三菱ふそう・キャンター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

キャンター(CANTER)は、三菱ふそうトラック・バスが製造・販売しているキャブオーバー型小型トラックである(1963年から1970年までは三菱重工業、1970年から2002年までは三菱自動車工業が製造・販売)。また、三菱ふそうブランドで唯一欧州で販売されている車種でもある。

インドネシアではコルトディーゼルの名でノックダウン生産されている。

目次

[編集] 歴史

[編集] 初代 T720型(1963-1968年)

[編集] 2代目 T90型(1968-1978年)

  • 1968年1月 登場。丸形4灯ライトが採用された。
  • 1970年7月 ディーゼルエンジンは新開発の4DR5 2.7L 80馬力に変更。
  • 1973年6月 マイナーチェンジで3分割タイプのフロントグリルを採用。2.0Lガソリン車はギャランと同じアストロン80型に変更。

[編集] 3代目 T200型(1975-1978年)

  • 1975年登場。通称「Vキャンター」
  • フジミ模型でモデル化されているのはT210CH型。

[編集] 4代目 FE1・2(1978-1985年)

  • 1978年登場。基本色は黄土色。このため、モデルチェンジ当初のキャッチフレーズは「黄金の足」。
  • モデルチェンジ当初は、007のパロディーのようなテレビCMを放映。
  • 当初のエンブレムはM字(ワンクラス上のFKシリーズやFシリーズではスリーダイヤだった)。
  • 1982年11月一部改良。MMCマークでフロントグリルに大きくCANTERの文字が入る。また、ディーゼル車に直接噴射式エンジン(NA100PS、ターボ120PS)を追加。
  • 3年B組金八先生の第1シリーズで、金八先生の引越しシーンで使われた。(三菱自動車工業は同番組のスポンサーの一社であった)

[編集] 5代目 FE3・4(1985-1993年)

5代目キャンター(後期型4WD)
  • 1985年登場。丸形4灯ライトからザ・グレートに準じた異形角形2灯ライトに変更される。フロントのMMCエンブレムがスリーダイヤに変更された(従来のMMCエンブレムは助手席ドアに装着)。但し、輸出仕様はこの代まで丸形4灯ライトを採用していた。
  • このモデルからGUTS(1.5t車)とGUTSの4WDが登場。
  • ガソリン車もライナップに加わる(搭載エンジンはSOHCの実用仕様の4G63
  • AT車およびフロントディスクブレーキの一部採用もこの代から設定された。
  • この代よりシフトレバーがコラムシフトからフロアシフトになる。
  • 1990年マイナーチェンジ。平成元年排出ガス規制適合、フロントグリルの形状変更。


[編集] 6代目 FE5・6(1993-2002年)

6代目キャンター(前期型)
6代目キャンター(後期型)
  • 1993年登場。一部車種の前照灯(ロービーム)をプロジェクタータイプに、ドアアウターハンドルを縦型フラップ式に変更(7代目は横型フラップ式に)、助手席側のウィンドーを、1992年にフルモデルチェンジした2代目ファイターで採用された同じデザインに変更。このデザインは後の7代目も世襲することに。台湾などではこのモデルのシャーシを使用したマイクロバスが製造されている。また、フロントディスクブレーキ車は、このクラス唯一のツインキャリパータイプのベンチレーテッドディスクブレーキ[1]となり、次の7代目モデルにも踏襲されている。尚、このモデルは現在も輸出向けに製造されている。
  • CMには辺見えみりを起用、当時のコピーは「えみりバディキャンター」。
  • 1995年平成6年排出ガス規制適合。
  • 1997年7月7日キャンターベースの高規格救急車、ディアメディック登場(2002年廃止)。テールランプはデリカから流用。艤装は三菱自動車テクノサービス(後のふそうエンジリアニング、2006年解散)が実施。他にもキャンターベースの救急車は帝国繊維が艤装したオプティマ、札幌ボデー工業が艤装したトライハートが存在する。
  • 1997年10月マイナーチェンジ。衝撃吸収式ステアリングの採用と同時にクラス初であり4代目ローザと共通の直噴DOHC16バルブディーゼルエンジン(4M50)を一部に設定。
  • 1999年マイナーチェンジ。平成10年排出ガス規制に適合し、フロントアッパーグリルとテールランプ周りが手直しされた。
  • 2000年GUTS系を除き運転席エアバッグ標準装備。
  • 2007年青島文化教材社でプラモデル化。

[編集] 7代目 FE7・8(2002年-)

