日産・NV200バネット

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日産・NV200バネット
M20/VM20型
DX
Nissan NV200 Vanette Van 001.JPG
DX リア
NISSAN NV200 VANETTE DX rear.jpg
GX 室内
Nissan NV200 Vanette GX interior.jpg
販売期間 2009年-
乗車定員 バン: 2/5人
ワゴン: 5/7人
ボディタイプ 5ドアパネルバン
5ドアミニバン
エンジン 1.6L 直4 HR16DEDOHC
1.5L 直4 K9K型 ディーゼル
最高出力 HR16DE型
80kW (109PS) /6,000rpm
K9K型
63kW (86PS) /3,750rpm
最大トルク HR16DE型
152N·m (15.5kgf·m) /4,400rpm
K9K型
200N·m (20.4kgf·m) /2,000rpm
変速機 5速MT/4速AT
駆動方式 FF
サスペンション 前: ストラット式
後: リーフリジッド式
全長 4,400mm
全幅 1,695mm
全高 1,855mm(バン)
1,850mm(ワゴン)
ホイールベース 2,725mm
車両重量 1,200-1,270kg(バン)
1,310-1,350kg(ワゴン)
最大積載量 400kg(4人乗車時)
600kg(2人乗車時)
プラットフォーム Bプラットフォーム
-自動車のスペック表-

NV200バネット(エヌブイ ニーマルマル バネット、NV200 VANETTE )は、日産自動車により製造・販売されるライトバン及びミニバンである。世界戦略車種であり、日本とマレーシア以外の地域ではNV200(エヌブイトゥーハンドレッド)もしくはEVALIA(エヴァリア)の車名で販売される。

目次

概要 [編集]

2007年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー、NV200のデザインをベースとして開発されたバンで、商用車だけでなく、7人乗りワゴンタイプの5ナンバー車も設定される。日本国内には1978年より販売されているバネットバンの後継車種として2009年5月に投入され、4WD車やディーゼル車は当面、マツダからOEM供給を受けているS21型バネットバンを継続販売する。欧州市場においてはキュビスターの後継車として販売され[1]、欧州日産の商用車ラインアップのエントリーモデルとなる。

チーフデザイナーは同社のミニバンであるセレナのデザインも担当した[2]倉岡亨一が担当した[3]。サイドの窓周りはスムーズな仕上がりで、窓のないルートバン(ブラインドバン)でも凹凸は少ない。その面一感を壊さぬよう、開閉式のリアサイドウインドウにもプラグ式が採用されている。

日本市場向けの製造は日産車体湘南工場で行われる[4]。また、日本だけでなく、2009年秋にはNV200の名称で欧州で、2010年6月には中国市場でも発売された[5]。また、欧州向けの車両はスペイン日産モトール・イベリカによって2009年11月から製造され[6]、中国向けの車両については2010年から同国鄭州日産汽車第二工場で製造される計画となっている[7][8]

NV200 ニューヨークタクシー仕様

2011年5月3日にはNV200がアメリカニューヨーク市のタクシー、「ニューヨークタクシー」(通称:イエローキャブ)の次世代標準機種に選出された。それまで16車種を使用していたニューヨーク市の13,237台が2013年から2018年までに順次NV200に入れ替わり、契約規模は10年間で約10億ドルに達する[9][10]

2012年2月8日にはシカゴオートショーにて北米向けのNV200コンパクトカーゴバンも発表された[11]。北米仕様車はカーゴバン、イエローキャブ専用車(5人乗り)とも三分割グリルが装着され、2.0L 4気筒エンジンが搭載される。また、ホイールハブも5穴化され、タイヤサイズも日本仕様と比べると若干大型化されている。ボディサイズは全般的に一回り拡大されており、ホイールベースは約200mm、全幅は約30mm拡大されている。 製造はメキシコ日産自動車会社クエルナバカ工場にて行われる。

2011年10月からは三菱自動車工業デリカD:3および5代目デリカバンとしてOEM供給されている[12]

2012年8月10日にはロンドンタクシー仕様とロンドン市内での実証試験が発表された[13]

