ベントレー
ベントレー(Bentley)は、イギリスの高級車・スポーツカーメーカー、ブランドである。
1998年以降はドイツ・フォルクスワーゲングループ傘下となり、同グループのフォルクスワーゲン部門に属する。 [1][2]
名称は創業者のウォルター・オーウェン・ベントレー(Walter Owen Bentley 、名前の頭文字をとったW.O.という愛称で親しまれており、本稿でも以降W.O.と表記する)にちなむ。
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独立会社時代(1919年~1931年)[編集]
W.O.ベントレー[編集]
1888年にロンドンに生まれたW.O.は、学校卒業後、グレート・ノーザン鉄道でエンジニアとしての修行を重ねた後、1910年にナショナル・モーター・キャブ・カンパニーに就職した。
ナショナル・モーター・キャブ・カンパニーで働くかたわら、モーターサイクルレースに興味を抱くようになり、1912年、フランス製乗用車の輸入業を営むラコック&フェルニーに転職、ここでW.O.はDFPという乗用車にチューニングを施したレーシング・カーの開発に従事、自身でワークス・ドライバーも兼ねていたという。
モータースポーツとの関わり[編集]
W.O.がラコック&フェルニーに転職した年に行なわれた2リッター車のレースでは最高時速107kmを記録していた。ところがその翌年、W.O.によってチューニングされたDFPは最高時速131kmという新記録を打ち立てる。その秘密はW.O.が新開発したピストンにあり、アルミと銅を混ぜるという当時としては斬新な新技術を採用していた。第一次世界大戦勃発とともに、イギリス海軍航空隊の大尉となったW.O.は自身が開発したアルミ製ピストンを航空エンジンに応用し、彼の設計は航空エンジン中、最高のものという評価を受けるようになり、大戦中幅広く活躍した。大戦終結後、W.O.は自動車設計の世界に復帰、自動車メーカーの立ち上げを志すようになる。
ベントレー・ボーイズ[編集]
詳細は「w:Bentley Boys」を参照
1923年に始まったル・マン24時間レースにベントレーのファクトリーチームとして参戦したドライバーを指す。多くは大富豪の子孫だった。1930年の撤退までに5回の総合優勝を果たした彼らの勇猛果敢な活躍、人間的な魅力、勝利への執念は現在に至るまで語り継がれている。
- ジョン・ジャック・ダフ(ベントレー・ディーラー経営、白洲次郎は彼の店で購入した)
- J.B.ベンジャフィールド(細菌学者)
- ウルフ・バーナート(実業家の息子、1927年ベントレー社の会長に就任)
- ジョージ・デュラー
- サミー・デイヴィス(後年モータージャーナリスト)
- バーナード・ルービン
- ヘンリー"ティム"バーキン(南アフリカの車メーカー"バーキン"創始者の祖父、アルファロメオでもル・マン優勝)
- グレン・キッドストン
- ジャック/クライヴ・ダンフィー兄弟
- フランク・クレメント(ベントレー社チーフテストドライバー)
ベントレーモーターズ設立[編集]
1919年8月、W.O.はベントレー・モーターズをロンドンのクリックルウッドに設立。その後、1924年~1930年にル・マン24時間レースで5回の優勝を飾るなどモータースポーツで名を上げ、高性能スポーツカーメーカーとして世界の富裕層に好んで使用された。しかしその翌年の1931年にロールス・ロイスに買収され、レース活動が封印された。
車種一覧[編集]
- 3リットル (1921年–1929年)
- 4.5リットル & "ブロワー・ベントレー" (1926年–1930年)
- 6.5リットル (1926年–1930年)
- 6.5リットル スピード6 1928年–1930年)
- 8リットル (1930年–1931年)
- 4リットル (1931年)
ロールス・ロイス時代(1931年~1998年)[編集]
1920年代後半に世界を襲った大恐慌の影響を受けベントレーモーターズは経営不振に陥り、ネイピアと合併交渉が進んでいたが、ライバルであるネイピアとベントレーの合併を恐れたロールス・ロイスが偽名を使って買収、1931年に吸収合併された。その後W.Oは1935年にラゴンダに移籍しルマンで再び勝利したが、アストンマーチンのディビッド・ブラウンがW.O.を欲したためにラゴンダごと買収され、W.OはDBシリーズの直列6気筒エンジンを設計した。1971年に死去。
W.O.がいなくなった後のベントレーは、ロールス・ロイスのモデルとのバッジエンジニアリング化が進み、第二次世界大戦後にかけてロールス・ロイスのオーナーカー版としてベントレーは姉妹車化され、その後はオーナーカー用のスポーティーモデルとして、ロールス・ロイスとの差別化が計られた。
1971年、親会社であったロールス・ロイス社(Rolls-Royce Limited)は倒産、イギリス国有化された。1973年、ロールス・ロイス社のうち、ベントレーを含む自動車部門のみが分離され、同国を代表する製造メーカーであったヴィッカースに売却された。1992年にはBMWとの提携を開始、ベントレー・アルナージに搭載されるV8エンジンの供給を受けるなどした。
車種一覧[編集]
- 3.5リットル (1933年–1937年)
- 4.25リットル (1936年–1939年)
- マークV (1939年–1941年)
- マークVI (1946年–1952年)
