マツダ・アテンザ

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アテンザATENZA)は、マツダが製造・発売する乗用車である。日本国外向けの車名はMazda6マツダ6[補足 1]カペラの事実上の後継車として発売された。3代目はマツダのフラックシップモデルとして位置づけられている[2]。また中国市場では、これまでに販売された歴代3世代を同時販売している[3]

初代 GG/GY系(2002年-2008年)[編集]

マツダ・アテンザ(初代)
GGEP/GGES/GG3P/GG3S/GYEW/GY3W型
アテンザスポーツ
アテンザ01.jpg
Mazda6 セダン(豪州仕様)
2003Mazda6-McMillansLookout.jpg
アテンザスポーツワゴン
Mazda Atenza Sports Wagon.jpg
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
エンジン LF-DE型 2.0L 直4 DOHC
L3-VE型 2.3L 直4 DOHC
L3-VDT型 2.3L 直4 DOHC ターボ
最高出力 178仏馬力/6,500rpm
最大トルク 21.90kgfm/4,000rpm
変速機 5速AT/6速MT
駆動方式 FF/4WD
サスペンション 前・ダブルウィッシュボーン
後・マルチリンク
全長 4,675mm - 4,695mm
全幅 1,780mm
全高 1,430mm-1,440mm
ホイールベース 2,675mm
車両重量 1,360kg - 1,530kg(AT車)
1,410kg - 1,550kg(MT車)
別名 Mazda6(日本国外)
先代 マツダ・カペラ(7代目)
プラットフォーム マツダ・GGプラットフォーム(セダン、スポーツ)
マツダ・GYプラットフォーム(スポーツワゴン)
-自動車のスペック表-

2002年5月20日に発表。マツダにとってはトリビュートが発表された2000年10月以来1年半ぶりの自社製新型車である。また、この系統で「カペラ」の名称を使用しないのは1994年クロノスが6代目カペラに置き換えられる際以来の8年ぶりである。ボディタイプは「スポーツ」と称するハッチバックとセダン、ステーションワゴンの3種類。プラットフォームは、マツダ・GGプラットフォーム(セダン、スポーツ)およびマツダ・GYプラットフォーム(スポーツワゴン)を採用。「ボルト以外は全て一新」とPRされた様に「MZRエンジン」を含め全てがマツダの主導による新開発であり、以降のフォードのミドルクラス車(フュージョンなど)の基本プラットフォーム「CD3プラットフォーム」のベースとして採用される渾身の力作となった。

ヨーロッパ市場との関係などで全幅が1780mmあり、エンジンの排気量にかかわらず全車3ナンバーとなる。ただし、日本の道路事情を考慮して、ドアミラーを含めた車幅は他社同クラス車種の標準的な車幅(1750mm前後)のものと同等か、それ以下の数値に抑えて作られている。

エンジンは、フォードグループの新しい基本エンジンとなる、マツダの新開発機種「MZRエンジン」が搭載され、直列4気筒DOHCのLF-DE型2000cc、同L3-VE型2300ccがある。欧州仕様車にはRF-CDT型コモンレール2000ccディーゼル・ターボも搭載される(こちらは6速マニュアル車のみ)。日本仕様にはAJ型V6の設定はない。

「マツダスピード アテンザ」には、新開発L3-VDT型2.3L直噴ガソリンターボエンジン「MZR 2.3 DISI(ディジー) TURBO」、電子制御アクティブトルクコントロールカップリング4WDシステムを搭載(DISI(ディジー):Direct Injection Spark Ignition)。マツダ・アテンザのフラッグシップ的存在として、アメリカ・欧州・日本を中心としたアジア地域にアピールする狙いがある。

駆動方式は前輪駆動のほか、四輪駆動がある(スポーツワゴンとMSPアテンザ)。

発売当初はトランスミッションは4速AT(グレードにより、アクティブマチック付、アクティブマチック無し)のほか、スポーツ(5ドア)、スポーツワゴン2300ccの前輪駆動車にMTが、スポーツワゴンの四輪駆動に5速ATが採用されていたが、2005年6月のマイナーチェンジ時から、2000ccと2300ccのATすべてにアクティブマチック5速AT、MTは6速MTとなった。その際、主にフロントの外装デザインの変更、内装の質感向上、エンジンのダイレクトイグニッション化、電子制御スロットル化など、ボディ剛性、走行性能のさらなる向上が図られた。

