木次線

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JR西日本 木次線
木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」
木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号
路線総延長 81.9 km
軌間 1067 mm
最高速度 75 km/h
停車場・施設・接続路線
ABZ3rg BHFq
0.0 宍道駅 山陰本線
AKRZu
山陰自動車道
BHF
3.6 南宍道駅
BHF
8.7 加茂中駅
BHF
11.8 幡屋駅
BHF
13.9 出雲大東駅
BHF
17.5 南大東駅
BHF
21.1 木次駅
TUNNEL1
BHF
24.8 日登駅
TUNNEL2
BHF
31.5 下久野駅
TUNNEL1
下久野トンネル
BHF
37.4 出雲八代駅
TUNNEL2
BHF
41.5 出雲三成駅
TUNNEL1
BHF
45.9 亀嵩駅
TUNNEL1
反谷トンネル
BHF
52.3 出雲横田駅
BHF
56.3 八川駅
STR ENDEa
ABZrg ABZrf
KBHFe STR
63.3 出雲坂根駅
TUNNEL1
第一坂根トンネル 60m
TUNNEL1
第二坂根トンネル 66m
TUNNEL1
第三坂根トンネル 626m
TUNNEL1
中央坂根トンネル 82m
TUNNEL1
第四坂根トンネル 610m
TUNNEL1
第五坂根トンネル 75m
TUNNEL1
第六坂根トンネル
TUNNEL1
第七坂根トンネル 32m
BHF
69.7 三井野原駅
eGRENZE
島根県広島県
BHF
75.3 油木駅
TUNNEL2
ABZlg
芸備線
BHF
81.9 備後落合駅

木次線(きすきせん)は、島根県松江市宍道駅から広島県庄原市備後落合駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線地方交通線)である。

目次

[編集] 概要

宍道からすぐに峠を越えると、遡上する斐伊川沿いに屈曲しながら南下して川沿いの集落を結び、中国山地の高所を出雲坂根駅からのスイッチバックで越え、芸備線備後落合に達する。JR西日本で最も高い標高727mの地点を走る路線で、最高所の駅は三井野原駅である。

かつては広島・松江へ直通する急行「ちどり」などが運転され、陰陽連絡路線の一つとして機能していたが、道路整備の進展と自家用車・高速バスの隆盛に押され、1990年代以降その役割は失われた。

輸送密度は1日1000人程度、営業係数も300程度の赤字路線である。1980年代初頭の「第1次特定地方交通線」(輸送密度500人/日以上2000人/日未満)に指定され、廃止対象となる予定であったが、当時「沿線道路が未整備である」としてリストから除外された。

JR西日本のほかのローカル線と同様に、保守点検の合理化を目的とした25km/hの速度制限箇所がある。

[編集] 路線データ

  • 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者
  • 路線距離(営業キロ):81.9km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:18(起終点駅含む)
    • 木次線所属駅に限定した場合、山陰本線所属の宍道駅と芸備線所属の備後落合駅[1]が除外され、16駅となる。
  • 複線区間:なし(全線単線
    • 列車交換可能駅:5(加茂中駅・木次駅・出雲三成駅・出雲横田駅・出雲坂根駅)
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
  • 最高速度:
    • 宍道駅 - 木次駅間 75km/h
    • 木次駅 - 備後落合駅間 65km/h
  • 運転指令所:木次運輸指令所

両端の駅をのぞき、米子支社木次鉄道部の管轄である。宍道駅は米子支社の直轄、備後落合駅は岡山支社の管轄(備後落合駅の下り場内信号機が岡山支社との境界となっている)。

[編集] 沿線概況

中国地方きっての山岳路線であり、豪雨・豪雪による運休は少なくない。記録的な大雪を記録した2005年度(平成18年豪雪)には、出雲横田駅 - 備後落合駅間が2005年12月22日から2006年3月29日まで積雪を理由に終日運休した。また、2006年7月20日 - 同年7月27日も、豪雨による災害のため同様に運休となったほか、2012年1月4日からも積雪を理由に出雲横田駅 - 備後落合駅間で長期運休が続いている[2]

