吉備線

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JR logo (west).svg 吉備線
最上稲荷の大鳥居をバックに備中高松駅を発車するキハ47系。
最上稲荷の大鳥居をバックに
備中高松駅を発車するキハ47系。
路線総延長 20.4 km
軌間 1067 mm
停車場・施設・接続路線
1 2
1: 宇野線旧線 2: 宇野線
xKRZu KRZu
山陽新幹線
ABZqxr+r KRZo
山陽本線 岡山電気軌道東山本線岡山駅前駅
STRl+r STRrf
0.0 岡山駅 津山線
BHF
1.9 備前三門駅
BHF
3.3 大安寺駅
WBRÜCKE
笹ヶ瀬川
BHF
6.5 備前一宮駅
BHF
8.4 吉備津駅
eHST
9.7 常昌院
STR
 プール前仮停留場 1937
BHF
11.0
0.0
備中高松駅
exSTRrg eABZrf
exBHF STR
-
1.5
平山停留場 -1944
exKBHFe STR
-
2.4
稲荷山駅 -1944
exFUNI STR
中国稲荷山鋼索鉄道
BHF
13.4 足守駅
BHF
16.2 服部駅
BHF
18.8 東総社駅
exSTRrg eABZrf
井原鉄道井原線
xKRZ ABZql BHFq
20.4 総社駅 伯備線
exKBHFe
0.0 湛井駅 -1925

吉備線(きびせん)は、岡山県岡山市北区岡山駅から岡山県総社市総社駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線地方交通線)である。

概要[編集]

吉備線は、津山線と同じく中国鉄道(現在の中鉄バス)が開通させた路線である。現在は観光地として名高い吉備路を走る路線であるが、当初は高梁川の舟運と岡山とを連絡する目的で建設された。このため総社の市街地の北側をかすめ、高梁新見方面からの舟運との接続点であった湛井(『たたい』:現在の総社市井尻野)を終点としていた。のちに伯備線(当時の伯備南線)の建設により舟運が衰退することを見越し、湛井駅への路線を廃止し、東総社駅から同線の総社駅に至る路線へと変更している。津山線と同じく戦時買収の対象となり国有化され現在に至っている。

全線がIC乗車カードICOCA」の岡山・広島エリアの岡山・福山地区に含まれており[1]岡山支社が管轄している。岡山支社管内で独自に設定されているラインカラーはオレンジ()。

路線データ[編集]

  • 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者
  • 路線距離(営業キロ):20.4km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:10(起終点駅含む)
    • 吉備線所属駅に限定した場合、山陽本線所属の岡山駅と伯備線所属の総社駅[2]が除外され、8駅となる。
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式:自動閉塞式(特殊)
  • 運転指令所:岡山輸送指令室
  • 最高速度:85km/h

運行形態[編集]

吉備線は普通列車のみの運転で、一部列車を除いてワンマン運転が実施されている。2014年3月15日現在、全線を通して運転される列車は上りが28本、下りが29本ある。このほかにも岡山駅 - 備中高松駅間の区間運転が4往復運転されており、全線では毎時1 - 2本程度が運転されている。2013年のダイヤ改正までは、津山線法界院駅まで直通する列車も運行されていた。吉備線の岡山駅 - 総社駅間は20.4kmで、山陽本線伯備線経由の26.6kmよりも短いが、線路規格が低く非電化・単線であることから所要時間は長くかかる。

沿線には吉備津神社最上稲荷などがあることから、大晦日から元日にかけては初詣客のために終夜運転が行われている[3]。この終夜運転は戦前の中国鉄道時代から行われていたという。

昔ばなし列車[編集]

吉備線は桃太郎伝説が残る吉備国の中心を走行しており、吉備線開業100周年の記念イベントでは、2004年11月27日に備前三門駅 → 総社駅間のホームを舞台に見立て、桃太郎話と温羅伝説をもとした創作演劇が行われた[4]。これ以降、吉備線沿線に関連する物語のスポット放送を行う「昔ばなし列車」(定期列車)が運転される日があり、「まんが日本昔ばなし」の声優である常田富士男のナレーションにより放送(録音テープによる自動放送)が行われている[5][6][7]

使用車両[編集]

朝のラッシュ時には最大4両で運行されるキハ40系気動車(足守駅 - 服部駅間 2010年10月16日)

