機動隊

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機動隊(きどうたい、Riot police)とは、警察において、警備実施の中核部隊として治安警備及び災害警備等に当たる部隊である。 治安警備とは、国の公安又は利益に係る犯罪及び政治運動に伴う犯罪が発生した場合において、部隊活動により犯罪を未然に防止し、又は犯罪が発生した場合の違法状態を収拾する警備実施活動のことである。 災害警備とは、災害が発生した場合に、個人の生命、身体及び財産を保護し、公共の安全と秩序を維持することを目的に行う警察の救助活動等のことである。以下、特記のない限り、日本の警察のそれについて記述する。

任務は、治安警備、災害警備、雑踏警備、警衛警護、集団警ら及び各種一斉取締りである。同様の目的の部隊としては海上保安庁特別警備隊(特警隊)皇宮警察本部特別警備隊(特備隊)などが存在する。

事件の初動捜査を行なう機動捜査隊や広域的に交通事案に対処する交通機動隊は、機動隊と同様“臨機応変、機動的に行動出来る隊”の意味で「機動」を名称に冠しているが、機動隊とは任務が異なっている。

目次

[編集] 沿革

警視庁特別警備隊(1938年(昭和13年))
警視庁特別警備隊1938年(昭和13年))

[編集] 組織変遷

警視庁特別警備隊が創設される。桜田門事件、血盟団事件五・一五事件など、不穏な社会情勢に対処するために創設され、通称「昭和の新撰組」と呼ばれていた。この部隊が機動隊の前身となる。
  • 1936年(昭和11年)2月26日
二・二六事件が発生するが、野中四郎大尉の指揮する陸軍反乱部隊の襲撃により、特別警備隊は武装解除されたため、出動することはできなかった。
全国の警察に警備隊が設けられる。戦時中であったため、空襲等の非常事態時における治安確保・救援等の緊急活動を主要な任務としていた。
  • 1946年(昭和21年)1月16日
GHQから軍及び準軍事組織の解体命令が出され、これを受け警備隊が廃止される。
  • 1946年(昭和21年)1月24日
警視庁に防護隊(200名規模)が設けられる。デモ隊から警察施設を防護するために創設された。
  • 1948年(昭和23年)5月25日
防護隊の規模が拡大され、警視庁警備交通部に警視庁予備隊が創設される。なお、1950年には「国家警察予備隊」(後に改編され陸上自衛隊)が創設された。
  • 1951年(昭和26年)9月16日
警視庁予備隊を廃止して第一方面~第七方面予備隊に再編する。その上で、警邏部の所管とする。警備交通部が交通部及び警邏部に分割されたため。
警視庁の各方面予備隊を警備第一部に移管する。
国家地方警察本部が機動隊設置を指示する。
警視庁の各方面予備隊を廃止して、警視庁予備隊に再編成する。
警視庁予備隊に特科部隊 (私服、装甲、放水、特務各中隊)を増設する。
  • 1954年(昭和29年)7月27日
警察庁が「機動隊設置運用基準要綱」を制定。全国の都道府県警察で機動隊の設置が始まる。
警視庁予備隊が警視庁機動隊に改称される。
  • 1962年(昭和37年)10月13日
警察庁が「機動隊設置運用基準要綱」を改正。同年、全ての都道府県警察が機動隊を設置する。
  • 1963年(昭和38年)11月14日
警備実施要則(昭和38年国家公安委員会規則第3号)が制定される。
  • 1970年(昭和45年)4月22日
国家公安委員会が「管区機動隊の編成等に関する規則」を制定し、管区機動隊が発足する。

[編集] 主な対応事件

[編集] 編制

[編集] 機動隊の種類

[編集] 機動隊

集団警備力によって有事即応体制を保持する常設の基幹部隊。各都道府県警察に置かれる。隊員は専任。警視庁警備部では、第1機動隊から第9機動隊及び特科車両隊の計10隊が置かれている。また、大阪府警と千葉県警に各3隊、神奈川県警と福岡県警に各2隊、その他の道府県警には各1隊が編制されている。

