ルノー・メガーヌ

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2代目メガーヌ(5ドアハッチバック・後期型)

メガーヌMégane )は、フランス自動車製造会社、ルノーの生産するCセグメントの小型乗用車である。

概要[編集]

1995年にデビューしたルノーを代表する小型前輪駆動(FF)車で、現行型は3代目にあたる。3世代とも、同社のデザイン担当上級副社長であるパトリック・ル・ケモン(Patrick le Quement )がデザインの総責任者を務めた。2003年の2代目がヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。なお、これに先立つ1997年には派生車種であるセニックが同賞を受賞している。2008年にはフランスなどで3代目の販売が開始された。

歴史[編集]

初代メガーヌ(5ドアハッチバック・前期型)
初代メガーヌ(4ドアセダン・後期型)

初代(1995-2002年)[編集]

ルノー・19」の後継モデルとして1995年のフランクフルトショーでデビュー。最初に登場したのは販売のメインとなる5ドアハッチバックと2ドアクーペ。 エンジンはガソリン1,400ccから2,000ccと1,900ccのディーゼルが用意された。 フロアパン、エンジン、トランスミッションなどの基本メカニズムはR19のものをキャリーオーバーしていたが、『楕円』をモチーフにした、それまでのルノー車とは一線を画したパトリック・ル・ケモン率いる新生ルノーデザインと、衝突安全ボディー、リア中央席の3点式シートベルト、フロントシートベルトプリテンショナー+ロードリミッター、運転席エアバッグなどを装備しルノーが安全性を強く打ち出した最初のモデルとなり、1998年のユーロNCAPでは当時クラストップの4つ星を獲得している。1996年のパリサロンで計画通り、モノスペースのセニックと4ドアセダン、2ドアカブリオレを追加発表。1998年にはライバルに対抗して5ドアワゴンも追加。ボディーバリエーションは計6種類にも及んだ。生産は北フランスのDouai工場とスペインのPalencia工場。なおカブリオレはドイツのコーチビルダー、カルマン社製で、リア側面に専用バッジが装着される。また5ドアのワゴンはトルコ工場製である。

1997年に追加された「モノスペース」コンセプトという、当時のヨーロッパ車にはなかった利便性を前面に押し出したセニックはヨーロッパで高い評価を受け、1997年度のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

販売好調を受けてデビューから4年後となった1999年に行われたマイナーチェンジでは、ヘッドランプ、フロントグリル、テールランプなどのデザイン変更、衝突安全性の強化、直噴ガソリンを含むエンジンラインナップの変更と装備品の充実が図られた。


メガーヌGPL車

この時代、フランスではLPG自動車ブームがおこる。年率500パーセントの伸びを示していた事もあり、 フランスの自動車メーカー各社は全ラインナップにLPG車をラインで生産し用意していた。 欧州メーカーや日本車もフランス向けにはLPG仕様車を投入。 他のルノー車と同様に、メガーヌにもLPガス・ガソリン切り替え式LPG自動車が用意されていた。 フランス表記ではLPGの事をGPLと呼ぶ  2009年現在では、オプションでLPG自動車に仕立てている。

日本仕様は、1996年9月から2L SOHCエンジンのF3Rを搭載した5ドアハッチバックのRXEとクーペ2.0が4段AT・右ハンドル、2L 16バルブDOHCエンジンF7Rを搭載した2ドアのクーペ16Vが5段MT・左ハンドルというラインナップで導入された。1997年9月にはセニックも追加導入。マイナーチェンジ後のラインナップは、エンジンが1.6L DOHCのK4Mに変更され、5ドアハッチバックのRXT(4段AT)とRXi(5段MT)、そしてクーペと入れ替わりでカブリオレ(4段AT)が導入された。全幅は本国仕様は1,699mmであったが、日本ではサイドウインカーも全幅に含める関係で1,700mmを僅かに超えることとなり3ナンバー登録となった(ごく初期に5ナンバー登録車も存在する)。

日本市場未導入モデル[編集]

前期型のカブリオレ、後期型のクーペ、4ドアセダン、5ドアワゴン、LPG自動車、ディーゼルエンジンモデルなどは 正規導入されなかった。

2009年2月現在、欧州では既に3代目が登場しているが南米アルゼンチンコロンビアの各工場ではこの初代モデルが引き続き生産されており、廉価版として南米の一部地域では2代目と併売されている。

2代目(2002-2008年)[編集]

2代目メガーヌ(3ドアハッチバック・前期型)
メガーヌ・ルノー・スポール(3ドアハッチバック・後期型リア)
クーペ・カブリオレ
メガーヌ・グラントゥアラー
グラン・セニック
メガーヌ・サルーン

