日産・シビリアン

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シビリアン (CIVILIAN) は、日産車体が製造、日産自動車が販売するマイクロバス自動車。W40、W41型に特装車扱いで4WD車が設定されていた時期があったが、それはいすゞエルフ4WDのシャシを流用したものである(エンジンもいすゞ製)。

本項ではその前身のエコー (Echo) についても記述する。

前史[編集]

キャブオールマイクロバス/キャブオールエコー/エコー(初代 1959年 - 1966年)[編集]

KC42型

  • 1959年12月 日産自動車では戦後初となるマイクロバスとして登場。B40型系ジュニア・C40型系キャブオールから流用したシャシとパワートレインに、セミモノコック構造の車体を架装した。プリンス・ライトコーチにも似たメッキモールの装飾が特徴。生産は新日国工業・京都工場(現:オートワークス京都)。
  • ジュニア / キャブオール系シャシには、上記の「ニッコク」ボディーの「キャブオールマイクロバス」の他、「新目黒車体」[1]製ボディーの「ジュニアマイクロバス」も存在するが、生産台数は極少なく、販売ルートも日産ディーラーでは無く、民生デイゼル系であった。販路の違いから、乗用車風の意匠が取り込まれる事が多い他のマイクロバスのデザインとは一線を画しており、大型リアエンジンバスを模し、そのまま縮小したようなスタイルが大きな特徴で、リアウインドウも民生の指定架装であった富士重工業製に近づけるべく2枚窓となっており、その下(大型リアエンジンバスではエンジンルームに当たる位置)に観音開き扉の荷物室を持っている。その後、乗降用扉の高さや客室窓とフロントウインドシールドの拡大、ヘッドランプ4灯化などの改良を受け、数年間キャブオールエコー、エコーと並行して生産、販売されたと見られる。

GC140型系

日産・エコー GC140型(前面)
日産・エコー GC140型(後面)
  • 1960年3月 ベースシャシのB140型系・C140型系へのモデルチェンジに伴いマイナーチェンジ。型式が変更され、同時に特装車からカタログモデルへと昇格。外観ではモール類が若干整理される。
  • 1961年 マイナーチェンジと同時に車名を「キャブオールエコー」とする(型式は変わらず)。一部モールの省略と車体塗り分けを簡略化。輸出も開始される。
  • 1962年 マイナーチェンジでエンジンを1,900ccのH型へ変更。型式はGC141型となり、車名を「エコー」と改める。
  • 1963年 フェイスリフト。前面方向指示器を角形から丸形へ、前照灯の高さをやや上げ、その周囲のプレスメッキモールも、スピード感を重視したものに変更、その印象から「メガネ」と通称される。ラジエーターグリルを追加。ロングホイールベースモデル(GHC141)を特装扱いで追加。
  • 1964年1月 SD22型ディーゼルエンジン追加(GQC141 / GHQC141)。ロングをカタログモデルへ昇格。
    • 同年11月 フェイスリフト。フロントウインドシールドを一枚ガラス化、ラジエーターグリル、バンパーの意匠変更。運転席ドア新設。
  • 1965年10月 マイナーチェンジ。ガソリン・ディーゼル共にエンジン出力を向上し、型式はC142型となる。サブエンジン式クーラーを設定。ラジエーターグリル変更。型式と車名は異なるが、ここまでは同じ設計、スタイルのボディーである。


エコー(2代目 1966年 - 1971年)[編集]

GC240型系

日産・エコー(2代目)
Nissan Echo 201.JPGNissan Echo 202.JPG
GHC240W 中期型 ガソリンロング

歴史[編集]

初代(1971年 - 1982年)[編集]

GC240/340型系

日産・シビリアン(初代)
Civilian-GC341.jpgCivilian-GC341rear.jpg
J-GC341 元移動図書館
  • 1971年9月 上記エコーの2度の事故に伴い駆動系を設計変更し、同時にフェイスリフトを行う。さらにマイナスイメージ払拭のため車名を「シビリアン」へと変更するが、型式は変わっていない。エンジンは2.0Lガソリン・92馬力のH20型、2.2Lディーゼル・65馬力のSD22型。エコーの対策品同様、プロペラシャフトは2分割となる。
  • 1973年1月 ディーゼル車はクーラー搭載時のパワーと車重を考慮し3.0L 85馬力のED30型となる。
  • 1976年5月 マイナーチェンジでGC340型へ。
  • 1979年8月 54年排ガス規制適合でGC341型へ。
  • 1980年6月 ディーゼル車は従来の3.0LのED30型に加え、クーラー使用時のパワー不足を解消するため3.3L 96馬力のED33エンジン搭載車を追加。左折巻き込み事故防止対策として、セーフティーウインドウを新設。


2代目(1982年 - 1999年)[編集]

