オープンカー
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オープンカーとは、屋根のない、もしくは屋根を開放することのできる自動車を総称する和製英語[1]。
英語では、コンバーチブル(convertible、主に米国英語)、カブリオレ(cabriolet、主に英国英語)と呼ぶのが一般的である。開放的な走りを楽しむ趣味的な車としてのほか、各種のパレードや、式典などで用いられることもある。
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[編集] 概要
今日の自動車はモノコック構造が主流であり、屋根を持たない車種は強度や剛性などに弱点がある。これを補うため、ルーフ部分だけが着脱可能でその他の部分を残したタルガトップという形式もある。その他にもオープンカーには強度や剛性を補うため工夫が施されており、その結果屋根付きの車両に比べて部品点数が多くなりコストがかかる。屋根がないのにあるものより重くて価格が高いのはこのためである。また屋根やその動作部分を収納するために座席やトランクスペースが犠牲となっているなど、趣味性の高い自動車である。
なお日本の車検証ではオープンカーは「幌型」と表記される。しかし、Tバールーフやクーペカブリオレなどハードトップとなる一部の車種は「箱型」となる。
[編集] 種類
海外で「オープンカー」に相当する用語には、「バルケッタ (barchetta)」「ロードスター (roadster)」「スパイダー (spider)」「カブリオレ(cabriolet)」「コンバーチブル (convertible)」などがある。呼称の違いは国によるものの他にも、「バルケッタ」「ロードスター」「スパイダー」 は「屋根を閉められる車」、「カブリオレ」「コンバーチブル」 は「屋根を開けられる車」という車造りの方向性の違いにも立脚する。
また、最近では「クーペカブリオレ」と呼ばれる電動格納式ハードトップも増えている。
これらのほとんどが2ドア車なのに対し、以前は4ドア車の「フェートン」というタイプがあったが、現在ではモデルが一部の式典用を除いて消滅したためほとんど使われなくなった。
なお近年ではアウディなど一部のメーカーで、クーペ派生の二座型モデルには「ロードスター」、セダン派生の2ドア・四座のものには「カブリオレ」の名称を用いて区別しているところがある。「ロードスター」は車体の大部分がそれ専用の部品から成り立っている場合があるが、「カブリオレ」は既存の車輌をに改造を施している場合がほとんどである。
[編集] 改造オープンカー
オープンカーは野外行事や祝典に用いられることが多い。しかし市販されているオープンカーは後部座席が狭いものが多く、また定員が4人を越えるオープンカーは未だかつて市販されたことがない。そこで本来はオープンカーではない車をオープンカーに改造することがしばしは必要になってくるのである。
かつて王室や国家元首が参加する公式行事には、ロールス・ロイスなどの高級車を改造したオープンカーが使用されることが多かった。アメリカでも1960年代初頭までは大統領が加わるパレードや地方遊説などにはリンカーンやキャデラックを改造したオープンカーが使われることが多かった。しかし1963年11月22日のケネディ大統領暗殺事件以後は事情が一変し、現在では現職大統領のオープンカー使用はほぼ皆無となっている。
ローマ教皇庁でもかつては、教皇が外国を訪問した際に行うパレードやお膝元のサンピエトロ広場に集まった群衆に親しく祝福を与える行事などでオープンカーを使用していたが、1981年5月13日のヨハネ・パウロ二世暗殺未遂事件で教皇が重傷を負ったのを機に警護が徹底化され、以後はメルセデス・ベンツ Gクラスを改造したオープンカーの上部に四面を強固な防弾ガラスで囲んだショーケースのような覆いを乗せた専用車を使用することになって現在に至っている。