2013年5月14日にはゼネラル・モータースシボレー・シティエクスプレスとしてOEM供給され、2014年後半から米国とカナダで発売すると発表された[14]

メカニズム [編集]

日本仕様車は1.6L HR16DE型ガソリンエンジンのみを搭載し、4速AT (E-ATx) および5速MTが組み合わせられる。欧州仕様車にはルノー製の1.5L K9K型ディーゼルエンジンも搭載され、5速MTのみが組み合わせられる。また、中国仕様車にはHR16DE型エンジンに5速MTを組み合わせたモデルのみがラインアップされる。

プラットフォームにはBプラットフォームが採用され、前輪駆動の採用と、後輪サスペンションの小型化により低床化がなされた。サスペンションスプリングは乗り心地に優れるテーパードモノリーフ[※ 1]で、リア側をベルリンアイ[※ 2]として、高さを抑えると共に、ばねの暴れを防いでいる。リアのホイールハウスは非常に小さく、荷室への張り出しはごく少ない。ホイールハウス間は1220mmあり、欧州規格(1200×800mm)パレットが収まる寸法となっている。

また、乗用モデルについては、大荷重を想定していないため、リアサスペンションが専用チューンとなり、ばね・ダンパーもよりソフトとなり、その代わり、リアスタビライザーが追加されている[3]。また、欧州仕様については高速志向の専用チューンとなり、前後にスタビライザーが追加される[15]

従前のバネットは、キャブオーバースタイルとすることで、全長に対して室内容積を大きく取っていたが、NV200バネットは日本国外での販売も想定して開発されたため、操縦安定性・衝突安全性および快適性に優れるボンネットスタイルとなった。しかしながらFFレイアウトの採用により生じる前席下部の空間を活用することで、細長いものであれば3mまで収納することができ、NV200の開発陣は、同じく5ナンバーサイズとなるトヨタ・タウンエース/ライトエースに積載性能で負けているところはないと語っている[3]。また、運転席周りの収納スペースについてはS21型バネットの2倍となった[4]

また、環境性能も大幅に向上され、全車で「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得。また、バンは「平成27年度燃費基準+20%」または「平成27年度燃費基準+10%」を達成している。

ラインアップ [編集]

16S

日本仕様車のNV200バネットにはバンおよびワゴンが用意される。当初、バンには「DX」・「GX」が、ワゴンには「16S」が用意され、3グレード展開となっていた。「DX」には2列5人乗り仕様の他、1列2人乗り仕様も用意され、同じく1列2人乗りのルートバンタイプも設定される。また、ワゴンの「16S」は3列7人乗りで、ミニバンとしての素養を備えており、2列目、3列目は降りたたんでラゲッジスペースとすることもできる。

ワゴンは2010年10月にラインナップを刷新し、従来設定されていた「16S」は内装をフルトリム化すると共に、カップホルダーや小物入れを2列目・3列目にも追加。また、フロントフォグランプを標準装備化してグレード名を「16X-3R」(3ロウ)に変更すると共に、ユーザーのニーズに応える形で同仕様の2列シート車「16X-2R」を新たに設定した。「16X-2R」ではワゴンでは標準装備であったCDプレーヤーをオーディオレス仕様に変更されている。また、バンについても同年12月に「DX」と「GX」の中間グレードである「VX」が追加された。「VX」は最上級グレードから電動ドアミラーや上下調整式ヘッドレスト等の装備が省略される。

エクステリアデザインにおける違いについては、バン「VX」・「GX」およびワゴンにカラードバンパーおよびフルホイールカバーが装備される。またワゴンにはMTが用意されない。

タクシー

また、2010年12月22日には日本国内で車椅子にも対応したタクシー用モデル「NV200 バネットタクシー」が発売になり[16]、さらに、リーフに次ぐ量産電気自動車として同車をベースとしたEVが2013年に発売される予定となっている[17][18]。タクシー仕様車については、上述のようにニューヨーク市のイエローキャブ仕様車も存在する。