W40型系

2代目シビリアン(前期型・デラックス)
2代目シビリアン(中期型)
2代目シビリアン(後期型)
  • 1982年8月 同年5月にライバル車のコースターがフルモデルチェンジされたのを受けてW40型にモデルチェンジ。GC340型系に比べ、標準・ロング共に車体サイズはひとまわり大きくなった。先に登場したアトラスと主要コンポーネントのほとんどを共有している。搭載エンジンは、ディーゼルED33型・96馬力と、ガソリンのZ22型・105馬力の2種の直列4気筒に加え、上級グレード用に直列6気筒ディーゼルのSD33型・95馬力が加わった。また、この代から、シフトレバーの配置がコラムからフロアへ変更された。
  • 1984年7月 コースター、ローザに対抗するため、ターボ車を追加。エンジンはED33の改良型の直噴式FD33T型で120馬力。レジャーパック仕様車設定。
  • 1988年5月 マイナーチェンジでフロントマスクのデザイン変更とエアサス車を追加。先にサファリで搭載された4.2L 直列6気筒ディーゼルTD42型・125馬力を従来のFD33T搭載車と入れ替え。このときにガソリン車は廃止される。
  • 1990年6月 4気筒ディーゼルエンジンを従来のED33型から、平成元年排出ガス規制適合の105馬力の3.5L・ED35型へ変更。
  • 1993年8月 一部改良。インパネの形状変更[2]。ハイルーフをフロントガラス直上まで伸ばして意匠変更されている。この時車名ロゴがCivilianからCIVILIANに変更された。ショートボディエアサス車を追加。いすゞ自動車OEM供給を開始。「いすゞ・ジャーニー」として販売。
  • 1994年 オーテックジャパンの手によるレトロ調「クラシックバス」を設定。
  • 1995年8月 マイナーチェンジ。ヘッドランプを角形4灯から異型角形2灯へ変更、平成6年排出ガス規制適合と同時にステアリング形式をラック&ピニオンに変更し、同時に小回り性を向上(最小回転半径は標準車が5.5m・ロング車が6.4mとなる)。また、最上級車種が自然吸気のTD42型では商品性の面でコースターに劣るため、TD42T型・155馬力の追加でディーゼルターボエンジンが復活、AT車も設定された[3]


3代目(1999年 - )[編集]

W41型系

日産・シビリアン(3代目)
CivilianW40.jpgCivilianrear.jpg
KK-BHW41 自家用(前期型)
  • 1999年2月 - W41型にモデルチェンジ。搭載エンジンは、2WD車に直列6気筒ディーゼル TD42型およびターボ付 TD42T型、いすゞ・エルフのシャシを流用する4WD車には、いすゞ製直列4気筒ディーゼル 4HG1型を設定。全グレードに運転席エアバッグがオプション設定された[4]
  • 1999年5月 - オーテックジャパンの手による「クラシックバス」をフルモデルチェンジ。「ロングボディSX」をベースとする。
  • 2002年10月 - 一部改良とともに、TB45E改型エンジンを搭載するCNG車(圧縮天然ガス自動車)を発表。
  • 2003年1月 - CNG車発売。
  • 2003年11月 - 日産車体が、当時国内マイクロバス市場では唯一となるガソリン車を特装車として設定し、受注開始。搭載するエンジンは直列6気筒4.5L TB45E型[5]
  • 2004年3月 - ガソリン車発売。
  • 2004年9月 - マイナーチェンジ。内外装の一部変更および仕様・装備の向上を行ったほか、特装車であったTB45E型ガソリンエンジン搭載車を標準設定とした。
  • 2004年11月 - ディーゼルエンジン搭載車をマイナーチェンジ。三菱ふそうからのOEM供給の4.9Lディーゼルターボエンジン (4M50T) を搭載。そのため、ジャーニーがガソリンエンジンのみとなった。ディーゼル車はMT、ATともトランスミッションの6速化が行われた。
  • 2007年8月 - 一部改良。ガソリン車が新長期規制に適合。ディーゼル車が廃止され、ジャーニー同様ガソリン車のみとなった。
  • 2008年6月16日 - 一部改良。新長期排出ガス規制(平成17年規制)に適合し、ZD30DDTiエンジン追加によりディーゼルエンジン仕様が復活。同時に廉価版のDXを廃止。
    • エンジン換装に伴い、6速トランスミッション(4M50エンジンと共にローザ及びキャンターからの流用)は廃止され、4速ATと5速MTとなる。
  • 2010年7月1日 - 仕様変更。同年9月から適用される平成22年規制に適合しなくなった事から、ディーゼル車が再度廃止、シガーライターの廃止・電源ソケット化、他装備内容の変更。
    • ZD30DDTiと組み合わされるトランスミッションはキャラバンからの流用であったため、この組み合わせのままでは重量のかさむ本車では規制適合が不可能であったとされる。
    • ガソリンエンジン車は従前の平成17年規制適合車(ABG-)のままで登録される(平成22年規制はディーゼル車・NOx吸着触媒付の直噴ガソリン車を対象としたものであり、本車はその適用外であるため。)
  • 2012年7月9日 - 一部仕様変更。新保安基準に適合。「GL」・「SV」・「SX」は客席シートベルトを2点式から3点式に変更。「幼児車」は保護者席に2点式シートベルトを設定した。また、これまでオプション設定となっていた電動リモコンミラー(左)やリアウィンドウ熱線を全車標準装備化し、オプション設定にはワンセグCD一体ナビゲーション(運転席スピーカー・バックビューモニター付、「幼児車」は除く)やクラス初のアラウンドビューモニター(後者はオートワークス京都扱い)を追加した。
    • ラインナップは従来通りガソリンエンジン車のみで、識別記号も従来通り"ABG-"となる。

車名の由来[編集]

  • 市民」、「文民」を意味する英語「Civilian」から。ただし、販売先はこの限りではなく、警察自衛隊国連軍等へも納入されている。

脚注[編集]

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  1. ^ レントゲン車、宣伝車などの車体架装を手がけていた東京都目黒区にあったコーチビルダーで、目黒車体が称したもの。
  2. ^ W41型でも同じものが使用されている。
  3. ^ 差は縮まったものの、コースターのターボ車は直噴式であり、完全に並んだわけでは無かった。
  4. ^ 18万9000円もするため、装着車は非常に少ない。
  5. ^ このエンジンは元来パトロール / サファリ用であった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]