ドイツ国際モーターショー

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ドイツ国際モーターショー
会場の様子
種類 自動車展示会
日程 9月
開始日 1897年
頻度 毎年(奇数年は自動車、偶数年は商用車)
会場 奇数年:メッセ・フランクフルト(~2019)、メッセ・ミュンヘン(2021~)
偶数年:ハノーファー国際見本市会場
会場所在地 ミュンヘン/ハノーファー
開催国 ドイツの旗 ドイツ
主催 ドイツ自動車工業会
ウェブサイト
www.iaa.de

ドイツ国際モーターショーInternationale Automobil-AusstellungIAA)は、ドイツで開催される世界最大級のモーターショードイツ自動車工業会 (VDA) が主催している。

IAAには乗用車ショーと商用車ショーの2種類がある。1991年以前は開催地がフランクフルトのみであったが、1992年以降、偶数年にはハノーファーで商用車ショーを、奇数年にはフランクフルトで乗用車およびバイクのショーをそれぞれ開催するようになった。特に乗用車ショーは開催地名から「フランクフルトモーターショー」という名で知られていた。

2019年まではメッセ・フランクフルトにて乗用車ショーが開催されていたが、2021年からはメッセ・ミュンヘンに会場が移された。これに伴い乗用車ショーが「IAAモビリティ(IAA MOBILITY)」、商用車ショーが「IAAトランスポーテーション(IAA TRANSPORTATION)」に改名された。商用車ショーはこれまで通りハノーファで開催される。

国際的にも大きな自動車展示会であるため、国際自動車工業連合会 (OICA) が日程を決めている。

歴史[編集]

フランクフルトモーターショーの前身としてベルリンで開催されていた自動車展示会(1928年)
  • 1897年 - ベルリンのホテル・ブリストルで最初の展示会を開催。
  • 1923年 - ディーゼルエンジン搭載トラックが出展される。
  • 1921年〜1926年 - 第一次世界大戦のため、国内展示会となった。
  • 1939年 - 第二次世界大戦勃発直前、後にビートルと呼ばれるようになるフォルクスワーゲンが出展された。
  • 1950年 - 戦後初の開催。
  • 1951年 - 開催地をフランクフルトに変更。
  • 1965年 - 初めて日本車が出展される。
  • 1971年 - 政治介入によって中止される(オイルショックの影響を考慮し、乗用車購入を抑えるため)。
  • 1975年 - 来場者数が約80万人となる[1]
  • 2003年 - 本田技研工業が初の自社製ディーゼルターボであるN型エンジン(2.2 L i-CDTi)を搭載したアコードツアラーを出展。
  • 2007年 - スバルが水平対向ディーゼルエンジンスバル・EE20を出展。
  • 2021年 - 乗用車ショーの会場がフランクフルトからミュンヘンに変更。

2005年[編集]

2005年
メルセデス・ベンツパビリオン
2005年
トヨタ・ランドクルーザーの登坂デモ

2005年のショーには約94万人が来場した。このショーで新型がお披露目となった主な車種を以下に示す。

また、以下のようなコンセプトカーが展示された。

2007年[編集]

2007年
会場となるフランクフルト・トレード・フェア(メッセ)
後方はメッセタワー
2007年
メルセデス・ベンツパビリオン

2007年フランクフルトモーターショーのテーマは sustainable mobility(持続可能なモビリティ)だった[2]。お披露目となった主な車種は以下の通り。

2007年フランクフルトモーターショーでのハイブリッド車[編集]

2007年のフランクフルトモーターショーでは、ヨーロッパのメーカーがハイブリッドカー電気自動車に一層興味を示していることが明らかになった。例えば、メルセデス・ベンツはハイブリッドカーを7車種出展した。

ゼネラルモーターズの一部門であるオペルは、プラグインハイブリッドカーフレックストリームを出展した。またオペル・コルサのハイブリッド版も出展している。

フォード・モーターの一部門であるボルボ・カーズは、車輪ごとにモーターを配したプラグインハイブリッドカーを出展した。

シトロエンは、ディーゼル・エレクトリック方式ハイブリッドカーを出展した。

2009年[編集]

2009年のテーマは一言でまとめれば「電化」であり、ほとんど全てのメーカーが最新バッテリー技術を採用した自動車を出展していた[4]

2009年のショーでお披露目となった新型は以下の通り。

量産車[編集]

コンセプトカー[編集]

2011年[編集]

  • 2011年の第64回IAAは、2011年9月15日から25日まで開催。13日と14日は報道向けの公開[11]

2013年、2015年、2017年[編集]

2019年[編集]

ダイムラー・ベンツBMWといったドイツ勢が大幅に出展スペースを減らしたほか、GM、PSA、FCA、トヨタ自動車などの日本メーカー各社(ホンダを除く)が軒並み出展そのものを取りやめた[12]

2021年[編集]

会場がミュンヘンに変更されてから初の開催となる。EUの自動車市場を反映してCASEがテーマの中心となっただけでなく、自動車を含めたモビリティ全体に焦点を当てるなど、コンセプト自体にも変更が見られた。[13]

一方で参加社数は744社と2019年の800社を下回り、2019年に引き続きGM、ステランティス勢は不参加だった。2019年に出展したホンダも参加を取りやめ、日本勢の参加は無かった。[14]

脚注・出典[編集]

  1. ^ “Heisse Tage: Frankfurt waehrend der IAA ... Auf 800,000 Besucher, soviel wie bei der letzten IAA 1975 hoffen die Veranstalter”. Auto Motor u. Sport Heft 19 1977: Seite 13. (14 September 1977). 
  2. ^ IAA 2007
  3. ^ Škoda-Auto.com (2004年7月16日). “New Škoda Fabia Combi”. 2007年7月18日閲覧。
  4. ^ Europeans ready to plug into electric vehicles 2009年9月25日
  5. ^ “Lotus Elise Club Racer – the perfect combination of performance, efficiency and style”. Taume News. (2009年9月4日). http://news.taume.com/World-Business/Auto/Lotus-Elise-Club-Racer---the-perfect-combination-of-performance--efficiency-and-style-12180 2009年9月5日閲覧。 
  6. ^ Frankfurt 2009: Lexus LF-Ch Concept shines in Frankfurt”. iCars Singapore. 2009年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月21日閲覧。
  7. ^ Mini Concept Coupe - 2009 Frankfurt Auto Show”. Edmunds.com. 2009年9月10日閲覧。
  8. ^ "Z.E." はルノーの電気自動車プロジェクト名
  9. ^ a b Renault to Show Four Electric Concepts at Frankfurt”. autoevolution.com. 2009年9月10日閲覧。
  10. ^ a b Frankfurt 2009: Renault's all-electric four-car attack includes Twizy, the quirkiest car of the IAA”. green.autoblog.com. 2009年9月16日閲覧。
  11. ^ フランクフルトモーターショー 2011「写真速報」”. フォーイン. 2019年9月24日閲覧。
  12. ^ 独モーターショーが「EV祭り」になった本当の理由、自動車産業は末期症状”. diamond online (2019年9月24日). 2019年9月24日閲覧。
  13. ^ 【IAAモビリティ2023】ミュンヘンで再び…初回の成功受けて発展へ”. Response. (2021年10月4日). 2023年7月2日閲覧。
  14. ^ ミュンヘンは盛り上がっていたのか?…IAAモビリティ2021をふりかえって”. Response. (2021年9月15日). 2023年7月2日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]