フォルクスワーゲン・パサート
パサート(Passat )はドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンの中型(Dセグメント)セダンおよびステーションワゴンである。
2011年時点での現行モデルは7代目。車名の由来は貿易風のドイツ語から。VWの車名には、ほかにも風の名前から取られたものがある。(ジェッタ、ヴェント、ボーラ、シロッコなど)
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概要 [編集]
1960年代後半、フォルクスワーゲン・K70(ロータリーエンジンを搭載したNSU・Ro80のレシプロエンジン版)などあったものの商業的に成功していたとは言えずフォルクスワーゲンの主力は依然ビートルであった。この状態から脱却するために生まれたのがパサートである。1973年ジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたとされる初代パサートは、アウディ・80をベースとする姉妹車であり、アウディ・80がノッチバックだったのに対し、パサートはファストバック・スタイルを採用し、より若々しいキャラクターづけがされていた。2世代目も同じくアウディ・80をベースとするが新たにノッチバックのサンタナがデビューし、貿易摩擦解消の意味も兼ねて、日本では日産自動車がノックダウン生産していた。3世代目では、アウディとの姉妹関係は解消され一般的な横置きエンジン・前輪駆動(4WDのシンクロも存在する)の方式に改められ、主に居住性が向上している。アウディA4とプラットフォームを共用する5代目ではW型エンジン搭載車が登場し、堅実なファミリーサルーンからフォルクスワーゲンのフラッグシップとしての格付けにシフトする(ただし2002年にVWの最高級車、フェートンが登場した)。6代目モデルでは再び横置きエンジンとなりゴルフとの姉妹関係になっていた。
変遷 [編集]
以下はいずれも本国での発表年で、エンジンは日本国内で販売された車種に搭載されたものを記載する。
B1(1973年 - 1980年) [編集]
アウディ80(初代)をベースとしていたので縦置きエンジンで前輪を駆動する。フロントフェンダーやドアパネルなども同じ物が使用され、コストダウンに徹したのが伺える。当初のラインナップは2ドアと4ドアのファストバック・セダンだけであったが、5ドアハッチバック、ヴァリアント(ワゴン)が後に追加される。ゴルフ同様、経済性の高いディーゼルモデルも追加され人気を博した。
1977年、マイナーチェンジが施され、ヘッドライトが丸型2灯から丸型4灯式に変更された。翌1978年のマイナーチェンジではウレタンバンパーが採用され、フロントウインカーがバンパーからヘッドライト横に移された。ブラジル法人の「フォルクスワーゲン・ド・ブラジル」でも生産されたほか、日本へは全年式に渡ってヤナセが輸入を行っていた。
エンジン [編集]
B2(1980年 - 1988年) [編集]
初代と同じくアウディ・80(2代目)をベースとしている。相変わらず縦置きエンジンであるが、1984年には4WDであるシンクロが追加されている。ボディ形式は3ドアが落とされ、5ドアハッチバックとヴァリアントがラインナップされていたが、1981年にはノッチバックのサンタナがデビューしている。ゴルフが発売されて以降、ヤナセでのフォルクスワーゲン車の販売はゴルフが主力となっており、この代は正規輸入されていない(ヴァリアントのシンクロモデルが少数ながら並行輸入されている)。しかし、1984年からサンタナが日産自動車の座間工場でノックダウン生産されるようになり、ゴルフと同じ価格帯で購入できることから人気があった。
「フォルクスワーゲン・サンタナ」も参照
B3(1988年 - 1993年) [編集]
一般的な横置きエンジンへ改められ、アウディとの姉妹関係は解消された。グリルレスのフロントマスクが特徴的で、サイドミラーの付け根部分のデザインまで空力に配慮している。ボディはハッチバックがラインナップから外れ、セダンもサンタナからパサートの呼称に統一、ヴァリアントとの2本立てとなる。また、全幅が1,700mmを超えたために日本の法規では3ナンバーとなる。ヤナセが輸入していたモデルのエンジンは当初2リッターDOHCモデルだけであったが、モデル末期に2.8リッターのVR6が追加されている。1988年6月には日産自動車とライセンス生産合意を発表。当初は日産サニー・プリンス販売会社でも併売されていた。途中からヤナセとフォルクスワーゲンとの提携が決裂し、ファーレン及びDUOでの販売となる。
エンジン [編集]
B4(1993年 - 1997年) [編集]
メカニズム面においては先代(B3)のキャリーオーバーであり、主に外観のリデザインを施した3代目のビッグ・マイナーチェンジ版だが、4代目として扱われることが多い。3代目のグリルレスのフロントは個性的であったが、やはり万人に受け入れてもらえず4代目では一般的なフロントグリルを持つものへと変更されている。このフロントグリルはハッピーフェイスと呼ばれ、1990年代後半のフォルクスワーゲンのデザインのスタンダードとなった。日本でのラインナップはヴァリアント(ワゴン)を主力に据えVR6とGLの2種、セダンがVR6のみと従来よりも整理された。
エンジン [編集]
B5、B5.5(1997年 - 2005年) [編集]