全車、防府工場(山口県防府市)で製造されている。

当車両から採用されたマツダのブランドフレーズ「Zoom-Zoom」は現在までも採用されている。

マツダの得意分野である「走る楽しさ」を具体化し、デザインや走行性能に力を入れ、自動車評論家や自動車ファンの評価も高く、日本では2002年RJCカー・オブ・ザ・イヤーなどの受賞を始め、2008年までに世界中で132の賞を受賞した。なお初代アテンザの世界販売台数も132万台となっている。

また、スポーツモデルの23Z(セダン除く)発売記念としてリュック・ベッソン監督が手がけた、ショートムービー「RUSH」(ラッシュ)もネット上で公開された。

2006年のドイツ自動車顧客満足度(CSI)調査で、アテンザは最も高い861ポイントのスコアを獲得した。 東京都内では個人タクシーが、また宮城県警察や静岡県警でも、パトカーとしてどちらも4ドアセダンを導入している。

年表[編集]

  • 2001年10月24日 - 第35回東京モーターショーにて、参考出品[4]
  • 2002年
    • 1月 - アメリカ・デトロイトで開かれた北米国際オートショーにMazda6(日本名:アテンザセダン)を出展[5]
    • 1月31日 - アテンザに搭載されるNewI4エンジンの生産を広島市南区の新エンジン工場にて生産開始[6]
    • 2月14日 - 防府工場(山口県防府市)で第1号車をラインオフ[7]
    • 3月5日 - ジュネーヴモーターショーにMazda6スポーツワゴン(日本名:アテンザスポーツワゴン)を出展[8]
    • 5月20日 - 「アテンザ」を正式発表。セダン、スポーツを発売開始。翌月の6月24日にはスポーツワゴンを発売開始した。当初はスポーツとスポーツワゴンが各3グレード(いずれも20F・23C・23S)、セダンは4グレード(20F・20C・23E・23Eラグジュアリーパッケージ)用意されていた[9]
    • 6月20日 - スポーツワゴンの23Cと23Sに4WD車を追加。8月1日より販売開始[10]
    • 9月24日 - スポーツとスポーツワゴンの23Sに5MT車を追加。11月1日より販売開始(スポーツワゴンの23SはFF車のみ追加)[11]
    • 11月20日 - 2003RJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞[12]
    • 12月 - 世界各国で23の賞を獲得[13]
  • 2003年
    • 5月 - 世界各国で50の賞を獲得[14]
    • 7月9日 - スポーツ、スポーツワゴンに18インチアルミホイールなどを装備した23Zを追加。また、すでに取得した2.0L車とあわせ、全ての2.3L車が「超-低排出ガス車」の認定を受ける[15]
    • 10月16日 - セダン23Eをベースに、スポーツ23Sに準じたエアロパーツを装備した特別限定車「23E S-Limited」(限定500台)を発売。なお、内装はブラックのモノトーンインテリアとし、既存のスポーツ23Sとの差別化を計っている[16]
    • 12月 - 「Mazda6」(アテンザ)が中国のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞[17]
  • 2004年
    • 9月16日 - スポーツ、スポーツワゴンの23S(スポーツワゴンはFF車)をベースに、ブラック基調のレザーシートやパワーシートなどを装備した特別限定車「23S Leather-Limited」(2タイプ合計で限定600台)を発売[18]
    • 9月22日 - パリモーターショーに「Mazda6 MPS」を出品。日本でも翌年1月14日から開催された「東京オートサロン2005」で「マツダスピードアテンザ」として参考出品した。
  • 2005年
    セダンに設定されていた「23Eラグジュアリパッケージ」は仕様変更を経て「23EX」として独立し、スポーツとスポーツワゴンにも設定。また、スポーツとスポーツワゴンに20C、セダンに20Eを追加。これまで4WD車のみに設定されていた5EATを採用、MT車も5速から6速に変更され、その他細部の質感が見直された。同時に「マツダスピードアテンザ」(セダンに2.3L DISIターボエンジンを搭載した高性能版)の先行予約を開始。特典として、レザーシートのカラー選択(期間限定)とオリジナル本皮車検証ケースが贈呈された[19]
    • 8月 - マツダスピードアテンザを発売[20]
  • 2006年
    • 2月28日 - 世界累計生産台数100万台を達成。マツダ車としては歴代最短となる4年1か月で達成した[21][補足 2]
    • 4月19日 - 世界累計生産台数100万台記念し、全タイプの「23EX」をベースにブラウン色の専用レザーシート、運転席・助手席シートヒーター、メッキ仕様のアウタードアハンドルを装備した特別仕様車「23EX Brown Leather style」を発売[23]
    • 12月22日 - スポーツとスポーツセダンの「23S」をベースに、専用シート・ドアトリム・センターパネル・アウタードアハンドル等を施した特別仕様車「23SS」とセダンの「20E」をベースに、黒木目調のセンターパネル、アルミホイールなどを装備した特別仕様車「20ES」を発売[24]

