いなほ (列車)
| いなほ | |
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| 運行鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
| 列車種別 | 特急列車 |
| 運転区間 | 新潟駅 - 酒田駅・秋田駅 |
| 経由線区 | 白新線・羽越本線 |
| 使用車両 (所属区所) |
485系電車(新潟車両センター) |
| 運転開始日 | 1969年10月1日 |
| 備考 | 2010年12月現在のデータ |
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この表について
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いなほ は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が、新潟駅 - 酒田駅・秋田駅間を白新線・羽越本線経由で運転する特急列車である。
目次 |
[編集] 概要
1969年10月に、上野駅 - 秋田駅間を高崎線・上越線・信越本線・羽越本線(水原駅経由)経由で運行する特急列車として運転を開始。当時、羽越本線は非電化であり気動車で運転されていたが、1972年10月に電化されたことにより、電車が投入された。
1982年11月に上越新幹線の開業により、同新幹線の接続列車としてエル特急に指定され新潟駅発着に変更された。以後は新潟駅 - 秋田駅・青森駅間で運転されるようになり、新潟駅で上越新幹線列車に接続し、新潟県下越地方北部、山形県庄内地方、秋田県沿岸地域とを結ぶ特急列車としての役割を担うようになった。
列車名である「いなほ」は、走行線区の沿線が日本有数の米どころであることから、この名称が付与された。
2010年12月4日のダイヤ改正により、運転区間は新潟駅 - 秋田駅間に短縮され、秋田駅 - 青森駅間を運行する昼行特急列車は「つがる」に統一された[1]。
[編集] 運行概況
2010年12月4日現在、定期列車としては、新潟駅 - 酒田駅間に4往復、新潟駅 - 秋田駅間に3往復、計7往復が運転されている。 定期列車のほか、多客時には臨時列車が運転される。2010年春には下り2本、上り5本が運転された。
運行区間の大半が日本海の沿岸地域であるためか、冬季を中心に強風や雪害の被害に遭いやすく、それが原因でしばし運休や遅延が発生している。
[編集] 停車駅
新潟駅 - 豊栄駅 - 新発田駅 - 中条駅 - 坂町駅 - 村上駅 - 府屋駅 - あつみ温泉駅 - 鶴岡駅 - 余目駅 - 酒田駅 - 遊佐駅 - 象潟駅 - 仁賀保駅 - 羽後本荘駅 - 秋田駅
[編集] 使用車両・編成
| 表・編・話・歴・PJR・PJRN・C | ||||||||||||||
| いなほ | ||||||||||||||
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← 青森
新潟 →
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JR東日本の新潟車両センターに所属する485系電車(1000番台主体のT編成および3000番台のR編成)6両編成が使用されており、「いなほ」と「北越」は共通運用となっている。主にリニューアル車(3000番台)か1000番台(いわゆる「上沼垂色」)またはT18編成、K1・2編成いずれかで運転される。
1000番台のうち、K編成の全車両とT編成中間の座席指定席車には座席を3000番台のものに取り替えた車両を編成に組み込んでいる場合がほとんどである。自由席車は従来の簡易リクライニングシートのクッションをバケットタイプに交換した車両と元「雷鳥」編成のデラックス車が含まれ、これに座席のみデラックス車と同等で座席部のハイデッキ化や座席の前後間隔拡大などはされていない車両も存在する。
JRにおける在来線特急列車の英語表記は「Limited Express」であるが、485系3000番台の車内LED式案内表示器では新幹線特急列車を指す「Super Express」が表示される。また、3000番台では前面LED式のヘッドマークに描かれる波模様が動くようになっている。
年末年始やゴールデンウィーク・お盆などの多客期には中間に2両を増結して8両編成で運転されることもある。
[編集] 過去の使用車両
運転開始当初は、当時の奥羽本線特急「つばさ」にキハ181系気動車が使用されるようになり、余剰となったキハ80系気動車を使用して運転されていた。
1972年10月には羽越本線の電化によって485系電車を導入した。1982年11月からは青森運転所(現在の青森車両センター)の485系9両編成を使用し、福井駅発着の「白鳥」1号・4号と一部の「はつかり」と共通運用されていた。
[編集] 車内販売
基本的に新潟 - 秋田間で車内販売の営業がある。日本レストランエンタプライズ (NRE) 新潟営業支店および秋田営業支店が担当する。しかし、酒田発着列車では車内販売はない。
