川崎鶴見臨港バス

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川崎鶴見臨港バス株式会社
KAWASAKI TSURUMI RINKO BUS Co.,LTD
Ktrinkobushonsha.jpg
本社
種類 株式会社
略称 臨港バス
本社所在地 日本の旗 日本
210-0024
神奈川県川崎市川崎区中瀬3-21-6
設立 1937年11月18日
業種 陸運業
事業内容 乗合バス事業、貸切バス事業、特定バス事業他
代表者 代表取締役社長 宮沢和德
資本金 1億8,000万円(2013年6月現在)
売上高 91億1,135万円(2013年3月期)
従業員数 848名(2013年9月現在)
主要株主 京浜急行電鉄(100%)
主要子会社 #関連会社参照
外部リンク http://www.rinkobus.co.jp/
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臨港バスの一般路線車

川崎鶴見臨港バス(かわさきつるみりんこうバス)は、主に横浜市北東部・川崎市東部を走る京浜急行電鉄(京急)グループのバス会社である。臨港バスと略す。

概説[編集]

川崎鶴見臨港バスは、現在のJR鶴見線の前身にあたる鶴見臨港鉄道のバス事業を起源とするバス事業者である。1954年から京浜急行電鉄の子会社となり、京浜急行線・JR線・東急線の駅を発着する路線を中心に、川崎市東部や横浜市北東部を基盤として路線を展開している。

現在の一般路線は川崎市川崎区幸区中原区横浜市鶴見区港北区神奈川区を営業範囲とし、両市を跨る路線も存在する。営業範囲に乗り入れる他のバス事業者は京浜急行バス(羽田京急バス)・川崎市バス横浜市営バス東急バスなどがあり、このうち川崎市バスとは一部路線で共同運行を実施しているほか、川崎市バス上平間営業所の管理や運行の受託も実施している。臨港バスの路線の大半は川崎駅鶴見駅を拠点として、京浜工業地帯や住宅街、あるいは他の鉄道駅に伸び、内陸部は東急東横線の駅までが基本であるが、東急線よりも内陸側まで乗り入れる路線もある。かつては東京都内にも京浜急行バスとの相互乗り入れという形態で一般路線が大田区に乗り入れていたが、現在では羽田空港リムジンバスが乗り入れるだけとなっている。また、東京湾アクアライン開業後はアクアライン高速バスや成田空港リムジンバスが千葉県に乗り入れている。横浜駅に乗り入れる一般路線は存在せず、以前は高速路線にも横浜駅に乗り入れる路線がなかったが、現在では通勤高速バスとして横浜駅と東扇島地区・浮島地区を結ぶ路線を京浜急行バス(横浜京急バス)と共同運行している。

一般路線の系統番号は一部の路線を除き導入されており、「川03」「鶴01」などのように「起終点の文字1文字+数字2桁」で表記し、案内放送でも表記通りに読み上げて放送される。途中に通過停留所のある便は系統番号の代わりに「急行」・「快速」・「直行」の種別を併記する。かつては方向幕の車両が多く、系統番号部分や行先部分の色分け、循環経路など特徴ある表記がされているものもあったが、現在はほとんどの車両がLED式の行先表示器を搭載している。

沿革[編集]

営業所[編集]

(全て神奈川県に所在)

車両[編集]

一般路線車[編集]

