きたぐに (列車)

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きたぐに号(新潟駅にて)
きたぐに号ヘッドマーク

きたぐには、西日本旅客鉄道(JR西日本)が大阪駅 - 新潟駅間を東海道本線米原駅北陸本線信越本線経由で運転する夜行急行列車


目次


[編集] 運行概要

3段式B寝台
3段式B寝台減光時

大阪・京都から北陸3県を経由して、新潟県内主要都市に停車、日本海側最大の都市である新潟までを結ぶ夜行列車である。関西圏 - 新潟間では直通交通手段が航空高速バス以外に乏しく、これを補完する時間帯で運行されていることから、長距離を通して乗車する客も多く、休日前後や連休期間中は旅行者や帰省者などの利用が多い。多客期には「きたぐに」を補完する列車として、同じ大阪〜新潟間運行の臨時列車ふるさと雷鳥」が運転される。

乗車券のほかには割安な急行券のみで長距離を利用できるため、時には自由席が非常に混みあう(繁忙期には全区間着席できない場合もある)。繁忙期には寝台グリーン券の売り切れも生じる。

なお自由席は夜間も減光されない。

2008年11月現在、大阪・京都方面対北陸本線の特急料金または急行料金を必要とする列車では唯一米原駅経由で運転されている。但し、運賃・料金は、規定により湖西線経由で計算される。

[編集] 地域輸送・区間輸送

途中停車駅が多く、全区間に渡って運行時間帯の利便性も高いことから、始発・終着地付近での地域輸送・区間輸送も担っている。国鉄時代の長距離夜行急行列車のような多目的性を、21世紀に至っても維持している珍しい列車と言える。

大阪発の下り列車は、大阪方では彦根米原長浜方面への最終列車として通勤需要にも利用される。朝の新潟地域では、長岡上越新幹線に接続し、北陸方面から上越新幹線上り列車に連絡する始発列車という位置づけもなされている。更に直江津北越急行ほくほく線の始発、快速・越後湯沢行に接続しており、上越新幹線への乗換えには長岡経由・ほくほく線経由の2通りのルートが利用できる。また、新潟方ではラッシュ時間帯に終着駅に到着するため、末端の新津から快速列車となり、新潟都市圏の通勤通学の足としても利用される。但し、新津亀田から乗車できるのは普通車自由席4両のみ。グリーン車・寝台車には乗車できない。

上り・大阪行は下り上越新幹線から北陸方面への最終列車となる。東京発新潟行の最終「Maxとき353号」と長岡で接続する。また、新潟から長岡、柏崎等へ帰宅する通勤客の利用も多い。大阪に早朝到着できるため、北陸地方からの関西国際空港利用客にも早出の便として利用されている。

日本海縦貫線を通る寝台列車夜行列車新潟駅を経由しない中、新宿からの「ムーンライトえちご」と共に新潟駅を発着点とする数少ない列車である。


[編集] 使用車両

  • 583系電車10両編成(多客期にはB寝台が2両増結されて12両編成)。2009年6月現在、583系電車が定期列車として運用に充当される唯一の列車である。
「きたぐに」編成図および座席種別説明
(2009年6月現行)
  • A寝台:1両…開放式寝台。2009年現在、定期急行列車としては唯一の連結列車である。左の編成図ではAで表記。
  • B寝台:4両…2009年現在、定期列車として3段寝台車両が使用される唯一の列車である。左の編成図ではBで表記。
  • グリーン車:1両(指定席)左の編成図ではGで表記。
  • 普通車
    指定席:設定なし
    自由席:4両左の編成図では自で表記。
編成組成
大阪駅   新潟駅
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
禁煙・喫煙 × × × × × × × ×
座席種別 B G A B B B
  • 記号凡例
×=禁煙車
○=喫煙車


[編集] 583系電車を使用する理由

583系電車は既に最低でも車齢35年以上に達しており、一般的な電車としては耐用年数を超えている。715系電車など近郊形改造車を含め既に多くが廃車され淘汰されているが、JR西日本では主として「きたぐに」運用向けに保有する583系電車全てについては継続使用可能なように延命N40工事を施工しており、今後も運用されることが見込まれている。

