ポルシェ・911

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ポルシェ911(ポルシェきゅういちいち、英語:Nine Eleven 、ドイツ語:Neunelfer )はポルシェ1963年から製造・販売しているスポーツカーである。ポルシェ・356の後継車種で、RRの駆動方式を踏襲し、ポルシェのみならず世界のスポーツカーを代表する名車とされる。

目次

[編集] タイプ7

1956年にスタートした356の後継車プロジェクトはフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェを中心に勧められた。356は設計当初2座席であり2年生産された後に補助座席として後部2座席が付け足され室内が狭かったことから、室内スペースを広く取るためホイールベースを延長し2+2シートを確保するという骨格のもとで進められ、試作車が3 - 4台製作された。プロジェクトはエルヴィン・コメンダに引き継がれ、一時は大型4人乗りモデルも検討されたが、最終的に2+2のコンパクトクーペに落ち着いた。

ポルシェ・911(初代)
901型
901型911
Porshe-img 0305.jpg
販売期間 1963年 - 1974年
設計統括 フェルディナント・ピエヒ
デザイン フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドア クーペ
エンジン F6 SOHC 1991cc
変速機 5速MT
駆動方式 RR
サスペンション 前 マクファーソン式ストラット
後 トレーリングAアーム+トーションバー
全長 4,163mm
全幅 1,610mm
全高 1,320mm
ホイールベース 2,211mm、Bシリーズ以降2,271mm
車両重量 1095kg
先代 ポルシェ・356
-自動車のスペック表-

[編集] 初代 901型(1963年 - 1974年)

[編集] Oシリーズ

1963年356の後継車としてフランクフルト・ショープロトタイプがデビューし、1964年から本格生産に入った。当初は開発コードそのままに「901」と名乗っていたが、プジョーが真ん中に0の入った3桁数字をすべて商標登録していたため「911」と改めた。初代生産型は開発コードの901からそのまま901型と称され、部品番号の冒頭にも901が入っている[1]。通称「ナロー」。日本にはミツワ自動車により1965年より輸入されている。技術担当重役はF.トマラ、エンジン開発主任はフェルディナント・ピエヒ、スタイリングはフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェが担当した。

エンジンは新たに開発された水平対向6気筒でボアφ80mm×ストローク66mm。低騒音と高出力を兼ね備えており将来性があるとの観点から、従来のプッシュロッド式に換えてSOHCが採用された。排気量は大きなマージンを取りかつ手の届きやすい価格にするため排気量1,991ccになったものの、後の市場の要求次第で2.7Lくらいまで拡大できるようになっていた。総アルミニウム合金製のクランクケース、チェーン駆動[2]されるカムシャフトドライサンプ[3]、鉄をアルミフィンで包んだバイラル構造シリンダー[4]、軸流式冷却ファン[5]等が特徴点として挙げられる。キャブレターソレックストリプルチョーク40PIオーバーフロー型をツインキャブで採用していた。クラッチはフィヒテル&ザックス(Fichtel & Sachs 、現ZF)が生産した砂型アルミニウム鋳物製で軸間距離は68mm、φ215mm単板ダイアフラム式。

全長は4163mm。全幅は1,610mm。ホイールベースは2,211mm。トレッドは前1,337mm、後1,317mm。リムは前後とも4.5J15in。タイヤは前後とも165HR15。ブレーキは1系統でパッド面積前52.5cm2、後40cm2。オルタネーターは490W。

暖房はヒートエクスチェンジャーに加え、補助的にメインタンクのガソリンを利用し電気的に点火するエーバーシュペッヘル製ヒーターを標準採用した。

1967年のフランクフルト・ショーでタルガモデルが発表された。

  • 911 - エンジンは圧縮比9.0で130馬力 (96 kW, 128 hp) /6,100rpm、17.8kgm/4,200rpmの901/01型が搭載されていた。プロトタイプは高度な職人が個々に作っていたので問題が起こらなかったが、大量生産を始めるとフロントキャンバー4'、リアキャンバー1°6'、フロントトーイン15 - 20'、リアトーイン0 - -2'、キャスター7°45'[6]という厳しいサスペンション調整に関する公差を守れず、初期の製品は非常にハンドリングが神経質となったため、11kgの鋳鉄製錘2つが「バンパー補強材」の名目でフロントバンパー両側に取り付けられた。初期型に搭載されていたソレックス製キャブレターでは2,500 - 3,000rpmの領域でパワーが出ず、ソレックスの工場に職員が派遣されたが効果は上がらず、1966年2月から元々ランチア・フラミニアV6用に開発されたウェーバー401IDA3C/40IDA3C1に変更され、これによりエンジン形式名が901/05型エンジンとなった。911Sに先行して採用されていた新型のヒートエクスチェンジャーが1966年11月に採用され暖房の効きが改善されると同時にバルブオーバーラップを小さくした901/06型エンジンとなった。
  • 911S1966年7月25日発表、1967年発売) - Sはスポーツを意味する。軽合金鍛造ピストン採用、バルブ大径化とオーバーラップ引き上げ、ポート大径化、圧縮比9.8で160馬力 (118 kW,158 hp) /6,600rpm、18.2kgm/5,200rpmの901/02型エンジンを搭載し、リアトレッドを拡大されたモデル。トランスミッションは5速のみ高くし911用を流用している。新型のヒートエクスチェンジャーが使用され、暖房の効きが改善された。ブレーキは通風式となった。

[編集] Aシリーズ

1967年8月から1968年7月まで生産された。リムが5.5J15に変更された。セミオートマチックトランスミッションであるスポルトマチック905型[7]のオプション設定がされた。スポルトマチック搭載車はエンジン形式が別になっているが、装着に必要なアタッチメントラグを持つ以外の差はない。ブレーキが2系統に増えた。エーバーシュペッヘル製ヒーターはオプションになった。