特科車両隊は警視庁のみに設置され、他の機動隊と同様に治安警備、災害警備、雑踏警備等諸般の警備警戒、各種犯罪の予防検挙にあたるほか、特型警備車等で他の機動隊の支援を行う。『警察の機甲部隊』とも云われ、爆発物処理班、化学防護隊や機動救助隊等を保有し、各種災害支援車両(広域レスキュー車)などを装備している。

また、各種事案に対応するため、基本訓練を終えた隊員は、各専門部隊の指定隊員として訓練を受け、部隊を編成している。これらの専門部隊は「機能別部隊」と呼ばれている。

なお警視庁と大阪府警察の特殊急襲部隊(SAT)は組織上、機動隊から独立しており、警備部警備第一課や警備課に所属している。

[編集] 第二機動隊(方面機動隊・特別機動隊)

第二機動隊は、常設の「第二機動隊」を保有しない北海道・京都府及び県の警察に置かれる予備部隊である。常設隊を保有している警視庁・大阪府および各県警察では「方面機動隊」「特別機動隊」と呼ばれることが多い。隊員は一般の制服警察官が兼任しており、平常時は警察署の各部署で通常の警察署員と同様の勤務を行なっている。非常時のみ招集される。このほか一定期間ごとに訓練を行う。

[編集] 管区機動隊

[編集] 概要

各府県警察に置かれる。府県警察本部長が、当該府県警察に所属する警察官をもって編制する。
各府県警察管区機動隊は地域警察の「警ら隊」等と兼務とし、「管区機動隊」として活動する場合は府県機動隊を補完する活動を行う。

また各府県警察の管区機動隊の連合編成について管区警察局長は、管轄区域内における必要な調整を行なうことになっており、管区機動隊各大隊ごとに1年に1回、管区警察学校に入校して実施する約1ヶ月間の大隊入校訓練を実施している。特に複数の県の混合で編成される大隊や中隊がある場合、この管区警察学校入校訓練が貴重な集合訓練の場になっている。

管区機動隊の任務は、治安警備活動及び災害警備活動並びに道府県警察本部長が必要と認めて命ずるその他の警察活動を行なうこと、他の都道府県公安委員会の援助の要求により派遣され、当該都道府県公安委員会の管理の下に、当該都道府県警察の管轄区域において警察活動を行なうことである。

[編集] 構成

隊員数は全国を通じて約3000名である。管区機動隊のうち、関東管区、中部管区、近畿管区、九州管区機動隊は連隊編制、その他の管区機動隊は大隊編制である。

連隊編制の管区機動隊の連隊長はその管区内の大規模県警の警備部参事官警視正)や小規模県警の部長級(警視正)が兼務する。大隊長は規模の大きい県警機動隊の管理官警視)が兼務することが多い。中隊長は各県警の機動隊隊本部付警部か本部警備部警備課課長補佐の警部が兼務する。

隊員については大規模府県警の場合、複数の警察署に警ら部隊を作り、そこに隊員を所属させる。この場合、警察署の警ら部隊は「集団警ら隊」、「特別警ら隊」、「直轄警ら隊」などと呼ばれる。小規模の県警では警察本部地域部/生活安全部に警ら部隊を作り、そこに隊員を所属させる。この場合、「機動警察隊」と呼ばれる事が多い。また県機動隊の隷下に管区機動隊部隊を置いている県警もある。

栃木県警の場合、機動警察隊のみならず、刑事部機動捜査隊の隊員も管区機動隊を兼務している。([1] 栃木県管区機動隊運用規定 参照)。

管区機動隊の任期は隊員の場合、2年と定めている府県警が多い。

[編集] 北海道警察警備隊

北海道では、管区機動隊はなく、その代わりに1個大隊編成の北海道警察警備隊が置かれている。大隊長は、原則として北海道警察本部警備部警備課指導官(警視)をもって充てることになっている。大隊本部は、北海道警察本部警備部警備課に置かれている。