2代目 GH系(2008年-2012年)[編集]

マツダ・アテンザ(2代目)
GHEFP/GHEFS/GHEFW/GH5FS/GH5FP/
GH5FW/GH5AP/GH5AS/GH5AW型
セダン(前期型)
2007 Mazda Atenza-Sedan 01.jpg
スポーツ(前期型)
2007 Mazda Atenza-Sport 01.jpg
スポーツワゴン
Mazda Atenza Sportswagon (GH) front.JPG
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
エンジン LF-VE型 2.0L 直4 DOHC(前期型)
LF-VD型 2.0L 直4 DOHC(後期型)
L5-VE型 2.5L 直4 DOHC
3.7L V6(北米仕様)
変速機 6速AT(4WD)/5速AT/6速MT
駆動方式 FF/4WD
サスペンション 前・ダブルウィッシュボーン
後・マルチリンク
全長 4,735mm(セダン・スポーツ)
4,765mm(スポーツワゴン)
4,920mm(北米仕様)
全幅 1,795mm
1,840mm(北米仕様)
全高 1,440mm-1,450mm(セダン・スポーツ)
1,450mm-1,500mm(スポーツワゴン)
1,470mm(北米仕様)
ホイールベース 2,725mm
2,790mm(北米仕様)
車両重量 1,390kg-1,500kg(セダン)
1,430kg-1,540kg(スポーツ)
1,450kg-1,560kg(ワゴン)
横滑り防止機構 2.5L車に標準装備
2.0L車は受注生産
別名 Mazda6(日本国外)
プラットフォーム マツダ・GHプラットフォーム
-自動車のスペック表-

エンジンは先代型の2.3Lエンジンに代わってL5-VE型2.5Lエンジンを投入。従来の2.3Lより排気ガスがクリーンになり、使用燃料をレギュラーガソリン(従来の2.3Lエンジンではプレミアムガソリン(ハイオク)指定)とするなど経済性にも配慮された。また、日本車初となる「リアビークルモニタリングシステム」をオプションで設定。これは時速60km/h以上の走行時、後方から来た車両をレーダーで検知するシステムで、ドライバーが方向指示器を使用する際に他の車両が接近してきたらランプと音で警告を行う安全装備である。あわせて今回のモデルチェンジでは、インパネ上方の集中ディスプレイに表示される機能をステアリングにあるスイッチで操作することで、ハンドルから手を離さずにエアコンやオーディオを安全かつ容易に操作できる「CF-Net(シーエフネット)」機能も採用された。

トランスミッションはセダンの20C/20E/25EX、スポーツの20C/25S(2WD車)/25Z/25EX、スポーツワゴンの20F/20C/25S(2WD車)/25Z/25EXがアクティブマチック付5速AT、セダンの25F、スポーツ・スポーツワゴンの25C/25S(4WD車)はアクティブマチック付6速ATとなり、スポーツ・スポーツワゴンの25S/25Z(2WD車)に設定の6速MTにも改良が加えられた。