ジェイバスいすゞ日野)、三菱ふそうの3社の車両が在籍している。 かつては、各営業所の営業エリアにメーカーの工場があったため、浜川崎営業所=日野、塩浜営業所=三菱ふそう、神明町営業所と鶴見営業所=いすゞ、という明確な区分けがなされていたが、現在大多数はジェイバス(いすゞ)車であり、塩浜営業所・神明町営業所・鶴見営業所に配備されている。 ジェイバス(日野)車は、最近まで浜川崎営業所のみに配備されていたが、2007年秋より、塩浜営業所への配備も開始された。 三菱ふそう車も最近までは塩浜営業所に少数の配備車が残るのみとなっていたが、2007年秋より新車導入が再開され、浜川崎営業所に配備が始まった。 2014年現在では再びメーカーによる区分けがされており、浜川崎営業所=三菱ふそう、塩浜営業所=日野、神明町営業所と鶴見営業所=いすゞ、と新車の導入メーカーが指定されている。 また、従来は神明町営業所に少数の中型車が配置されていた以外は大型車しか在籍していなかったが、経営合理化の一環として、運行経路の道幅が狭く大型車での運行が難しい路線や乗客数の比較的少ない路線・時間帯には中型車を運行している。 1990年の浜川崎営業所へのワンステップバス導入を皮切りに低床化に取り組み、1998年には初のノンステップバスを鶴見営業所に導入。その後は車椅子スロープ付きワンステップバスとノンステップバスを並行して導入してきたが、2009年以降の一般路線車は原則としてノンステップバスのみが選択されており、2010年以降は各営業所でオートマチック車が相次いで導入されている。 新車導入・既存車体売却のサイクルが非常に早いバス会社として知られている。現在は概ね10 - 12年程度のサイクルで車両の置き換えを行っている。その他、新車導入から約6年程度経過した車両を対象に、車体更新工事を京急ファインテック金沢事業所で実施している。

低公害車日野・ブルーリボンシティハイブリッドを浜川崎営業所と塩浜営業所に、三菱ふそう・エアロスター尿素SCRシステム搭載車(2007年、2008年式はワンステップ車、2009年式以降はノンステップ車)を浜川崎営業所に導入。いすゞ・エルガいすゞ・エルガミオや日野・ブルーリボンII、レインボーIIもアドブルー使用車を原則選択するようになり、現在では基本的にエルガは神明町営業所・鶴見営業所、エルガミオは神明町営業所、ブルーリボンIIとレインボーIIは塩浜営業所に導入している。

川崎鶴見臨港バスでは停留所の着発時や右左折時、狭い道路や交通量の多い道路の走行時などに注意促進のため、早い時期からウィンカーチャイム(右左折警報音)を装備している。ウィンカー点滅中に「キンコン、キンコン」という音が鳴るもので、臨港バスの運行エリアでは頻繁に聞くことができる。臨港バス以外の近隣のバス事業者では京浜急行バス東急バス相鉄バスなどでも同様のウィンカーチャイムを採用している。かつては車内案内表示器が設置されていなかったが、2001年頃に2段表示のLED式車内案内表示器が採用されるようになり、新車では当初から設置された。2002年度以降導入車でLED式の行先表示器を採用し、現在はほとんどの車両がLED式行先表示器を装備しており、既存の方向幕装備車両も一部車両がLED式行先表示器に交換された。2009年度導入車からは緑色に着色されて紫外線をカットするUVカットスモークガラスと、中扉のドアチャイムおよび開閉ランプが、2012年度導入車からは車内LED照明が本格採用されている[4]

現在の車両のカラーリングは、白色地に3本(正面と後面は1本)の濃い青色帯と1本の赤色帯を巻くのが基本パターンである。かつては銀色地に紺色の帯というカラーリングであり、後述の創立70周年記念キャンペーンの際に復刻された。また、過去にはギャラリーバスも運行されており、他のバス車両とは全く異なるカラーリングで絵をペイントされたため目立つ存在であった。現在は一部の車両が車体広告(ラッピング)車となっている。

高速路線・貸切車[編集]

観光タイプの車両は三菱ふそう・エアロエースが主力で、少数のいすゞ・ガーラ(初代)が加わる。また、高速路線と一般路線の両方に使用でき、ワンステップ・スロープ付きのため車椅子の乗車にも対応するいすゞ・エルガの長尺ワンロマ車も在籍している。前者は羽田空港リムジンバスとアクアライン高速バス、貸切輸送に、後者は、高速道路対応の一般路線バスで川崎ー浮島橋に主に使用されてかつてY-CAT-東扇島・浮島地区の高速通勤バスとして使われたバスであるためシートベルトや補助席は、搭載されてものの川崎-浮島橋では利用ができない。かつては一般路線バスと同じ色を用いつつカラーリングを変え、「Rinko Bus」のロゴを入れていたが、現在の塗装は白色地に、青色と赤色の楕円形を入れたもので、「Rinko」のロゴが入る(行き先表示機にも「Rinko」のロゴを表示できる)。

特定輸送車[編集]