  • 911L1968年発売) - それまでの911を改称し、Oシリーズの911Sに続いてブレーキが通風式になった。引き続き901/06型エンジン、スポルトマチック車は901/07型エンジン。アメリカ仕様[8]901/14、アメリカ仕様スポルトマチック車901/17。
  • 911T1968年発売) - Tはツーリングを意味する。圧縮比8.6で110馬力/5,800rpm、16.0kgm/4,200rpmにデチューンされた901/03型エンジンを搭載しポルシェ・912の後継として発売された廉価版。鋳鉄にクロムメッキを施した旧式のクローマルシリンダー、ピストンはアルミダイキャスト、クランクシャフトは一般の911の鍛造から鋳造に変更されるとともにカウンターウェイトを省略されるなど各所でコストダウンされているが、これらのコストダウンはレース車輛への改造を念頭に、すなわちレース車輛でさらに高価なパーツに交換しなければならない、もしくは改造されることが多い箇所に限定されており、レースでもそのまま使用するシリンダーヘッドや吸排気バルブやキャブレターは、低出力エンジンであるにも関わらず全く911Sと同一である。1968年セミオートマチックトランスミッションであるスポルトマチックの設定がされ、スポルトマチック車は901/13型エンジン、ブレーキが通風式となった。
  • 911S - エンジンはOシリーズと同一。スポルトマチック車は901/08型エンジン。
  • 911R1967年限定発売) - レース、ラリー用特殊モデル。デュアルイグニッション、特殊軽合金製シリンダーの採用、圧縮比10.3、バルブのタイミング変更と大型化、ウェーバー46IDAキャブレター採用等ポルシェ・906とほぼ同等のチューニングを受け210馬力/8,000rpm、21kgm/6,000rpmを発生する901/22型[9]エンジンを搭載した。ボディーはフロントフェンダー、前後リッド、バンパーがグラスファイバーに置換、窓がアクリルに置換、内装簡素化など非常に軽量化され800kg。先行試作3台と量産20台、計23台が生産された。量産型は製造をカール・バウアが担当し、窓が薄く軽量化されている等細部が異なる。また量産型のうち数台はワークスに残ってレースに参戦した。1967年ムジェロで行なわれた330マイルレースで3位入賞、スポルトマチック搭載車がマラトン・ド・ラ・ルートで総合優勝、1968年ムジェロで行なわれた330マイルレースで3位入賞、1969年ツール・ド・フランスで総合優勝、DOHCの916型エンジン搭載車がコルシカラリーで優勝。1967年モンツァ・サーキットで本来出場予定だった906の代役でスピード世界記録に挑戦、連続走行15,000km、10,000マイル、20,000km、72時間、90時間の世界新記録と14の2,000ccクラス世界新記録を達成した。

[編集] Bシリーズ

1968年8月から1969年7月まで生産された。ホイールベースが2,271mmに延長されるなどで操縦性が大幅に改善され、ポール・フレールは「ポルシェの中古車を買おうとしている人々に、それ以前の車は考えない方がいいとわたしは助言してきた」と書いている。185/70VR15タイヤと6J15inホイールを納めるためにホイールアーチがつくようになり、これ以降「ナロー」との俗称を使わない人もいる。911E911Sの燃料供給がボッシュ製6プランジャーメカニカルインジェクションに変更され出力が向上するとともに燃費が改善され、また点火が容量放電となって渋滞時のプラグ汚損が軽減された。リアウィンドーに熱線が入り、オルタネーターが770Wに大容量化されている。エアコンがオプション設定された。

  • 911T - クランクケースがマグネシウム圧力鋳造に変更されることで10kg軽量化された。ブレーキのパッド面積は前52.5cm2、後52.5cm2
  • 911E1969年発売) - 911Lからの改名。圧縮比9.1で140馬力/6,600rpm、17.8kgm/4,500rpmの901/09型エンジン、スポルトマチック901/11型エンジン。
  • 911S - 170馬力/6,800rpm、18.5kgm/5,500rpmの901/10型エンジン。オイルクーラーが新設された。ブレーキはアルミニウム製となりパッド面積は前78cm2、後52.5cm2、ライニング13mm厚。

[編集] Cシリーズ

1969年8月から生産された。ボアφ84mm××ストローク66mmに拡大し排気量2,195cc。マニュアルトランスミッションがアルミニウムダイキャスト製に強化された911型となりクラッチはφ225mmに大径化された。マニュアルトランスミッションは後マグネシウム製に変更された。

  • 911T/2.2 - 125馬力/5,800rpm、18.0kgm/4,200rpmの911/03型エンジンに置換した。スポルトマチック装備は911/06型、US仕様は911/07型、US仕様スポルトマチック装備は911/08型エンジン。キャブレターがソレックス製からゼニス・ストロンバーグ製に置換された[10]。マニュアルトランスミッションは4速が標準でオプションで5速も選択できた。マニュアルトランスミッション車のブレーキが通風式となりこれで全車種通風式となった。容量放電が911Tにも採用され、全車種容量放電点火となった。
  • 911E/2.2 - マニュアルトランスミッションは5速が標準。155馬力/6,200rpm、19.5kgm/4,500rpmの911/01型、スポルトマチックは911/04型エンジン。自動車高調整機能付きハイドロニューマチックストラットを装備している[11]
  • 911S/2.2 - 180馬力/6500rpm、20.3kgm/5200rpmの911/02型エンジン。マニュアルトランスミッションは5速のみでスポルトマチックは用意されなかった。

[編集] Dシリーズ

1971年7月まで生産された。

  • 911T -
  • 911E -
  • 911S -

[編集] Eシリーズ

1971年8月から生産された。ボアφ84×ストロークφ70.4mmで排気量2,341ccに拡大された。マニュアルトランスミッションがレース用の916型をベースとし軸間距離77mmに拡大されたマグネシウムダイキャスト製5速915型または4速915型に変更された。クラッチがφ225mmに拡大された。オプションのスポルトマチックが強化されつつトルク比2.2に変更された4速925型または3速925/10型に変更された。オイルタンクが右後輪の前に移動された。