またもやアウディA4 (B5)との姉妹関係が復活し、エンジンは再び縦置きとなった。ボディサイズは姉妹関係のDセグメント車A4より大きく、A4とEセグメント車のA6の中間ほどとなる。ボディタイプは先代と同様、セダンとヴァリアント改めワゴンである。当時VW車全体で推し進められていたフェルディナント・ピエヒ主導による高級化路線時のモデルで塗装やボディパネルの継ぎ目、各パーツの組み付け精度など内外装ともに品質が格段に向上した。当初のラインナップはアウディ製の5バルブヘッド・1.8リッターのターボと自然吸気(NA)の2種であったが、ライバルをより上級車に設定し、後にアウディの2.8リッターエンジンとクワトロを流用したV6シンクロが追加された。2001年に大幅なマイナーチェンジが行われ(B5.5と呼ばれる)、外観デザインを大幅に変更し、クロームパーツの多用やW8エンジンの追加などで更なる高級化へとシフトした。ベーシックグレードのアウディ製1.8リッターエンジンは自社製の2.0リッターエンジンに置き換わり、シンクロは4モーションと名称を改められ、V5やW8 4モーションが追加された。
エンジン [編集]
日本発売モデルのみ記す。
前期 [編集]
後期 [編集]
- 2.0リッター直4SOHC、115馬力
- 2.3リッターVR5SOHC、170馬力(V5)
- 2.8リッターV6DOHC 30バルブ、193馬力(V6、V6 4モーション)
- 4.0リッターW8DOHC、275馬力(W8 4モーション)
B6(2006年 - 2011年 ) [編集]
再びアウディA4との姉妹関係を解消してフォルクスワーゲン・ゴルフVとシャーシを共通化、横置きエンジンと改められたが、ボディは更に大型化されている。パワーユニットもゴルフと共用、W8エンジン車は姿を消し、日本への正規輸入車では直列4気筒及びV型6気筒が販売されている。ワゴンの名称はヴァリアントに再び戻された。ハイパフォーマンスモデルであるR36は日本ではヴァリアントのみが導入されていた。
中国ではB5までは上海VWが製造・販売していたが、B6は一汽VWからマゴタン(Magotan )の車名で製造・販売されている。一方、上海VWはシュコダ・スペルブB5をベースにパサート領馭(Lingyu )という中国専用車を開発して販売している。
2008年1月にはデトロイト・ショーで、4ドアクーペ(クーペフォルムを持つ4ドアセダン)のパサートCCが派生車種として発表された。欧州市場には2008年第二四半期、日本や北米を含むその他の世界市場には第四四半期での導入が予定されている。
2010年2月5日にヴァリアントのTSIコンフォートラインをベースとした特別仕様車「プライムエディション」が発売。外観には専用のフロント・リアスポイラーなどを採用し、トランスミッションは従来の6速ATから7速DSGに変更。足回りには専用のアルミホイールとモビリティタイヤを特別装備された。また同年でパサート自体が7代目に交代したためにR36は2009年モデルを最後に導入終了となった。
エンジン [編集]
- 1.8リッター直4DOHCターボ、160馬力(TSIコンフォートライン)
- 2.0リッター直4DOHCターボ、200馬力(2.0TSIスポーツライン)
- 3.2リッターVR6DOHC、250馬力(V6 4モーション)
- 3.6リッターVR6DOHC、299馬力(R36)
B7(2010年 - ) [編集]
2010年のパリモーターショーにて発表。ドイツ本国では同年よりデリバリーが開始された。実質的にはB6からのビックマイナーチェンジであり、B3からB4、B5からB5.5のような大幅なフェイスリフトである。ワルテル・デ・シルヴァによるVW車の統一デザインアイディンティティが導入された。
B7は北米地域には投入されず、代わりに後述のNMSが導入される。
2011年7月5日には一汽VWから中国仕様車が新型マゴタンとして発表された。ホイールベースがB7から100mm延長されて2,812mmとなっており、後部座席の居住性が向上されている[1]。
日本仕様車は2011年5月19日に発表され、5月30日より販売開始した。直前まで先代で発売されていたワゴンタイプの「パサート ヴァリアント」だけでなく、2年ぶりにセダンタイプの「パサート」も設定された。トランスミッションは先代最終モデルであった「プライムエディション」と同じ7速DSGを採用するが、エンジンは従来の1.8L/2.0Lエンジンから、2.0L自然吸気エンジンに匹敵する200N・m(20.4kg・m)の最大トルクを低回転域から発揮する1.4L TSI(直噴シングルチャージャーエンジン)に置換。さらに、アイドリングストップ機構「Start/Stopシステム」とブレーキエネルギー回生システムを組み合わせた「BlueMotionテクノロジー」も採用されたことで燃費が先代比68%向上され、18.4km/L(10・15モード燃費)を実現。これにより「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+25%」を同時に達成した。安全装備も充実しており、最新型のESP、8エアバッグに加え、ステアリング等への入力から検出してアラーム音と表示を行って休憩を促し、居眠り運転を未然に予防する「ドライバー疲労検知システム」も搭載された。2012年4月3日に仕様変更を行い、JC08モードに対応。同モードでの燃費は17.6km/Lで、「平成27年度燃費基準+20%」を達成した。同年6月21日にはワゴンタイプの「パサート ヴァリアント」をベースにした4WDのオールラウンドワゴン仕様「パサート オールトラック」を発売。フォルクスワーゲン版「オールロードクワトロ」と呼べる車種で、エンジンは先代の「V6 4MOTION」や「R36」から大幅に縮小し、2.0L TSIエンジンと6速DSGを採用。パワフルな走行性能を保ちながら低燃費性能も両立。さらに、フォルクスワーゲン製のSUV以外では初採用となる「OFF ROADスイッチ(ラフロード走行アシスト機能)」を搭載するほか、最低地上高を30mm高め、バンパーにアンダーガードを装着し、タイヤを18インチにアップ、ホイールハウスエクステンションを装備するなどをしてラフロードでの走破性を高めた。
