4両編成6本が京都総合運転所に転属。これにより、221系は網干・奈良・京都の3区所に分散配置されることになった。

[編集] 運用線区の拡大

  • 1989年の運転開始時は、東海道・山陽本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線・湖西線)と、関西本線(大和路線)・大阪環状線が主な運用線区。
  • 1997年3月、関西本線(大和路線)のJR難波発着の区間快速に投入(昼間のみ)。日中も和歌山線高田まで入線するようになる。同線の運転区間も全区間に拡大(2002年に王寺 - 五条間に縮小)。
  • 1999年10月、福知山線(JR宝塚線)で運用開始。
  • 2000年3月、阪和線・紀勢本線(きのくに線)天王寺 - 紀伊田辺間で運用開始。
  • 2000年3月、福知山線(JR宝塚線)の丹波路快速を新設。
  • 2001年3月、奈良線での運用開始、みやこ路快速を新設。
  • 2008年2月18日、山陰本線(嵯峨野線)で運用開始。
  • 2008年3月15日、湖西線での運用が復活。

[編集] 脚注

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  1. ^ 台車へのヨーダンパ追加やブレーキ系の改修などを実施。試験後は元通りに復元された。
  2. ^ 鉄道ファン2009年2月5日付けに掲載
  3. ^ 221系は通常すべて淡灰色ガラスを使用する。
  4. ^ ドア部分および車端部のみ固定クロスシートとなっている。
  5. ^ 最近一部の姫路側先頭車が前から3列程度のシートを焦げ茶色のものに交換している。新シートは321系とほとんど同じものだが、今のところ普及はしていない模様である。
  6. ^ 現在は定期運用は存在しない。
  7. ^ ユニットとは、主制御器やコンプレッサー、電動発電機(あるいは静止形インバータ)などの機器を個別に集約搭載する車両を隣同士に連結して1つの機構を完成させる方式のことである。また、全車が奇数形式同士でユニットを組むのは、221系のみ(北海道旅客鉄道(JR北海道)721系では制御電動車とのユニットは奇数形式同士であるが、中間電動車のユニットは従来どおり)で、その他の系列ではM'車が必ず偶数形式になる。
  8. ^ 端子電圧375V時定格出力120kW。
  9. ^ 端子電圧750V時定格出力120kW。
  10. ^ ボルスタレス台車はその基本特性から高速走行時にはヨーダンパの取り付けが必須と見なされており、本系列も竣工当初から117系のDT32系台車と比較して蛇行動が発生しやすいことが指摘されていた。設置工事の開始当初はコストと効果を勘案し、電動車は各台車の左右に、制御車と付随車は各台車の片側面にそれぞれ取り付けられたが、制御車及び付随車でも片側だけでは抑制効果が不十分であったのか、後に各台車の左右への取り付けが進められている。
  11. ^ 冷凍能力18000kcal/h。
  12. ^ 221系の6両編成は「クモハ221-モハ221-サハ221-モハ220-サハ220-クハ221(3M3T=MT比1:1)」と組まれる。113系もMT比1:1で走行できるが、電動車同士のユニットしか存在しないため、6両編成時の組成が「クハ111-モハ113-モハ112-モハ113-モハ112-クハ111(4M2T=MT比2:1)」となってしまい、不経済だった。221形には中間電動車同士のユニットは存在しないため、6両編成、8両編成は全てモハ220-サハ220形のユニットを連結している。

[編集] 関連項目

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