2002年にデビュー(日本市場には2003年から導入)。ハッチバックモデルの(見る人によってはあたかもやかんを連想させるかのような)直立したリアウィンドウと、鋭角に突き出したリアゲートパネル、そして鋭く膨らみを持ったボディ側面と、車輪を車体の四隅に追い込んだプロポーションから成る独特のデザインが最大の特徴である。特徴的なリアデザインなど、全般的に同社の同デザイナー、パトリック・ル・ケモンによるアヴァンタイムの影響が見られる。ボディーサイズは、全長4,235mm×全幅1,775mm×全高1,450mm、ホイールベース2,625mm。2代目から車名の文字体が小文字の「Megane」から大文字の「MEGANE」に変更された。

このモデルも、3/5ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアワゴン、クーペカブリオレ(日本仕様では「グラスルーフ・カブリオレ」の名称を使用)と、豊富なバリエーション展開を行っている。このモデルも2003年度のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

ガソリンエンジンは4気筒の1.6L、2.0L、2.0Lターボ、そして2.0L DOHCターボが用意され、ディーゼルエンジンは、1.6L、2.0Lと2.0Lターボディーゼル、LPガス・ガソリン切り替え式LPG自動車も用意されている。

ヨーロッパの自動車衝突安全性テスト「ユーロNCAP」において最高の5つ星の評価を得るなど、そのデザインだけでなく高い安全性と実用性、信頼性がヨーロッパで高い評価を受けており、ヨーロッパ市場における同クラスのベストセラーカーである。主なライバルはフォード・フォーカスフォルクスワーゲン・ゴルフプジョー・307オペル・アストラなど。

2005年末にマイナーチェンジが実施され、外装では初代同様ヘッドランプ、フロントグリル、テールランプ等のデザインが変更され、内装はメーターパネルのべゼルカラーが変更され、さらにスピードメーターとタコメーターの位置が入れ替えられた。

バリエーション[編集]

  • メガーヌ・ルノー・スポール

ルノーのモータースポーツ部門であるルノー・スポールがチューンした、224馬力を発生する2.0L DOHCターボエンジンを搭載し、サスペンションや外観、内装をスポーツ走行に適したものにモディファイした高性能モデルである。日本仕様は全て6速のマニュアル・トランスミッション(MT)で、3ドア(左ハンドル)または5ドア(右ハンドル)のハッチバックが用意されている。

  • メガーヌ・クーペ・カブリオレ

カブリオレスペシャリストのドイツカルマンの手で、メガーヌの3ドアをベースにして、わずか22秒で自動に開閉するグラスルーフハードトップを持つカブリオレに架装したモデルで、いわゆるクーペカブリオレの一種。後輪直前のサイドシルに"KARMANN"ロゴの刻印がある。2ドア4人乗りのボディを持ち、ルーフクローズ時は490L(オープン時は190L)のトランクスペースを誇る。その上、グラスルーフのためルーフクローズ時も開放感を維持するなど、快適さと実用性を兼ね添えたモデルである。

日本仕様はメガーヌ・グラスルーフ・カブリオレと呼ばれ、全て右ハンドルで、4速のマニュアルモード付オートマチック・トランスミッションを装備する。なお、このクラスの車種としては初のグラスルーフカブリオレであり、カブリオレモデルとしては世界初のユーロNCAPの5つ星を獲得するなど、安全性も売りである。リヤのナンバープレートについては、そのまま装着しただけでは開閉に支障をきたしてしまうため、専用のステーを設け、本来の位置(EU規格の位置)よりやや上方に装着する格好となる。

  • メガーヌ・ツーリングワゴン

リアシート部分のホイールベースが延長された5ドアワゴンモデルで、投入する市場によって「ツーリングワゴン」、「グラントゥアラー」と呼び名が変わる。

  • セニック/グラン・セニック

メガーヌのMPV仕様であり、同カテゴリーのフランス国内およびヨーロッパにおけるベストセラーモデルである。5人乗りの通常ボディのセニックと、ボディを延長して7人乗り(第3列目は、折りたたみ時にフラットな床面になる折りたたみシート)としたグラン・セニックの2タイプが用意されているが、日本にはグラン・セニックのみが2005年9月から導入された。

なお、日本仕様は全て2.0LDOHCエンジンを搭載している。右ハンドルで、4速のマニュアルモード付オートマチック・トランスミッションを装備する。また、全面グラスルーフサンルーフもオプションで用意される。

日本市場導入モデル[編集]