さらに、2.5L車へのDSC(横滑り防止装置)やTCS(トラクションコントロールシステム)の標準化と初代(標準車)ではスポーツワゴンのみに用意されていた4WD車をセダン及びスポーツに拡大採用とし操縦安定性を向上させている。

北米仕様は先代同様、ミシガン州のマツダ・フォードの合弁会社「オートアライアンス・インターナショナル」で生産される。 ボディサイズ・室内寸法が日本・欧州仕様よりもひと回り大きくなっており、全長×全幅×全高は4920×1840×1470(mm)、ホイールベースは2790mm。基本デザインはアテンザのものを踏襲しており、パッと見は日本仕様や欧州仕様と区別が付きにくいが、リアは、ナンバープレートがテールランプ間にあるので容易に判別できる。エンジンはアテンザと共通の2.5L(L5-VE)に加え、CX-9にも搭載されるフォード・サイクロンエンジンのマツダ版である3.7L・V6・MZIも設定される。

また、宮城県警察が初代に続いてセダンをパトカーとして導入している。

アメリカ市場において、2011年に2009年-2010年モデルを65,000台、2014年に2010年-2012年モデルを42,000台のリコールを行っている。これは一般的なメカニカルトラブルやコンピューターソフトを起因とするリコールではなく、吸気系にガソリンの匂いを好むクモが巣を張ることを理由にした珍しいものであった[25]

年表[編集]

  • 2007年
  • 2008年
    • 1月11日 - 「マツダアテンザ マツダスピードコンセプト」を東京オートサロン2008で公開[28]
    • 1月29日 - フルモデルチェンジ[29]
    • 2月28日 - 日本仕様の受注台数が、発売1か月で月間販売計画(3つのボディタイプ合わせて1500台)の3倍に当たる4,500台に達したと発表した[30]
    • 4月25日 - 北米仕様の「Mazda 6」の新型が発表された。2009年モデルとして2008年夏頃から生産・販売された[31]
    • 10月2日 - パリモーターショーにて欧州仕様である「Mazda 6」の2.2Lディーゼルエンジン車が世界初公開された[32]
    • 12月17日 - セダンの「20C」をベースにLEDドアミラーウインカー、ディスチャージヘッドランプ、アルミホイール、本皮巻ステアリング・シフトノブなどを装備し、スポーティーな外内装とした他、ボディカラーは通常の「20C」では選択できない「ライラックシルバーメタリック」や「ストーミーブルーマイカ」など6色を設定したセダン特別仕様車「2.0 Style edition」を発売[33]
  • 2010年
    フロントデザインを変更すると共に、リアコンビネーションランプの回り込み部にウィングをモチーフとしたメッキを採用し、スポーツワゴンはボディ形状に合わせた伸びやかなデザインとした。アルミホイールは新デザインを採用。ボディカラーはマツダ車では初採用となる淡いブルー系「クリアウォーターブルーメタリック」、茶系の「ミッドナイトブロンズマイカ」の2色や「グラファイトマイカ」、「ブラックマイカ」の計4色の新色を加えた8色展開とした。内装はピアノブラックの加飾を施し、統一感のあるデザインとした。また、セダン・スポーツワゴンの2.0L車のエンジンをMZR 2.0L DISIエンジンに変更し、燃費性能を向上(ただしアクセラの同エンジンに搭載のアイドリングストップ機構「i-stop」は非搭載)。「平成22年度燃費基準+15%」を達成した。パワーステアリングやサスペンションの特性を改良し、操舵性と高速走行時の直進安定性を向上。また、フロントとリアのサスペンション、ダンパーの最適化を行い、乗り心地を高めた。ラインナップが整理され、セダンは20C/20S/25EX/25Cの4グレード(25Cは4WD専用グレード)、スポーツは2.0L車が廃止されたため、25S/25Zの2グレードとなり、6速MT車は25Zのみの設定に、スポーツワゴンは20C/20S/25S/25EXの4グレードとなった(スポーツ・スポーツワゴンに設定されている25Sは4WD車も用意される)[34]
    • 9月9日 - 2010年8月末時点で初代モデルからの世界累計生産台数200万台を突破したことを発表[35]