非電化であるため岡山気動車区気動車が使用されている。JRの前身である日本国有鉄道(国鉄)の時代からの継承されたキハ40・キハ47形が専ら使用されており、キハ120形などのJR発足後の新型車は2014年現在でも運用されていない。無煙化は1971年に達成されているが、1989年に瀬戸大橋線開業1周年記念のイベント列車として、蒸気機関車C56形160号機の牽引による「SL吉備路号」が岡山駅 - 総社駅間を走行したことがある。

歴史[編集]

  • 1904年明治37年)11月15日中国鉄道吉備線として岡山駅 - 湛井駅間(13.5M≒21.73km)が開業。三門駅(現在の備前三門駅)・一ノ宮駅(現在の備前一宮駅)・吉備津駅・稲荷駅(現在の備中高松駅)・足守駅・総社駅(現在の東総社駅)・湛井駅が開業。
  • 1908年(明治41年)4月20日:服部駅が開業。
  • 1911年(明治44年)5月1日稲荷山線 稲荷駅 - 稲荷山駅間(1.5M≒2.41km)が開業。平山停留場・稲荷山駅が開業。
  • 1912年(明治45年)4月1日:稲荷山線 平山停留場が廃止。
  • 1914年大正3年)2月25日:大安寺仮停留場が開業。
  • 1915年(大正4年)7月1日:大安寺仮停留場が大安寺停留場に変更。
  • 1916年(大正5年)2月1日:一ノ宮駅が備前一宮駅に改称。
  • 1925年(大正14年)
    • 2月17日:総社駅 - 湛井駅間(1.7M≒2.74km)が廃止。湛井駅が廃止。
    • 8月7日:総社駅 - 西総社駅間(0.9M≒1.45km)が延伸開業。国鉄西総社駅(現在の総社駅)に乗り入れ。
  • 1928年昭和3年)11月23日:大安寺停留場が大安寺駅に変更。
  • 1930年(昭和5年)4月1日:営業キロの単位がマイルからメートルに変更(吉備線 12.7M→20.5km、稲荷山線 1.5M→2.4km)。
  • 1931年(昭和6年)2月9日:稲荷駅が備中高松駅に改称。
  • 1937年(昭和12年)
    • 7月10日:吉備津駅 - 備中高松駅間に常昌院プール前仮停留場が開業。
    • 9月1日:常昌院プール前仮停留場が廃止。
  • 1944年(昭和19年)
    • 1月10日:稲荷山線 備中高松駅 - 稲荷山駅間休止。
    • 6月1日:中国鉄道の鉄道部門が国有化され、吉備線となる[8](中国鉄道はバス事業者の中鉄バスとして現存)。休止中の稲荷山線 (2.4km) が廃止。吉備線全線改キロ (-0.1km)。三門駅が備前三門駅に改称。
  • 1959年(昭和34年)
    • 10月1日:総社駅が東総社駅に改称。
    • 11月1日:西総社駅が総社駅に改称。
  • 1968年(昭和43年)9月30日列車集中制御装置 (CTC) が導入される[9]
  • 1970年(昭和45年)2月1日:全線の貨物営業が廃止。
  • 1971年(昭和46年)3月25日:蒸気機関車の運用が廃止され、ディーゼル機関車[9]
  • 1982年(昭和57年)6月21日:客車の運用が廃止され、気動車化[9]
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。
  • 1991年平成3年)4月1日:岡山支社の管轄から備中鉄道部の管轄に変更[10]。ワンマン運転開始[10]
  • 年月日不明:備中鉄道部が廃止され、岡山支社の直轄になる[11]
  • 2007年(平成19年)9月1日:全区間で「ICOCA」の利用エリアになる[12][13]

LRT化の検討[編集]

2003年にJR西日本は将来的に吉備線を路面電車化し、ライトレール (LRT) への転換を検討していると発表した[14][15]。これは吉備線が岡山市内を走っており、LRT 化して駅数を増やせば乗客の増加が望めるというものである。同時に岡山電気軌道との相互乗り入れを行うなどさまざまな構想も浮かんでいる。