  • 583系は、一形式で寝台・座席の両設備、およびそれぞれ2等級(普通車・グリーン車、A寝台・B寝台)が賄える汎用性があり、広範な需要のある「きたぐに」での運用に適している。寝台・座席客車の廃車が年々進行しており、機関車牽引の客車夜行列車の削減も進んでいる現代では、583系を代替できるような車両が存在しない実情がある。
    • 本列車に関しては、特に上りの大阪圏のダイヤが通勤ラッシュ時間帯に食い込む(2008年時点では大津6:07着、京都6:16着、新大阪6:43着、大阪6:49着である)ことから、ダイヤ組成上、加減速性能の高い電車列車であることは有利に働く。
  • 「きたぐに」は交流区間も走行するため、仮に車両を新造する場合、新たに交直両用寝台電車を開発するためのコストがかさんでしまう。北陸地域では北陸新幹線長野 - 金沢間開業が2014年度に見込まれ、比較的近い時点の輸送体系激変が予想される中で、「きたぐに」のような特殊用途向けに新たな専用形式を開発・製造する必要性も乏しいと言える。
    • なお、本来583系の寝台は全て3段式B寝台で、A寝台車は存在しなかったが、「きたぐに」が客車時代にA寝台車を連結しており需要もあったことから、3段式B寝台となる付随寝台車から2段式A寝台に改造したサロネ581形が583系電車化と同時に用意された。なお、当時の国鉄はやはりA寝台車を連結した寝台急行「銀河」にも583系を投入することを検討していたといわれるが、結局実現には至らず、583系の定期列車としては現在に至るまで唯一のA寝台導入例となっている。


[編集] 停車駅

大阪駅 - 新大阪駅 - 京都駅 - 大津駅 - 彦根駅 - 米原駅 - 長浜駅 - 敦賀駅 - 武生駅 - 福井駅 - 小松駅 - 金沢駅 - 高岡駅 - 富山駅 - (滑川駅) - 魚津駅 - (黒部駅) - (入善駅) - (泊駅) - 糸魚川駅 - 直江津駅 - 柿崎駅 - 柏崎駅 - 来迎寺駅 - 長岡駅 - 見附駅 - 東三条駅 - 加茂駅 - 【新津駅 - (亀田駅) - 新潟駅

()内=下り・新潟行のみ停車。【】内=下り・新潟行のみ快速列車となる。普通車自由席に限り、乗車券のみで乗車可能。

大阪駅 - 新大阪駅 - 米原駅間で、「きたぐに」と同じ区間を走行している特急「びわこエクスプレス」や「はるか」が停車する山科駅石山駅草津駅守山駅野洲駅近江八幡駅には「きたぐに」は停車しない。このため、前述の各駅は「特急が停車するのに急行が停車しない駅」である。


[編集] 担当車掌区

全区間大阪車掌区が担当している。

[編集] 沿革

「きたぐに」は北陸地方を指す北国(ほっこく)の訓読みとされている。

1961年の登場時には金沢駅 - 新潟駅間の急行列車と現在の特急北越」と同じ運行区間であり、1963年に大阪駅まで運行区間を延長。現在では臨時特急「ふるさと雷鳥」しか運行されていないが大阪発着の新潟・北陸本線昼行急行列車として運行していた。

しかし、1968年のダイヤ改正時に従来「日本海」と称していた日本海縦貫線急行列車に「きたぐに」の愛称を与え、以降日本海縦貫線夜行急行列車として運行された。上越新幹線開業以降は昼行列車としての側面が大きかった新潟駅以北を切り離し、大阪対新潟・北陸夜行列車となった。