川崎市・横浜市に所在する養護学校のスクールバスの運行を受託しており、いすゞ・エルガ・三菱ふそう・ローザエアロミディ・エアロスターや日野・リエッセを保有する。

社番[編集]

一般路線車及び特定輸送車の社番は、数字1字(メーカー)+英字1字(営業所)+数字3桁(固有番号)で表記され、1T342ならば、「1=いすゞ車(2:日野、3:三菱ふそう)でT=鶴見営業所所属の342号車」となる。営業所間の転属の際には英字の書き換えも行われる。なお、前面と後面にはメーカーを示す数字が省略されたものが記載される。高速路線車及び貸切車は、数字1字(用途)+数字3字(固有番号)で表記され、3015ならば、「3=高速路線車(1:貸切車)の015号車」となる[5]

廃車車両の譲渡[編集]

川崎鶴見臨港バスで役目を終えた車両は全国の地方事業者に譲渡されている。

同社は京浜急行バスとともに古くから全国の地方事業者に廃車車両を供給しており、譲渡先は北は北海道から南は沖縄県まで広範囲に存在する。神奈川県を含む首都圏が自動車NOx・PM法による排出ガス規制強化地域に指定された2000年以降はさらに増加していて、近年はワンステップバスも地方事業者へ移籍している。

主な譲渡先は、ジェイ・アール北海道バス道南バス苫小牧市交通部2012年3月事業廃止道南バス移管)、秋北バス羽後交通茨城交通関東自動車長電バス川中島バス中鉄北部バス九州産交バス佐世保市交通局那覇バスなどである。

また、一部の車両はミャンマーなど海外へも輸出されている。その他、いすゞ・キュービック1両がテレビ番組向けのロケ車として転用され、年末の日テレ系列の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」の笑ってはいけないシリーズなどに使われている。

乗車運賃[編集]

  • 川崎市内は1乗車につき現金払いの場合210円(小児110円)、交通系ICカード払いの場合206円(小児103円)である。横浜市内1乗車につき現金払いの場合220円(小児110円)、交通系ICカード払いの場合216円(小児108円)である。
    • 川崎・横浜市内の境界バス停は寛政・京町三丁目・池田一丁目・南幸町・末吉橋西詰・鷹野大橋である。
    • 横浜、川崎をまたがって利用する場合は横浜市内運賃が適用されるが、川53・川54・川56・川57・川61・川69系統は全区間川崎市内運賃が適用となる。(尻手駅前 - 矢向南町 - 末吉橋、矢向南町 - 江ヶ崎、静翁寺前 - 矢向駅前 - 神田は横浜市内であっても川崎市内運賃を適用する。なお江ヶ崎八幡 - 江ヶ崎は鶴11が横浜市内運賃を、川54が川崎市内運賃をそれぞれ適用する。)
  • 深夜バスは運賃が2倍になる。定期券や福祉敬老乗車証を利用の場合はその半額で乗車できる。
  • 長期休暇やゴールデンウィークなどには小児運賃が50円になる(現金払いのときのみ)。2014年7月以降は小児運賃50円のキャンペーンを廃止し、「夏休みちびっ子フリーパス」(期間中に臨港バス一般路線に何度も乗車できる小児用のフリーパスで1枚1000円)を期間限定で発売する。
  • ICカードは「PASMO」「Suica」の他、全国相互利用サービス対象の交通系ICカードが利用できる。チャージは乗務員に申告した上で、1000円札1枚に限り行うことが可能。利用額に応じて割引が適用される「バス利用特典サービス」は「PASMO」「Suica」のみ対象となる。
  • 定期券は川崎市内全線定期券(川崎市内均一運賃区間が利用可能。横浜市内運賃適用区間への乗り越しは所定運賃の支払いが必要)、横浜市内ゾーン定期券(鶴見駅、菊名駅、綱島駅、新横浜駅の各駅から2km以内を対象とし、1枚につき1つのゾーンのみ利用可能[6])、臨港バス全線定期券(臨港バスの一般路線全区間で利用可能。高速路線と川崎病院線を除く)、学生応援パス(発売日から翌年3月31日まで臨港バスの一般路線全区間で利用可能)を発売している。
    • 臨港バス全線定期券はICカード「PASMO」「Suica」に発売でき、鉄道定期券と同じICカードに記録することも可能。その他の定期券は紙式定期券での発売となる。
  • 通勤定期券には環境定期制度がある。
  • 川崎病院線は1乗車100円(大人、小児同額。川崎市福祉敬老乗車証は利用できるが、回数券、定期券は利用できず、ICカードはバス利用特典サービスの対象外)。
  • 高速バス、空港連絡バスは区間により運賃が異なる。
  • 京急の株主優待券も利用可能。
  • 一日乗車券は発売されていない[7]。(2013年5月現在)

