ホンダ・シビックタイプR

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シビックタイプR(Civic Type-R)は、本田技研工業がかつて生産、販売していたハッチバック型またはセダン型の自動車である。

概要[編集]

NSXタイプRインテグラタイプRに続く、タイプRシリーズ第3弾である。 6代目以降のホンダ・シビックをベースに、エンジンサスペンションをチューニングした車種であり、3代目ではパッケージの異なる日本仕様車と欧州仕様車が用意された。

初代 EK9型(1997 - 2000年)[編集]

ホンダ・シビックタイプR(初代)
EK9型
Honda Civic TypeR 1997.jpg
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1997年 - 2000年
乗車定員 4人
ボディタイプ 3ドア ハッチバック
エンジン B16B型:1.6L 直4
最高出力 185PS/8,200rpm
最大トルク 16.3kgf·m/7,500rpm
変速機 5速MT
駆動方式 FF
サスペンション 前/後:ダブルウィッシュボーン
全長 4,180mm
全幅 1,695mm
全高 1,360mm
ホイールベース 2,620mm
車両重量 1,040-1,070kg
-自動車のスペック表-

1997年8月22日に、6代目シビックに「タイプR」を追加設定し発売された。型式は、前期型(1997年10月~1998年9月)がE-EK9、後期型(1998年9月~2000年9月)がGF-EK9。

エンジンはB16B型 1.6L 直4 DOHC VTEC (185PS/8,200rpm)を搭載し、トランスミッションは5速MTが組み合わせられた。他の「タイプR」と同様に、車体重量が軽量化され、エアロパーツレカロバケットシートモモステアリング(SRSエアバッグ付き)、チタン製のシフトノブ、専用車体色のチャンピオンシップホワイト等が装備された。生産は鈴鹿製作所で行なわれた。

前期型に対し後期型は外観的にヘッドライト、フロントバンパー、フロントフェンダー、テールランプのウインカーレンズ色が異なる。 内装においてはオーディオ周りのデザインが異なり、前期は1DINであるが後期は2DINデッキ・ナビが取り付けられるようになり、それに伴いエアコンのパネルも一新されている。

1999年12月16日に、CDプレーヤーオーディオ、キーレスエントリーシステム、アルミパッドスポーツペダル、専用色カーボン調パネルなどを追加して装備の充実を図った「タイプR·X」を追加設定した。

2000年9月、7代目シビックへのフルモデルチェンジに際し、生産を終了した。

2代目 EP3型(2001 - 2005年)[編集]

ホンダ・シビックタイプR(2代目)
EP3型
日本仕様
Honda Civic Type R 001.JPG
Honda Civic Type R 002.JPG
製造国 イギリスの旗 イギリス
販売期間 2001年 - 2005年
乗車定員 4人
ボディタイプ 3ドア ハッチバック
エンジン K20A型:2.0L 直4
最高出力 215PS/8,000rpm
最大トルク 20.6kgf·m/7,000rpm
変速機 6速MT
駆動方式 FF
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
全長 4,135mm
全幅 1,695mm
全高 1,430mm
ホイールベース 2,570mm
車両重量 1,190kg
-自動車のスペック表-

7代目シビックのフルモデルチェンジから1年後の2001年12月6日に、日本での販売が開始された。

イギリスにある現地法人ホンダ・オブ・ザ・UK・マニュファクチャリング(HUM)のスウィンドン工場で生産され[1]日本に輸出され、いわゆる輸入車となった。7代目欧州仕様シビック(2代目欧州専売車)の3ドアモデルで、国土交通省認定型式は前期型がホンダオブザユーケー・LA-EP3、後期型が同・ABA-EP3。

エンジンはK20A型 2.0L 直4 DOHC i-VTEC(215PS/8,000rpm)、トランスミッションはクロスレシオの6速MTで、シフトレバーインパネに配置される。レカロ製バケットシート、モモ製ステアリングホイールの装備は踏襲しているが、シフトノブはアルミ製に、ペダル関係もベース車両と同じゴムが使用されている。 なお、日本販売モデルのみリミテッド・スリップ・デフ(LSD)が装備された。

