信号場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

信号場(しんごうじょう)とは、鉄道路線において、分岐器(ポイント)や信号設備が設けられていて運転扱いは行われるが、旅客や貨物の取扱を行わない停車場である。事業者によっては、信号所(しんごうしょ・しんごうじょ)やその他の名称が付されていることもある。

岩木信号場列車交換のためのもの(類型2)。このように駅施設はなく、この部分だけ線路が複線になっている。

目次

概要[編集]

信号場とは、停車場として構内には分岐器(ポイント)や信号設備が設けられて運転扱いが行なわれるが、原則として旅客の乗降を取扱わない停車場のことである。「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」第2条第8号は、「専ら列車の行き違い又は待ち合わせを行うために使用される場所をいう。」と規定している。

乗降を扱う駅ではなく信号場として設置される理由としては、隣駅に近すぎること、利用客が見込めないこと、用地が不足すること、またはその他の運転上の理由があることなどがある。

信号場のバリエーション[編集]

国鉄においては、貨物扱いのある信号場(赤穂線西浜信号場など)や、「仮乗降場」(実際は営業キロを設定しない臨時駅扱い)を兼ねることで旅客の乗降を扱った信号場も存在した。その多くは、1987年4月1日JR発足とともにに格上げされた。

最初から信号場として設置されてそのまま存続している場所のほか、旅客扱いを開始して信号場から駅に変更されるもの、逆に旅客・貨物扱いを廃止して駅から信号場に変更される例も存在する。 前者は和歌山線五位堂信号場(→JR五位堂駅)や東京メトロ東西線下妙典信号所(→妙典駅)などで、この場合は沿線宅地化による地元からの要望によるものが多い。また、後者は石勝線楓駅(→楓信号場)などで、この場合は過疎化の進行により、利用者がほぼ皆無となったことや国鉄末期の貨物縮小によるものが多い。

類型[編集]

信号場が設置される類型としては、主に次のものがあげられるが、複数の類型が複合しているもの、スイッチバック構造となっているものも存在する。

  1. 線路の分岐点に設けられるもの。
  2. 単線区間において、列車の行違い(交換)のために設けられるもの。列車追い抜き機能を持つ場合もある。
  3. 単線区間と複線区間、および複線区間と複々線区間(三線区間などを含む)の接点に設けられるもの。
  4. 複線区間において、列車の追い抜きのために設けられるもの。
  5. 単線区間であり単線自動閉塞方式以外の閉塞方式の場合において、閉塞の境界をつくるために設けられるもの。
  6. 複線区間において、橋の架け替えやトンネル改修のため、上下のうち片方の線路を使用停止してもう片方だけを使用するために設けられたもの(単線と複線の境目ではなく、信号場内だけが単線になっている)。
  7. 列車留置並びに列車折り返しのため。
  8. その他

現存する日本の信号場一覧[編集]

JR[編集]

北海道旅客鉄道[編集]

東日本旅客鉄道[編集]

東海旅客鉄道[編集]

西日本旅客鉄道[編集]

四国旅客鉄道[編集]

九州旅客鉄道[編集]

日本貨物鉄道[編集]

民鉄・第三セクター[編集]

関東鉄道[編集]

上信電鉄[編集]

北越急行[編集]

東武鉄道[編集]

京成電鉄[編集]

京葉臨海鉄道[編集]

西武鉄道[編集]

小田急電鉄[編集]

相模鉄道[編集]

  • 相模国分信号所本線・厚木線 かしわ台 - 海老名・厚木間(類型1:厚木線は旧貨物線。厚木駅脇の電留線へと分岐)

京浜急行電鉄[編集]

東京臨海高速鉄道[編集]

江ノ島電鉄[編集]

箱根登山鉄道[編集]

豊橋鉄道[編集]

名古屋鉄道[編集]

名古屋臨海高速鉄道[編集]

養老鉄道[編集]