[編集] 担当車掌の所属区所
[編集] 利用状況と競合交通機関
「いなほ」は、そのすべての定期列車(7往復)が、新潟駅で上越新幹線と接続するダイヤを組んでいる。そのため競合する交通機関は、必然的に首都圏と庄内地方を結ぶ航空・高速バスとなる。また、秋田間では、秋田新幹線「こまち」とも競合している。
特に、庄内空港の開港以来鉄道は苦戦を強いられている。1987年の分割民営化当時は庄内空港は未開港[2]で、首都圏と庄内地方間の鉄道利用は年間約50万人であったが、庄内空港での夜間駐機開始前の2005年では、鉄道利用は年間約38万人に対し、航空は年間約36万人で、シェアはほぼ半分ずつとなり、しかも鉄道は利用客を4分の3に落としている。鉄道利用客は新庄駅乗り換えの山形新幹線・陸羽西線経由分も含まれるが、ダイヤ改正ごとに陸羽西線・羽越本線同士の接続が悪くなっており、鶴岡駅からは遠回りになる新庄駅乗り換えルートよりも「いなほ - 上越新幹線」ルートの方が利用しやすくなっている。
2010年現在、鉄道は首都圏 - 庄内地方間を最速の3時間から4時間40分で結んでいる。運賃・料金は、片道13,880円(普通車指定席・通常期)であるが、往復22,000円のトクトクきっぷも発売されている[3]。
[編集] 航空
2008年8月現在、全日本空輸 (ANA) による羽田空港 - 庄内空港間の航空便が、1日4往復設定されている。搭乗率は首都圏と地方を結ぶ路線としては非常に良好であり、利益率も高い。航空便の所要時間は1時間で、前後の空港アクセス時間を考慮しても、東京と酒田市・鶴岡市の間は3時間以内である。
地元では、機材の大型化やさらなる増便、運賃の値下げ、割引率の拡大を要望しているが、採算上の問題や羽田空港発着枠の問題などから、2008年時点では実現していない。ただし、羽田空港の新滑走路(D滑走路)建設工事が完成し、発着枠が拡大すると増便される可能性もある。
2006年4月より庄内空港での夜間駐機の実施により、羽田行始発便の時刻繰り上げ・羽田発最終便の時刻繰り下げが行われた。その結果、2006年の庄内空港の東京便の利用客は約39万4000人となり、過去最高を記録している。首都圏滞在時間で優位に立っていた「いなほ - 上越新幹線」ルートにも、その影響が及んでいる。
[編集] 高速バス・ツアーバス
首都圏と庄内地方を結ぶ高速バスは、昼間便は設定されていないが、夜行便は庄内交通・国際興業による「夕陽号」1往復が(片道7,870円、往復14,170円)、首都圏と由利本荘・にかほには羽後交通とJRバス東北による「ドリーム鳥海号」1往復が設定されているのみである。そのため、鉄道の直接的な脅威とはなっていない。
2008年には首都圏と庄内地方を結ぶツアーバス「キラキラ号」が新規参入した。旅行代金は5,500円から6,000円、往復11,000円から12,000円と従来から運行している「夕陽号」の運賃よりも割安であり、さらに1年間有効の3往復分の「回数券」を利用すれば常に片道5,000円で乗車することが可能である。
[編集] 今後の展望
白新線・羽越本線は部分複線であり、新潟県・山形県境付近は線形が悪いため、列車の高速化には大きなネックとなっている。また、日本海沿岸部を走行する区間が多いこともあり、特に冬期間は降雪(特に吹雪)・積雪の影響でほぼ慢性的な遅れや運休が発生している。
1990年代以降、運転本数が減っており、特にデータイムは空白時間となっている。それが利用客の減少を助長している。沿線人口が少ない酒田駅 - 秋田駅間では、寝台特急「あけぼの」「日本海」「トワイライトエクスプレス」を除くと優等列車は3往復しか設定されていない。
日本海東北自動車道(日東道)の一部開通に伴い、新潟 - 村上間で新潟交通観光バスにより高速バスが運行されている。日東道は2011年3月現在、新潟市内から朝日まほろばICまでの区間が開通しているが、以北の温海ICまでの区間の多くは未着工であり、現在のところ本列車群の存続を脅かす程ではない。
「いなほ」による首都圏と庄内地方間の利用は、1日平均で1,000人、片道あたり500人程度となる。
2006年3月に、山形・新潟両県より、羽越本線高速化の方式としては新潟駅新幹線ホーム乗り入れを含む在来線高速化改良が最も有効であるという調査報告が出された。
庄内空港開港後、鉄道は劣勢に立たされている状況が続いており、運賃面で辛うじて優位性を保っている状況である。しかし、今後の航空会社側の動きによっては、「いなほ」の存在自体が危ぶまれる状況になることも否定はできない。
山形県の「県鉄道利用・整備強化促進期成同盟会」の意識調査によると、羽越本線の利用客の6割超が「公費負担をしてでも高速化が必要」と考えていることが分かった。交通機関の利便性向上策に関しても「特急いなほの高速化」を挙げる意見が31%、「いなほ増発」が17%、「いなほの車両入れ替え」が4%となったほか、「庄内空港の増便」が9%、「庄内空港拡大」が8%などとなり、庄内地方では鉄道の重要度が航空便よりも高く考えられていることが示されている。[4]