欧州仕様車 リア

欧州仕様車については、2009年秋に日本仕様の2人乗りルートバンに相当するモデルが「バン」として、そして乗用および貨客兼用の5人乗りあるいは7人乗りモデルが「コンビ」として発売された。欧州向け独自の仕様としてバン全車とコンビの一部グレードのバックドアが観音開きとなる上セカンドシートの6:4分割格納が可能であり利便性が向上している(日本向けもシートバックは分割で倒れるものの格納は一体式)が、日本向けの場合は生産地が異なるなどの事情から両方とも装備されていない。また、2011年1月以降ドイツおよびスイスを皮切りに順次5/7人乗りの乗用モデル「EVALIA」も追加される[18]

年表 [編集]

2008年12月22日
NV200の発売を発表[19]
2009年2月24日
欧州仕様「バン」および「コンビ」の画像が公開。
2009年3月
第79回ジュネーヴモーターショーにて乗用モデルが発表。
2009年4月2日
同年5月中旬に日本で発売することを発表し、同時に事前販売活動を開始。
2009年5月21日
日本国内で販売開始。
2009年10月
欧州市場において商用モデルを発売。
同月、第41回東京モーターショーにてNV200バネットタクシーを参考出品。
2009年11月
「インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー2010」を受賞。
2010年6月18日
中国国内で販売開始。
2010年10月28日
ワゴンのラインナップを刷新し、「16S」に替わり、「16X-2R」・「16X-3R」が追加。
2010年12月22日
「VX」並びにタクシー仕様車「NV200 バネットタクシー」を追加。
2011年10月
三菱自動車工業デリカD:3及び5代目デリカバンとしてOEM供給開始。
2012年1月5日
インドニューデリーオートエクスポにてインド日産が「EVALIA(エバリア)」(7人乗り)として出展。チェンナイ工場で生産されるエバリアは乗用車として展開される。[20]。また、日産とLCV(小型商用車)事業で提携しているアショク・レイランドもNV200をベースとする「STILE(スティーレ)」コンセプトを発表した[21]。両者は製造、販売とも完全に独立して行われる[22]
e-NV200
写真はジュネーブモーターショー
2012年1月9日
北米国際自動車ショーにて動力を電気とした「e-NV200コンセプト」を発表。電力、動力関係は同社のリーフをベースとしており、前年からFedExの協力を得て、ロンドン市内でデータ取りのためのテストが行われている。量産開始は2014年を予定している[23]
2012年2月8日
シカゴオートショーにて北米向けNV200コンパクトカーゴバンが発表される[11]
2012年2月18日
マレーシアのタンチョン・モーターがNV200バネットを発売。1994年以降、日本ではマツダからのOEM生産以降長らく製造されてきたC22バネットに代わる車種となる[24]
2012年3月6日
ジュネーブモーターショー12にて、欧州で初めてe-NV200コンセプトを発表。
2012年5月15日
同年1月に発表した「e-NV200」をベースにしたモニター車をイオンリテールに約1ヶ月間貸与し、首都圏向け「イオンネットスーパー」の配達車両として実証走行を開始[25]
2012年6月8日
一部仕様を改良。安全に関する法規制強化に伴うスライドドア強度要件への対応を行うとともに、ワゴンはセカンドシート中央3点式シートベルトを新たに採用した。
2013年4月1日
タクシー仕様車「NV200バネットタクシー」の一部仕様を変更。エンジンバルブやバルブシートの耐久性強化を行ったことで、エンジンのLPG化対応を実現した。

車名の由来 [編集]

NVは「日産(Nissan)のバン(Van)」、200は「車両総重量2,000kgクラス」を意味する。また、バネットのサブネームは同社の商用車である「バネット」に由来している。

受賞 [編集]

2010年
  • インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー
  • プロフェッショナルバン&ライトトラックマガジン「バン・オブ・ザ・イヤー」
  • ホワット・バン?「バン・オブ・ザ・イヤー」
  • ITM「バン・オブ・ザ・イヤー」
2011年
  • ドイツ・ユニバーサルデザイン賞(NV200バネットタクシー)
    • 「ユニバーサルデザイン賞」
    • 「ユニバーサルデザイン コンシューマー・フェイバリット賞」

脚注 [編集]

注釈 [編集]