  • 911T/2.4 - 130馬力/5,600rpm、20kgm/4,000rpmの911/57型エンジン、スポルトマチックは911/67型エンジン。ヨーロッパ仕様のゼニス製キャブレターのままではアメリカの排気ガス規制に合格できず、アメリカ仕様は911E/2.4911S/2.4と共通の6プランジャー燃料噴射ポンプを採用し140馬力/5,600rpm、20kgm/4,000rpmの911/51型エンジン、スポルトマチックは911/61型エンジンとなった。アメリカの排気ガス規制が厳しくなり、1973年1月よりボッシュのKジェトロニックに変更され圧縮比8.0で140馬力/5,700rpm、20.5kgm/4,000rpmの911/91エンジン、スポルトマチックは911/96型エンジンに置換された。
  • 911E/2.4 - 165馬力/6,200rpm、21kgm/4,000rpmの911/52型、スポルトマチックは911/62型エンジン。
  • 911S/2.4 - 190馬力/6,500rpm、22kgm/4,000rpmの911/53型、スポルトマチックは911/63型エンジン。

[編集] Fシリーズ

1973年7月まで生産された。コストと使い勝手の面からオイルタンクが右後輪後部に戻された。

  • 911T/2.4 -
  • 911E/2.4 -
  • 911S/2.4 -
  • 911カレラRS2.71973年限定生産) – グループ4のホモロゲーションを取るために911S/2.4をベースに当初500台が限定販売されたもので、ボディを軽量化し、ボア×ストロークφ90mm×70.4mm、圧縮比8.5で、2,687ccで210馬力/6,300rpm、26kgm/5,600rpmの911/83型エンジンを搭載した。ツーリング、スポーツ、レーシングの3グレードがあり、スポーツグレードの重量は960kg。当初の生産台数はすぐに売り切り、1,000台以上が追加生産されたためグループ3のホモロゲーションも得た。日本に正規輸入されたのはスポーツグレードのみで14台。「73カレラ」と俗称され名車として現在まで語り継がれている。トランスミッションは5速915型のみ。917からフィードバックされた技術でアルミニウムシリンダーにニッケルとシリコンの化合物を付着させた「ニカシル」シリンダーによりこの大径ボアを実現している。ホイールはフロント6J15、リア7J15。タイヤはフロント185/70VR15、リア215/60VR15。

[編集] Gシリーズ

1973年8月から1974年7月まで生産された。ボアφ90×ストローク70.4mmの2,681ccに拡大された。ニカシルシリンダーで後アルシルシリンダーに変更された。リアサスペンションアームがアルミニウム鋳物製となった。

  • 911/2.7 - カムシャフトが新型の911/97型に変更された911/92型エンジン、スポルトマチックが911/97型エンジン。
  • 911S/2.7 - カムシャフトが新型の911/98型に変更された911/93型エンジン、スポルトマチックは911/98型エンジン。
  • 911SC/2.7 -
  • 911カレラRS3.01975年限定発売) – 109台生産され、うち50台以上がカレラRSRに改造された。ボアφ95×ストローク70.4mm、圧縮比10.3の2,994ccで230馬力/6,200rpm、28.0kgm/5,000rpmの911/77型エンジン。燃料供給はボッシュメカニカルインジェクション。トランスミッションは5速915型のみ。ブレーキはポルシェ・917から流用したアルミニウム製。ボディ重量は900kg。
  • カレラRSR1975年限定発売) - 911カレラRS2.7をレース用に改造したもので排気量2,806cc、300馬力/8,000rpm、30.0kgm/6,500rpmの911/72型エンジンを搭載している。ブレーキは917から流用しカムシャフトは906から流用している。ボディ重量は900kg。1975年には出力が345馬力まで向上している。

[編集] Hシリーズ

1974年8月から1975年7月まで生産された。930型ターボとの併売で外観も米国の連邦自動車安全基準 (Federal Motor Vehicle Safety Standard, FMVSS) のバンパー強度規定Std215に従った5マイルバンパーの装着により外観が一新され以降930型が製造中止になる1989年まで「ビッグバンパー」と俗称されたが、ノンターボモデルは901型のまましばらく生産された。オルタネーターが980Wに大容量化され、ヒートエクスチェンジャーが改良され、オプションだったエーバーシュペッヘル製ヒーターは廃止された。ポルシェ史上初めてアメリカ市場向けのエンジンの公称性能を他の市場向けより低く称した。

  • 911/2.7 - ボッシュKジェトロニックで150馬力/5,700rpm、24kgm/3,800rpmの911/41型エンジン、スポルトマチックは911/46型エンジン。アメリカには輸出されなかった。
  • 911S/2.7 - ボッシュKジェトロニックで175馬力/5,800rpm、24kgm/4,000rpmの911/42型エンジン、スポルトマチックは911/47型エンジン。アメリカ市場向けは165馬力、23kgmの911/43型エンジン、スポルトマチックは911/48型エンジン。カリフォルニア向けはEGRを装着し160馬力、22.4kgmの911/44型エンジン、スポルトマチックは911/49型エンジン。
  • 911SC/2.7 - 機械インジェクションで210馬力。

[編集] Iシリーズ

1975年8月から生産された。ブレーキのパッド面積は前78cm2、後52.5cm2。自動低温始動装置を装備した。給油ポンプが大型化され、冷却ファンが5枚羽根に強化された。Hシリーズ911/2.7に相当するグレードは廃止され、Hシリーズ911S/2.7に相当する911/2.7911SC/2.7に相当する911カレラ3.0のみとなった。1976年から全車種500℃の亜鉛槽にドブ漬け[12]で防錆処理されたティッセン(現ティッセンクルップ)製鋼板を採用し、ボディの耐久性が大幅に向上した。サイドミラーが電動式となった。

  • 911/2.7 - Hシリーズの911S/2.7に搭載されていたエンジンを搭載した。
  • 911カレラ3.0 - ボアφ95×ストローク70.4mmの2,994cc。オプションで前が7J15inホイールに205/50VR15タイヤでトレッド1,398mm、後が8J15inホイールに225/50VR15タイヤでトレッド1,405mm。
  • 911リミテッド1976年限定発売) - フェルディナント・ポルシェ生誕100周年[13]を記念し500台限定。一般の911より70万円も高価であったが日本でも50台が販売された。外部塗装はシルバーメタリック。薄く色が入ったアロイホイール、布ばりシート、パワーウィンドー、フロント色ガラスが特別仕様。