日本での販売ディーラーは、シビックを扱うプリモ店で、日本仕様の装備が施されている。

2004年1月22日マイナーチェンジがおこなわれた。平成17年排出ガス規制適合し、イモビライザーが標準装備された。

2005年9月22日に行われた8代目シビックへのフルモデルチェンジを前にして、2005年春頃に輸入を終了した。


3代目[編集]

国内仕様車・セダン FD2型(2007 - 2010年)[編集]

ホンダ・シビックタイプR
FD2型
フロント
2007 Honda Civic TypeR 01.JPG
リア
2007 Honda Civic TypeR 02.JPG
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2007年 - 2010年
乗車定員 4人
ボディタイプ 4ドア スポーツセダン
エンジン K20A型:2.0L 直4
最高出力 225PS/8,000rpm
最大トルク 21.9kgf·m/6,100rpm
変速機 6速MT
駆動方式 FF
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
全長 4,540mm
全幅 1,770mm
全高 1,430mm
ホイールベース 2,700mm
車両重量 1,270kg
-自動車のスペック表-

シビック全体としては8代目。2006年10月から公式サイトを立ち上げ、F1日本GPが開催された鈴鹿サーキットにプロトタイプが展示されるなど、発売前からプロモーション活動が展開された。2007年3月29日に発売開始。インテグラ4ドアタイプRが生産終了以来6年ぶりの4ドアタイプRでもあり、シビックタイプRとしては2年ぶりの登場となった。型式はABA-FD2。

エンジンは2代目と同じK20A型 2.0L 直4 DOHC i-VTECだが、吸排気系の見直し、圧縮比の向上などにより、最高出力はインテグラタイプR(DC5)やアコードユーロR(CL7)の220PSに対し、5PS向上の225PS/8,000rpmとなり、10PS以上出力が向上している回転域もある。

ボディ剛性はインテグラタイプRに対し約50%向上。タイヤに専用コンパウンドで18インチのPOTENZA RE-070を採用し、サスペンションはタイヤが確実に地面を捉える非常に固い設定とされた。更にトルク感応式LSDやBrembo製ブレーキキャリパー、ブレーキ冷却ダクト等スポーツ走行を意識した装備がなされている。内装ではこれまで採用されていたレカロシートでは無く、新たにホンダオリジナルのRspecシートが採用された。エンジンスタートスイッチは、タイプRでは初のプッシュスタートシステムを採用している。

ボディをセダン型としたことにより、今までの3ドアハッチバック型よりも使いやすさが向上している。これにより世帯持ちユーザーの獲得に成功している。発売後は1ヶ月での受注台数が約2,100台となるなど、順調な滑り出しを見せた[2]

2007年9月13日に、シビック ワンメイクレースベース車(競技専用特別仕様)を発売した。ホンダエキサイティングカップワンメイクレース2008[3]のベース車となる。

2008年東京オートサロンでは、ホンダがモデューロパーツを取り付けた「スポーツモデューロ タイプR」[4]や、M-TECが「MUGEN RR」をさらにチューニングした「MUGEN RR Experimental Spec」[5]などのコンセプトカーを展示した。

2008年9月5日にマイナーチェンジがおこなわれた。ボディカラーは「クリスタルブラックパール」、受注生産色「プレミアムホワイトパール」、「プレミアムディープバイオレットパール」の標準色と受注生産2色が追加され、「ビビッドブルーパール」が廃止された。

2010年4月19日、排ガス規制への対応が困難という理由で生産終了を公表し、同年8月をもって生産終了した[6]

MUGEN RR[編集]

2007年6月28日M-TECが「Honda CIVIC MUGEN RR」を発表した[7]。300台限定で9月13日から販売され、申し込み開始からわずか10分で完売した。専用カムシャフトをはじめとするエンジンのリファイン、吸排気系の大幅な変更により、最高出力は15PSアップの240PSとなっている。またボンネットのアルミ化、前バンパーやリアウイング等をカーボン製にすることにより、ノーマルタイプRと比較し約15kgの軽量化が行われた。大型ディフューザーやフロントパネル、可変リアウイングの装備により市販車としては異例のマイナスリフトを実現、専用のブレーキやサスペンションにより非常に高い走行安定性を獲得している。ボディーカラーは赤色のみとなり、内装にも赤が多く取り入れられている。価格は477万7,500円。