[編集] 機動隊類似の部隊

1978年に新東京国際空港警備隊として発足する。千葉県警察本部警備部に設置され、成田国際空港の警備に当たる。千葉県の警察官の他、全国都道府県警や皇宮警察からの出向者によって編制される。隊員数は約1500名。
空港警備隊長(千葉県警察本部警備部参事官: 警視正)の指揮下に総務室、警備室、6個の空港機動隊(大隊)によって編制されている。爆発物処理班、銃器対策部隊、レンジャー部隊、NBCテロ対策部隊、機動救助隊、儀じょう隊などが置かれている。
2002年(平成14年)4月1日に発足する。警視庁警備部警護課の附置機関で、首相官邸の警備に当たる。隊員数は約100名。本部隊の発足以前は首相官邸の警備は所轄の警視庁麹町警察署が行っていたが、警備力の不足が指摘されたため、本部隊の創設となった。隊長(警視)以下3個中隊編成となっている。機関けん銃(短機関銃)や化学防護装備等を保有している。
皇宮警察の坂下、吹上、赤坂の各護衛署に勤務する皇宮護衛官で編成される機動隊。1個中隊(3個小隊)から成り、隊員は50名。隊長は皇宮警部で小隊長は皇宮警部補である。
皇宮警察本部警備部警備第二課に設置されている。皇居内の警衛を実施しており、特別警備隊内に儀仗隊を置き儀衛も実施している。外国大使公使の儀衛の他、皇族の葬儀の際には正装して出棺の列の護衛を実施する。
通常業務と警備隊業務を兼務し、特別警備隊に入隊すると警視庁第一機動隊で警備実施訓練を受ける。機関けん銃短機関銃)も装備している。
海上保安庁が全国の主要海上保安部の警備実施強化巡視船に配置している部隊。都道府県警察の機動隊とも合同訓練を行なっている。所属管区に関係なく全国的に活動。対テロ事案の際は特殊警備隊(SST)が到着するまでは初動措置を実施する。
港湾施設の警備や海上デモの規制(どこかの港で大規模な海上デモが予定されているときは、 全国の警備実施強化巡視船を集結させる。そして、この機動隊が当該地区の小型巡視船艇(PC型・CL型と呼ばれる巡視艇)に乗り換えて、デモなどに対する警備実施を行なう)。
特別警備隊の下に2個の機動隊(小隊編成)が置かれている。

[編集] 警察機動隊の編制

  1. 連隊 : 連隊長(概ね警視正)及び3個大隊。
  2. 大隊 : 大隊長(概ね警視)及び3個中隊。
  3. 中隊 : 中隊長(警部)及び3個小隊。
  4. 小隊 : 小隊長(警部補)及び3個分隊。
  5. 分隊 : 分隊長(巡査部長)及び隊員(巡査長巡査)4名の合計5名。
  6. ―― 伝令 : 伝令長(警部補)以下伝令。小隊レベルまでの各隊長に随従。

これらは、各県警や各隊の運用などにより、異なっていることも多い。

[編集] 装備

[編集] 個人装備

  • 正装
機動隊も警察官であり、正装は一般の警察官と全く同じ制服を着用するが、各都道府県とも機動隊員は概ね襟に金色の機動隊員章を着装する。靴も短靴ではなく出動靴(安全靴構造のブーツ)である。