[編集] Kシリーズ

1977年7月まで生産された。

  • 911/2.7
  • 911カレラ3.0 - オプションで前が7J16inホイールに205/55VR16タイヤでトレッド1,438mm、後が8J16inホイールに225/50VR16タイヤでトレッド1,511mm。

[編集] Lシリーズ

1977年8月から生産された。180馬力/5,800rpm、25kgm/4,000rpmのエンジン。トランスミッションは5速915型のみ。

[編集] 2代目 930型(1974年-1989年)

930型

当初より米国の連邦自動車安全基準 (Federal Motor Vehicle Safety Standard, FMVSS) のバンパー強度規定Std215に従った5マイルバンパーが装着された。930型は本来ターボモデルを指すものであり、「ビッグバンパー」であってもNAモデルは1977年モデルまで901型のままである。1978年にはNAモデルも930型となった。

ボディの種類はクーペと脱着式のルーフをもつタルガの2種類。トランスミッションは当初915型と呼ばれるポルシェ内製トランスミッション(ポルシェシンクロ)を採用した。

[編集] Hシリーズ

  • 911ターボ1975年発売、1976年日本発売) - 1973年フランクフルト・モーターショーで「911ターボ」試作車が展示され、280馬力で最高速度280km/hとアナウンスされていた。1974年パリサロンに「930ターボ」試作車が展示された。生産車はボア×ストロークφ95mm×70.4mmで2,994cc、圧縮比6.5の930/50型エンジンを搭載、ボッシュKEジェトロニックとブースト圧0.8気圧のKKK製ターボチャージャーで260馬力/5,500rpm、35.0kgm/4,500rpm。日本仕様は昭和50年(1975年)規制に適合するため等で245馬力/5,500rpm、35.0kgm/4,000rpm[14]。大パワーに対応するタイヤを納めるべくフェンダーを備え全幅は1,775mmまで拡げられた。1978年モデルからはカタログ上の名称は1978年「ターボ」、1979年「930ターボ」、1980年「911ターボ」と変遷しているが、特別大きな変更はない。豪華な内装をもつ高性能スポーツカーとして高価格ながら販売は好調であった。トランスミッションは当初4速MT930型であり、ポルシェは「ありあまるパワーには4速で充分」と説明したが、「ポルシェシンクロトランスミッションの許容量がターボのパワーに耐え切れずやむなく4速にした」というのが通説。クラッチ径はφ240mm。

[編集] Iシリーズ

1975年8月から生産された。サイドミラーが電動式となった。1976年から全車種500℃の亜鉛槽にドブ漬け[15]で防錆処理された鋼板を採用し、ボディの耐久性が大幅に向上した。

  • 911ターボ

[編集] Kシリーズ

1977年7月まで生産された。

  • 911ターボ - 前が7J16inホイールに205/55VR16タイヤでトレッド1,438mm、後が8J16inホイールに225/50VR16タイヤでトレッド1,511mm。

[編集] Lシリーズ

1977年8月から生産された。

  • 911ターボ - ボア×ストロークφ97mm×74.4mm、排気量3,299ccに拡大され圧縮比7.0で300馬力/5,500rpm、42.0kgm/4,000rpm。新たに空冷式インタークーラーを装備した。エンジン取り付け位置が30mm後退し、これに伴いリアタイヤの指定空気圧が上げられた[16]。アメリカ向けと日本向けは排気リアクターと低オクタン対応のため265馬力に抑えられている。

[編集] 1978年モデル

901型のままだったノンターボ車が930型に移行した。この年新潟県警パトロールカーとして配備され、その後20年近く活躍したことが知られている。

  • 911SC1978年発売) - 従来の911Sに当たる。ボアφ95×ストローク70.4mmの2,994cc、930/17型エンジン。ボッシュのKジェトロニック、圧縮比8.5、180仏馬力/5,500rpm、27.0kgm/4,000rpm。
  • 911SCS1978年発売) - 従来の911カレラに当たる。
  • 911ターボ

[編集] 1979年モデル

  • 911SC
  • 911ターボ

[編集] 1980年モデル

  • 911SC
  • 911ターボ

[編集] 1981年モデル

日本でターボモデルの輸入が一時途絶えた。

  • 911SC

[編集] 1982年モデル

  • 911SC

[編集] 1983年モデル

ポルシェ・356で人気のあったオープンモデルであるカブリオレが復活した。

  • 911SC

[編集] 1984年モデル

1984年フランクフルトショーで「カレラ」の名称が復活した。

  • 911カレラ - ボア×ストロークφ95mm×74.4mm、圧縮比10.3、排気量3,164ccエンジン。225仏馬力/5,900rpm、27.3kgm/4,800rpm。フラップ式のボッシュLジェトロニックを採用した。馬力も1973年のカレラRSを超えたことから、かつてレーシングモデルにのみ与えられていたカレラの名称は以降ノンターボモデルの名称として使用されるようになった。

[編集] 1985年モデル

フロアパンとバルクヘッドの板厚が0.75mmから1mmにアップし、剛性が向上した。ターボの日本輸入が再開された[17]

  • 911カレラ
  • 911ターボ

[編集] 1986年モデル

  • 911カレラ
  • 911ターボ - ボッシュKジェトロニック。ターボはKKK製。ボア×ストロークφ97mm×74.0mm、3,287cc、288仏馬力/5,300rpm、38.9kgm/4,250rpm[18]

[編集] 1987年モデル

ノンターボモデルのトランスミッションがボルグワーナー式のゲトラグ製G50型を採用した。

  • 911カレラ
  • 911ターボ

[編集] 1988年モデル

コンロッドボルトが強化され、ブレーキパッドがアスベストフリーとなった。

  • 911カレラ
  • 911ターボ - ボディーバリエーションとしてタルガトップ[19]。とカブリオレ[20]を選択できるようになった。
  • 911ターボ・フラットノーズ1988年限定発売) - リトラクタブルライトとすることで空力を改善し、330馬力エンジンを搭載したモデル。