日本市場においては、3ドアハッチバック(ルノー・スポールのみ)、5ドアハッチバック、4ドアワゴン、クーペ・カブリオレ(グラスルーフ・カブリオレ)、グラン・セニックの5タイプのボディが用意されている。

ルノー・スポール以外のモデルでは、いずれも4気筒の1.6L、または 2.0Lのガソリンエンジンを搭載する。なお、変速機は5速および6速のマニュアル・トランスミッション(MT)と4速のマニュアルモードつきオートマチック(AT)が用意されている。いずれも右ハンドルのみが用意されている。

また、グラン・セニックには全面グラスルーフサンルーフが標準装備されているほか、5ドアハッチバック(ルノー・スポールを除く)と4ドアワゴンモデルに全面グラスルーフサンルーフがオプションで用意される。

日本市場未導入モデル[編集]

メガーヌR26.R

ヨーロッパやオセアニア、台湾、南アメリカ市場ではLPガス・ガソリン切り替え式LPG自動車ディーゼルエンジン、ターボディーゼル搭載モデルも用意されているが、日本市場には導入されていない。

  • メガーヌ・スポーツサルーン(Megane Saloon)

メガーヌの4ドアセダン仕様である。なお生産はトルコオヤック・ルノーにて行われる。ヨーロッパの一部の地域、シンガポール台湾中華人民共和国オセアニア南アメリカなどに導入されている。

  • メガーヌR26.R(Megane R26.R)

メガーヌRS(ルノー・スポール)の派生バージョン。RS TROPHY、F1 TEAM R26に続く進化モデルで末尾のRはRADICALE(ラジカル、究極)を意味する。エンジンは230馬力/31.6kgmのままだが、後席を除去し2シーター化、リアクオーターウィンドウおよびリアウィンドウを軽量ポリカーボネイトウィンドウに変更、カーボンフルバケットシート、カーボンボンネットの採用など徹底した軽量化により123kgも減量。その結果ドイツニュルブルクリンクをFF最速の8分17秒でラップした記録を作った。450台の限定モデルで、イギリスフランススイススペインドイツの5ヵ国で販売された。

テレビCM[編集]

メガーヌ・ルノースポールのテレビCMには、2005年ルノーF1をドライブしてチャンピオンを獲得したフェルナンド・アロンソが出演しているが、日本では放映されていない。また、グラスルーフカブリオレの日本向けCMソングにジャズシンガー、小林桂の『East of the Sun』が起用されていた。

3代目(2008年-)[編集]

メガーヌ・5ドアHB
メガーヌ・5ドアHB
メガーヌ・スポーツツアラー(エステート)
メガーヌ・ルノースポール メガーヌ・ルノースポール
メガーヌ・ルノースポール

2008年10月のパリサロンで正式発表。 5ドアハッチバックと3ドアクーペでスタート。ハッチバックは5ドアのみとなり、クーペは今までの3ドアの役割を事実上担う。ヨーロッパではハッチバックが2008年11月13日から、クーペは2009年1月から発売された。外装デザインは再び大きく変更され、先代との共通性はあまり感じられないものとなっている。ボディーサイズは、全長4,295mm×全幅1,808mm×全高1,471mm(日本仕様は4,325mm×1,810mm×1,460~1,470mm)、ホイールベース2,640mm。先代モデルより若干大きくなっているが、軽量素材を多用するなどして車重は平均して約8kgほど軽く仕上げられている。今までのフランス車ではあまり例のないボディーパネルのフィッティング精度の高さや、開発の初期段階からデジタル技術を採り入れた「フルデジタル化」を実現したり、シリーズ初のCVTジヤトコ製)の導入や、重量ベースで車両の95%をリサイクル可能な素材を使用するなどいくつかの新戦略が盛り込まれている。なお今回のモデルチェンジを機にホイールが4穴から5穴(日産車と同じくPCDは114.3)に変更されている。

2009年3月のジュネーヴモーターショーでは、スポーツツアラー(ステーションワゴン)が発表された。全長およびホイールベースが延長されて、それぞれ4,560mm、2,702mmとなる。

2009年7月には韓国のルノーサムスン自動車がメガーヌと主要コンポーネンツを共用した新型(2代目)SM3を発表。初代は日産・ブルーバードシルフィバッジエンジニアリング車であったが、2代目はメガーヌをベースに端正なセダンフォルムを与えられている。