また、機動隊員として特徴的な装備は次の通りである。

  • 出動服
紺色で防水難燃加工されている。通常は、上衣を下衣の上に出して使用するが、防弾ベストなどを装着する際は上衣を下衣に入れる。そのため、上衣の下半分にはポケットが付いていない。右上腕部に旭日章のワッペン(西陣織で出来ている)が縫いつけてあることから、通称「ワッペン服」とも呼ばれる。出動服の中には盛夏ワイシャツを着用する。
  • 出動靴
基本的に編上型の半長靴を履くことが多い。危険な任務の場合は鉄板の入った、いわゆる「安全靴」を使用する。両者とも「編上靴(へんじょうか)」と呼ばれている。自衛隊などの半長靴と違い、踝までを紐で締め、その上にゲートルが付いている。
  • 防護装備
旧式では、脛当・篭手・防護衣。篭手以外には鉄製のプレートを入れて投石などから身を守る。防弾性能なし。篭手は革またはジュラルミン製。篭手以外は出動服の中に装備し、外側からは見えない。
新型では、臑当・篭手・防護ベスト(背中に「POLICE」と白抜きで入る)で大幅に軽量化されている。臑当・篭手はポリカーボネート製。防護ベストはナイロン製ベストで前面にはステンレスプレートが入っている。このプレートは体に沿って湾曲しており若干の防弾性能も持たせてある(止められるのは.30口径程度まで)。旧式は背面は何も入っておらず無防備であったが、新型では背面にポリカーボネートプレートが入っている。新型装備には裏側にウレタンクッションが張られており、打撃の衝撃を吸収するようになっている。旧式と違い出動服の上から装備する。脛当は各県警によって、マークやイラストがあり、北海道警なら、茨城県警ならバラのマークが描かれている。
綿または製で燃え難いため襟元を守る役割(対火炎瓶)と、包帯代わりの役割がある。通常は白色だが、隊によってはシンボルカラーに染めているところもある。
ポリカーボネート製。鉄兜とも呼ばれる。旧式では青色で、顔面保護用のバイザーは外装、また頚椎保護用の垂れが付いている。旧型の正式名称は「SB8型防護面付特殊警備用ヘルメット」。
新型では黒色で、バイザーは内装、また頚椎保護用の垂れが付いている。旧型・新型ともに防弾性能なし。バイザーの厚さは旧・新ともに約2mm。
かつては階級を表示する周章があったが、あさま山荘事件では指揮官が周章で見分けられ狙撃された事を教訓に、後頭部にのみ階級線を入れるようになった。
階級章は通常のものと異なり、白線の数や太さで識別された簡略章が用いられる。この略章は一般警察官の乗車用略帽にも用いられている。
防護用装備。縁や角の部分による打撃用としても使用される。
旧型はジュラルミン製。投石や角材による攻撃を防ぐためのもので防弾性能はない。このため、あさま山荘事件では犯人の銃撃から隊員を守ることができず、盾を2枚重ねて使用した。
ジュラルミン製の盾には大楯と小楯があり、小楯は隊付の伝令が、大楯はその他の機動隊員が装備する。
新型はポリカーボネート製。旧型よりも大幅に軽量化されているため打撃用としては心許ない。基本的に新装備は日韓ワールドカップ開催時のフーリガン対策を念頭にしており、夜間視認性の確保のため透明に作られている。管区機動隊装備のものは盾の隅に各中隊のマークが入っている。旧型との大きな違いは防弾性能があることであり、湾曲のある形状で衝撃を逃がすことにより貫通を防ぐ。防弾実験も公開しており、テレビ朝日ニュースステーション等で放送された。この放送ではトカレフの7.62mm弾すら傷が付くだけで貫通しない(ライフル弾は防げない)。ちなみに新型には小楯はない。