[編集] 1989年モデル

  • 911カレラ
  • 911ターボ - トランスミッションが5速のゲトラグ製に変更されている。
  • 911ターボS1989年限定発売) - 330馬力エンジンを搭載し足回りも強化され少数製造された。

[編集] 3代目 964型(1989年-1993年)

964型

相変わらず北米市場での人気は高かったものの、顧客数の増大は新たな要求を生み、それに応えるためにはアップデートが必要な時期に来ていた。さらにその後継車は911シリーズのイメージを継承する必要があり、外観を大きく変えることが許されなかったため、1989年にデビューした964型は、930型似の外観をまとってはいるものの、80%ものパーツを新製するといった手の込んだ手法を採ることとなった。なかでも特筆されるのはボディー構造が一般的なモノコックとなったことと、サスペンションがフロントマクファーソンストラット+コイルスプリング、リアがセミトレーリングアーム+コイルスプリングに変更されたことの2つである。これにより一気に現代的なハンドリングを得ることに成功、「最新のポルシェは最良のポルシェ」という言葉の価値を一層高める一助となり、エンジニアの多大な労苦は報われることになった。エンジンはボアφ100mm×ストローク76.4mmで3,600ccに拡大され、圧縮比11.3で250馬力/6,100rpm、31.6kgm/4,800rpm。4WDに対応するためフロアセンターは高くなっている。リアスポイラーは電動格納式。ボディーは当初よりクーペ、タルガ、カブリオレの3種が提供された。1992年モデルからカブリオレターボルックが追加され、1993年にスピードスターが追加された。

  • カレラ41989年発売) - 964型になった最初のタイプ。遊星ギアによるセンターデフを持ち31:69に固定されたフルタイム4WD機構を持つ。
  • カレラ21990年発売) - カレラ4を2WDに簡略化したタイプ。マニュアルシフトモードを持つAT、「ティプトロニック」が搭載された。
  • 911ターボ1991年発売) - 大掛かりなモデルチェンジとなった964型では当初ターボモデルの開発が追いつかず、カレラ2ベースのシャシに930型から流用した3.3LのM30エンジンを320馬力、45.9kgmと大幅に出力向上して搭載しデビューした。
  • ターボS IMSA - レース部門を中心に開発された限定車。これこそ新世代のターボとの賞賛をもって受け止められた。
  • カレラRS1992年限定発売) - カレラ2のボディを補強した上で、後席、エアコン、セントラルロッキングシステム、パワーステアリング、オーディオを省略し、トリム、シート、エンジンフッド、マグネシウム合金製ホイール、フライホイール等が軽量品に交換されて120kgに及ぶ軽量化を果たしたレーシングバージョン。エンジンは260馬力/6,100rpm、32kgm/5,000rpm。
  • 911ターボ3.61993年発売) - 3.6LのM64エンジンをベースとし360馬力、53kgm。ターボSで用いた「赤キャリ」「スピードライン製3ピース18inホイール」などの装備の他、低められた車高とRSと同タイプのリアセンターバンパーなどによって迫力を増している。マフラーは左右2本出しとされたが助手席側マフラーエンドからのみ排気され運転席側マフラーエンドはウェイストゲートからの大気開放のラインとなっている。
  • カレラRS3.81992年少数生産) - 空冷ポルシェ最大の排気量である3.8L。

[編集] 4代目 993型(1993年-1997年)

993型

空冷最後のモデルとなる。キャビン周りに964型のシルエットを残しながら、太腿とも呼ばれたフロントフェンダーの峰は低くなり、テールエンドのデザインも一新された。拡大されたリアフェンダーはマフラー容量の増大と、左右独立等長のエキゾーストをも実現し、排気系の改善に寄与した。リアサスペンションに採用されたマルチリンクのスペースを確保するため、リアフェンダーもそれまでよりさらに拡幅される(964までのNAモデルは日本の5ナンバー枠に収まる)。1989年にハーム・ラガーイのデザインで発表されたコンセプトカー「ポルシェ・パナメリカーナ」との共通点を多く見受けることができる。

このモデルまでは「ナロー」から連綿と続く室内レイアウトが共通であり、「ポルシェを着る」とされたタイト感が残る最後のモデルとも言える。ただし964型同様エンジン音は静かで快適性は向上している。「最後の空冷」のキーワードで中古での価格も低くない。

1996年、可変吸気機構である「バリオラム」を装備、カレラで13馬力アップした285馬力、カレラ4で15馬力アップした300馬力となった。ボッシュHIDランプシステム「リトロニック」をオプション設定。タルガ追加、脱着式だった964型までとは異なりベバスト (Webasto [21]) 製電動スライディング・グラストップに変更されスタイルもクーペのようなファストバックとなったが、開放感は964型までのタルガのほうが若干上である。

1997年、キーホールを照らす照明がメーターパネル下部に追加された。

  • カレラ41995年発売) - ビスカスカップリング方式の4WDシステムを搭載した。本国ではカレラと同様で排気量は3.6Lだが、日本国内モデルのみRSと同じ3.8Lエンジンを搭載する。
  • 911ターボ1995年発売) - 3.6LのM64型エンジンに片バンクずつkkk製k16型タービンとインタークーラーを装着してツインターボとし最高出力は408仏馬力、54.0kgmとしたM64/60型エンジン。量産モデルの911で初めてターボ+4WDが実現、959、またボット博士が実現しようとした965(964カレラ4ベースのターボモデル)の大量生産モデルと見ることもできる。駆動方式はビスカスカップリングを用いた4輪駆動とされたが、普段はフロントへのトルク配分は5%とされRRのハンドリングを崩さないように配慮されている。インタークーラーはエンジンルーム一面を覆うまでに拡大され、オイルフィラーキャップを外すのが困難になった。外観ではノーマルボディよりも60mmワイドとされたリアフェンダーとレッド一色とされたリアガーニッシュ・ライト周り、フロントのホワイトウィンカーなどが特色の一つ。ターボの特徴の一つである固定式リアウィングは前型までのトレータイプからボディーに沿って後縁がなだらかに下がり、色もボディー同色とされたため目立たなくなっている。また大型化されたインタークーラーにあわせてリアウィングのグリルも同様に大型化された。このグリルはエンジンからの熱害を受けやすく、ほとんどの個体のグリルにひずみが生じている。拡幅されたリアフェンダースペースを利用し、排気系は左右独立とされたため、このタイプよりマフラー両エンドから排気される構造に変更された。
  • カレラ4S1996年発売) - ワイドボディー+ターボの足回りをまとって登場したが本国同様3.6Lエンジンのため日本国内ではカレラ4>カレラ4Sのパワー逆転現象が起きた。
  • 911ターボS1996年発売) - 911GT2から流用された430馬力M64/60型エンジンが搭載される。トランスミッションはカレラ4用G64/21型を改良した専用。
  • カレラS1997年発売) - 往年の356のグリルを彷彿とさせる、スプリットルーバーにワイドボディーをまとったモデル。

