マセラティ・グラントゥーリズモ

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グラントゥーリズモGranTurismo )は、イタリアの自動車メーカー・マセラティ2007年から製造・販売している2ドア・クーペ型の乗用車である。

2009年9月に発表された同車のオープンマセラティ・グランカブリオGranCabrio )についても当項で解説する。

概要[編集]

マセラティ・グラントゥーリズモ
グラントゥーリズモ
Maserati GranTurismo.JPG
販売期間 2007年 -
デザイン ピニンファリーナ
乗車定員 4人
ボディタイプ 2ドアクーペ
エンジン V型8気筒DOHC
最高出力 440仏馬力/7,000rpm
最大トルク 50.0kgfm/4,750rpm
変速機 6速AT、6速セミAT
駆動方式 FR
全長 4,885mm
全幅 1,915mm
全高 1,355mm
ホイールベース 2,942mm
車両重量 1,880kg
先代 マセラティ・クーペ
-自動車のスペック表-
Maserati GranTurismo front 20071104.jpg
Maserati GranTurismo rear 20071104.jpg
Maserati Gran Turismo red2.jpg
Granturismo side.jpg
Maserati GranTurismo at night.jpg
グランカブリオ

開発は当時同社の最量販車種であった5代目クアトロポルテをベースに進められた。 4シーターを持つクーペであり、同社の“クーペ”の実質的な後継にあたる。 まず2007年3月のジュネーヴ・モーターショーにて、基本グレードである“グラントゥーリズモ”が発表され、以降順次ラインナップが拡大された。 2009年9月には、オープンモデルとして、同車の屋根をソフトトップに変えた“マセラティ・グランカブリオ”が発表された。

スタイル[編集]

デザインはピニンファリーナの手による。 基本コンポーネンツはクアトロポルテをベースとしているが、外観デザインは、2005年のジュネーヴ・モーターショーにて発表された同社のコンセプトカー“バードケージ 75th”をモチーフにしている。 フロントからキャビンまでの距離が長くとられ、古典的でありながらもスポーティーなプロポーションを持つ。また、ホイールベースに関しては当然“クアトロポルテ”からは短縮されてはいるものの、先代の“クーペ”からはおよそ300mmも延長され、大人4人が快適に過ごせる空間は充分確保されており、車体の名前の通り、グランドツアラーとしての要素を満たしている。

一方でその名前から連想されるよりも実際の運動性能は高く、各批評媒体でも“スポーティーカー”ではなく、“スポーツカー”として評価されている。 前後重量配分はほぼ前後等配分とされ、スポーツカーとして理想的な値を有している。

メカニズム[編集]

エンジン、及びトランスミッションは、それぞれ2種類ずつ用意され、その組み合わせはグレードによって異なる(詳細は下記“ラインナップ”を参照)。

まずエンジンは両方ともV型8気筒DOHCで、排気量4.2L(4,244cc、405仏馬力/7,100rpm、47.0kgm/4,750rpm)と、排気量4.7L(4,744cc、440仏馬力/7,000rpm、50.0kgm/4,750rpm)の2本立てである。なお、ヘッドカバーの色が、4.2Lは青、4.7Lは赤に塗り分けられ差別化が図られている。

次に、トランスミッションは、通常の6速ATモデルと、“MCシフト”と名付けられた6速セミATの2本立である。 なおATモデルとセミATモデルとではその搭載位置が異なる。まずATモデルではエンジン直後に搭載され、それにより車重の前後重量配分は前49対後51である一方、セミATモデルではリヤアクスル直前に搭載され(=いわゆるトランスアクスル レイアウト方式)、それにより前後重量配分は前47対後53とされている。 この搭載位置の違いは駆動輪の接地性に影響があり、それぞれのグレードのキャラクター付=差別化に活用されている。AT、セミATによるトランスミッションの搭載位置の違いは、ちょうどマイナーチェンジ前の同社5代目“クアトロポルテ”で行われた手法と同様である。

ラインナップ[編集]

2013年春期現在のラインナップは、まずクーペ系が、基本モデルである“グラントゥーリズモ”、それをベースにパフォーマンス向上を図った“グラントゥーリズモ スポーツ”、それをベースにトランスミッションを通常のトルコンATに乗せ換えて快適性をプラスした“グラントゥーリズモ S AT”の3種であり、それにオープン版として、2009年末から“グランカブリオ”が加わるという体系となった。詳細は以下の通り。