三岐鉄道[編集]

信楽高原鐵道[編集]

近畿日本鉄道[編集]

京阪電気鉄道[編集]

南海電気鉄道[編集]

阪急電鉄[編集]

阪神電気鉄道[編集]

神戸電鉄[編集]

智頭急行[編集]

土佐電気鉄道[編集]

西日本鉄道[編集]

甘木鉄道[編集]

肥薩おれんじ鉄道[編集]

公営鉄道[編集]

公営鉄道には信号場は現存していない。

過去に存在した信号場一覧[編集]

国鉄・JR[編集]

JRグループの項目ではJR化以後に廃止された信号場について記述する。

北海道旅客鉄道[編集]

  • 仁山信号場→仁山駅函館本線(類型2)
  • 東山信号場→東山駅:函館本線(類型2)国鉄時代に仮乗降場も兼ねる
  • 姫川信号場→姫川駅:函館本線(類型2)国鉄時代に仮乗降場も兼ねる
  • 桂川信号場→桂川駅:函館本線(類型2)
  • 本石倉信号場→本石倉駅:函館本線(類型2)国鉄時代に仮乗降場も兼ねる
  • 鷲ノ巣信号場→鷲ノ巣駅:函館本線(類型2→類型3)
  • 北豊津信号場→北豊津駅:函館本線(類型2→類型3)
  • 豊沼信号場→豊沼駅:函館本線(類型1)
  • 渡島沼尻信号場→渡島沼尻駅:函館本線(砂原支線)(類型2)
  • 新湯の里信号場→知内駅海峡線(類型4)
  • 小幌信号場→小幌駅室蘭本線(類型2→類型3)
  • 北舟岡信号場→北舟岡駅:室蘭本線(類型2)
  • 古瀬信号場→古瀬駅根室本線(類型2)
  • 旭浜信号場→旭浜駅:室蘭本線(類型2)国鉄時代に仮乗降場も兼ねる 2006年3月18日廃止

東日本旅客鉄道[編集]

東海旅客鉄道[編集]

西日本旅客鉄道[編集]

四国旅客鉄道[編集]

九州旅客鉄道[編集]

日本貨物鉄道[編集]

日本国有鉄道[編集]

国鉄時代に廃止した信号場のみ記述する。

JR北海道エリア[編集]

(仮)は仮乗降場としての営業も確認

JR東日本エリア[編集]

(仮)は仮乗降場としての営業も確認

JR東海エリア[編集]
JR西日本エリア[編集]
JR四国エリア[編集]
  • 三秋信号場:予讃本線(現・予讃線) 向井原 - 高野川間(類型2)
  • 大王信号場:土讃本線(現・土讃線)大杉 - 土佐北川間(類型2:新線切替に伴い廃止)
  • 笹場信号場:土讃本線(現・土讃線) 土佐久礼 - 影野間(類型2:スイッチバック)
JR九州エリア[編集]
JR貨物エリア[編集]

民鉄・第三セクター[編集]

鹿島鉄道[編集]

関東鉄道→筑波鉄道[編集]

  • 真鍋信号所 : 土浦 - 新土浦間 (類型1 : 真鍋機関区への入出庫のため。関東鉄道での変遷は一般駅→貨物駅→信号所)

富山地方鉄道[編集]

東武鉄道[編集]

西武鉄道[編集]

京成電鉄[編集]

北総鉄道[編集]

  • 新鎌ヶ谷信号所→新鎌ヶ谷駅北総線(類型1、7:列車留置並びに新京成電鉄線への接続のため)

帝都高速度交通営団・東京地下鉄[編集]

東京急行電鉄[編集]

江ノ島電鉄[編集]

  • 藤が谷信号場:江ノ島電鉄線 柳小路 - 鵠沼暫定駅間(類型2:鵠沼駅新築工事時に暫定的に設置)

ドリーム開発[編集]

遠州鉄道[編集]