  1. ^ 欧州の商用車に良く見られる、両端がテーパー状に薄くなった単板リーフスプリングのこと。モノリーフは重ね板ばねに比べ、軽く、板間摩擦がないため動きがよく、反発力が急に高まることもない。さらに両端をテーパー状に成型することで微小ストローク域での乗り心地も良くなる。切りっぱなしのばねに比べ成型工程が増えるため、コスト重視の日本車では少数派である。なお、重ね板ばねではあるが、日産は60型系パトロール、および160型系サファリでテーパードリーフスプリングの使用実績を持つ。
  2. ^ ばねが目玉(ブッシュの入る輪)の中心に位置する。テーパードリーフ同様メリットはあるが、曲げ工程が増えるため、これも日本車では少数派。

出典 [編集]

  1. ^ Nissan NV200 What Van?(英語)
  2. ^ グッドデザインファインダー ミニバン Good Design Award
  3. ^ a b c 日産NV200バネット(FF/4AT)【短評】 webCG
  4. ^ a b 日産自動車、小型商用車「NV200バネット」発売 GAZOO.com
  5. ^ 郑州日 NV200正式上市 引领中国CDV进入全新时代 NISSAN-新闻中心(中国語)
  6. ^ NV200: Nissan's new global van makes European debut at Barcelona Motor Show Nissan Media Europe(英語)
  7. ^ 日産、中国の生産拠点で「東風」「日産」のダブルブランド戦略を始動 IP NEXT
  8. ^ Nissan NV200 is the International Van of the Year 2010 Nissan Media Europe(英語)
  9. ^ 日産自動車:NY市の次世代「イエローキャブ」供給-13年から Bloomberg.co.jp 2011年5月4日
  10. ^ Nissan NV200 Selected As New York City's “Taxi Of Tomorrow” Nissan/Infiniti News Room(英語)
  11. ^ a b Zach Bowman (2012年2月8日). “2013 Nissan NV200 goes after Transit Connect's lunch money”. Autoblog. 2012年2月18日閲覧。
  12. ^ 三菱自動車、5ナンバーミニバン『デリカD:3』と小型商用車『デリカバン』を新発売 三菱自動車工業 プレスリリース 2011年10月6日
  13. ^ 日産 NV200バネットにロンドンタクシー…2013年から実証実験
  14. ^ [http://response.jp/article/2013/05/15/197939.html 日産、小型商用車をGMにOEM供給へ…NV200バネット
  15. ^ ネコ・パブリッシング『car MAGAZINE』No.374 今月のちょい乗りレビュー
  16. ^ 「NV200バネットタクシー」を発売 NISSAN PRESS ROOM
  17. ^ Nissan Releases Concept Sketch of Light Commercial Electric Vehicle Nissan Media Europe(英語)
  18. ^ a b Nissan Unveils Future Heavy Van In A World Premiere At The 63rd Hanover Motor Show Nissan Media Europe(英語)
  19. ^ 日産自動車、コンパクトな車体に広い積荷スペースを備えた新型LCV「NV200」を2009年度に発売 NISSAN PRESS ROOM
  20. ^ Sagar Patel (2012年1月6日). “Nissan unveils NV200 MVP known as Evalia for Indian auto market at Delhi Auto Show (Photos)”. Rush Lane. 2012年2月18日閲覧。
  21. ^ Sagar Patel (2012年1月10日). “Ashok Leyland - Nissan JV unveil their first passenger vehicle and LCV at Delhi Auto Expo”. Rush Lane. 2012年2月18日閲覧。
  22. ^ 2012 Auto Expo - Ashok Leyland Stile and Partner unveiled!”. BS Motoring (2012年1月7日). 2012年2月18日閲覧。
  23. ^ e-NV200 紹介ページ
  24. ^ Danny Tan (2012年2月18日). “Nissan NV200 Vanette launched – successor to the C22”. paultan.org. 2012年2月18日閲覧。
  25. ^ 日産自動車、「NV200」をベースとした電気自動車の実証運行をイオンリテール株式会社と開始”. NISSAN PRESS ROOM (2012年5月15日). 2012年6月8日閲覧。

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]