欧州仕様車・ハッチバック FN2型(2007 - 2012年)[編集]

ホンダ・シビックタイプR
(3代目 欧州仕様)
FN2型
欧州仕様車
Honda Civic Type-R.JPG
シビック TYPE R EURO
Honda Civic Type-R EURO Fr.JPG
製造国 イギリスの旗 イギリス
販売期間 2007年 - 2012年
乗車定員 4名
ボディタイプ 3ドア ハッチバック
エンジン K20Z型:2.0L 直4
最高出力 201PS/7,800rpm
最大トルク 19.7kgf·m/5,600rpm
変速機 6速MT
駆動方式 FF
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:トーションビーム
全長 4,275mm
全幅 1,785mm
全高 1,445mm
車両重量 1,320kg
-自動車のスペック表-

8代目欧州仕様シビック(3代目欧州専売車)をベースとした3ドアのハッチバックとなる。2006年のジュネーヴモーターショーでプロトタイプが展示され、2007年より発売開始した。イギリスで生産される。

エンジンはK20Z型 2.0L 直4 DOHC i-VTECで、最高出力は201PS/7,800rpmと控えめになっている。これに6速MTが組み合わせられる。車両重量は1,267kgである。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビーム。内装は8代目欧州仕様シビックに準じており、シフトレバー付近にシリアルナンバー入りのプレートが配されている。「TYPE R」と「TYPE R GT」の2グレードがあり、「TYPE R GT」は運転席・助手席独立した温度調整可能なエアコン、クルーズコントロール、カーテンエアバッグなどを装備する。

2008年11月20日、2009年春に日本でも台数限定で発売すると発表したが、世界的な金融危機の影響によるイギリス工場の稼動休止のために発売が延期された。その後、2009年11月5日に「TYPE R EURO」の名称で2009年モデルを2,010台限定で日本国内での販売が開始された。 色別の台数は白1,050台、赤810台、銀150台であった。

2010年4月19日、同年秋に2010年モデルを再度台数限定で発売すると発表した[8]

2010年8月10日、欧州の大部分の地域において2010年末でシビックタイプRの販売を終了すると発表した。EUの新排出ガス規制である「Euro 5」に適合できないことが理由であるため、生産は継続されEuro 5が適用されない市場で引き続き販売される[9]

2010年10月28日、2010年モデルを1,500台の台数限定で販売開始した。新たに、ブラック塗装のフロントメッシュグリルとダーククロームメッキのフロントグリルフレーム・アウタードアハンドル・フューエルリッドを採用し、シリアルプレートを2010年モデル専用に変更した。ボディカラーを追加し、色別の台数は白850台、黒500台、赤150台であった。

2012年6月、日本国内での販売を終了した。


4代目[編集]

ドイツ北西部にあるニュルブルクリンクにおけるFF車両最速を目標に、2015年の発売投入にむけ開発されることが発表された。2012年10月から参戦しているWTCC(FIA World Touring Car Championship)の技術も転用される[10]

搭載エンジン[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 「航海の無事を祈る」---新型ホンダ『シビック・タイプR』 - レスポンス(2001年10月23日)
  2. ^ ホンダ広報発表(2007年5月10日)
  3. ^ ホンダエキサイティングカップワンメイクレース~シビックシリーズ~
  4. ^ ホンダ広報発表(2008年1月9日)
  5. ^ MUGEN 東京オートサロン出展概要
  6. ^ ホンダ「シビック タイプR」8月で生産終了と発表
  7. ^ MUGEN RR プレスリリース(2007年6月28日)
  8. ^ 2010年モデル「シビック TYPE R EURO」(3ドア)を台数限定で、今秋発売
  9. ^ Honda Announces the End of Civic Type R Sales Honda European Media Newsroom(英語)
  10. ^ 2012年9月 社長会見 骨子

関連項目[編集]

外部リンク[編集]