三菱ふそう・ローザ

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ローザ(4代目) ショートボディ
Japan-kotsu-569.jpg
Japan-kotsu-569r.jpg
PDG-BE64DE ジャパン交通

ローザ (Rosa) は、三菱ふそうトラック・バスが製造するマイクロバスである。

概要[編集]

三菱のマイクロバスの歴史は、新三菱重工業(現在の三菱重工業及び三菱自動車工業)製の「三菱・ローザ」(B10系)と、三菱日本重工業(現在の三菱重工業及び三菱ふそうトラック・バス)製の「三菱ふそう・ライトバス」(MB720型)に端を発する(当時のブランド名は、新三菱重工業が「三菱」、三菱日本重工業が「三菱ふそう」であった)。

三菱ふそう・ライトバスは三菱・ライトローザへと取って代わられ、2代目の登場まで、三菱ブランドのローザとライトローザの二本立ての陣容であった。

以後、1964年三菱日本重工業三菱造船新三菱重工業の合併による三菱重工業の誕生、1970年の三菱自動車としての独立、さらに2003年の三菱ふそうトラック・バスへの分離を経て、現在は三菱ふそうブランドとなっている(車検証に記載される車名は「三菱」)。

特定バス、小型路線バスロケバスのほか、キャンピングカーのベース車としても使われており、マイクロバスでは唯一1987年グッドデザイン賞を受賞した車両でもある。また、日本のバス専用車としては最も長きに亘って四輪駆動モデルがラインアップされていた(ライバルのトヨタ・コースターには高機動仕様シャシ流用した仕様、日産・シビリアンにはいすゞ・エルフの4WDシャシを流用した仕様が存在した)が2011年のマイナーチェンジで廃止された。

歴史[編集]

初代(1960 - 1973年)[編集]

B10/B20系

初代B22D型 27人乗ハイルーフ
札幌市交通局

1960年、新三菱重工業(現在の三菱重工業及び三菱自動車工業)製の「三菱・ローザ」誕生。

ローザは中型トラックのジュピターをベースとした関係で、他社製マイクロバスに比べ大きめの車体で、価格も高く、当初からリアダブルタイヤを標準とし、直列6気筒ディーゼルエンジンや、当時の国産マイクロバスで唯一となる全長6m級のモデル(その後7mモデルも投入)を加えるなど、やや営業車向けのポジションであった。

メルセデス・ベンツ L319の影響を強く受けたスタイリングは、「だるまローザ」の異名を持つ。

三菱ふそう・ライトバス(1963 - 1966年)[編集]

MB720型

1963年、三菱・ローザとは別に、三菱日本重工業(現在の三菱ふそうトラック・バス 川崎製作所)の生産による、「三菱ふそう・ライトバス」が発売される。

こちらは2tトラックのT720型キャンターをベースとしており、他社同様の体躯で、三菱・ローザに比べ一回り小さい。車体は呉羽自動車製で、フロントまわりにキャンターと共通の意匠が見られる。

1964年、マイナーチェンジ。キャンターに歩調を合わせ、前照灯を丸形2灯から丸形4灯へ変更。

全長5500mm、定員21名、直列4気筒1986ccの4DQ1型ディーゼルエンジン、運転席ドアを持つなど、より自家用向けの内容であったが、バリエーション展開も無いまま、わずか3年でその座を「三菱・ライトローザ」へ譲っている。

三菱・ライトローザ(1966 - 1973年)[編集]

B12型/B13A型/B14型/B14A型/B16A型

三菱ふそう・ライトバス(MB720型)の実質上の後継として登場し、B10/20系三菱・ローザとは併売の形をとった。車格的にはこちらが現在のローザの直系の祖となる。

大柄な車体や営業車向けの品質ゆえに高額であったローザは、特に短尺車の販売が思わしくなく、自家用マイクロバス市場では他社の後塵を拝す結果となった。そこで、小型化とコストダウンに主眼を置いたマイクロバスを、乗用車生産のノウハウを持つ三菱重工業が開発することとなった。

外観が垢抜けなかったふそう製のライトバスから一転、トヨタ・ライトバス K170B系に非常に似たスタイルに改められ、寸法もトヨタ・ライトバスとほぼ同じとされた。直列4気筒のKE42型ガソリンエンジン、シングルタイヤ、定員25名と仕様を絞ったことで、価格競争力は十分となった。経済性が徹底的に追求され、定員もほぼ同寸のトヨタ・ライトバスに比べ3名(一列)多い。上級車として直列6気筒ディーゼルのKE63型搭載モデルもラインナップされた。

1969年、マイナーチェンジ。ガソリンエンジンをKE47型へ変更(車両型式はB13型となる)、さらにふそう系の2.4L 4DR1型ディーゼルエンジンや(B14型)、ダブルタイヤ車(B13A型/B14A型)を追加する。直6ディーゼルエンジンは廃止される。
外観では、側面方向指示器が大型化され、前照灯が丸形4灯からコルト1000同様の異型角形2灯となり、フロントグリルも工数の少ないメッシュタイプへ変更された。

1970年、マイナーチェンジ。フロントグリルの意匠変更。同年7月にもう一度マイナーチェンジを行い、ディーゼルエンジンを2.7Lの4DR5型へ変更、前照灯は再び丸形4灯となる。

2代目(1973 - 1986年)[編集]

B210系

2代目後期型 弘南バス 2ドア路線仕様

3代目(1986 - 1997年)[編集]

