石北本線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
JR北海道 石北本線
厳冬の石北本線を走行する特急「オホーツク」2004年1月12日 安国駅 - 生野駅間
厳冬の石北本線を走行する特急「オホーツク
2004年1月12日 安国駅 - 生野駅
石北本線の路線図
路線総延長 234.0 km
軌間 1067 mm
最高速度 95 km/h

石北本線(せきほくほんせん)は、北海道旭川市新旭川駅から北見市北見駅を経て、網走市網走駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線地方交通線)である。

目次

[編集] 路線データ

全区間が北海道旅客鉄道旭川支社の管轄である。

[編集] 運行形態

新旭川駅が起点だが、すべての普通・快速列車が旭川駅まで、特急列車は札幌駅まで乗り入れている。

※運行本数は2007年10月1日現在。

[編集] 地域輸送

おおむね、「旭川駅 - 上川駅間」・「上川駅・白滝駅 - 遠軽駅間」・「遠軽駅・留辺蘂駅 - 北見駅 - 網走駅間」で運行系統が分けられる。特別快速「きたみ」を含むすべての列車がワンマン運転を行っている。

[編集] 旭川駅 - 上川駅間

線路名称上の起点は新旭川駅だが、列車は旭川駅を起点に運転される。上川までは旭川市の近郊区間で、1日8往復程度の普通列車が設定され、日中を除き1 - 2時間に1本の運行となっている。また旭川駅 - 東旭川駅当麻駅伊香牛駅間の系統もある。上川駅への留置は行わないため、朝・夜には旭川駅 - 上川駅間に回送列車が設定されている。

[編集] 上川駅 - 白滝駅 - 遠軽駅間

上川駅 - 白滝駅間は、特急「オホーツク」と特別快速「きたみ」を除くと、普通列車が1日1往復(上川発網走行きと、遠軽発旭川行きが各1本)の運転である。石勝線とは異なり、乗車券のみで特急に乗れる特例は設定されていない。この区間は人口希薄地帯で、民営化後に3駅が廃止または信号場に格下げとなっている。白滝駅 - 遠軽駅間は普通列車と「きたみ」で合わせて5往復の運転があるが、旧白滝駅・下白滝駅は1日下り1本、上り3本しか停車しない。

[編集] 遠軽駅 - 北見駅 - 網走駅間

遠軽駅 - 北見駅・網走駅間に普通列車が4往復あり、ほかに遠軽駅 - 生田原駅間の区間列車が設定されている。生田原駅 - 金華駅間は、普通列車と「きたみ」で1日5往復の運転である。

金華駅以東は、北見・網走を中心としたダイヤになっており、金華駅・留辺蘂駅・東相内駅から北見駅または網走駅まで運行する系統も多い。金華駅折り返しは西留辺蘂駅を使う生徒の便宜を図って、折り返し設備を活用して運行している。留辺蘂駅 - 網走駅間では日中を除き1 - 2時間に1本の運行となっている。また一部の列車は釧網本線知床斜里駅緑駅まで直通する。「きたみ」は上下ともに北見駅で網走・知床斜里方面の普通列車と接続するダイヤが組まれている。

1990年9月1日から1995年の間、遠軽駅 - 北見駅 - 網走駅間で快速「あばしり」が1日1往復運転されていた。

かつて運行されていた快速「あばしり」 - 網走駅(1993年2月)

[編集] 広域輸送

札幌駅 - 網走駅間に特急「オホーツク」が4往復運転される。観光シーズン時にはさらにリゾート車両などで臨時特急が運転される場合がある。旭川駅 - 北見駅間には特別快速「きたみ」が1往復運転されており、この列車は当麻駅に停車する。

[編集] 貨物列車

毎年秋から翌年春にかけて、沿線で収穫された農産物輸送用として臨時貨物列車が北見 - 新旭川間に運行されている(新旭川駅より宗谷本線に乗り入れ北旭川駅まで運行)。牽引機関車はDD51形ディーゼル機関車で、かつては重連牽引だった。途中遠軽・新旭川両駅で2度進行方向が変わるため、重連牽引時代は遠軽・新旭川両駅で機回し(機関車を後方から先頭部へ付け替えること)をしていたが、現在はその手間を省くためコンテナ車の前後に機関車を連結する「プッシュプル方式」に改められている。かつては1日3往復運転されていたが、機関車の老朽化などの問題により2010年度より2往復に減便され、2011年度からは1往復体制となっている。また、2012年春をもって当列車を廃止にすることがJR貨物で検討されていたが、2014年まで存続させることが発表された。