- Rタイプ (1952年–1955年)
- S1 (1955年–1959年)
- S2 (1959年–1962年)
- S3 (1962年–1965年)
- Tシリーズ (1965年–1980年)
- コーニッシュ (1971年-1984年)
- コンチネンタル (1984年-1995年) — コンバーチブル
- コンチネンタル・ターボ (1992年-1995年)
- コンチネンタル (1984年-1995年) — コンバーチブル
- カマルグ (1975年-1986年)
- ミュルザンヌ (1980年-1987年)
- ミュルザンヌL (1984年-1988年) — リムジン
- ミュルザンヌ・ターボ (1982年-1985年)
- ミュルザンヌS (1987年-1992年)
- エイト (1984年-1992年) — 基本モデル
- ターボR (1985年-1995年) — ハイパフォーマンスモデル
- コンチネンタルR (1991年-2002年) — ターボチャージャー付き2ドアモデル
- コンチネンタルRマリナー (1999年-2003年) — ハイパフォーマンスモデル
- コンチネンタルS (1994年-1995年) — インタークーラー付き
- ブルックランズ (1992年-1998年) — エイトの後継
- ブルックランズR (1996年-1998年) — ブルックランズのハイパフォーマンスモデル
- ターボS (1994年-1995年) — 限定ハイパフォーマンスモデル
- ターボR (1995年-1997年) — '後期型'ターボR
- アズール (1995年-2003年) — コンチネンタルRのコンバーチブル版
- コンチネンタルT (1996年-2002年) — ショートホイールベースなハイパフォーマンスモデル
- ターボRL (1997年-1998年) — '後期型'ターボRのロングホイールベース版
- ターボRT (1997年-1998年) — ターボRLの後継
- ターボRTマリナー (1997年-1998年) — 最高級パフォーマンスモデル
- アズール・マリナー (1999年-2002年) — ハイパフォーマンスモデル
- コンチネンタルTマリナー (1996年-2002年) — ハードサスペンション
フォルクスワーゲングループ時代(1998年〜)[編集]
1998年、ヴィッカースはロールス・ロイス(ベントレーを含む)の売却を決定、ドイツのフォルクスワーゲングループがその買収に成功した。この際、同じく買収を試みたBMWとのあいだにトラブルが生じたが、ベントレーについてはフォルクスワーゲンが所有、ロールス・ロイスは2002年までフォルクスワーゲンが生産・販売し、2003年1月からはその権利がBMWに移動することで決着した。
この際の顛末については、ロールス・ロイス・モーター・カーズ#設立までの経緯を参照
2004年に登場した2ドアクーペの「コンチネンタルGT」は、フォルクスワーゲン・フェートンと大幅なパーツ共有化を図られている。ベントレーの生産は2008年、史上最大である年間10,000台規模に成長した後、翌2009年には年間5,000台規模にまで急減した。
王室専用車[編集]
2002年にイギリス女王エリザベス2世即位50周年祝賀記念としてベントレー・ステートリムジンがイギリス自動車業界協会より進呈された。エリザベス2世女王の公務専用車として使用されている。ベントレーがイギリス王室のメンバーの私用車として使用されたことはあったが、元首の公務専用車として使用されたのは史上初めてのことである。
ル・マン復帰[編集]
2003年、ベントレーは、フォルクスワーゲングループの高級車メーカーのアウディの開発による、EXP スピード8で、2年前にカムバックしたル・マン24時間レースにおいて、21世紀になってから初めての総合優勝を成し遂げている。なお、スピード8のルーツは、1999年のアウディR8ファミリーにおける、クローズドボディのR8Cとなる。
車種一覧[編集]
- アルナージ (1998年-2009年)
- ユーノディエール (1999年)
- ステートリムジン (2002年)
- コンチネンタルGT (2003年-)
- コンチネンタル・フライング・スパー (2005年-)
- アズール (2006年-)
- コンチネンタルGTC (2006年-)
- コンチネンタルGTスピード (2007年-)
- ブルックランズ (2008年-)
- コンチネンタル・フライング・スパー・スピード (2008年-)
- コンチネンタルGTCスピード (2009年-)
- アズールT (2009年-)
- アルナージ・ファイナルシリーズ (2009年)
- コンチネンタル・スーパースポーツ (2009年-)
- ザガート GTZ (2009年)
- ミュルザンヌ (2010年-)
日本における現行車種[編集]
現在6車種を展開しており、いずれも現在日本においては2000万円を超える価格が設定されている。
- コンチネンタルGTスピード(2007年-)
- コンチネンタルGTCスピード(2009年-)
- コンチネンタル・フライング・スパー・スピード(2008年-)
- コンチネンタル・スーパースポーツ(2009年-)
- スーパースポーツ・コンバーチブル(2009年-)
- ミュルザンヌ(2010年-)
アルナージ、ミュルザンヌは前述のル・マンでの活躍から、サルト・サーキットのコーナー名に由来する。