[編集] 5代目 996型(1997年-2004年)

ポルシェ・911(5代目)
996型
996型911
2004 Porsche 996X50.jpg
販売期間 1997年 - 2004年
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドア クーペ
エンジン F6 DOHC 3,387cc
変速機 6速MTまたは5速ティプトロニックS
駆動方式 RR
サスペンション 前 マクファーソン式ストラット
後 マルチリンク+コイル
全長 4,430mm
全幅 1,765mm
全高 1,305mm
ホイールベース 2,350mm
車両重量 1375kg
-自動車のスペック表-

1997年、996型が発表された時に最大の注目を集めたのは、それまでトレードマーク的存在の1つとされていた空冷エンジンが、欧州の環境対策基準をはじめとする世界的な環境問題への対処を主な目的として水冷化されたことである。それに伴いヘッド周りも全面改装され、新しいDOHCヘッドと組み合わせられた。ボア96mm×ストローク78mmで3,387ccと小型化されたにもかかわらず圧縮比11.3から300馬力/6,800rpm、35.7kgm/4,600rpmを発生した。ボディの大型化・水冷化に伴うエンジンの補機類の設置、更に衝突安全基準の適合のための安全装備の充実で先代の993型と比較して重量は増加したが、それでもカレラ2同士の比較で70kgの増加に留まっている。サスペンション形式はフロントはストラット式、リアはマルチリンク式と名目は993型と変わっていないが、フロントはアライメントの適正化、リアに至ってはセミトレーリングアームに三本のアームを組み合わせた変則マルチリンク構造となっている。

クーペに加え1999年春にカブリオレが追加された。電動ソフトトップはダイムラー・ベンツとの合弁会社カートップシステムズ製で、センターコンソール、ドアキー、リモコンでの操作により20秒程で開閉できる。安全性にも配慮し各サスペンションの荷重とロール角度から自動で飛び出す左右2本のロールバーを装備する。993型タルガがカブリオレの車体を土台に設計されていたのに対し、996型タルガではクーペの車体を土台にしているために車体剛性が向上した。

また開発コスト削減のために車体前方部分がボクスターと共通であり、最初にボクスターで採用された涙滴型ヘッドライトがそのまま996型にも採用された結果、ポルシェらしさの1つとされていた丸目型ヘッドライトが廃止された。

2002年モデルでは差別化のためボクスターとは異なるデザインのヘッドライトが採用され、エンジンがボアφ96mm×ストローク82.8mmで3,596ccに拡大され320馬力/6,800rpm、37.6kgmとなった。増大したパワーに対応してティプトロニックSも従来のZF製からメルセデス・ベンツ製に変更された。

グレード展開は以下の通りである。

グレード 駆動方式 過給器 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 備考
カレラ
カレラカブリオレ
RR NA 前期3,387cc
後期3,596cc
前期300ps/6,800rpm 35.7kgm/4,600rpm
後期320ps/6,800rpm 37.6kgm/4,250rpm
6MT/5Tip-S
カレラ4
カレラ4カブリオレ
4WD NA 前期3,387cc
後期3,596cc
前期300ps/6,800rpm 35.7kgm/4,600rpm
後期320ps/6,800rpm 37.6kgm/4,250rpm
6MT/5Tip-S 1998年発売、4WDモデル
カレラ4S
カレラ4Sカブリオレ
4WD NA 3,596cc 320ps/6,800rpm 37.6kgm/4,250rpm 6MT/5Tip-S
タルガ RR NA 3,596cc 320ps/6,800rpm 37.6kgm/4,250rpm 6MT/5Tip-S
40thアニバーサリー RR NA 3,596cc 345ps/6,800rpm 37.6kgm/4,800rpm 6MT 2003年発売、911発売40周年を記念した1963台の限定生産モデル
ターボ
ターボカブリオレ
4WD ツインターボ 3,600cc 420ps/5,700rpm 57.1kgm/2,700-4,600rpm 6MT/5Tip-S ヘッドは水冷化されているが、911GT1クランクケースを流用している
ため、カレラ系の3.6Lエンジンとはベースが異なる
ターボHPE
ターボS
4WD ツインターボ 3,600cc 450ps/5,700rpm 63.2kgm/3,500-4,500rpm 5Tip-S ターボHPEは911ターボX50の国内版
GT3 RR NA 3,600cc 前期360ps/7,200rpm 37.6kgm/5,000rpm
後期381ps/7,400rpm 39.2kgm/5,500rpm
6MT 1999年発売、ポルシェカップへの参戦を希望するユーザやGTレース
向けの限定生産(後にカタログモデル)、GT1クランクケース採用
GT3RS RR NA 3,600cc 381ps/7,400rpm 39.2kgm/5,500rpm 6MT フロントボンネットやドアミラーをCFRP製、リアウィンドウを
強化プラスチック製にするなどでGT3から20kg軽量化し1,360kg
GT2 RR ツインターボ 3,600cc 前期462ps/5,700rpm 63.2kgm/3,500-4,500rpm
後期483ps/6,500rpm 65.3kgm/3,500-4,500rpm
6MT 2002年発売、911ターボをベースにエンジンチューン、軽量化を行い
最高速は315km/h、カタログモデルでは最強スペックとなる
  • 911ターボ2000年発売) - 3.4Lから3.6Lに拡大され、更に片バンクにつき一基のターボとインタークーラーを割り振られ420馬力、57.1kgmを発生する。993型に引き続き駆動系にビスカスカップリング式フルタイム4WDを採用。後輪のスリップを検知し、フロントへの駆動力を増大させる制御を行なっている。もともとリアにエンジンを搭載している911にとって主駆動輪である後輪へのトラクションは十分で、あとはコントロールを容易にするだけの駆動力をフロントに供給できればよかった。簡易的な構造であるがために、4WDシステム単体では約50kgの重量増に留まっている。