キャンター・2004年式KK-FE73型 ユニッククレーン付タイプ
7代目キャンター(後期型)
  • 2002年6月18日発表/2WDは同日発売、4WDは7月発売。
  • コンセプトは「GLOBAL FIT」(グローバル・フィット)
  • ヘッドランプのデザインが大型のつり目状に変更され、キャブオーバートラック(小型、中型、大型も含む)においては世界で初めてインパネシフトを搭載した。
  • 短期間しか放映されなかったが、CMキャラクターにはロック歌手の矢沢永吉が起用された。[2]
  • カーステレオ及びカーナビの取り付けは極めて困難である。上からラジオエアコン・小物入れの順番であるが取り付けブラケットが3つ用である。つまりエアコン用のワイヤーを一旦取り外さなければいけない。運転席の下部カバー全てと助手席エアコン吹き出し口を取り外す。スピード信号はハーネスから取ると誤作動を起こし、停止している状態で時速80kmで走行しているとカーナビに表示されることもある。よってメーター裏左下茶/黒線から取り出す。リバースはメーター裏右下赤/青線から取る。なおスピード信号には、DC-DCコンバーターは不要である。カーナビを取り付けた場合、エアコンのワイヤーが盗難防止に活用できる。
  • 2003年1月6日に三菱自動車工業(株)から三菱ふそうトラック・バス(株)が分社し発足。同日から現在まで三菱ふそうトラック・バス(株)が製造・発売・販売(販売は2006年に国内連結対象販売会社が統合された地域のみ)を担当している。
  • 2004年北米仕様(北米ではキャンターではなくFEシリーズとして発売されている)にトヨタ・ダイナなどと同じアイシン精機製6速ATが設定された[3] 。
  • 2005年10月3日マイナーチェンジ。後部突入防止装置取り付け規制と灯火器の取り付け位置及び配光特性規制に適合に対応し、一部グレードに機械式ATINOMAT-IIが設定された。
  • 2006年7月5日パラレル式ディーゼルハイブリッドシステムを採用した「キャンター エコ ハイブリッド」を発売。
    日野トヨタ(HIMR)方式とは異なり、エンジンとモーターの間にクラッチを置くことで、モーターのみでの発進や走行を可能としているほか、回生率も向上した。また、他社に先駆けてのリチウムイオン電池日立ビークルエナジー製)を採用した。
    エンジンは3.0Lの4M42型・DOHC16バルブ・コモンレール直噴ディーゼルターボエンジンを搭載し、変速機はアイシン精機製5速マニュアルトランスミッションにボッシュ製変速ユニットを用いたINOMAT-IIが組み合わされる。通常の4.8Lエンジン搭載車に比べ、NOxで41%、PMで46%の低減、燃費は14%程度の向上をそれぞれ達成している。
  • 2006年8月4日、新長期規制適合車を追加。環境性能をはじめ、同時にデザインも見直され、三菱のシンボルであるスリーダイアのクロームメッキ化(ふそうブランド以外は2000年に行われている)、長年親しまれたフロントグリルとマッドフラップのCANTERの文字の変更(CANTER → FUSO[4]などの変更が行われた。なお、フロントグリルがFUSOになった代わりに、CANTERロゴはステッカーの形で左右のドアに貼り付けることとなった[5]
  • 2008年5月27日、重量車燃費基準適合車を追加。キャンターガッツ並びにガソリンガッツが廃止された。
  • 2009年から三菱ふそうは、親会社のダイムラーとトラック用エンジン分野で提携しているイタリアフィアットの子会社であるフィアット・パワートレイン・テクノロジー社から小型ディーゼルエンジンの供給を受ける予定[6][7] で、このディーゼルエンジンの供給がスタートすると、キャンターの生産台数の約6割でフィアット製ディーゼルエンジンが搭載される予定である。

[編集] ラインナップ

一部小型トラックで過半は普通トラックである。積載量は1.2tから1.5tのキャンターガッツと1.75tから最大4.8t(5t未満一杯)までのキャンターがある。また、ワイドボディにクラス唯一の後輪2軸(前後あわせて3軸)仕様の設定がある。

  • FB(キャンターガッツ)
  • FD(キャンターガッツ4WD)
  • FE(シングルキャブ全車、キャンターダブルキャブ2WD)
  • FF(6x2、3軸車)
  • FG(ダブルキャブ4WD)
  • FH(日本ではファイターミニヨンの名で販売)

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 曙ブレーキ工業製で、同社が「ツインキャリパー式ディスクブレーキ」として特許を持っている。
  2. ^ 「新型キャンター」のイメージキャラクターに「矢沢永吉」を起用 三菱自動車プレスリリース(2002年6月18日)
  3. ^ 世界初の小型商用車用の6速ATを開発 アイシン精機プレスリリース(2004年8月2日)
  4. ^ 欧州仕様向けにMITSUBISHI FUSOと表記された仕様も存在する
  5. ^ 日本仕様以外でフロントグリルにCANTERと表記されていない場合はフロントガラス下部に表記される。
  6. ^ 対外コメント 三菱ふそうプレスリリース(2007年6月19日)
  7. ^ NIKKEI NET:くるま「三菱ふそう、伊フィアットから小型ディーゼルエンジン」(2007年6月20日)

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク