ルノー・カングー

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カングー1 4x4
カングー1 リア

ルノー・カングー(Renault Kangoo)は、フランスの自動車製造会社、ルノーの生産する小型フルゴネット及び小型MPVである。生産はフランスにあるモーブージュ(Maubeuge)工場が担当。

目次

[編集] 概要

[編集] 沿革

古くは1960年代に開発された「4 F(キャトル・フルゴネット)」を端とする、荷室拡大型小型貨物車である「エクスプレス」 ( Express ) の後継として開発された。

ルノー・エクスプレスは、ベースモデルとなるルノー・シュペール5に大きな箱をつなげたような形状のフルゴネットで、一応貨客兼用グレードも設定されていた。しかし、ルノーはフルゴネットにもとより備わる、ユーティリティービークルとしての資質を大きく伸ばすべく、スムーズなハイルーフによる見栄えの向上と、両側リアスライドドアによる4ドア化(貨物仕様にはリアドア無しの2ドアもある)、セニックで評判を得た後部座席独立シート、充実した室内装備などによりカングーの完全乗用車化を果たし、純貨物用である「カングー・エクスプレス」(Kangoo Express/KEX)と共に1997年に発表した。

[編集] 人気

当初は乗用モデルの「カングー」と商用モデルの「カングー・エクスプレス」は半々の売り上げであったが、次第にその使い勝手が評価されるようになり、乗用カングーの売り上げが増え、あっという間にヨーロッパで大きなセールスとなった。その広い室内空間と高い機能性から、欧州では「ルドスパス(遊びの空間)」(ラテン語で「遊び」を意味する「LUDOS」と、フランス語で「空間」を意味する「ESPACE」を組み合わせた造語)と呼ばれ親しまれている[1]

ヨーロッパの各メーカーもカングーに追従したモデル(プジョー・パルトネ/シトロエン・ベルランゴシトロエン・ネモ/フィアット・フィオリーノ/プジョー・ビッパーフィアット・ドブロVW・キャディー IIIフォード・トランジットコネクト/トルネオコネクトなど)を発表することとなり、またこれに対応してカングーも2003年2005年に内外装のマイナーチェンジや室内装備の充実を進め、ロングセラーとなった。

[編集] カングー2(ニューカングー)

2007年に新型である「カングー2」が発表されたが、居住性・積載性・安全性の向上を目的として車体寸法が拡大され、それに併せて価格も上がったことなどから、多くの市場ではしばらくの間「カングー1」が併売される予定である。

長らくプラットフォームに初代クリオ(クリオ1)のものを使用していたが、カングー2ではひとクラス上のメガーヌ2のものが使用されることになり、車体寸法が大幅に拡大、ホイールベースも約100mm長い2697mmとなり、キャビンスペースも拡大した。

[編集] カングー1

ルノー・カングー1
前期型
Renault Kangoo Red.jpg
後期型
Renault Kangoo I Phase III 1.2 16V Expression.JPG
エクスプレスマキシ4ドア
Renault Kangoo Rapid Maxi Phase II 1,4.JPG
販売期間 1997年 -
乗車定員 5/7人
ボディタイプ ハッチバック
エンジン 1/1.2/1.4/1.6L DOHC
1.5/1.9L ディーゼル
変速機 4AT/5MT
駆動方式 FF
ホイールベース 2,600mm
-自動車のスペック表-

[編集] 高い安全性

1997年に登場した 「カングー1」は、背の高い荷室や荷室上、運転席上のストレージスペース、並みの貨物車とは次元の異なる直進安定性、ロードホールディング、ハンドリング、優れた乗り心地(日本の商用車とはシャシ性能に対する優先順位や要求水準が異なるが、当時のルノーとしては標準的)などが高い評価を受け、人気モデルとなった。また、ABSを標準で装備するほか、4つのエアバッグを標準装備し、ヨーロッパの衝突安全テスト「ユーロNCAP」において4つ星の評価である。

[編集] 世界各国での販売

この様な人気を受け、フランス国内のみならず、ヨーロッパ諸国やアフリカ諸国、日本マレーシアシンガポールなどのアジア諸国、オーストラリアニューカレドニアなどの太平洋諸国でも販売されている。また、マレーシアのタンチョン社の子会社である「TCユーロカーズ」社でノックダウン生産されており、近隣諸国へ輸出されている。

[編集] ラインナップ

駆動方式は前輪駆動 (FF) で、1.0Lと1.2L、1.4L、1.6LDOHCガソリンエンジン、LPガス・ガソリン切り替えLPG自動車、1.5Lと1.9Lディーゼルエンジン、及びターボディーゼルエンジンを搭載するモデルが発売されている。トランスミッションは4速オートマチックと、5速マニュアルの2タイプが用意される。

カングーGPL車

この時代、フランスではLPG自動車ブームが起こり(フランスではLPGの事をGPLと表記)、年率500%の伸びを示していた事もあり、フランスの自動車メーカー各社は全ラインナップにLPG車をラインで生産し用意し、他の欧州メーカーや日本車もフランス向けにはLPG仕様を投入することとなる。他のルノー車同様、カングーにもLPガス・ガソリン切り替え式のバイフューエル仕様が用意されていた。2009年からは、メーカーオブションLPG自動車に仕立てている。 