警棒・警杖とも暴徒鎮圧の際に使用される。警杖についての詳細は警棒の項目を参照のこと。
ニューナンブM60S&W M37エアウェイトなど制服警官と同様のもの。基本的に警備の際には装備せず、緊急用に小隊長より上のクラスが携帯する程度。ただし、「あさま山荘事件」のように犯人が多数で強力な武器を使用している場合などに限り、各隊員が装備することもある。また、「あさま山荘事件」において、隊員は回転式拳銃ではなく、コルト・ガバメントを使用していた。
  • ガス銃(正式名称は、ガス筒発射器)
暴徒鎮圧の際に使用し、催涙ガス弾を発射する。弾が群衆の中に上から飛び込むよう、打ち上げるのが正しい用法。水平に発射したものが直接当たると、箇所によっては内臓破裂、眼球破裂、頭蓋骨陥没など重大な傷害を与える可能性がある。成田闘争では禁じられている水平撃ちで死者を出している(東山事件)。
なお、警察での正式名称は「ガス銃」ではなく「ガス筒発射器」である。これは名称を「銃」としてしまうと、使用に際して法律上の様々な制約(銃刀法等)を受けることになるからである。
  • 催涙ガス筒“S型”
ガス銃で発射するガス弾の一種でSはスモークの略。催涙ガスを噴く(爆発・破裂はしない)タイプのもので化学合成ガスが封入されているが、成田闘争等の映像を見ると吹き出すまでに若干タイムラグがあるようで、投げ返され機動隊員がガスを浴びている姿も見られる。ガスを浴びると涙が出ることから、学生側はレモンの輪切りを常備していた。但し、レモンが催涙ガスに効果があるのかは不明。
  • 催涙ガス筒“P型”
ガス銃で発射するガス弾の一種でPはパウダーの略。金属製の弾体の後ろにボール紙の筒が付いておりその中にカプサイシン系の粉末と若干の火薬が入っている。発射後数秒でボール紙部が破裂し粉末をまき散らす。投げ返される心配が無く、S弾より強烈であるが、効果範囲が狭く風向きによっては全く効果がない。
  • 催涙ガス筒“手榴弾型”
手投げタイプのガス筒で、ボール紙製。P弾と同じように炸裂するが地表付近で炸裂するため催涙ガス効果は少なく、もっぱら音と光で威嚇する。手榴弾と同じようにピンを引き抜き投擲する。日韓ワールドカップ時、フーリガン対策訓練のニュース映像で投げている姿が確認される。
日本だけではなく各国で使われており、フィリピンの暴動の際のニュース映像では同タイプのものを暴徒側が投げている姿が見受けられた。この映像中では暴徒がズボンのポケットの中で暴発させていたが、火傷を負った程度であったので、火薬量は少ないものと見られる。
製品名は「インパルス」。銃のような形状をしており、高圧で水の塊を発射し、暴徒を制圧する。放水車の機能を個人で携行できるようにしたもの。最大圧力では自動車のフロントガラスも粉砕する。中の水は真水ではなく、催涙ガスと同じ薬品が注入されており、浴びると催涙効果があった。
H&K社製MP5。機動隊では銃器対策部隊や、銃器対策レンジャー部隊などが装備している。
豊和工業製「M1500」。主に銃器対策部隊が装備。