しかし同時に発表された富山港線の LRT 化が2006年に実現しているのに対して、吉備線は非電化のため架線柱の建植や変電所用地の確保などインフラ整備にかかる費用がかさむ上、地元自治体がJRからの経営切り離しを危惧するなど消極的なこともあり、5年以上経過した時点においても具体化の動きはほとんどなく検討事項に留まっていた。そのような中、岡山市は2010年度中にJR西日本と具体的な協議に入ることを2010年2月17日に明らかにした[16]。また、2014年に入り、沿線住民がLRT化の要望書を岡山市に提出している[17]

駅一覧[編集]

  • 全列車普通列車(全駅に停車)
  • 線路(全線単線) … ◇・∧:列車交換可能、|:列車交換不可
  • 全駅岡山県内に所在
駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 線路 所在地
岡山駅 - 0.0 西日本旅客鉄道山陽新幹線山陽本線赤穂線[* 1]伯備線[* 1]宇野線瀬戸大橋線)・津山線
岡山電気軌道東山本線 …岡山駅前駅
岡山市
北区
備前三門駅 1.9 1.9  
大安寺駅 1.4 3.3  
備前一宮駅 3.2 6.5  
吉備津駅 1.9 8.4  
備中高松駅 2.6 11.0  
足守駅 2.4 13.4  
服部駅 2.8 16.2   総社市
東総社駅 2.6 18.8  
総社駅 1.6 20.4 西日本旅客鉄道:伯備線
井原鉄道井原線
  1. ^ a b 赤穂線の正式な終点は山陽本線東岡山駅、伯備線の正式な起点は山陽本線倉敷駅だが、旅客列車は両線とも岡山駅に乗り入れている

岡山駅と総社駅をのぞいて、JR西日本直営駅は存在しない。中間駅のうち、備中高松駅のみジェイアール西日本岡山メンテックによる業務委託駅、それ以外の7駅は無人駅である。

廃止区間[編集]

( )内は起点からの営業キロ。

東総社駅 - 湛井駅[編集]

1925年廃止
東総社駅 (0.00km) - 湛井駅 (2.74km)
  • 湛井駅は開通時の終点で、高梁川のほとりにあり、高梁川水運とのジャンクションを形成していた。

稲荷山線[編集]

1944年廃止(旧・中国鉄道稲荷山線)
備中高松駅 (0.0km) - 平山停留場(約1.5km) - 稲荷山駅 (2.4km)
  • 終点稲荷山駅から徒歩で中国稲荷山鋼索鉄道に連絡していた。当初はこの路線のみ762mm軌間であったが、のちに吉備線と直通できるよう1067mmに改軌されている。
  • 国有化時に吉備線の一部として廃止された。

廃駅[編集]

  • 常昌院プール前仮停留場:1937年廃止、吉備津駅 - 備中高松駅間(岡山駅起点約9.7km)

脚注[編集]

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  1. ^ ご利用可能エリア 岡山・広島エリア|ICOCA|ICOCA:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
  2. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6
  3. ^ 冬季臨時列車の運転について (PDF)インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年10月16日
  4. ^ 吉備線開業100周年記念イベント(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年10月27日
  5. ^ 吉備線「昔ばなし列車」の運転(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2006年9月19日
  6. ^ 吉備線「昔ばなし列車」の運転について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年8月22日
  7. ^ 吉備線「昔ばなし列車」の運転について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年8月25日
  8. ^ 「運輸通信省告示第250号」『官報』1944年5月27日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ a b c 吉備線100年の歩み (PDF) (インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道
  10. ^ a b ジェー・アール・アール『JR気動車客車編成表 2011』交通新聞社、2010年。ISBN 978-4-330-14710-9
  11. ^ データで見るJR西日本 2007』には記載されているが、『データで見るJR西日本 2008』には記載されていない
  12. ^ 岡山・広島エリアに「ICOCA」デビュー!(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2007年8月8日
  13. ^ 岡山・広島エリアへICカード乗車券「ICOCA」を導入します(インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2006年5月24日
  14. ^ JR西日本、路面電車化を検討 富山港線と吉備線で(インターネット・アーカイブ)- 朝日新聞 2003年2月26日
  15. ^ ローカル線を路面電車に JR西、吉備線などで検討 - 共同通信 2003年2月26日
  16. ^ 吉備線LRT化でJRと協議へ 岡山市 平面交差道路も着工 - 山陽新聞 2010年2月17日
  17. ^ JR吉備線 LRT導入を住民が要望 - 山陽放送、2014年2月17日

参考文献[編集]

関連項目[編集]