現在では並行する国道314号が整備され、出雲横田駅 - 備後落合駅間では大雨・大雪の際にはタクシーによる代行運行が頻繁になされる。これはこの区間は1日3往復と運行本数が少ないので、保線に費用を投じるよりも代行輸送の方が安上がりにすむことと、最大の難所であった出雲坂根駅 - 三井野原駅間で国道(「奥出雲おろちループ」区間、1992年4月開通)が整備されたためである。この国道整備を逆手に取り、トロッコ列車奥出雲おろち号」からループ道路を俯瞰する観光資源として存続させようとする努力も見られる。トロッコ列車の運行費は全額、沿線自治体の分担と県の補助金から拠出されている。

国道整備によって木次線の存続要因であった「沿線道路が未整備」という理由は解消され、木次線(特に1日に3往復しかない出雲横田駅 - 備後落合駅間)はいつ廃止されてもおかしくない状況になっている。ただし、同じく島根県・広島県境の超閑散路線である三江線と異なり、廃線の提案は今のところ浮上していない。

[編集] 運行形態

1990年3月9日までは急行「ちどり」の運行があったが、現在はすべて普通列車で、一部をのぞいてワンマン運転を実施している。

2011年3月12日改正時点で、全線通しの列車のほか宍道駅 - 木次駅・出雲横田駅間などに区間運転列車があり、宍道駅 - 木次駅間は1 - 2時間に1本程度、木次駅 - 出雲横田駅間は2 - 3時間に1本程度が運行されている。全線通しの列車は下り2本・上り1本で、これらを合わせて出雲横田駅 - 備後落合駅間は後述の「奥出雲おろち号」をのぞくと1日3往復のみである。2003年11月30日までは4往復が運行され、備後落合駅で夜間滞泊があった。

朝の1往復の列車は南宍道駅を通過する。朝には山陰本線に直通して松江駅まで運転される列車がある(逆方向はなし)。2001年3月2日までは米子駅まで直通する列車もあった。夜と翌朝の木次駅 - 出雲横田駅間の列車は土曜と日曜に運休する。保守工事のため日中の列車は宍道駅 - 木次駅間は第3日曜日、木次駅 - 備後落合駅間は第2木曜日に運休し、その場合出雲横田駅 - 備後落合駅間は1日2往復しか運行されない。

なお、木次駅や出雲横田駅などで行き違いによる長時間停車を行う列車が存在するため、所要時間は全線通しで2時間半から3時間程度かかるものもある。

1998年4月25日から行楽シーズンにトロッコ列車「奥出雲おろち号」が運転されている。2004年から2006年の夏には夕刻に増発便として最終列車の代わりに「奥出雲だんだんおろち号」が運転された。

[編集] 使用車両

キハ120形気動車(出雲坂根駅 2007年9月26日)

車両は1993年4月24日から、トロッコ列車「奥出雲おろち号」「奥出雲だんだんおろち号」をのぞく全列車が木次鉄道部所属のキハ120形気動車で運転されている。木次線には普通鋼製車体の200番台が3両、ステンレス製車体の0番台が5両の計8両が配置されている。

かつては、勾配向けな2基エンジンの強力車であるキハ52形気動車キハ53形気動車が主力であったほか、キハ40形気動車も使用されていた。蒸気機関車主力の時代には小型機関車のC56形が運用され、同機牽引による3両編成の夜行快速列車「夜行ちどり」の運転も行われた。キハ07形気動車(戦後型)の運用が、国鉄では最後となる1970年まで見られた路線でもある。