[編集] 車両(警備)

現場指揮官車(神奈川県警察) トヨタ・ランドクルーザー100
現場指揮官車(神奈川県警察) トヨタ・ランドクルーザー100
遊撃放水車(警視庁)      三菱ふそう・ファイター
遊撃放水車(警視庁)      三菱ふそう・ファイター
遊撃警戒車(千葉県警察)   日産・キャラバン
遊撃警戒車(千葉県警察)   日産・キャラバン
投光車(警視庁)           トヨタ・ランドクルーザー80
投光車(警視庁)           トヨタ・ランドクルーザー80
レッカー車(警視庁)いすゞ・ギガ
レッカー車(警視庁)いすゞ・ギガ

警備車両は正式名称以外にも、各都道府県警察ごとに異なった呼び方をされていることが多い。

バス・マイクロバス型。窓が投石よけの金網でカバーされている事から、一般人からは「護送車」と誤解される事が多い。本来の護送車は、車内からの逃走を阻止せねばならないことから、窓ガラスの内側に鉄格子があり、金網は設置されていない。
輸送車に装甲を付した車両。放水銃を上部に設置したものもある。
防弾仕様の装甲車で数種類が存在する。いずれも三菱重工が生産しており、三菱ふそう・キャンター等をベースにしている。
主に四輪駆動車トヨタ・ランドクルーザー)を使用する。屋根には拡声アンプに繋がったラウドスピーカー(部隊に指示を出し、デモ隊・群衆に警告をする)と、指揮をするための、やぐら(折りたたみ式)が設置されている。
主に一個分隊が搭乗し、テロ、ゲリラ警戒を行う。最近の機動隊では、頻繁に使用される。
警備交番が設置されていない、重要防護施設での張り付き警戒等にも用いられる。従来は三菱・デリカスターワゴンがよく使用されていたが、近年はロングボディのワンボックス車(トヨタ・ハイエース日産・キャラバン等)が使用されている。
警備車兼放水車…警備兼輸送車の車体上部に放水銃を装備したもの。
高所放水車…消防の屈折はしご車と同様のもの 。
高圧放水車…消防の大型ポンプ車と同様のもの。
遊撃放水車…装甲で覆われ、車体後部にタンクを積み、車体上部に放水銃を装備したもの。
  • 投光車
いわゆる照明車。夜間警備の際に使用する。2、3tクラスのトラック、ワンボックス車、トヨタ・ランドクルーザー三菱・パジェロなどがベース。
普通の大型レッカー車。8tの2軸車がベースになっていることが多い。
  • 多重無線車
大型輸送車と基本的な外見は同じだが、上部に大型アンテナを複数装備する。主に現場における指揮本部として使用する。
  • トイレカー
トイレを装備する。
  • キッチンカー
調理設備を装備する。
  • 爆発物処理筒車
爆発物を筒(液体窒素入りで、これにより不審物は瞬時に凍結する)の中に入れ、安全な場所で処理するために運搬する。万が一爆発しても車体は保護される構造になっている。
  • 爆発物処理用具運搬車
爆発物処理用具(運転席前方に盾を装備し、アームを動かして爆発物をつかむ小型特殊車両)を運搬する通常のトラック。
  • 高所対策車
工事現場等で使用する高所作業車がベースで、作業部が大きくなっている。
  • 化学防護車
NBCを使用した犯罪、テロが発生した際に出動し、防護服や物質を計測するための機械などを装備している。関連車両として、除染剤を積んだ車両も存在する。NBCテロ対応専門部隊が存在する都道府県警察に配備。
  • 騒音測定車
騒音計を装備している。街宣車などがスピーカーから流す、音楽やシュプレヒコールなどの騒音の値を測定する車両。

その他に、警視庁の機動隊は普通の白黒パトカーも所有しており、連絡や隊員の移動用に使用される。

[編集] 車両(災害警備)

レスキュー車(警視庁)     日野・スペースレンジャー
レスキュー車(警視庁)     日野・スペースレンジャー
広域レスキュー車(神奈川県警察)日野・スペースレンジャーFT
広域レスキュー車(神奈川県警察)日野・スペースレンジャーFT
水難救助車(警視庁)      いすゞ・ギガ
水難救助車(警視庁)      いすゞ・ギガ
  • レスキュー車(機動救助車)
消防が使用する救助工作車と同じボディーを使用したものや市販の2tや4tの4WDシャーシを使用した主に救助資機材を搬送するためのレスキュー車(救助資材車)とマイクロバスをベースにした主に隊員を搬送するためのレスキュー車(人員輸送車)がある。消防の救助工作車の様にダブルキャブだが消防は人員と資機材を救助工作車で同時に搬送するのに人員と資機材を別々に搬送している様である。
  • 水難救助車
水難時に使用するあらゆる資材を装備した、大型車両。
  • クレーンつき資材搬送車
平ボディータイプとダンプタイプがある。この車両は災害時だけでなく、普通の警備時に資材運搬に使用される。
普通のホイールローダー。緊急走行用にパトライト・サイレンを装備。
装輪式のショベルカーや2tトラックの荷台に小型ショベルを載せたタイプがある。
警視庁に配備されている大型水槽車。

※消防の車両との違いは、塗色が「緑地に“疾走する黒豹”の入った白帯」である事[2]