[編集] 羽越本線直通優等列車沿革
[編集] 羽越本線優等列車の創始
- 1962年(昭和37年)3月10日:新潟駅 - 秋田駅間を運行する準急列車として、「羽越」(うえつ)が運行を開始する。キハ58系気動車が使用され、蒸気機関車が牽引する急行列車よりも速かったという。
- 1963年(昭和38年)4月20日:金沢駅 - 秋田駅間を運行する急行列車「しらゆき」が運行開始。
- 1965年(昭和40年)10月1日:「羽越」の運行区間を上野駅まで延長し、列車名を「鳥海」(ちょうかい)に変更。
- 1968年(昭和43年)10月1日:「ヨンサントオ」と称されるダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
- 新潟駅 - 秋田駅間を運行する急行列車として「羽越」が再び設定される。ただし、運行時間は新潟駅朝発・夕方着と当時のダイヤ上では空白となっていた時間帯に運行された。
- 従来「羽黒」と称された羽越本線経由上野駅 - 秋田駅間運行の夜行列車の名称を「鳥海」に統合。従前昼行列車で運行していた「鳥海」は上り下りとも「鳥海1号」と称される。
[編集] 「いなほ」運行開始とその後の展開
- 1969年(昭和44年)10月1日:上野駅 - 秋田駅間を高崎線・上越線・信越本線・羽越本線(水原駅経由)経由で運行する特別急行列車として「いなほ」1往復が運転を開始。これと引き替えとして従来同区間を運行していた気動車急行「鳥海1号」は季節列車となる。
- 1972年(昭和47年)10月2日:羽越本線電化に伴うダイヤ改正により、以下のように変更。
- 1979年(昭和54年)7月1日:ダイヤ改正に伴い、以下のとおり変更。
- 1982年(昭和57年)11月15日:上越新幹線開業に伴うダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
[編集] 上越新幹線本格稼働後の「いなほ」とその周辺列車群
- 1985年(昭和60年)3月14日:東北・上越新幹線上野駅開業に伴うダイヤ改正に伴い、以下のようにダイヤが変更される。
- 1986年(昭和61年)11月1日:「いなほ」2往復が酒田駅までの運行とする。また、1往復季節列車を設定。
- 1988年(昭和63年)
- 1991年(平成3年)3月16日:「いなほ」1往復の新潟駅 - 酒田駅間の途中停車駅を村上駅・鶴岡駅のみにした通称「スーパーいなほ」を設定。上越新幹線の速達列車と接続することで所要時間を短縮した。また、通過となった新発田駅・中条駅・坂町駅への利用客対策として新潟駅 - 村上駅間の快速列車「せなみ」2往復運行開始。
- 1993年(平成5年)3月18日:快速「せなみ」を格上げし、村上駅発着の「いなほ」2往復を運行開始。ただし、「いなほ」の運行本数は9往復となっていることから、村上駅 - 酒田駅の運行を廃止した形とも言える。この改正で通称「スーパーいなほ」は通常の停車駅に戻されたが、秋田新幹線開業以前には早朝の4号が一部区間を速達列車として停車駅を削減していたほか、1997年頃まで帰省シーズンの臨時列車としてやはり村上以南をノンストップにした列車が運行されていた。
- 1995年(平成7年)12月1日:「いなほ」村上駅発着列車を1往復酒田駅まで延長、1往復廃止し、「いなほ」7往復に減便。
- 1997年(平成9年)3月22日:秋田新幹線開業により、酒田駅 - 秋田駅間の運行は半分に削減される。この頃から「いなほ」は新潟駅 - 酒田駅間の列車が中心となり、利用客のターゲットを秋田周辺から山形県庄内地方・新潟県下越地方に絞る。
- 2001年(平成13年)3月3日:大阪駅 - 青森駅間の特急「白鳥」が廃止。それぞれ「雷鳥」「北越」「いなほ」に系統分離される。同時に、大阪駅 - 新潟駅間運行の「雷鳥」も廃止されたため、新潟駅 - 青森駅間の「いなほ」が日本国内在来線で最長の定期昼行特急列車(458.8km)となる。
- 2002年(平成14年)12月1日:「エル特急」指定を廃止し、前面ヘッドマークに配されていたLマークが黒く塗りつぶされた。
- 2005年(平成17年)12月25日:秋田発新潟行の「いなほ」14号が羽越本線の第2最上川橋梁通過直後に突風に煽られて、脱線転覆事故が発生。
- 2007年(平成19年)3月18日:全車両禁煙となる。
- 2008年(平成20年)3月15日:ダイヤ改正で「いなほ」新潟発の終発が繰り上げられる。
- 2010年(平成22年)12月4日:東北新幹線八戸駅 - 新青森駅間延伸開業に伴うダイヤ改正で秋田駅 - 青森駅間の昼行特急列車を「つがる」に統一するため同区間での運転を取りやめ。それによって日本国内の在来線定期昼行特急列車において最長距離を走行する列車は「しなの」16号(長野駅→大阪駅間444.1km[6])になる。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
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