[編集] 使用車両

以下に示す車両は全て気動車である。

[編集] 歴史

特別快速きたみが越える春の常紋峠付近(金華 - 常紋信号場間)、複雑な地形を縫うように走る(2006年4月8日)

石北本線は、北見・網走を目指して建設された複数の路線を繋ぎ合わせたものである。一つ目は名寄から興部、遠軽を経て北見に至る湧別線ルート、二つ目は十勝地方の池田から北見、網走に至る網走本線ルート、三つ目は旭川から北見峠を越えて遠軽を短絡する石北線ルートである。1932年に難所だった北見峠を越える石北線が全通して、旭川から北見・網走方面を結ぶ最短経路の鉄道が開通した。

当初、札幌方面と北見を結ぶルートは札幌駅 - 旭川駅 - 富良野駅 - 池田駅 - 北見駅のルートであり、その後根室本線滝川駅 - 富良野駅間の開通でさらに短絡化された。のち名寄本線が開通して少し短絡され、その後石北本線の全通により現在のルートが最短となった。

石北本線が名実ともに現在の形となるのは、1961年に線区の整理統合が行われてからである。現在も遠軽駅の線形スイッチバックであることが、石北本線の複雑な生い立ちを物語っている。

この鉄道の歴史を語るうえで忘れてならないのは、留辺蘂町(現・北見市)から生田原町(現・遠軽町)にかけての常紋トンネルの工事である。建設にあたって人柱が立てられ、実際にトンネル内から人骨が発掘されたという報告があり、それに纏わる怪談話も少なからず伝えられている。

[編集] 年表

[編集] 新旭川 - 中越間

  • 1922年(大正11年)11月4日 石北線として新旭川 - 愛別間が開業、同区間に新旭川・東旭川・桜岡・当麻・愛別駅を新設
  • 1923年(大正12年)11月15日 愛別 - 上川間が延伸開業し同区間に中愛別・安足間・上川駅を新設
  • 1927年(昭和2年)10月10日 新旭川 - 上川間を石北西線に線名改称
  • 1929年(昭和4年)11月20日 上川 - 中越間が延伸開業し同区間に天幕・中越駅を新設

[編集] 中越 - 遠軽間

  • 1927年(昭和2年)10月10日 遠軽 - 丸瀬布間が石北東線として開業し同区間に瀬戸瀬・丸瀬布駅を新設
  • 1929年(昭和4年) 8月12日 丸瀬布 - 白滝間が延伸開業し同区間に下白滝・白滝駅を新設
  • 1932年(昭和7年)10月1日 中越 - 白滝間が延伸開業し同区間に上越・奥白滝・上白滝駅を新設、湧別線の遠軽 - 野付牛間を編入して新旭川 - 野付牛間を石北線と線名改称

[編集] 遠軽 - 野付牛(北見)間

常紋トンネル工事殉職者追悼碑
  • 1912年(大正元年)11月18日 湧別軽便線の野付牛 - 留辺蘂間が開業し同区間に相ノ内・上相ノ内・留辺蘂駅を新設
  • 1914年(大正3年)10月5日 野付牛 - 留辺蘂間を留辺蘂軽便線と改称。湧別軽便線(軌間762mm)の留辺蘂 - 下生田原間が開業し同区間に奔無加・上生田原・下生田原駅および常紋信号所を新設
  • 1915年(大正4年)11月1日 湧別軽便線の下生田原 - 遠軽( - 社名淵)間が延伸開業し、同区間に遠軽駅を新設
  • 1916年(大正5年)11月7日 留辺蘂 - 遠軽間を1067mmに改軌、野付牛 - 遠軽 - 下湧別を湧別軽便線として路線統合
  • 1922年(大正11年)4月1日 常紋信号所を信号場に変更
    • 9月2日 軽便鉄道法廃止により湧別線に線名改称
    • 10月1日 遠軽 - 野付牛を区間分離し石北線に編入

[編集] 野付牛(北見) - 網走間

  • 1911年(明治44年)9月25日 網走線の淕別 - 野付牛間開業にともない野付牛駅を新設
  • 1912年(大正元年)10月5日 網走線の野付牛 - 網走間が延伸開業し池田 - 網走間全通、同区間に端野・緋牛内・美幌・女満別・網走駅を新設
    • 11月18日 池田 - 野付牛 - 網走間を網走本線に改称
  • 1923年(大正12年)9月1日 呼人駅を新設
  • 1932年(昭和7年)12月1日 網走を(貨)浜網走に駅名改称、網走(2代)を既設線上に新設、網走 - 浜網走 (0.8km) を網走本線(貨物支線)として区間分離