名古屋鉄道[編集]

近畿日本鉄道[編集]

京阪電気鉄道[編集]

阪急電鉄[編集]

  • 高槻東信号所:京都線 上牧 - 高槻市間(類型7:列車留置並びに列車折り返しのため・高槻市駅高架工事時に暫定的に設置)

阪神電気鉄道[編集]

  • 千船信号場:本線 千船 - 杭瀬間(類型4:高架工事中に暫定的に設置)

南海電気鉄道[編集]

  • 加賀田信号所:高野線 現在の美加の台駅(類型2:最晩年は類型3)
  • 粉浜信号所:南海線 現在の岸里玉出駅 - 粉浜駅間
  • 妻信号所:高野線 現在の橋本駅 - 紀伊清水駅間(類型1)

高松琴平電気鉄道[編集]

公営鉄道[編集]

東京都交通局(都営地下鉄)[編集]

  • 汐留信号所 (初代)→新橋駅浅草線(類型7:列車折り返しのため)
  • 汐留信号所 (2代)→汐留駅大江戸線(類型7:列車留置並びに列車折り返しのため)

信号場ではないが信号場に近似するもの[編集]

  • 鹿島サッカースタジアム駅:JR東日本鹿島線鹿島臨海鉄道大洗鹿島線鹿島臨港線
    臨時駅とも取れるが、通常は旅客扱いを行わず、(類型1)のJR鹿島線と鹿島臨海鉄道大洗鹿島線・鹿島臨港線の境界、(類型2)の単線区間の交換、(類型7)の列車留置に利用され、貨物駅や、旅客列車については信号場として機能している。
  • 尾久車両センターへの出入庫線分岐:JR東日本東北本線宇都宮線) 上野 - 尾久間
    列車ダイヤや乗務員用の運転時刻表などでは井堀信号場と呼ばれ、鉄道ファンにも浸透し、(類型1)の車両基地への分岐する信号場とも取れるが、尾久駅構内の扱いであり、法令上の信号場ではない[2]
  • 宮原操車場:JR西日本東海道本線貨物支線(北方貨物線
    操車場そのものは宮原運転所との統合で「宮原総合運転所」に改組されたが、北方貨物線から運転所への分岐点にあたる停車場として「宮原操車場」の名称が残っている(類型1)。そのため操車場を名乗っているが事実上信号場ともいえる。
  • 防府貨物駅:JR西日本山陽本線 ※過去
    元々旅客扱いは行われておらず、貨物駅としても1998年の自動車代行駅への格下げで機能しなくなったが、それ以降も閉塞を分割する事実上の信号場として機能していた。しかし2010年までに閉塞境界としての機能も喪失した。

日本国外の信号場[編集]

台湾[編集]

過去に存在した信号場[編集]

タイ国有鉄道[編集]

 クルンテープ駅構内と本線区間の境界として、同駅の第二出発信号機のある位置に、下り線にのみ設けられている。あくまでクルンテープ駅構内の一部にあたり、厳密には「信号所」と分類するべき存在である。北本線(正式にはクルンテープ=チェンマイ線)のクルンテープ~ピッサヌローク間は単線ないし3線並列方式によるCTCであるのに対し、クルンテープ駅構内の信号扱いは手動のため、信号方式の境界として設けられている。クルンテープ駅を発車した下り列車は、この位置でCTC区間に乗り入れるための交信を行う。(列車によっては停止する) 上り列車に対しては通常通りに場内信号を設けている。

タイ国鉄では「駅」の定義が日本とは異なっており、旅客営業を行わない交換可能箇所や分岐点も登記上は駅としての扱いを受けるため、公式には信号場は存在しない。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 実際に複線から複々線の外側線(緩行線)に転線するのは萱島駅手前である。
  2. ^ 『鉄道ピクトリアル』No.882 p.18

参考文献[編集]

  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』No.882 特集「信号場」

関連項目[編集]