その為、本節では主に、大阪対新潟・北陸夜行列車を中心に記載をする。

[編集] 年表

[編集] 「きたぐに」夜行列車化以降

  • 1968年10月1日 ヨン・サン・トオと称されるダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
    1. 新しく誕生した大阪駅 - 青森駅間の寝台特急(ブルートレイン)に「日本海」の愛称を譲り、大阪駅 - 青森駅間の急行列車の愛称が「日本海」から「きたぐに」に改称。従来「きたぐに」を名乗っていた昼行急行列車には「越後」(えちご)の名称を新たに与えた。
    2. 大阪駅 - 富山駅間の寝台列車の名称を「金星」から「つるぎ」に変更。
    3. 大阪駅 - 富山駅間の座席電車の名称を「つるぎ」から「立山」(たてやま)に変更。
  • 1971年10月1日 大阪駅 - 富山駅 - 直江津駅 - 長野駅 - 松本駅 - 名古屋駅 - 大阪駅間を運行する臨時急行列車として、「アルペン」が運行を開始する。なお、運行は翌1972年夏で終了する。
    この列車は、直江津駅を境に夜行列車として運行され、運行形態としては、北陸本線を先に経由する列車を1号とし、中央本線を先に経由する列車を2号とする1往復の形態を取った。
  • 1972年3月15日 「つるぎ」新潟駅まで運行区間を延長。
  • 1972年10月2日 「つるぎ」が特急に昇格。20系客車が充当された。
  • 1972年11月6日 青森行「きたぐに」において、北陸トンネル内で食堂車を火元とする火災が発生、犠牲者30名を出す。→北陸トンネル火災事故を参照。
    • この事故をきっかけに、地下鉄や長大トンネルを走行する車両の不燃化が進む。
  • 1975年7月 「立山」の増発列車として「アルペン」が大阪駅 - 富山駅間で設定される。なお、このときは大阪駅発は夜行列車として運行された。
  • 1973年10月1日 「きたぐに」大阪駅 - 青森駅間運行の普通座席車12系客車化される。
    • ただし、12系客車には、グリーン車がないことから、「きたぐに」には一般形客車であるスロフ62を主に連結した。また、大阪駅 - 新潟駅間に連結した寝台車10系寝台車のままで、新潟駅で増結・解結が行われた。
  • 1976年2月 「つるぎ」に24系25形客車が充当される。
  • 1982年11月15日 上越新幹線開通に伴うダイヤ改正のより、以下のように変更する。
    1. 「きたぐに」新潟駅 - 青森駅間をエル特急いなほ」に系統分離し大阪 - 新潟駅間の運行となる。同時に「きたぐに」14系客車化。同系車両の座席車と寝台車の混結を実施。
    2. 季節列車化した「立山」に583系を充当。
  • 1983年 名古屋駅 - 新潟駅間に臨時急行「にいがた」が運行開始。
  • 1984年 臨時急行「にいがた」が運行終了。

[編集] 「きたぐに」583系化以降

  • 1985年3月14日 「きたぐに」、583系(12両編成)化。「立山」廃止。
  • 1985年7月 「立山」の代替として大阪駅 - 富山駅間を運行する臨時急行列車として「アルペン」運行開始。
  • 1986年11月1日 「きたぐに」10両編成となる。
  • 1988年3月 「きたぐに」下り(新潟行)、新津 - 新潟間が快速列車に。
  • 1992年2月 「アルペン」運行を終了する。
  • 1994年12月3日 寝台特急「つるぎ」が臨時列車に格下げ。
    • なお、並行して走っていた寝台特急「つるぎ」と急行「きたぐに」は、時刻表上、比較的似通った時間帯の運転だったが、特急列車であった「つるぎ」が新潟県内と京阪神を結ぶ意味合いもあって、深夜帯に通過する北陸三県の駅には停車しなかったのに対して、本列車は上記のように、沿線の主要駅にこまめに停車していった。
  • 1996年12月 臨時寝台特急「つるぎ」廃止。「きたぐに」は、関西地区と北陸・新潟県を結ぶ唯一の夜行列車となる。
  • 2000年 「きたぐに」使用の583系編成を一時的に変更。具体的にはサロネ581形車両を485系の電動車ユニットに組み替えた。なお、この際には同車両搭載のパンタグラフも使用された。
    なお、西日本の「シュプール号」として運転されたときは485系と併結運転された。この運転では北陸トンネル通過の関係で583系の貫通扉も活用された。
  • 2004年10月23日 - 11月28日 新潟県中越地震の影響により、「きたぐに」列車運休。
  • 2007年3月18日 ダイヤ改正に伴い、「きたぐに」3号車自由席を禁煙席に変更。
  • 2007年7月16日 - 9月12日、「きたぐに」新潟県中越沖地震の影響により「きたぐに」列車運休。
  • 2009年6月1日、座席車を禁煙化。

[編集] 列車愛称の由来など

五十音順
  • 「アルペン」…アルプス山脈ドイツ語読み"Alpen"から。
  • 「奥能登」…能登半島能登国の奥という意味。
  • 「きたぐに」…にあるとおり、北陸地方を意味する「北国」(ほっこく)の訓読みから。583系電車のヘッドマークでは列車名と「佐渡おけさを踊る人と北陸地方の地図」が表示される。
  • 「金星」…天体の金星から。なお、「寝台列車は天体名から」という慣習があったことによる。
  • 「立山」…富山県立山連峰から。
  • 「つるぎ」…富山県の立山連峰にある剱岳(つるぎだけ)から。ヘッドマークでは列車名と「そびえ立つ剱岳」が描かれた。
  • 「にいがた」…目的地である新潟市から。

[編集] 関連項目

[編集] 競合する高速バス


[編集] 外部リンク

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