  • グラントゥーリズモ(2007年3月~) - 基本モデル。トランスミッションはATのみの設定。2007年3月のジュネーヴ・モーターショーで発表。日本では2007年10月から発売開始。
  • グラントゥーリズモS(2008年5月~2012年10月) - “グラントゥーリズモ”をベースに、パフォーマンス向上を狙い開発されたモデル。エンジンは排気量が500cc拡大された4.7Lを積む。トランスミッションはそれまでのATではなくセミATに変わったが、前述の理由から駆動輪である後輪の接地性がさらに増している。ブレーキはフロントのディスクがφ330mmから360mmに拡大され、キャリパーは6ポッド化された。外観では大幅な変更はないものの、サイドスカートが追加され、トランクフード後端はリップ状に持ち上げられ、ホイールの標準設定サイズが19inから20inに拡大された。他にも基本モデルとの差別化が図られている部分がある。2008年3月のジュネーヴ・モーターショーで発表。日本では2008年5月に発表され同年10月から発売開始。
    • MCスポーツライン(2009年11月〜) - マセラティのモータースポーツ部門である「マセラティ・コルサ」(Maserati CorsaMC)が持つノウハウの市販車フィードバックを目的に企画・設定された追加オプション・プログラム。主な内容は走行性能向上とドレスアップを目的とした内外装各部パーツのカーボン化と、専用開発のサスペンションなどである。複数あるプログラム全てを注文すると約220万円となる。日本では「S」専用のオプション・プログラムとされたが、本国では他グレードにも設定されている。
    • MCストラダーレ(2010年~) - レーシングモデル「トロフェオ」からフィードバックされた技術を多く用いた、スペシャルグレード。エンジンはチューンアップにより“グラントゥーリズモ S”に対し10仏馬力アップ。重量も“グラントゥーリズモ S”から110kgの軽量化が図られ、リアシートも撤去されているため乗車定員は2名となる。2010年9月のパリサロンにて発表。日本では2011年夏に発売開始。
  • グラントゥーリズモ S AT(2009年3月~2012年10月) - セミATを搭載する“グラントゥーリズモ S”をベースに、トランスミッションを通常のトルコンATに変更したモデルで、運動性能と快適性能の両立を狙って開発された。エクステリアでは“グラントゥーリズモ S”よりも、サイドスカートの張出しが抑えられており、また標準設定のホイールは専用デザインとされた。乗り味は“グラントゥーリズモ”と“グラントゥーリズモ S”との中間とされる。2009年3月ジュネーヴ・モーターショーにて発表。日本では2009年7月から発売開始。
  • グランカブリオ(2009年9月~) - クーペの“グラントゥーリズモ”をベースに、屋根をソフトトップに変えたオープンモデルで、同社量産車史上初の4シーター・カブリオレとされる。エンジンには“グラントゥーリズモ S”と同じ4.7L、440仏馬力版が奢られ、重量増による運動性能低下をカバーしているとされている。トランスミッションはATのみの設定。開発過程では屋根をメタルトップにする案も検討されたが、重量増を嫌い結局ソフトトップが採用された。2009年9月のフランクフルトモーターショーにて発表、同年末より発売開始。日本では2010年春に発売開始。


  • グラントゥーリズモ スポーツ(2012年~) - グラントゥーリズモ Sのハイパワーバージョン。Sの販売は終了し、スポーツに差し代わる。エンジンはさらに改良され460仏馬力となる。フロントバンパーはMCストラダーレの影響を受け、効率良くフロントブレーキが冷却されるデザインに変更。これに伴いフォグランプは廃止。スポーツスカイフックサスペンションを標準装備。フロントシートが改良されたため、後部座席のレッグルームが20mm拡大された。トランスミッションはATとセミATの2タイプから選択可能。2012年3月のジュネーヴ・モーターショーにて発表。日本では2012年11月に発売開始。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]


マセラティ S.p.A. ロードカータイムライン 1940-
タイプ 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2000年代
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
エントリー ビトゥルボシリーズ ギブリIII
4ドアグラントゥーリズモ ロイヤル
クアトロポルテ I II III IV V VI
グラントゥーリズモ A6 3500GT セブリング 228 ギブリII
ミストラル カリフ グラントゥーリズモ
5000GT ギブリ カムシン シャマル 3200GT クーペ
2+2 メキシコ キャラミ
インディ
ミッドシップ メラク
ボーラ
オーナー オルシ・ファミリー シトロエン P デ・トマソ FIAT フェラーリ FIAT
レーシングカー: 26M8CV8RI6CM4CL/4CLT150Sティーポ63ティーポ65250F200S300S350S450Sティーポ61(バードケージ)ティーポ151ティーポ154MC12 GT1トロフェオ
ホモロゲーションモデル: バルケッタMC12
コンセプトカー: マセラティ・ブーメランバードケージ 75th
公式WEBサイト: MASERATI