また、同年8月にはメガーヌ・スポーツサルーンの後継としてSM3をベースとしたフルエンスを発表した。

2010年2月、クーペカブリオレ(日本名:グラスルーフカブリオレ)追加。

2012年1月にはマイナーチェンジされ、ラジエーターグリルの形状が変更された他、従来はRSのみの装備だったLEDのポジションランプが全車種に拡大された。また新開発の1.2リッター直噴ターボエンジンの採用など、搭載されるエンジンのラインアップに変更が行われている。

なおタカラトミーではルノースポールを2012年9月よりトミカのラインナップに加えている(№44。通常設定色:ジョン シリウス・メタリック、初回特別色:ノワール エトワール・メタリック)。1988年の外国車シリーズ廃止以来、初のルノー車である。

日本での販売[編集]

2010年12月13日、日本導入のプレスリリースが発表された。同月16日に第一弾として3ドアの「ルノー・スポール(以降、モータースポーツ部門のルノー・スポールとの混合を避けるためR.S.と表記)」が先行投入され、2011年5月26日にはエレガントな「プレミアムライン」とスポーティな装いの「GTライン」を発売(ともに5ドアのみの設定)。前者にはレカロ製バケットシートやブレンボ製ローターを装備し、250PSの最高出力を誇る2.0Lターボ「F4R」エンジン+6MTを搭載。一方、後者は「M4R」エンジン+エクストロニックCVTを搭載。同年10月4日には専用色「ブランナクレメタリック」にブラックレザーシート、BOSEオーディオシステム、18インチブラックアロイホイールなどを装備した「R.S. モナコGP」を全国限定30台で全国17店舗のルノー・スポールスペシャリストディーラーのみで販売。

2012年7月12日、スポーツツアラーの2.0L・DOHCターボエンジン(180PS)搭載モデルを「エステートGT」として発売。GT専用シャーシ、BOSEオーディオシステム、18インチアルミ(アロイ)ホイール等を装備。ボディカラーはグラン・エクリプス(グレー)とブラン・グラシエ(白)の2種で、限定各30台。すべて左ハンドル、6MTのみの設定で、価格は税込315万円。

また同日にはR.S.もマイナーチェンジされ、搭載される2.0L・DOHCターボエンジンは、最高出力を250PSから265PSに、最大トルクも320N・mから340N・mに向上。フロントバンパーにはLEDドライビングランプが内蔵された。また、ステアリング位置も左から右に変更され、ボディカラーも一部が差し替えられた。車両価格税込385万円は据え置き。併せてR.S.をベースに19インチタイヤのブリヂストンポテンザRE050A」と19インチロッドリムホイール、専用ステッカー、シリアルプレートを装着した「R.S. トロフィー」を全国限定30台で全国17店舗のルノー・スポールスペシャリストディーラーのみで販売。価格は税込408万円。

2012年11月22日、5ドアの「GTライン」をマイナーチェンジ(発売開始は12月6日より)。メカニズムに大きな変更はないが、LEDポジションランプを内蔵したバンパーと新造形のラジエーターグリルの採用でフロントマスクを一新。価格は7万円引き下げられて税込268万円となった。同時に、ホイールベースを60㎜、全長を240㎜延長したステーションワゴン「エステートGTライン」を追加(上述の限定車「エステートGT」とは異なり、「GTライン」と同じくM4Rエンジンを搭載)。価格は5ドア比プラス10万円の税込278万円。尚、今回の改良で「プレミアムライン」は廃止された。

2013年4月25日、「エステートGTライン」をベースに「M4R」エンジンをR.S.用の2.0Lツインスクロールターボエンジンを220PSにデチューンした「F4R」に換装し、6MT+右ハンドルの設定とした「エステートGT220」を発表(発売開始は5月16日)。開発にはR.S.や2012年に限定販売された「エステートGT」同様、ルノー・スポールが携わっている。価格は319万円。尚、今回は限定販売ではなく通常販売となる。

関連事項[編集]

外部リンク[編集]

ルノー ロードカータイムライン 1980年代-   
タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
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コンパクト トゥインゴ トゥインゴII
5/7 シュペール5 クリオ(ルーテシア)I クリオ(ルーテシア)II クリオ(ルーテシア)III クリオ (ルーテシア)IV
シンボルI シンボルII
モデュス
カングー
カングーII
14 9/11 19 メガーヌI メガーヌII メガーヌIII
フルエンス
パルス
スカラI スカラII
ミドル 18 21 ラグナI ラグナII ラグナIII
20/30 25 サフラン ヴェルサティス ラティテュード/サフラン
アッパー タリスマン
ミニバン セニックI セニックII セニックIII
エスパスI エスパスII エスパスIII エスパスIV
クーペ フエゴ アヴァンタイム ラグナクーペ
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