[編集] 6代目 997型(2004年-2011年)

ポルシェ・911(6代目)
997型
997型GT3
2009-07-05 red Porsche 997 GT3 (MY 2010) Goodwood.jpg
販売期間 2004年 -
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドア クーペ
エンジン F6 DOHC 3,596cc
変速機 6速MTまたは5速ティプトロニックS
駆動方式 RR
サスペンション 前 マクファーソン式ストラット
後 マルチリンク+コイル
-自動車のスペック表-
JLMC仕様車

2004年夏発売されたモデル。996型で不評だった涙滴型ヘッドランプの廃止となり、スモールランプ、ウインカーは別体型となった。内装のデザイン変更と質感向上を求めたモデルで、さらに後部コンビネーションランプと前後バンパー部分のデザインも変更。996型の部品から80%以上を刷新したとも言われているが、大部分のボディ骨格や一部のボディパネル、ボアφ96mm×ストローク82.8mmで3,596ccエンジンや5速ティプトロニックなどは踏襲されている。オプションとして新たに開発されたPASM、スポーツクロノパッケージなど豊富なバリエーションも特徴である。

グレード展開は以下の通りで、基本的に6速マニュアルトランスミッションと5速ティプトロニックSオートマチックトランスミッションがそれぞれ用意されている。

グレード 駆動方式 過給器 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 備考
カレラ
カレラカブリオレ
RR NA 前期3,596cc
後期3,613cc
前期325ps/6,800rpm 37.7kgm/4,250rpm
後期345ps/6,500rpm 39.7kgm/4,400rpm
6MT/5Tip-S/7PDK 前期型は996型の後期型カレラの3.6Lエンジンをベースにした
エンジンを搭載する。
カレラS
カレラSカブリオレ
RR NA 前期3,824cc
後期3,799cc
前期355ps/6,600rpm 40.8kgm/4,600rpm
後期385ps/6,500rpm 42.8kgm/4,400rpm
6MT/5Tip-S/7PDK
カレラGTS
カレラGTSカブリオレ
RR NA 3,799cc 408ps/7,300rpm 42.8kgm/4,200-5,500rpm 7PDK
カレラ4
カレラ4カブリオレ
4WD NA 前期3,596cc
後期3,613cc
前期325ps/6,800rpm 37.7kgm/4,250rpm
後期345ps/6,500rpm 39.7kgm/4,400rpm
6MT/5Tip-S/7PDK
カレラ4S
カレラ4Sカブリオレ
4WD NA 前期3,824cc
後期3,799cc
前期355ps/6,600rpm 40.8kgm/4,600rpm
後期385ps/6,500rpm 42.8kgm/4,400rpm
6MT/5Tip-S/7PDK 女子テニスのポルシェ・グランプリの優勝賞品でもある。
カレラ4GTS
カレラ4GTSカブリオレ
4WD NA 3,799cc 408ps/7,300rpm 42.8kgm/4,200-5,500rpm 7PDK
ターボ
ターボカブリオレ
4WD ツインターボ 前期3,600cc
後期3,799cc
前期480ps/6,000rpm 63.2kgm/1,950-5,000rpm
後期500ps/6,000rpm 66.3kgm/1,950-5,000rpm
6MT/5Tip-S/7PDK 前期型は最後の空冷(ポルシェ・911 GT1)クランクケース
採用モデル
ターボS
ターボSカブリオレ
4WD ツインターボ 3,799cc 530ps/6,250rpm 71.4kgm/2,100-4,250rpm 7PDK
GT3 RR NA 前期3,600cc
後期3,797cc
前期415ps/7,600rpm 41.3kgm/5,500rpm
後期435ps/7,600rpm 43.8kgm/5,500rpm
6MT 後期型の3.8Lは前期型のボアアップ版となり、カレラ系の
3.8Lエンジンとは異なる。
GT3RS RR NA 前期3,600cc
後期3,797cc
前期415ps/7,600rpm 41.3kgm/5,500rpm
後期435ps/7,600rpm 43.8kgm/5,500rpm
6MT
GT3RS 3.8 RR NA 3,797cc 450ps/8,500rpm 43.8kgm/6,750rpm 6MT
GT3RS 4.0 RR NA 3,996cc 500ps/8,250rpm 46.9kgm/5,750rpm 6MT 911GT3Rと同じボア・ストローク(102.7×80.4mm)となる
GT2 RR ツインターボ 3,600cc 530ps/6,500rpm 69.4kgm/2,200-4,500rpm 6MT
GT2RS RR ツインターボ 3,600cc 620ps/6,500rpm 71.4kgm/2,250-5,500rpm 6MT インタークーラーを改良し最大ブースト圧を1.6Barに上昇
車重はGT2から70kg軽量化し、1,370kg
世界500台限定生産

2007年7月に10万台目の車輌がラインオフされ、歴代モデルの中で最も短期間に10万台の生産達成となった[22]。同年11月にはドイツの業界誌『Auto Zeitung(アウト・ツァイトング)』の「Auto Trophy」で「Best Sports Automobile」および「Best Cabriolet over 30,000 Euro」部門でそれぞれ首位を獲得し、翌2008年1月にはドイツの自動車雑誌『auto, motor und sport(アウトモートアウントシュポルト)』でカブリオレ部門の「Best Automobile in the World」を受賞[23]

2008年6月にマイナーチェンジが発表された。スモールランプ、ウインカーは2段のLEDのバータイプとなり、テールランプもLEDとなった。NAモデルには今までと違う直噴型エンジンが搭載され、さらにPDKと呼ばれる7速のデュアルクラッチトランスミッションも選択ができるようになった。このPDKが採用されたモデルでは、従来のティプトロニックSは廃止となる。