ヨーロッパ市場などでは四輪駆動や荷室部分を延長した「マキシ」、また、スウェーデンではピックアップトラックが用意される他、マレーシアなどでは3列7人乗りも用意されている。バックドアは、跳ね上げ式の「ハッチバックドア」と、観音開きの「ダブルバックドア」の2タイプを選択できる。

[編集] 限定車

2002年から、フランス国内のテレビCMでは、イギリスの人気キャラクターの「ウォレスとグルミット」が登場しており人気を博していた。また、『ウォレスとグルミットバージョン』の限定車も発売されていた。

[編集] バリエーション

乗用車乗用モデルの「カングー」と商用モデルの「カングー・エクスプレス」が存在するが、日本では乗用モデルのみが販売されている。また、4輪駆動(5速マニュアルのみ)も設定されているが日本市場には導入されていない。なお、SVE社製でカングーベースの電気自動車「Cleanova II」を、フランスの郵便局が配達用に導入する予定である[2]

[編集] オプション

高い室内高と良好な後部アクセス性を生かした車椅子対応バージョンがヨーロッパ市場で販売されている。また、このタイプの車種では珍しく、パノラミックサンルーフをオプションで選ぶことが出来る。

[編集] カングー2

ルノー・カングー2
Renault Kangoo front 20080415.jpg
Renault Kangoo rear 20080415.jpg
エクスプレスコンパクト
Renault-Kangoo2-VU-short.jpg
販売期間 2007年 -
乗車定員 5人
ボディタイプ ハッチバック
エンジン 1.6L 16V ガソリン
1.5L ディーゼル
駆動方式 FF
ホイールベース 2,697mm
-自動車のスペック表-

2007年に新型である「カングーII」が発表された。パーキングブレーキレバーのグリップは車軸方向でスバル・アルシオーネにも似た特徴的な形状となっているが、これは1日数百回も操作するフランスの郵便局員たちの協力を得て開発している[3]

[編集] 大型化

カングー1において、4~5人乗車の場合は空間のゆとりが少なくなるため、室内空間の拡大がユーザーから要望されていたこと[4]や、後発のライバル車種が満たしていた欧州規格(1200×800mm)パレット積載ができない欠点を克服するため[5]、居住性・積載性・衝突安全性などの向上を目的として、横幅を中心に大型化された他、各種装備の内容が向上した。それに伴い、プラットフォームは2代目クリオ(日本名:ルーテシア)ベースのものからメガーヌと同じCプラットフォームに変更された。これらの影響で価格が上がった地域もあり、多くの市場ではしばらくの間「カングー1」が併売される予定である。 2代目から車名の文字体が小文字の「Kangoo」から一部の大文字の「KanGoo」に変更され、今回のモデルチェンジを機にホイールが4穴から5穴に変更されている。

[編集] ラインナップ・バリエーション

エンジンは105PSを発生する1,6L・DOHCのK4M型をはじめとしてK9K型(1,5L・直噴ディーゼル)を含め計5種を用意。

乗用モデルの「カングー」と商用モデルの「カングー・エクスプレス(一部地域での名称は「カングー・バン」)」が用意されるが、前者には全長とホイールベースを380mm短縮し、ルーフ後端を開閉式、バックドアを横開きとした「カングー・BE POP(ビボップ)」(2011年12月生産終了)、後者には全長・ホイールベース/全高をそれぞれ380mm/100mm延長した「MAXI(マキシ)」と全長・ホイールベースを380mm短縮した「コンパクト」も用意される。また、追って四輪駆動モデルも用意される予定である。

[編集] 日本市場

日本市場においては「カングー1」「カングー2」ともルノージャポン全体の年間販売台数の半分以上を占めている。

[編集] カングー1

人も荷物も余裕を持って搭載することのできる小型MPVとして2002年に導入された。1.6LDOHCガソリンエンジンを搭載するモデルのみが発売されていた。一時期まで、跳ね上げ式の「ハッチバックドア」と、観音開きタイプの「ダブルバックドア」の2タイプのバックドアを選択できたが、後半以降、正規ディーラーでは「ダブルバックドア」のみの設定となっていた。マニュアル車もラインナップされ、その比率は平均20%前後で推移し、多い時は30%を占めることもあった[6]

拡大された車室を与えられたことによる居住性・使い勝手と多彩なシートアレンジが特長で、輸入車としては低価格と充実した装備も相俟って、この種の輸入車としては異例の月100台以上が販売されたことも多く、正規輸入台数は累計9000台(2009年9月時点)[7]であった。また、その車室の広さや使い勝手の良さからRVキャンピングカーのベースとしても人気が高い。

2006年初頭から発売されたマイナーチェンジ版「ジェネレーション2006」ではフロントグリルのデザインが変更され、内装の質感を向上させた他、後部座席にトレイがつくなどさらなる装備の充実が図られている。日本初公開の場として2005年10月に開催された東京モーターショーが選ばれた。