[編集] 高速化提案

2006年、広島の経済界を中心に、木次線と芸備線の高速化と、広島方面への直通列車の運行が提言されている[3]。ただし、木次線スイッチバックの解消方法などの具体的な方策に乏しいうえ、山陰本線津山線など近隣各線での高速化工事の先例においても必須であった地元の資金負担については、一切言及されていない。

木次線の沿線自治体はいずれも深刻な過疎化で財政は危機的状況にあり、資金負担は到底不可能であるうえ、提言を行った当の広島財界にも資金負担の意向は見られない。沿線住民からはこのような提案への認知度も乏しいのが実情で、高速化実現の可能性はきわめて低い。島根県も大規模な設備の改良が必要で費用も莫大となり、利用客が減少している状況では困難としている[4]

参考までに1990年3月まで木次線を走っていた急行「ちどり」の線内の表定速度は、線形が悪いうえ線内では三井野原駅と油木駅を連続で通過する以外は宍道駅から備後落合駅まで停車する駅と通過する駅とが交互に存在していたため40km/h程度で、『隔駅急行』と揶揄された。ただし下久野駅には当初は停車していなかった。

[編集] 歴史

  • 1916年大正5年)10月11日簸上鉄道(ひのかみてつどう)宍道駅 - 木次駅間(13.1M≒21.08km)が開業。加茂中駅・大東町駅(現在の出雲大東駅)・木次駅が開業。
  • 1918年(大正7年)2月11日:幡屋停留場が開業。
  • 1921年(大正10年)3月29日:幡屋停留場が駅に変更され、幡屋駅が開業。
  • 1930年昭和5年)4月1日:営業距離の単位をマイルからメートルに変更(13.1M→21.1km)。
  • 1932年(昭和7年)12月18日国鉄木次線 木次駅 - 出雲三成駅間 (20.4km) が開業。日登駅・下久野駅・出雲八代駅・出雲三成駅が開業。
  • 1934年(昭和9年)
    • 8月1日:簸上鉄道が国有化され、宍道駅 - 出雲三成駅間が木次線となる。大東町駅が出雲大東駅に改称。
    • 11月20日:出雲三成駅 - 八川駅間 (14.8km) が延伸開業。亀嵩駅・出雲横田駅・八川駅が開業。
  • 1937年(昭和12年)12月12日:八川駅 - 備後落合駅間 (25.6km) が延伸開業し全通。出雲坂根駅・油木駅が開業。
  • 1949年(昭和24年)12月24日:三井野原仮乗降場が開業。
  • 1953年(昭和28年)11月11日:米子駅 - 広島駅間に快速「ちどり」が運転開始。
  • 1955年(昭和30年)12月1日:米子駅 - 広島駅間に快速「夜行ちどり」が運転開始。
  • 1958年(昭和33年)9月1日:三井野原仮乗降場が駅に変更され、三井野原駅が開業。
  • 1959年(昭和34年)4月13日:快速「ちどり」「夜行ちどり」が準急に格上げ。
  • 1962年(昭和37年)
    • 1月1日:南宍道駅が開業。
    • 3月15日:準急「夜行ちどり」が「ちどり」に改称。
  • 1963年(昭和38年)10月1日:南大東駅が開業。
  • 1964年(昭和39年)10月1日:鳥取駅 - 広島駅間に準急「いなば」が運転開始。
  • 1966年(昭和41年)3月5日:準急「ちどり」「いなば」が急行に格上げ。
  • 1968年(昭和43年)10月1日:急行「いなば」が「ちどり」に統合。
  • 1980年(昭和55年)10月1日:急行「ちどり」のうち夜行列車が廃止。
  • 1982年(昭和57年)11月7日:全線の貨物営業が廃止。
  • 1983年(昭和58年)3月:出雲坂根駅 - 三井野原駅間で木次発備後落合行の単行列車が脱線し崖下に転落。6人負傷。キハ53 6が廃車。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。
  • 1990年平成2年)
    • 3月10日:急行「ちどり」の運転区間が備後落合駅 - 広島駅間に短縮され、木次線から急行列車がなくなる。
    • 6月1日:宍道駅(構内のぞく)- 備後落合駅(構内のぞく)間が米子支社から木次鉄道部の直轄になる[5]。ワンマン運転開始[6]
  • 1993年(平成5年)4月24日:使用車両がキハ120形気動車に統一[7]
  • 1998年(平成10年)4月25日:トロッコ列車「奥出雲おろち号」が運転開始[8]
  • 2001年(平成13年)
  • 2005年(平成17年)12月22日 - 2006年(平成18年)3月29日:大雪のため出雲横田駅 - 備後落合駅間が運休。
  • 2007年(平成19年)4月:木次駅 - 三井野原駅間の各駅の駅名に古事記日本書紀にちなむ愛称が付与される。
  • 2008年(平成20年)3月15日:最終列車の時刻が最大40分繰り上げ。
  • 2012年(平成24年)1月4日 - :大雪のため出雲横田駅 - 備後落合駅間が運休。代行タクシーを運転。運行再開は未定[2]