創立70周年記念キャンペーン[編集]

創立70周年を記念して復刻された先代のカラーリング
(いすゞ車1T079号車:港北区樽町にて)
創立70周年を記念して復刻された先代のカラーリング
(日野車2H055号車:川崎区新川にて)

2007年11月18日に会社創立70周年を迎えたことから、「創立70周年記念キャンペーン」と銘打って記念のキャンペーンを実施した。

キャンペーン内容
  1. オリジナルグッズ発売
    • 「ザ・バスコレクション 臨港バス70周年記念セット」(トミーテック・3,000セット限定・1,200円):日野ブルーリボン(浜川崎・2H050号車)といすゞキュービック(塩浜・1A838号車)の近年の臨港バスの代表的車種2種類セット。即日完売となったため、通販の取り扱いなし。
    • 「1/80スケール マスターズコレクション 臨港バス70周年記念モデル」(京商・1,000セット限定・4,000円):日野ブルーリボンシティハイブリッド(浜川崎・2H299号車)がモデル。コールドキャスト製の精密モデル。
  2. 記念バス共通カード発売
    • 1,000円券2枚組で2,000セット限定、2,000円で発売。
  3. 旧塗装車(銀バス)の復刻
    • 昭和50年代中頃まで走っていた、旧塗装(銀色地に紺色帯)を復刻した車両(浜川崎:2H055号車/鶴見:1T079号車)を走らせている。平日は固定ダイヤにはならないものの、土休日は銀バス限定仕業が組まれ、1T079号車が2008年10月19日まで、2H055号車は同年11月24日まで設定されていた。
    • 2008年の正月三が日には川崎駅~川崎大師間直行バスに投入された。
  4. 創立記念日限定ワンコインバス
    • 11月18日の創立記念日限定で、川崎木更津線・新横浜羽田空港線・たまプラーザ羽田空港線を除く、川崎・横浜市内均一運賃区間の臨港バスおよび臨港グリーンバスの全路線について、運賃を大人100円・小人50円とする「ワンコインバス」の運行を行った。

バス以外の事業[編集]

関連会社の臨港エステートではJR川崎駅京急川崎駅近くにあるさいか屋川崎ルフロンのビル賃貸の不動産業を行っている。関連会社の臨港コミュニティではプロント川崎東口店をフランチャイズ経営している。

脚注[編集]

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  1. ^ 『杉51・52 小杉線』の運行開始について(川崎鶴見臨港バス)[リンク切れ]
  2. ^ 臨港グリーンバス運行路線の引き継ぎについて(川崎鶴見臨港バス)
  3. ^ 定期券がさらにお得に便利に!新サービスが登場します[リンク切れ](川崎鶴見臨港バス)
  4. ^ 2008年度導入車まで中扉開閉時の音はブザー音だったが、一部車両で中扉のドアチャイムおよび開閉ランプが採用された。
  5. ^ バスラマ・インターナショナルNo.105 「バス事業者訪問116 川崎鶴見臨港バス」』 ぽると出版2007年、p.86。ISBN 978-4-89980-105-4
  6. ^ 「白鵬女子高校前」「旭台」「宮の下」停留所は鶴見駅ゾーン定期券では利用不可能。「三ツ池道」停留所は鶴11は利用できるが、川50は利用不可能
  7. ^ 川崎市内に一般路線を有するバス事業者で一日乗車券を発売していないのは当社のみである。なお、臨港バスの一般路線営業範囲に乗り入れる他社局のバス事業者はいずれも一日乗車券を発売している(ただし、羽田京急バスの川崎市内は対象外)。

関連会社[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]