  • 広域レスキュー車
大規模災害派遣時に使用されるレスキュー車。車体は4t、5tのシングルキャブ4WDシャーシを使用(隊員は別の人員輸送車(警備輸送車)で派遣されるためダブルキャブの必要が無い)。
  • 多目的災害活動車
メルセデスベンツ製のウニモグを使用した車両。

[編集] スポーツ

各都道府県警察の武道、スポーツの代表選手はほとんど機動隊に所属している。 柔道剣道の特練要員(特別術科訓練員)に指定されている隊員は全日本剣道選手権大会(個人戦)、全国警察剣道大会(団体戦)や全国警察剣道選手権大会(個人戦)、国民体育大会(団体戦)等の各種大会で上位入賞を狙うための強化選手になっている。 なお武道以外のスポーツ選手強化として射撃陸上競技の長距離走(警視庁機動隊、大阪府警機動隊)や下記の各機動隊別スポーツ特練指定もある。
(大阪府警ラグビー部はトップウェストAリーグ、警視庁アメリカンフットボール部はX2リーグにそれぞれ所属して好成績を残している。大阪府警陸上部は全日本実業団対抗駅伝大会(ニューイヤー駅伝)出場の常連チームである。また、警視庁フェンシング部と警視庁レスリング部は世界選手権等に選手を送り込んでいるほどレベルが高い。)

[編集] 日本以外の機動隊

[編集] 関連項目

[編集] その他

  • かつてはその多忙さから最も昇任の難しい職種とされていたが過激派学生運動等の退潮と共に機動隊員の昇任試験の合格率が跳ね上がったという情報が各所で存在する。これは、昇任試験後間もない若い隊幹部が、重要防護対象警戒など激務の合間に、熱心に機動隊員に勉強させるからである。隊員は、全寮制のため否応もなく勉強するというのも要因である。しかし、現在は統計上、他の部署と比較して特に合格率が高いということはなく、既に過去の話というのが現状である。
  • 機動隊を、遊撃捜査活動やパトカーによる機動警察活動等の多角的な運用に使用している都道府県警察が増えている。2003年の読売新聞特集「治安再生-揺らぐ警察組織」によれば、新人警察官の刑事志望者が減る中でも、災害救助や繁華街の雑踏警備など様々な現場を体験している機動隊員は、その7割が刑事警察官を希望するようになるという。
  • 警察学校を卒業して1年から3年程度で機動隊に転勤する例が多いため、現場の警察署に若手警察官がいなくなってしまうという現象が起きている。特に、交番では、警察学校を出たばかりの、仕事をよく知らない新人と、経験はあるが、体力に問題のある中高年ばかり、という組み合わせが多い。また、せっかく仕事を覚え始めた頃に機動隊に転勤になって現場を数年間離れてしまうことから、機動隊を除隊する頃には仕事を忘れてしまい、また一からやり直し、となってしまう問題もある。
  • 現代においては機動隊が出動する機会は非常に少ないため、署や交番からの要請でパトロールに駆り出されることが多い。服装は通常の活動服なので、交番勤務員か機動隊員かは見分けがつかないことが多い。道を尋ねても答えられない警察官は所轄署員ではなく機動隊からの応援要員である可能性が高いという。ただし、制服の襟に桜を象った金色のバッジをつけている他、地域によっては○に「機」の文字の入った腕章をはめており、近寄れば容易に識別できることもある。
  • かつて千葉県警では、成田空港を抱える特殊事情から、新規採用されて警察学校を卒業した警察官は全員が機動隊にまず配属されていた(現在ではこの運用は行われておらず、他県同様に警察署に配置され交番勤務となる)。このため、千葉県警では、他県で見られるような「機動隊嫌い」の幹部が少ないとされる(他県では、機動隊経験のない幹部も多いが、かつての千葉県警では原則として全員が経験しており、また、現在の県警の上級幹部の年代の者は、成田空港闘争の最盛期を自らが経験しているため)。

[編集] 外部リンク