[編集] 駅一覧

  • 定期列車は全列車普通列車。基本的に全駅に停車するが、1往復のみ南宍道駅を通過する
  • 線路(全線単線) … ◇・◆・∨・∧:列車交換可能(◆はスイッチバック駅)、|:列車交換不可
駅名 駅の愛称 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 線路 所在地
宍道駅   - 0.0 西日本旅客鉄道山陰本線 島根県 松江市
南宍道駅   3.6 3.6  
加茂中駅   5.1 8.7   雲南市
幡屋駅   3.1 11.8  
出雲大東駅   2.1 13.9  
南大東駅   3.6 17.5  
木次駅 八岐大蛇(やまたのおろち) 3.6 21.1  
日登駅 素戔嗚尊(すさのおのみこと) 3.7 24.8  
下久野駅 動動(あよあよ) 6.7 31.5  
出雲八代駅 手摩乳(てなづち) 5.9 37.4   仁多郡
奥出雲町
出雲三成駅 大国主命(おおくにぬしのみこと) 4.1 41.5  
亀嵩駅 少彦名命(すくなひこなのみこと) 4.4 45.9  
出雲横田駅 奇稲田姫(くしいなだひめ) 6.4 52.3  
八川駅 脚摩乳(あしなづち) 4.0 56.3  
出雲坂根駅 天真名井(あめのまない) 7.0 63.3  
三井野原駅 高天原(たかまがはら) 6.4 69.7  
油木駅   5.6 75.3   広島県
庄原市
備後落合駅   6.6 81.9 西日本旅客鉄道:芸備線

宍道駅と木次駅がJR西日本直営駅であり、それ以外の駅は簡易委託駅もしくは無人駅である。ただし、簡易委託駅のうち加茂中駅・出雲大東駅・出雲三成駅・出雲横田駅の4駅にはPOS端末が設置されている。

[編集] 脚注

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  1. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年 ISBN 978-4533029806
  2. ^ a b 西日本旅客鉄道 (2012年1月6日), “1月7日以降の木次線列車運行計画について”, プレスリリース, http://www.westjr.co.jp/press/article/2012/01/page_1255.html 2012年1月30日閲覧。 
  3. ^ 道州制での広島地域交通で提言インターネット・アーカイブ)- 中国新聞、2006年1月27日。
  4. ^ JR木次線のスピード化について(インターネット・アーカイブ)- 島根県 ご意見募集2003年5月分より
  5. ^ 『データで見るJR西日本 2001』- 西日本旅客鉄道
  6. ^ 『JR気動車客車編成表』2011 交通新聞社 ISBN 978-4330220116
  7. ^ 『JR気動車客車編成表』'94年版 ジェー・アール・アール 1994年 ISBN 4-88283-115-5
  8. ^ 島根県内のJR線 - 島根県

[編集] 関連項目

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