日本における購入層は「30代のヤングファミリー」が9割以上を占めていた[8]

[編集] カングー2

カングー ビボップ フロント
カングー ビボップ リヤ

日本では2009年9月1日にフルモデルチェンジを発表、同年9月11日に発売。ボディサイズは全長4,215x全幅1,830x全高1,830mmと大型化し、日本におけるナンバー登録は全幅が1700mmを超えたことで従来の5ナンバーから3ナンバーに変更となった。このことから愛好家たちでは「デカングー」の愛称でも呼ばれている。エンジンは105PSを発生する1,6L・DOHCのK4Mエンジン搭載車のみ、ミッションは4速オートマチックと5速マニュアルの2つを設定、ボディカラーは標準色6色・注文生産色6色の計12色を用意。後部ドアは観音開きタイプの「ダブルバックドア」仕様のみとなる。日本仕様の大きな特徴として、日本の保安基準に配慮し、助手席側フェンダー上にサイドアンダーミラーを装着している。最小回転半径がカングー1は5.2mだったが、新型カングーは5.1mに改善された。引き続き設定されたマニュアル車の比率は当初15%程度と予想されていたが[6]、実績は30%程度と予想を上回る需要がある[9]

2010年5月10日 ルノージャポン公式サイト上で「カングーBE POP」を今夏日本でも発売することを発表。その後、6月17日にプレス向けに日本仕様を公開[10]。翌7月15日に導入概要が正式に発表され、日本発売記念特別モデル(オランジェ・エタンセル(橙)/グリ・シデラル、ブラン・グラシエ(白)/グリ・シデラル各色15台限定、計30台、価格234.8万円)[11]の予約を同日より受け付けるとともに、通常モデルは9月9日より販売開始となる。エンジンはベースのカングーと同じ1.6LのK4Mであるが、組み合わされるトランスミッションは5MTのみでATはない。その理由はビボップのシャシが商用車のエクスプレスと共用ゆえ物理的にATを搭載できないからである[12]。尚、本モデルの発売はフランスと日本のみである。

2010年6月3日、特別仕様車「クルール」を設定し、台数限定で発売[9]。「クルール」は、その名前(クルール=フランス語で“色”)が示すように、ボディカラーが特徴。目下レギュラーで展開している5色とオーダーカラーの6色にはない、「オランジュ・プロヴァンス」(橙)、「ベール・パリ」(緑)、「ブルー・フランス」(青)のソリッドな3色を用意し、いずれもサイドミラーはシンプルな黒塗装で、バンパーはウレタンの素地(黒)になるなど、欧州の実用車らしいプレーンな佇まいとなった。その他、パワートレインや装備はベースとなる「カングー1.6」と変わらず、価格も据え置きとなる。各色30台、合計90台の限定で販売された。

2011年7月1日、昨年に引き続き特別仕様車「クルール」を設定(販売は同月9日より)[13]。ボディカラーはかつてのルノーの名車「5」の純正色「ブルークレールメタリック」(青)、「オランジュアンダルー」(橙)、「ベールジャルダン」(緑)に加え、今回初登場の「ローズ」(ピンク)を加えた計4色とした(いずれも日本市場限定色)。外観は前回同様、前後バンパーを素地とした上で、内装色をシートがライトグレー、ドアトリム、ダッシュボード、ステアリングホイールの各部をダークグレーでコーディネイトしている。また、サンバイザーには後席の様子を見られるチャイルドミラーも装備。販売台数はローズのみ30台で、その他は各90台限定となる。

2011年9月1日 マイナーチェンジ(発売は同月7日より)。カラードサイドモール(ジョン・アグリュムのみブラック)とシルバー色のアウタードアハンドルを新採用。また、ダークカーボンの内装色、ライトグレーのシート地とし、質感の向上を図った。同時に「ブルー・エトワール・メタリック」と「マロン・ショコラ・メタリック」の新色2色を加え、計10色とした。

2011年12月 BE POP販売終了。

[編集] 関連事項

[編集] 脚注・参照

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[編集] 外部リンク

ルノー ロードカータイムライン 1980年代-   
タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0
コンパクト トゥインゴ トゥインゴII
5 / 7 シュペール5 ルーテシアI ルーテシアII ルーテシアIII
シンボルI シンボルII
モデュス
カングー カングーII/カングービボップ
14 9 / 11 19 メガーヌI メガーヌII メガーヌIII
フルエンス
ミドル 18 21 ラグナI ラグナII ラグナIII
20 / 30 25 サフラン ヴェルサティス サフラン/ラティテュード
ミニバン セニックI セニックII セニックIII
エスパスI エスパスII エスパスIII エスパスIV
クーペ フエゴ ラグナクーペ
ルノーアルピーヌ ルノーアルピーヌ アヴァンタイム
オープン ウインド
メガーヌI(カブリオレ) メガーヌII(クーペ・カブリオレ)
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