ベントレー・マリナー[編集]
ベントレー・マリナーはベントレー傘下のベントレー車をカスタマイズするための高級コーチビルダー。第二次世界大戦前からヨーロッパ有数のコーチビルダーとして、ベントレーをはじめとするイギリスの高級車を扱っていたマリナー(Mulliner )社及びパーク・ワード(Park Ward )社は1962年に合併し、ロールス・ロイス社に買収された。現在はベントレーの特別注文部門のベントレー・マリナーとして、顧客の好み通りにベントレーをカスタマイズさせることが可能となっている。
1980年代以降のベントレー2ドアモデルは、ほぼ全てがベントレー・マリナー製を標準としている。
日本における輸入販売[編集]
- 総輸入元
- 2001年までコーンズ & カンパニーリミテッド
- 2002年から2003年までロールスロイス&ベントレーモーターカーズジャパン (フォルクスワーゲン グループ ジャパンの一事業部)
- 2003年以降ベントレーモーターズジャパン (フォルクスワーゲン グループ ジャパンの一事業部)
- 販売店
- 2002年以降コーンズ & カンパニーリミテッド
関連項目[編集]
- コーンズ・アンド・カンパニー - 日本における正規販売代理店。
- フォルクスワーゲングループ - 親会社。
- ミッレミリア
- 白洲次郎 - イギリス留学時代にベントレーを愛用していた。
外部リンク[編集]
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| 1920年代 | 1930年代 | 1940年代 | 1950年代 | 1960年代 | 1970年代 | 1980年代 | 1990年代 | 2000年代 | 2010年代 | ||||||||||||||||||||
| 独立 (1919年–1931年) |
ロールス・ロイス (1931年–1998年) |
フォルクスワーゲングループ (1998年–) |
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| セダン | 6½ / 6 | 4L / 3½ 4¼L / V | VI | R | S1 / S2 / S3 | T1 | T2 | ミュルザンヌ | CFS | ||||||||||||||||||||
| 大型セダン | 8 L | カマルグ | アルナージ | ミュルザンヌ | |||||||||||||||||||||||||
| クーペ | 3 L | 4½ L | コーニッシュ | コンチネンタル & C ターボ | コンチネンタル R/S/T | C GT | |||||||||||||||||||||||
| コンバーチブル | アズール | C GTC | |||||||||||||||||||||||||||
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| 1980年代 | 1990年代 | 2000年代 | ||||||||||||||||||||||
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | |
| セダン | エイト | |||||||||||||||||||||||
| ミュルザンヌ | ミュルザンヌ・S | ブルックランズ | アルナージ | アルナージRL/R | ||||||||||||||||||||
| ミュルザンヌ・ターボ | ターボR | ターボRT | アルナージ・レッド | アルナージT | ||||||||||||||||||||
| クーペ | コンチネンタルR | |||||||||||||||||||||||
| コンチネンタルS | コンチネンタルT | |||||||||||||||||||||||
| コンバーチブル | コーニッシュ | コンチネンタル | アズール | |||||||||||||||||||||
| 凡例: | シルヴァーシャドウベース | ミュルザンヌベース | アルナージベース | |||||||||||||||||||||
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1990年代 | 2000年代 | 2010年代 | ||||||||||||||
| 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | |
| セダン | アルナージ | コンチネンタル・フライング・スパー | フライング・スパー | |||||||||||||
| アルナージ・レッド | アルナージ・R/T | 新ミュルザンヌ | ||||||||||||||
| アルナージ・RL | ||||||||||||||||
| クーペ | コンチネンタルR | コンチネンタルGT | コンチネンタルGT | |||||||||||||
| コンチネンタルT | ブルックランズ・クーペ | |||||||||||||||
| コンバーチブル | コンチネンタルGTC | コンチネンタルGTC | ||||||||||||||
| アズール | アズール | |||||||||||||||
| 凡例: | 旧ミュルザンヌベース | アルナージベース | コンチネンタルGTベース | 新ミュルザンヌベース | ||||||||||||