なお日本ではスポーツ競技などで優勝決定後の祝賀パレードにオープンカーを使用することが多い。競技者が腰掛けるのは、通常は後部座席の背もたれの上部で、一人ないし二人を乗せる。このような際によく使われるのは、トヨタ・クラウンや日産・セドリックを改造したオープンカーが多い。このような車両は普段はメーカーの車庫で保管されており、必要に応じて貸し出される。
[編集] ボディスタイル一覧
- ロードスター (roadster)
- カブリオレ (cabriolet)
- スパイダー (spider)
- バルケッタ (barchetta)
- コンバーチブル (convertible)
- ドロップヘッドクーペ (drop head coupe)
- デカポタブル
- フェートン
- クーペカブリオレ
- ラナバウト
- トノー
- ツーリングカー
- 幌車
- 幌型
- タルガトップ
- Tバールーフ
[編集] 安全性
オープンカーの安全面で問題となるのが、ロールオーバー(横転)した場合の乗員に対する重大な危険性である。
欧米ではTバールーフやタルガトップ、または横転時に瞬時に突出して頭部を保護する干渉装置等の安全機構の装備が義務付けられている国もある[要出典]。
ユーロNCAP等の第三者機関による衝突安全テストでは、オープンカーはそれ単体でクラス分けされ、クローズドボデーとは異なる基準でテストされている。
[編集] レーシングカー
自動車レースの最高峰といわれるフォーミュラ・ワンクラスのマシンをはじめとして、レーシングカー(特にフォーミュラカー)には伝統的にオープンカーが多々見られる。これは何故か。
そもそも黎明期の自動車は、基本的にみなオープンカーだった。エンジン出力にまだ制約があったこの時代、自動車に大きな屋根を取付けていたずらに車体重量を増やすことは、その結果としてパワーウェイトレシオが低下し、速度も落ちるという、無駄以外の何ものでもなかった。また現在の乗用車の主流であるモノコックボディではなく、頑丈なフレームにエンジン等の設備を配したため、ボディ形状による強度の問題もなかった(モノコックボディでは箱型を構成する屋根付きの方が強度を確保しやすい)。したがって当時の自動車は通常は剥き出しで、良くても重量の少ない簡単な幌しか付いていなかったのである。
やがて自動車が広く一般家庭にまで普及し、エンジンの出力が上がって必要なだけの馬力とスピードが確保できるようになると、二の次だった車内の居住性にも配慮できるようになり、恒久的な屋根で被われた箱形の自動車が以後の主流となった。
しかし一分一秒を争う自動車レースの世界ではそれでも屋根の重さがものを言った。運転席(レーシングカーでは特に「コックピット」と言う)の広さを人一人がやっと収まるほどの極限にまで小さくして無駄を省いているのと同様に、屋根などという「サーキットでは無用の長物」は取付ける必要はないとみなされていたのである。
近年になって抵抗力学や流体力学の発展により、運転席が剥き出しの車体は必ずしも高速運転状態で最適な形状ではないことが立証されているが、それにもかかわらずF1をはじめとするフォーミュラカーの車体が依然として旧来の形態をとどめているのは、レーシングカーの伝統という文化的な側面や、事故時にドライバーを救出しやすくするためなどの理由がある。
[編集] 日本の事情
日本では、雨(雪)が多く、多湿、高温、低温で季節的に屋根を開放して快適な走行ができる時期が限られている。
屋根を閉鎖したときでも、雨の当たる音が大きかったり、炎天下で頭上が焼かれる感じがしたり、 さらには雪が多く降ると屋根が潰れてしまうなど、実使用上の問題が多い。
また、オープンカーが高所得者のセカンドカー的なイメージがあり[2]、 やっかみから布製の屋根を傷つけられたり、暴走族から攻撃標的にされてしまうこともある[3]。
さらに路上や駐車場に駐車されている場合、悪戯や盗難の標的になり易い[4]。 最近ではセキュリティ上の配慮から電動格納ハードトップ式のオープンカー(クーペカブリオレ)が人気を集めている[5]。
このような事情からメーカーも国内向けオープンカーの生産には消極的であり[6]、消費者も開放感を求めるためにはサンルーフなどのオプションを選択する場合が多い。[7]。