[編集] 全通後

常紋峠付近を走る蒸気機関車(1971年4月)
  • 1934年(昭和9年)2月5日 上相ノ内を相ノ内・相ノ内を東相ノ内に改称
  • 1942年(昭和17年)10月1日 野付牛を北見に改称
  • 1946年(昭和21年)3月1日 下生田原を安国・上生田原を生田原に改称
    • 12月1日 野上・生野仮乗降場を新設
  • 1947年(昭和22年)2月11日 旧白滝・旭野仮乗降場を新設
  • 1948年(昭和23年)11月1日 鳥ノ沢仮乗降場を新設
  • 1950年(昭和25年)1月15日 旭野仮乗降場を西女満別駅に変更・改称
    • 11月1日 下相ノ内仮乗降場を新設
  • 1951年(昭和26年)7月20日 奔無加を金華に改称
  • 1956年(昭和31年)11月1日 伊奈牛仮乗降場を新設
  • 1957年(昭和32年)12月1日 柏陽仮乗降場を新設
  • 1960年(昭和35年)5月2日 北日ノ出・将軍山・愛山・東雲仮乗降場を新設
  • 1961年(昭和36年)4月1日 網走本線として北見 - 網走間及び網走 - 浜網走間(貨物支線)を分離、石北線と統合して新旭川 - 網走 (234.0km)、貨物支線 (0.8km) を石北本線に改称
  • 1967年(昭和42年)10月1日 下相ノ内仮乗降場を廃止
    • 11月15日 野上仮乗降場を新栄野に改称
  • 1969年(昭和44年)11月1日 網走 - 浜網走間(貨物支線)を改キロ(0.8km→1.3km)
  • 1971年(昭和46年)7月1日 鳥ノ沢仮乗降場を廃止
  • 1975年(昭和50年)12月25日 上越駅を信号場(仮乗降場)に変更(のち仮乗降場扱いも停止)
  • 1980年(昭和55年)10月1日 東旭川 - 北旭川間の貨物支線 (6.2km) 開業
  • 1983年(昭和58年)1月10日 新旭川 - 網走間CTC使用開始、同時に桜岡・伊香牛・中愛別・天幕・中越・奥白滝・上白滝・下白滝・瀬戸瀬・安国・金華・緋牛内・西女満別・呼人駅を無人化
  • 1984年(昭和59年)2月1日 網走 - 浜網走間の貨物支線を廃止 (-1.3km)
  • 1984年(昭和59年)11月10日 東旭川・当麻・愛別・安足間・白滝・丸瀬布・生田原・相ノ内・東相ノ内・端野・女満別駅を無人化
  • 1986年(昭和61年)11月1日 東旭川 - 北旭川間の貨物支線を休止 (-6.2km)、南永山・西北見・愛し野臨時乗降場を新設、上川 - 白滝間で普通列車を1往復に削減、白滝 - 遠軽間の最終を2時間近く繰り上げ
  • 1987年(昭和62年)4月1日 北見 - 美幌間の貨物営業を廃止、東旭川 - 北旭川間の貨物支線を廃止 (-6.2km) 、国鉄分割民営化に伴い北海道旅客鉄道(第1種)、日本貨物鉄道(第2種:新旭川 - 北見・美幌 - 網走)が承継、南永山・西北見・愛し野臨時乗降場を駅に変更、北日ノ出・将軍山・愛山・旧白滝・東雲・伊奈牛・新栄野・生野・柏陽仮乗降場を駅に変更
  • 1990年(平成2年)9月1日 伊奈牛駅を廃止
  • 1992年(平成4年)3月14日 全線で普通列車のワンマン運転開始
  • 1997年(平成9年)4月1日 相ノ内を相内、東相ノ内→東相内に改称
  • 2000年(平成12年)4月1日 西留辺蘂駅を新設
  • 2001年(平成13年)7月1日 天幕駅を廃止、中越・奥白滝駅を信号場に変更
  • 2002年(平成14年)4月1日 日本貨物鉄道の美幌 - 網走間の第二種鉄道事業を廃止 (-27.9km)
  • 2003年(平成15年)3月1日 旭川 - 上川間で最終を5分ほど繰り上げ
  • 2006年(平成18年)3月18日 新栄野駅を廃止
  • 2007年(平成19年)3月1日 緋牛内 - 美幌間の踏切内に進入したトレーラーに普通列車が衝突して脱線。卒業式に向かう乗客・乗務員ら51人が負傷
  • 2007年(平成19年)10月1日 全区間で駅ナンバリングを実施