3代目 GJ系(2012年-)[編集]

マツダ・アテンザ(3代目)
GJEFP/GJEFW/GJ5FP/GJ5FW/
GJ2FP/GJ2FW/GJ2AP/GJ2AW型
セダン(欧州仕様)
2013-03-05 Geneva Motor Show 8248.JPG
ワゴン(欧州仕様)
Mazda 6 - Mondial de l'automobile 2012 - 001.jpg
販売期間 2012年-
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
エンジン PE-VPR型 2.0L 直4 DOHC
PY-VPR型 2.5L 直4 DOHC
SH-VPTR型 2.2L 直4 DOHC ディーゼル 直噴ターボ
変速機 6速AT/6速MT
(MT車はディーゼル車のみ設定)
駆動方式 FF/4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット式
後:マルチリンク式
全長 4,860mm(セダン)
4,800mm(ワゴン)
全幅 1,840mm
全高 1,450mm(セダン)
1,480mm(ワゴン)
ホイールベース 2,830mm(セダン)
2,750mm(ワゴン)
車両重量 1,440-1,600kg(セダン)
1,460-1,620kg(ワゴン)
別名 マツダ6(日本国外)
-自動車のスペック表-

本代では新世代技術の「SKYACTIV TECHNOLOGY」と新デザインテーマの「魂動(こどう)- Soul of Motion」を採用したフラッグシップモデルとして開発された。また、CX-5に次いで2車種目となる「SKYACTIV」全面採用車でもある。

この代から、先代まで設定されていたハッチバックモデルが廃止され、スポーツワゴンの名称は「アテンザワゴン」に変更された。

メカニズム

ガソリンエンジン車は従来通り2.0Lと2.5Lの2種類が用意されるが、それぞれ直噴エンジン仕様となり、2.0L車は「SKYACTIV-G 2.0」、2.5L車は「SKYACTIV-G 2.5」となった。「SKYACTIV-G 2.0」は2代目アクセラやCX-5に採用されているPE-VPS型ではなく、圧縮比を13.0に高めた改良型のPE-VPR型となる。「SKYACTIV-G 2.5」は新開発の2.5L直噴エンジンPY-VPR型で、250N・mの高トルクを持つ力強い走りとクランクシャフトの振動を相殺するバランスシャフトを搭載したことで静粛性を兼ね備えている。

さらに、日本国内向けアテンザでは初[補足 3]となるディーゼルエンジン車が設定され、エンジンにはCX-5同様に直噴ターボコモンレールディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」を搭載するが、こちらもSH-VPTS型ではなく、改良型のSH-VPTR型を搭載している。

併せて、アイドリングストップシステム「i-stop」に加え、乗用車用では世界初となる蓄電器キャパシタを採用したことで電気を急速に蓄え、使う時には一気に放出できる特長を持つ減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」を全車に標準装備したことで優れた燃費性能を実現し、2.0Lガソリン車とディーゼル車は「平成27年度燃費基準+20%」、2.5Lガソリン車は「平成27年度燃費基準」をそれぞれ達成した。この「i-ELOOP」は、アクセルオフで発電する一種の回生ブレーキであるが、キャパシターに蓄えられた電力エアコンを始めとした各種電装品で消費する[補足 4]。蓄電量に十分な余裕があるときにはオルタネーターでの発電は行われず、発電のために燃料を使わないことで燃費を向上させている。

トランスミッションは発進時以外の全ての領域でロックアップし、スムーズで素早い変速が可能な6速AT「SKYACTIV-DRIVE」を採用。併せてディーゼル車にはマツダの日本国内向け車種では初めて、ショートストローク化による素早いシフトチェンジと、構造の見直しによる軽い操作感を両立した小型・軽量設計の6速MT「SKYACTIV-MT」を設定した。