[編集] オープンにした状態と季節
- 春 気候はよいが、スギ花粉によるアレルギー性疾患者にとっては厳しい時期。
- 夏 関東以南では6月を過ぎたころから9月始めはきつい。直射日光は危険。逆に北海道では快適に乗れる時期が多い。
- 秋 快適に乗れる
- 冬 気温や陽射しにより快適に乗れることもあり (ただし非積雪地の場合)
日本においてオープンカーに最適な季節は春、秋、冬の一時期である。18度から25度程度の気温がエアコンなどを用いずに快適に乗れる目安である。冬場はエアコンやシートヒーターを使うと顔だけが寒いだけで意外に気持ちよかったりする。また冬の昼間は陽射しがあれば快適に乗れることもある。夏場はエアコンをつけても汗が流れ快適な環境で乗ることは不可能であるが、かろうじて夜間は気持ちよく乗れる場合もある。オープンカーの基本として気持ちのいいドライブが可能かどうかが開閉のポイントである。 降水に関わらず、トンネル等の天井からの水滴落下等には注意が必要。
[編集] 車種
オープンカーまたはオープンボディをバリエーションに持つ車種をあげた。いずれも生産を終了した車種を含む。順不同。
[編集] 日本メーカー
- マツダ
- 旧ユーノス・ロードスター/ロードスター
- サバンナRX-7 カブリオレ
- ファミリア カブリオレ
- スズキ
- ホンダ
- トヨタ
- 日産
- パトロール ソフトトップ
- ダットサン・ロードスター/フェアレデー/フェアレディ
- フェアレディZ コンバーティブル/ロードスター
- シルビア コンバーチブル/ヴァリエッタ
- マイクラC+C
- マーチ カブリオレ
- パルサーEXAコンバーチブル
- 三菱
- レクサス
- ダイハツ
- いすゞ
- スバル
[編集] 海外メーカー
- MG/MGローバー
- ポルシェ
- BMW
- アルピナ・B6 Supercharge カブリオ
- BMW・MINIコンバーチブル
- メルセデス・ベンツ
- アルファ・ロメオ
- プジョー
- ルノー
- シトロエン
- フォルクスワーゲン
- フィアット
- クライスラー
- フェラーリ・F430 スパイダー
- ロータス・エリーゼ
- ジャガー・XK コンバーチブル
- アストンマーチン DB9ヴォランテ
- アウディ・TTロードスター
[編集] 注意
- ^ ただし英語において「open car」という表現が全くされないわけではない。英語での「open car」は「屋根のない車両」もしくは「屋根を開放した状態の車両」という意味で使われる。なお、この場合の「車両」は自動車の他に列車等も含む。
- ^ 近年はユーノスロードスター初期型が中古市場に格安で出回るようになり、それほど高所得ではない学生がオープンカーに乗るケースが多く見受けられる。
- ^ 運転中に悪漢に狙われることは非常に稀なケースである。しかしながら、深夜の公園などで駐停車中はクローズドカーより注意が必要である。
- ^ 実際は、ほとんどのオープンカーはマイナー車種であるため闇取引市場での評価が低く盗難の標的にされる可能性はそれほど高くない。しかし、人気のある車種や高級車はその限りではない。
- ^ 防犯上の理由よりもフォルム優先や手動開閉の面倒臭さを嫌って選ばれることが多い。
- ^ 本当の理由は国内メーカーに魅力的な四座式オープンカーを市場に提供できる商品開発力とアピール力がないゆえである。 二座式オープンカーの場合、結婚して子供を持ってしまうと買い換えの俎上に上がってしまうことが多い。
- ^ サンルーフでは、フルオープンの代わりには成り得ない。あれは天井に付いた窓でしかない。
[編集] 関連項目
本文中にリンクのあるものを除く。
- クーペ: 固定された屋根を備える自動車
- ミッレミリア: かつてイタリアで開催されていた伝説的な自動車レース
- トヨタ 2000GT オープントップ: 映画『007は二度死ぬ』のために特別に改造された伝説のトヨタ2000GT
- スカイバス東京:オープントップに改造した2階建て観光バス。

