ウシ
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| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Bos taurus | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Cattle |
ウシ(牛)は、哺乳綱ウシ目(偶蹄目)ウシ科ウシ亜科の動物。野生のオーロックス(絶滅)をもとにして、新石器時代に西アジアで家畜化されたと考えられる。
家畜化の過程で、世界各地でさまざまな品種が生じて、姿形もかなり異なるようになった。この点は、家畜化された犬と同様である。
「ウシ」は、狭義では特に(種レベルで)家畜種のウシ Bos taurus を指す。一方、やや広義では、ウシ属 Bos (バンテンなどの野生牛を含む)の総称となる。さらに広義では、ウシ亜科(反芻亜目) Bovinae の総称となる。すなわち、アフリカスイギュウ属、アジアスイギュウ属、ウシ属、バイソン属などを指す。
以下ではこのうち、家畜ウシについて解説する。ウシと比較的近縁の動物としては、同じウシ亜目(反芻亜目)にキリン類やシカ類、また、同じウシ科の仲間としてはヤギ類、レイヨウ類などがある。
世界全体では13億頭のウシがいると見積もられている。
目次 |
[編集] 呼称
ウシのオスを雄牛(おうし、牡牛とも、ブル、bull)、メスを雌牛(めうし、牝牛とも、cow)という。英語ではさらに、去勢牛を区別して ox (複数形 oxen)という。ただし英語版Wikipediaには、これらの項目はなく、総称してcattle(集合名詞)という項目がある。
日本の東北地方ではウシを「べこ」と呼ぶ。これは、犬を「わんこ」、猫を「にゃんこ」と呼ぶように、牛の鳴き声(べー)に、「こ」をつけたことによる。地方によっては「べご」「べごっこ」とも呼ばれる。ただし、日本における牛の鳴き声を表す擬音語でもっとも一般的なものは「モー」である。
[編集] 生態・形態上の特徴
ウシは4つの胃をもち、一度飲み込んだ食べ物を胃から口中に戻して再び噛む「反芻(はんすう)」をする反芻動物の1つである。実際には第4胃のみが本来の胃で胃液が分泌される。第1胃から第3胃までは食道が変化したものであるが、草の繊維を分解する細菌類、原虫類が常在し、繊維の消化を助ける。動物性タンパク質として細菌類、原虫類も消化される。ウシの歯は、雄牛の場合は上顎に12本、下顎に20本で、上顎の切歯(前歯)は無い。そのため、草を食べる時には長い舌で巻き取って口に運ぶ。鼻には、個体ごとに異なる鼻紋があり、個体の識別に利用される。
[編集] 家畜としてのウシ
家畜であるウシは、食用では肉牛として牛肉や牛脂を、乳牛として牛乳を採るために飼養され、また役牛として農耕(耕牛)や運搬(牛車)などのための動力としても利用されてきた。牛皮は「牛革」としてかばんや各種ケース、ジャンパー・ベルト・靴など衣類・装身具等の材料にされ、牛糞は肥料や地方によっては重要な燃料及び建築材料として利用される。
- 農耕を助ける貴重な労働力であるウシを殺して神への犠牲とし、そこから転じてウシそのものを神聖な生き物として敬うことは、古代より非常に広い地域と時代にわたって行われた信仰である。現在の例として、インドの特にヒンドゥー教徒の間で、ウシが神聖な生き物として敬われ、食のタブーとして肉食されることがないことは、よく知られている。
- 牛が釘などを食べた場合に胃を保護するため、磁石を飲み込ませておく事もあるという。
- スペイン・ポルトガルといった国においては、闘牛として人(闘牛士)との闘いの興行を行っている。
- 日本を含めた東洋の一部の国々においては、牛同士の闘いを闘牛として興行を行っている。
- アメリカ合衆国においては、暴牛の背に乗る競技(ロデオ)も存在する。
[編集] ウシのおもな品種
[編集] 欧州由来の品種
- アバディーン・アンガス種(無角牛、スコットランド原産、肉牛)
- アングラー種(ドイツ原産、乳肉兼用)
- ウェルシュブラック種(イギリス原産、乳肉兼用)
- エアシャー種(スコットランド原産、乳牛)
- キニアーナ種(イタリア原産、役肉兼用 欧州系で最大の標準体型を持つ)
- ギャロレー種(イギリス原産、肉用)
- グロニンゲン種(オランダ原産、乳肉兼用)
- ケリー種(アイルランド原産、乳用)
- ゲルプフィー種(ドイツ原産、肉用)
- サウスデボン種(イギリス原産、乳肉兼用)
- ジャージー種(イギリス領ジャージー島原産、乳牛)
- シャロレー種(フランス原産、肉牛)
- ショートホーン種(スコットランド原産、肉牛)
- シンメンタール種(スイス原産、乳肉兼用)