[編集] 7代目 991型(2011年-)

ポルシェ・911(7代目)
991型
991型911
Blue Porsche 991 Carrera S fl IAA 2011.jpg
リア
Porsche911(991)rear.JPG
販売期間 2011年-
乗車定員 2+2
エンジン 3.4L水平対向水冷
3.8L水平対向水冷
変速機 7速MT
7速PDK
駆動方式 RR
4輪駆動
全長 4,491mm
全幅 1,808mm
全高 1,303mm
ホイールベース 2,450mm
車両重量 1,350kg
-自動車のスペック表-

2011年8月23日、新型「911カレラ」および「911カレラS」が正式発表され、翌9月のフランクフルトショーで世界デビューを飾った。同年11月10日より日本での受注開始。Aピラーは寝かされ、全高は低められた。「911カレラ」のエンジンは、従来モデルよりも排気量が200cc小さい新開発の3.4L 水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載する。最高出力350ps/7400rpm、最大トルク39.8kgm/5600rpm。 トランスミッションは7速MTと7速PDKが設定され、PDK車はNEDCモード燃費で従来モデルより約2km/L向上し、8.2L/100km(=12.2km/L)を達成。CO2排出量はポルシェのスポーツカーとして初めて200g/kmを下回り、194g/kmを実現した。 高出力バージョンの「911カレラS」は、先代モデルと同排気量の3.8L自然吸気ユニットを搭載しながら、最高出力は15ps増となる400ps/7400rpm、最大トルクは44.9kgmを発生する。トランスミッションは「911カレラ」同様、7速MTと7速PDKが設定され、PDK車では8.7L/100km(=11.5km/L)の燃費値(NEDCモード)を実現するとともに、CO2排出量も205g/kmに抑えるなど、高効率化が図られている[24]

グレード 駆動方式 過給器 排気量 最高出力/最大トルク 変速機 備考
カレラ
カレラカブリオレ
RR NA 3,436cc 350ps/7,400rpm 39.7kgm/5,600rpm 7MT/7PDK
7PDK
カレラS
カレラSカブリオレ
RR NA 3,799cc 400ps/7,400rpm 44.9kgm/5,600rpm 7MT/7PDK
7PDK

[編集] インターミディエイトシャフトの破損について

エンジン内の部品の一つであるインターミディエイトシャフトの不具合がブログ、掲示板、日本国土交通省の自動車不具合情報ホットライン等で報告されている。ポルシェは本不具合に対する公式見解を発表していないが、利用者からの情報を総合すると不具合は996型及び997前期型で発生しているようである。997前期型の2006 - 2007年モデルで対策がなされたとの情報もある。(直噴のDFIエンジンに換装された997後期モデルにはインターミディエイトシャフトそのものが存在しない。)本不具合は車両走行中にシャフトが突然破損するものであり、一旦破損するとエンジンは動作不可能となる。復旧にはエンジンの交換が必要である。なお2011年8月現在、ポルシェは本件に関するリコールを届け出ていない。

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 同様の理由でポルシェ・904はポルシェカレラGTSに改名されている。
  2. ^ 4気筒の356カレラエンジンではベベルギア駆動であったため騒音が大きく、ベルト駆動はシンプルで静粛であるが当時としてはハンス・グラースしか採用しておらずリスクを負うべきではないとの結論になり、チェーン駆動となった。高性能エンジンはフライホイールが軽くチェーンに大きな加速力が掛かるため、当時最高品質であったレノルド (Renold) 製を採用した。
  3. ^ 水平対向エンジンは横幅があるため横Gが掛かった時のオイルレベル変動が激しい。ウエットサンプでオイルパンを深く取ればエンジンの重心を上げねばならず、4気筒エンジンでもカレラにはドライサンプが採用されていた。
  4. ^ 当初はアルミ合金、試作段階では鋳鉄製であった。
  5. ^ 従来使われていたシロッコ式は非常に安価にフォルクスワーゲンから購入できたが効率が劣り、また風が左列に行くので右列用にダクトを設けるか右寄りにファンを移動する対策が必要になっていた。
  6. ^ 初期の説明書による
  7. ^ トルク比2.0
  8. ^ スロットルを閉じた時排気マニフォールドに空気を吹き込むVベルト駆動のエアポンプが追加されている。
  9. ^ 906の901/20型はクランクケースがマグネシウム製であるがこれはアルミニウム製である点が異なる。
  10. ^ ポルシェ博物館資料P76。
  11. ^ ポルシェ博物館資料P76。
  12. ^ 電気メッキではない。「ポルシェ911ストーリー」P146。
  13. ^ ポルシェ博物館資料P108。
  14. ^ 「外国車ガイドブック'77」P144。
  15. ^ 電気メッキではない。「ポルシェ911ストーリー」P146。
  16. ^ ポルシェ博物館資料P80。
  17. ^ 「昨年から再輸入されるようになった」『外国車ガイドブック1986』P136。
  18. ^ 『外国車ガイドブック1986』P208。
  19. ^ 「外国車ガイドブック1988」P142。
  20. ^ 「外国車ガイドブック1988」P143。
  21. ^ 日本ではウェバストとも呼ばれていた
  22. ^ 公式サイト、プレスリリース、2007年7月12日
  23. ^ 公式サイト、プレスリリース、2008年1月31日
  24. ^ 公式サイト、プレスリリース、2011年11月1日

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ポルシェ A.G. 車両年表 1960年-
タイプ 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2
エントリーモデル 912 912E 924 924S 968 ケイマン
356 914 944 ボクスター(986) ボクスター(987)
911シリーズ 911(901) 911(964) 911(996) 911(991)
911(930) 911(993) 911(997)
GT 928
セダン パナメーラ
SUV カイエン(955) カイエン(958)
カイエン(957)
スーパーカー 959 カレラGT
コンセプトカー: 356/1114695901989パナメリカーナ918
モータースポーツ: 64360550718787804904906907908909910914-6 GT917934935936953956961962GT1WSC95RSスパイダー
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