[編集] 駅一覧

便宜上、新旭川側の全列車が乗り入れる宗谷本線旭川駅 - 新旭川駅間も合わせて記載する。

  • 駅名 … ◇:貨物取扱駅
  • 停車駅
    • 普通・特別快速「きたみ」…●印の駅は全列車停車、▲印の駅は一部の列車が通過、|印の駅は全列車通過
    • 特急…「オホーツク (列車)」参照
  • 線路 … ∥:複線区間、∨:ここより下は単線、◇・◆・|:単線区間(◇は列車交換可能、◆はスイッチバック駅)
  • 全駅北海道内に所在
路線名 駅番号 駅名 駅間営業キロ 新旭川
からの

営業
キロ
普通 特快きたみ 接続路線・備考 線路 所在地
A28 旭川駅 - 3.7 北海道旅客鉄道函館本線富良野線 旭川市
A29 旭川四条駅 1.8 1.9  
A30 新旭川駅 1.9 0.0 北海道旅客鉄道:宗谷本線名寄方面)
石北本線
A31 南永山駅 2.5 2.5  
A32 東旭川駅 2.7 5.2  
A33 北日ノ出駅 2.1 7.3  
A34 桜岡駅 2.9 10.2  
A35 当麻駅 3.7 13.9   上川郡
当麻町
A36 将軍山駅 3.5 17.4  
A37 伊香牛駅 2.1 19.5  
A38 愛別駅 6.4 25.9   上川郡
愛別町
A39 中愛別駅 6.1 32.0  
A40 愛山駅 4.0 36.0  
A41 安足間駅 2.0 38.0  
A42 東雲駅 2.4 40.4   上川郡
上川町
A43 上川駅 4.5 44.9  
  中越信号場 - 57.2  
  上越信号場 - 64.9  
  奥白滝信号場 - 73.9   紋別郡
遠軽町
A44 上白滝駅 34.0 78.9  
A45 白滝駅 3.3 82.2  
A46 旧白滝駅 6.1 88.3  
A47 下白滝駅 4.4 92.7  
A48 丸瀬布駅 9.2 101.9  
A49 瀬戸瀬駅 7.8 109.7  
A50 遠軽駅 11.1 120.8  
A51 安国駅 8.0 128.8  
A52 生野駅 3.9 132.7  
A53 生田原駅 5.0 137.7  
  常紋信号場 - 148.0 使用停止中 北見市
A54 金華駅 15.0 152.7  
A55 西留辺蘂駅 3.5 156.2  
A56 留辺蘂駅 2.0 158.2  
A57 相内駅 10.9 169.1  
A58 東相内駅 4.6 173.7  
A59 西北見駅 2.6 176.3  
A60 北見駅 4.7 181.0  
A61 柏陽駅 2.7 183.7    
A62 愛し野駅 2.2 185.9    
A63 端野駅 1.4 187.3    
A64 緋牛内駅 7.3 194.6    
A65 美幌駅 11.5 206.1     網走郡
美幌町
A66 西女満別駅 7.0 213.1     網走郡
大空町
A67 女満別駅 5.0 218.1    
A68 呼人駅 7.8 225.9     網走市
A69 網走駅 8.1 234.0   北海道旅客鉄道:釧網本線
  • ※:旭川駅 - 新旭川駅間は宗谷本線

[編集] かつて旅客駅だった信号場

  • 中越信号場 : 旧・中越駅、2001年旅客扱い廃止
  • 上越信号場 : 旧・上越駅、1975年旅客扱い廃止
  • 奥白滝信号場 : 旧・奥白滝駅、2001年旅客扱い廃止
  • 常紋信号場 : 旧・常紋仮乗降場、1975年旅客扱い廃止

[編集] 廃駅

括弧内は新旭川駅からの営業キロ。

  • 天幕駅 : 2001年廃止、上川駅 - 中越信号場間 (50.5km)
  • 伊奈牛駅 : 1990年廃止、丸瀬布駅 - 瀬戸瀬駅間 (104.8km)
  • 新栄野駅 : 2006年廃止、瀬戸瀬駅 - 遠軽駅間 (113.0km)

[編集] 廃止区間

貨物線(短絡線)
東旭川駅 - 北旭川駅 (6.2km)
実際には国道39号陸橋下の地点から北旭川までの数百メートル程度の短絡線でスノーシェルターがあった。
貨物線
網走駅 - 浜網走駅 (1.3km)

[編集] 過去の接続路線

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ a b 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年

[編集] 関連項目


個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語