軽量高剛性ボディの「SKYACTIV-BODY」や軽量設計のシャシ「SKYACTIV-CHASSIS」も採用している。なお、この「SKYACTIV-CHASSIS」のホイールベースはセダンとワゴンで異なり、セダンの2,830mmに対して、ワゴンは80mm短い2,750mmとなるが、セダンはこの内の32mmを後席空間の拡大に充てているのに対し、ワゴンではリアのタイヤ位置とサスペンションの取り回しを見直して室内への張り出しを前方に寄せ、荷室容積と使い勝手を重視している[36][37]

安全性能も強化されており、衝突回避や被害軽減を図る衝突被害軽減ブレーキに、より早い段階でドライバーの認知支援を行うアクティブセーフティ技術を取り入れた独自の先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ アクティブセンス)」を採用した。

エクステリア

エクステリアは2011年の東京モーターショーで出品された(タケリ)」のデザインテイストを採り入れるなど、新世代車に採用されている共通デザインテーマ「魂動(こどう)- Soul of Motion」を採用し、凛とした存在感と生命感のあるダイナミックな美しさを表現したほか、「魂動」デザインを際立たせるボディカラーとして、こだわりをもつ職人の手で作り出すような精緻で高品質な「匠塗(TAKUMINURI)」専用プログラムで塗装した「ソウルレッドプレミアムメタリック(オプションカラー)」を設定した。尚、マツダと同じく広島を発祥とする広島東洋カープはこの色をモチーフとした特別塗装色のヘルメットを2013年のセ・パ交流戦やマツダがスポンサーとなるオールスターゲーム等で使用する[38]

グレード

グレード体系はセダン・ワゴン共通で「20S」・「25S L Package」・「XD(クロスディー)」・「XD L Package」の4グレードを設定し、車両本体価格はセダン・ワゴンで同一の価格に設定された。また、リアのエンブレム配置が変更となり、2代目まで左側にあった「MAZDA」のロゴエンブレムがなくなり、車名ロゴエンブレムが「Atenza」から「ATENZA」に変更された上で右側から左側に移動。右側には「SKYACTIV」搭載車の証として、CX-5でデザインを一新した「SKYACTIV TECHNOLOGY」エンブレムが装着された。

年表[編集]