- スウェーデンレッドアンドホワイト種(スウェーデン原産、乳用)
- デキスター種(イギリス原産、乳肉兼用)
- デボン種(イギリス原産、肉用)
- デーリィショートホーン種(イギリス原産、乳肉兼用)
- ノルウェーレッド種(ノルウェー原産、乳用)
- ノルマン種(フランス原産、乳肉兼用)
- ハイランド種(イギリス原産、肉用)
- パイルージュフランドル種(ベルギー原産、乳肉兼用)
- ピンツガウエル種(オーストリア原産、肉用)
- フィンランド種(フィンランド原産、乳用)
- ブラウンスイス種(スイス主産、乳肉兼用)
- ヘレフォード種(イングランド原産、肉牛)
- ホルスタイン種(オランダ原産、乳牛、黒と白の模様で日本でもよく知られる)
- マレーグレー種(オーストラリア原産、肉牛)
- マルキジアーナ種(イタリア原産、役肉兼用)
- ミューズラインイーセル種(オランダ原産、乳肉兼用)
- ムーザン種(フランス原産、肉用)
- モンベリエール種(フランス原産、乳肉兼用)
- リンカーンレッド種(イギリス原産、乳肉兼用)
- レッドデーニッシュ種(アイルランド原産、乳肉兼用)
- レッドポール種(イギリス原産、乳肉兼用)
- ロートフィー種(ドイツ原産、肉用)
- ロマニョーラ種(イタリア原産、役肉兼用)
- ホワイトベルテッドギャラウェイ種(スコットランド原産)
[編集] アジア由来の品種
[編集] 日本在来牛
[編集] ウシの仲間
[編集] 生薬
胆石は牛黄(ごおう)という生薬で、漢方薬の薬材。解熱、鎮痙、強心などの効能がある。救心、六神丸などの、動悸・息切れ・気付けを効能とする医薬品の主成分となっている。日本薬局方に収録されている生薬である。
牛の胆石は千頭に一頭の割合でしか発見されないため、大規模で食肉加工する設備を有する国が牛黄の主産国となっている。オーストラリア、アメリカ、ブラジル、インドなどの国がそうである。ただし、BSEの問題で北米産の牛黄は事実上、使用禁止となっていることと、中国需要の高まりで、牛黄の国際価格は上げ基調である。
現在では、牛を殺さずに胆汁を取り出して体外で結石を合成したり、外科的手法で牛の胆嚢内に結石の原因菌を注入して確実に結石を生成させる、「人工牛黄」または「培養牛黄」が安価な生薬として普及しつつある。
[編集] 牛糞の利用
糞は肥料にされる。与えられた飼料により肥料成分は異なってくるが、総じて肥料成分は低い。肥料としての効果よりも、堆肥のような土壌改良の効果の方が期待できる。また、堆肥化して利用することも多い。園芸店などで普通に市販されている。
乾燥地域では牛糞がよく乾燥するため、燃料に使われる。森林資源に乏しいモンゴル高原では、牛糞は貴重な燃料になる。またエネルギー資源の多様化の流れから、牛糞から得られるメタンガスによるバイオマス発電への利用などが模索されており、スウェーデンなどでは実用化が進んでいる。
アフリカなどでは住居内の室温の上昇を避けるために、牛糞を住居の壁や屋根に塗ることがある。
[編集] 慣用句
- 牛にひかれて善光寺参り:人に連れられて思いがけず行くこと。昔、老婆がさらしておいた布を牛が引っ掛けて善光寺に駆け込んだので、追いかけた老婆はそこが霊場であることを知り、以後たびたび参詣した、という伝説から。
- 牛の歩み:牛歩とも。進みのおそいことのたとえ。
- 牛の角を蜂が刺す:硬い牛の角には蜂の毒針も刺さらないことから、何とも感じないこと。
- 牛の寝た程:物の多くあるさまの形容。
- 牛は牛づれ(馬は馬づれ):同じ仲間同士は一緒になり、釣り合いが取れるということ。
- 牛は水を飲んで乳とし、蛇は水を飲んで毒とす:同じものでも使い方によっては薬にも毒にもなることのたとえ。
- 牛も千里、馬も千里:遅いか早いかの違いはあっても、行き着くところは同じということ。
- 牛を売って牛にならず:見通しを立てずに買い換え、損することのたとえ。
- 牛飲馬食:牛や馬のように、たくさん飲み食いすること。
- 牛耳る(牛耳を執る):団体・集団の指導者となって指揮を取ること。
- 商いは牛の涎:細く長く垂れる牛の涎(よだれ)のように、商売は気長に辛抱強くこつこつ続けることがこつだというたとえ。
- 九牛の一毛:非常に多くの中の極めて少ないもの。
- 暗がりから牛:物の区別がはっきりしないこと。あるいはぐずぐずしていることの例え。
- 鶏口となるも牛後となるなかれ(牛の尾より鶏の口、鶏口牛後):大集団の下っ端になるより小集団でも指導者になれということ。人の下に甘んじるのを戒める、もしくは小さなことで満足するを否とする言葉。
- 牛歩戦術
[編集] 関連項目
- 牛頭天王
- 牛頭鬼(ごずき)
- 件(くだん)
- 牛宿・牽牛
- 木牛
- トレーサビリティ (流通)
- 闘牛(牛の角突き)
- エルム・ファーム・オーリー