2013年4月10日に「パサート」・「パサート ヴァリアント」を一部改良。「TSI Highline」において、純正ナビゲーションシステム「712SDCW」、駐車支援システム「Park Assist」、フルカラーマルチファンクションインジケーターを追加し、17インチアルミホイールのデザインを変更。「TSI Comfortline」は内装にデザートベージュを追加した。
エンジン [編集]
- 1.4リッター直4DOHCインタークーラー付ターボ、122馬力(TSI Comfortline/TSI Highline)
- 2.0リッター直4DOHCインタークーラー付ターボ、211馬力(Alltrack 2.0TSI)
NMS(2011年 - ) [編集]
2011年1月の北米国際オートショーにて北米向けパサートが発表された。開発コード「NMS」(New Midsize Sedanの略)として開発が進められてきた北米戦略車種となる中型セダンである。生産はアメリカ合衆国テネシー州チャタヌーガに建設された新工場にて行われる。エンジンは2.5リッター直5、3.6リッターVR6、2.0リッター直4ディーゼルの3種類。
またNMSは中国でも上海VWにて製造が行われる予定であり、同年4月の上海モーターショーにてニューパサートとして発表された。エンジンは3種類のTSI(1.4リッター、1.8リッター、2.0リッター)が搭載される[2]。
関連項目 [編集]
脚注 [編集]
- ^ “一汽-大众全新一代迈腾正式批量生产”. 一汽VW (2011年7月5日). 2011年7月18日閲覧。
- ^ “NMS to be built by Shanghai-VW, to be called New Passat”. China Car Times (2011年3月21日). 2011年5月15日閲覧。
外部リンク [編集]
- Volkswagen Passat(日本語公式サイト)
- Volkswagen Passat Variant(日本語公式サイト)
- Volkswagen Passat Alltrack(日本語公式サイト)
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| タイプ | 1980s | 1990s | 2000s | 2010s | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | |
| コンパクトカー | ルポ | up! | ||||||||||||||||||||||||||||||||
| ポロ 86C | ポロ 6N | ポロ 9N | ポロ 6R | |||||||||||||||||||||||||||||||
| ハッチバック | ニュービートル | ザ・ビートル | ||||||||||||||||||||||||||||||||
| ... ゴルフ I | ゴルフ II | ゴルフ III | ゴルフ IV | ゴルフ V | ゴルフ VI | ゴルフ VII | ||||||||||||||||||||||||||||
| セダン | ... ジェッタ I | ジェッタ II | ヴェント | ボーラ | ジェッタ V | |||||||||||||||||||||||||||||
| ... パサート B1 | サンタナ | パサート B3 | パサート B4 | パサート B5 | パサート B6 | パサート B7 | ||||||||||||||||||||||||||||
| クーペ | シロッコ | コラード | シロッコ | |||||||||||||||||||||||||||||||
| CC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| コンバーチブル | ニュービートル・カブリオレ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| ... ゴルフカブリオ | ゴルフカブリオ | ゴルフカブリオ | ゴルフカブリオ | イオス | ゴルフカブリオレ | |||||||||||||||||||||||||||||
| トールワゴン | ゴルフプラス | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| ステーションワゴン | ゴルフヴァリアント | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| パサートバリアント | パサートワゴン | パサートバリアント | パサートバリアント | |||||||||||||||||||||||||||||||
| ミニバン | ゴルフトゥーラン | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| カラベル/ヴァナゴン T3 | ヴァナゴン T4 | シャラン | シャラン | |||||||||||||||||||||||||||||||
| SUV | クロスポロ 9N | クロスポロ 6R | ||||||||||||||||||||||||||||||||
| ゴルフカウントリー | クロスゴルフ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| ティグアン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| トゥアレグ | トゥアレグ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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