  • 2011年10月25日 - 同年12月から開催される東京モーターショーに、「雄(TAKERI)」を出品することを発表[39]
  • 2012年
  • 2013年
    • 3月27日 - 2代目と3代目の一部車種のリコールを発表した[50][51]
    • 11月1日 - 一部改良[52]。低速走行時の衝突被害をブレーキの自動制御で軽減する「SCBS(スマートシティブレーキサポート)」を「20S」・「XD」にも標準装備し、全車標準装備化。また、「25S Lパッケージ」は燃費を向上したことで、「平成27年度燃費基準+10%」を達成。さらに、「XD」系では電動スライドガラスサンルーフのオプション設定を追加し、「XD Lパッケージ」に6MT車を追加。Lパッケージ系には「Boseサウンドシステム(11スピーカー)」を標準装備した。ボディカラーは「ストーミーブルーマイカ」に替わり、「ディープクリスタルブルーマイカ(2013年12月生産開始)」を追加した。尚、「XD Lパッケージ」の6MTについては「XD」とは異なり、6ATと装備を同等としたため、価格は6ATと同一となる。
    • 11月13日 - 「2014年次RJCカーオブザイヤー」を受賞[53]
    • 11月23日 - 「2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー」において、秀でたデザインやドライブフィールなどを持つクルマに与えられる「エモーショナル部門賞」を受賞[54]
  • 2014年
    • 4月11日 - 中国工場での製造開始[55]
    • 11月20日 - CX-5と共にマイナーチェンジを発表(2015年1月7日販売開始予定)[56]。同時に、ロサンゼルスオートショーで米国仕様のMazda 6のマイナーチェンジモデルもCX-5と共に世界初公開した[57]
      • 先進安全技術「i-ACTIVSENSE」を進化し、日本の自動車メーカーで初めてとなるLEDアレイ方式グレアフリー(防眩)ハイビームを備えたヘッドライトシステム「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」をはじめ、既存の「リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)」の検知範囲を広げ、側方から接近する車両も検知する「ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)」を採用し、「リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)」機能も採用。また、マツダ車では初採用となる「レーンキープ・アシスト・システム(LAS)」や「ドライバー・アテンション・アラート(DAA)」、「スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時](SCBS R)」および「AT誤発進抑制制御[後退時]」を新たに採用し、既採用の「スマート・ブレーキ・サポート(SBS)」は対応する相対速度差を拡大した。また、新たに採用されたALH・BSM・LASの3点を標準装備した新グレード「20S PROACTIVE」と「XD PROACTIVE」を新設した。
      • 前後ダンパーやフロントロアアームの最適化を行い、荒れた路面走行時や高速走行時における車内に伝わる騒音を低減。シートに高振動吸収ウレタンを採用したほか、ガソリン車には走行モードを切り替えることで意のままの走りをサポートする「ドライブセレクション」を新採用したほか、ディーゼル車には、PTO・リアデフオイルに低粘度化学合成オイルを採用した4WD車が新設された。4WD車はリアに装着されている車名エンブレム右下にAWDオーナメントが追加で装着される。
      • デザインも刷新し、フィンデザインは水平基調を強め、シグネチャーウィングをより立体的な造形に変更。リアコンビネーションランプにはLED発光シグネチャーを採用した。「25S L Package」と「XD L Package」はシグネチャーウィングにLEDイルミネーションを追加し、19インチアルミホイールは前期型よりもダークな色調となり、高輝度塗装を施した。ボディカラーは銀系を「アルミニウムメタリック」から新色の「ソニックシルバーメタリック」に差し替え、アクセラ採用色である「チタニウムフラッシュマイカ」を追加して8色展開となった。本革内装はカラーコーディネーションを変更し、白系はピュアホワイトに変更。電動パーキングブレーキを全車標準装備したことでセンターコンソールのデザインを変更し、「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」、カーコネクティビティシステム「MAZDA CONNECT」、コマンダーコントロールも全車標準装備された。その際、「MAZDA CONNECT」の一つである7インチセンターディスプレイを設置する関係でダッシュボードの高さを抑えた。また、「25S L Package」と「XD L Package」にはマツダ車で初めて後席シートヒーターを標準装備し、更に、セダンはスイッチ操作で自動展開・格納する電動リアサンシェードも標準装備した。
      • なお、ディーゼル車の「XD」系は、装着済みの「SKYACTIV TECHNOLOGY」エンブレムを、4代目デミオで採用された、右側に赤字で"D"を追加した「SKYACTIV-D」搭載車専用エンブレムに変更した。
    • 12月19日 - 初代モデルからの世界累計生産台数が2014年11月末までに300万台を達成したことを発表[58]

車名の由来[編集]

イタリア語で「注目」を意味する「アテンツィオーネ(Attenzione)」に由来した造語である。人々の注目を集める車となるよう願われて命名された[59]

脚注[編集]

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補足[編集]

  1. ^ ただし、3代目GJ系の中国仕様は日本と同様にアテンザの車名を使用する[1]
  2. ^ この半年後にアクセラも100万台を達成したが、アクセラは2003年10月の発売から3年2か月での達成となったため[22]、半年でマツダ車としての過去最短記録を塗り替えた。
  3. ^ カペラ時代にはディーゼル車が設定されていた。
  4. ^ 発電・走行用のモーターを持たず、オルタネーターを走行用の原動機としても用いる、簡易なハイブリッドシステムについてはハイブリッドカーを参照。
  5. ^ なお「i-ACTIVSENSE」は2代目にも搭載されている「リアビーグルモニタリングシステム」「レーダークルーズコントロール」なども含めた技術の総称である[44]

出典[編集]

  1. ^ マツダ・アテンザ(中華人民共和国公式サイト)
  2. ^ 新世代フラッグシップモデル、新型「マツダ アテンザ」を発売 - マツダ 2012年11月20日
  3. ^ 3世代アテンザを同時販売 - 中国新聞 2013年4月20日
  4. ^ マツダ、「アテンザ」 「RX-8」を東京モーターショーに出品 - マツダ 2001年10月17日
  5. ^ Mazda6北米仕様セダンを北米国際自動車ショーに出品 - マツダ 2002年1月8日
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]