BE4系

3代目前期型
Kusakarukanko 8007.jpgKusakarukanko 8007 rear.jpg
(型式不明)草軽観光バス

同時に上級グレードのサスペンションにフロント独立懸架を採用。1992年に空気バネを追加。

  • 1995年5月 - 再度のマイナーチェンジ。フロント周りや内装の意匠を変更し、平成6年排出ガス規制(排ガス記号 KC- )適合。ヘッドランプにMS8系エアロバスに準じたプロジェクターランプ(但し一部グレードは規格型角型4灯式)を採用する。

4代目(1997年 - )[編集]

BE6系

4代目前期型・後部リフトつき
Tokyubus A2779-cityshuttle.jpgTokyubus A2779 rear.jpg
KK-BE66DG 東急バス
  • 1997年10月 - 登場。平成6年排出ガス規制 (KC-) 適合。バスとしては珍しく全車異型丸型4灯式ヘッドランプ・テールランプを採用し、丸みを帯びた外観となった。一部に新開発であり、クラス初のDOHC 16バルブ直噴ディーゼルエンジン(4M50系)を搭載する。マイクロバスでは初めて運転席エアバッグが設定された。パーキングブレーキレバーは、この時代には珍しくステッキ式を採用している。マイクロバスとして唯一乗降口が前輪のすぐ後ろに設けられたのも特徴。4WD車は低床化され、ステップ段数がワンステップとなった。
  • 1998年9月 - スーパーロングボディを追加。乗車定員30名以上の場合はマイクロバス扱いではなくなり、非常口が設けられる。
  • 1999年5月 - 一部改良。平成10年排出ガス規制 (KK-) 適合。
  • 2001年5月 - 一部改良。平成12年騒音規制適合。
  • 2002年6月 - CNG車追加。
  • 2004年10月 - 一部改良。平成15年排出ガス規制 (PA-) 適合。
  • 2005年10月 - 一部改良。灯火器規制適合。車名ロゴがROSAからRosaに変更され、位置もフロントから側面に変更。最上級グレード「スーパーロイヤル」が消滅。
  • 2007年4月27日 - マイナーチェンジ(発売は7月3日)。フロントバンパーフロントグリルの変更により、外観が大きく異なっている。フロントブレーキを2リーディングドラムからベンチレーティッド・ディスクに変更。また、平成17年排出ガス規制 (PDG-) に適合するなど、環境面にも配慮。エンジンは、4M50 T4 型 (110kW / 150PS) と4M50 T5 型 (132kW / 180PS) の2種類が設定され、幼児車には4WDの設定も行われた。
  • 2008年 - CXのロングボディが廃止され、CXはスーパーロングのみとなる。また、カスタムのスーパーロングが廃止された。
  • 2010年6月 - 生産が名古屋制作所大江工場から三菱ふそうバス製造 (MFBM) に移管。
  • 2011年8月 - 一部改良。平成22年度(ポスト新長期)排出ガス規制 (SKG-) 適合。平成27年度重量車燃費基準達成。乗員保護規制(ECE規制)対応。エンジンはフィアットグループのFPT社とダイムラー、そして三菱ふそうが共同開発した4P10型 (129kW / 175PS) を採用。排気後処理システムにはDPFに加え尿素水を用いたSCR触媒「BlueTecシステム」を採用。AT車は、バス業界では世界初となるデュアルクラッチトランスミッションであるDUONIC(デュオニック)(6速)を採用。サスペンションは全車フロント独立懸架式、リア車軸懸架式を採用。外観ではフロントプレスラインの変更により大型バスとの意匠の共通化をはかった。ショートボディー、幼児車、4WDが廃止された(発表8月24日、発売8月31日)。また、客席のシートベルトが2点式から3点式に変更。新たに補助席に2点式シートベルトが追加された。

 

ボンネットバス[編集]

4代目前期型・ボンネットバス
JRbuskanto M114-01002.jpgJRbuskanto M114-01002 rear.jpg
KK-BE63EG改 JRバス関東

4代目ローザではフロントエンジンの構造を利用して運転席の位置を後退させ、レトロ調のエンジンフードをかぶせたボンネットバスをCXベースの改造車扱いで設定している。クラシカルなデザインを採用することが多く、主に観光地や古い街並みを走る路線バスに使用されている。平成15年新短期排出ガス規制時に一時販売中止となったが、2008年に平成17年新長期排出ガス規制に適合し販売を再開した(型式はPDG-BE64DG改〈ロングボディ〉)[1]

三菱ふそう・ローザBK(1981 - 1986年)[編集]

三菱ふそう・ローザBK
Kotodenbus fuso rosabk P-BK215F.jpgKotodenbus fuso rosabk P-BK215F ria.jpg
P-BK215F コトデンバス

BK215F型

  • 1981年、7m以下のクラスでありながら1クラス上の中型バスのニーズにも対応できる車種として登場した。ワイドローザ[2]とも呼ばれ、中型トラックFKをベースに2代目ローザの全幅と全高を拡大したスタイルとなっている。ローザのホイールボルト数は5スタッドだが、ローザBKでは中型トラック同様の6スタッドになっており、エンジンは6D14型エンジン(160PS)が搭載されていた。[3]

リコール隠しの影響[編集]

なお、三菱ふそうリコール隠しによる国土交通省の制裁措置により、2004年9月1日から発売が中止されていた。2004年9月28日に型式審査が完了し、国土交通省から販売を許可されたため、同年10月下旬に販売を再開した。

車名の由来[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 『年鑑バスラマ2009→2010』 ぽると出版2009年、p.31。ISBN 978-4-89980-016-3
  2. ^ FUSO History 70周年記念特集
  3. ^ 日本のバス 1986 P.40

関連項目[編集]

外部リンク[編集]