リース

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リース(英語 lease,leasing)は、機械などの物品を利用者に代わる別の企業が購入して、利用者に一定期間の契約で有料で貸し出すビジネスをいう。物品の所有権はリース会社にあり、契約期間は減価償却期間より短い設定が可能で、貸し出し料金(リース料)は経費扱いになることから、主に高額な機械(産業機械、工作機械、航空機、船舶など)やパソコンなど情報通信機器といった、技術進歩の速い機械の導入に利用されている。

リース取引の内容は、企業会計基準委員会による「リース取引に関する会計基準」および同注解、同意見書によって定義されている。

目次

[編集] 概要

リースは、1952年米国のU.S. リーシング社が考案した取引方法である[1]。日本の民法では、リース契約は典型契約ではないため賃貸借契約の一種であると解釈されている[1][2]。リースは主にファイナンス・リース契約(英語ではCapital Lease)とオペレーティング・リース契約に大別される。ファイナンス・リースは文字通り設備機器導入の資金調達のひとつとして金融色が強い契約である。一方、オペレーティング・リースはリース期間終了後の残存価格を設定したり、消耗品の提供や保守契約を付属させるなど賃貸借色が強い契約である。税制や会計基準から、日本ではリースというと主にファイナンス・リースを指すが、中古品市場が発達している自動車や航空機など、リース対象物によっては、リース料を抑えられるオペレーティング・リースも増加している。

日本でよく見られる形態のリース取引は、リース会社がある企業の為に、新品を購入して賃貸する取引形態のものである。このような契約形態においては、物品を借りている企業が期限前に解約すると、その場合にはリース会社に違約金(残リース期間×リース料金+多少の違約金)を支払う契約になっていることが普通である。このように、違約金の規定によって、たとえ契約を途中で解約したとしても残額をリース会社に支払わなければならないような取引は、事実上途中解約が不可能であると見なされ、上記で言うところのファイナンス・リースに分類される。

リースの期限が切れた場合には、元のリース設定額よりも廉価(1回分のリース料で1年間利用できるなど)で再契約(再リース)をすることが可能である。 また、リース会社と契約している会社がその商品を買い取ることができる契約もある。

インターネットオークションや中古OA機器販売店などで、一昔前の性能を持つ同一機種の中古パソコンが同一人物により大量に放出されているのは、企業に大量に導入されたパソコンがリース期間満了によって返却され、転売されているものと思われる。 また、リース会社自身も、自社ウェブページでリース期間が満了した中古パソコンなどの販売を行っている事がある。このため、一部のリース会社は古物商の許可も得ている。

[編集] 会計基準におけるリース

リース取引に関する会計基準において、リース取引とは「特定の物件の所有者たる貸手(レッサー)が、当該物件の借手(レッシー)に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は合意された使用料を貸手に支払う取引をいう[3]」とされている。つまり、基準は、経済的実態がリース取引であるかどうかのみを問題にしており、取引の名称がリースというかどうかは関係ない。貸手があり、借手がおり、特定の物件についての合意された契約があるということが会計基準の示すリースの本質であるから、身近な例で言えば、事務所の賃貸、社用車のごく短期間のレンタルなども、上の定義を満たしているため、リース取引に含まれることになる。

[編集] 会計上のファイナンス・リース

会計上のファイナンス・リースは、ノン・キャンセラブル(解約不能)とフル・ペイアウト(物件から得られるすべての利益を得ると共に、物件に係るコストをすべて支払う)という2つの条件が同居する契約であるとされている[4]

具体的には、以下の5つの条件のうちいずれかを満たす契約条件のリース取引がファイナンス・リースであると見なされる。

  1. リース物件の所有権が借手に移転する条項があること
  2. 割安購入選択権がついており、その利用が確実と認められること
  3. 特別仕様物件であり、その耐用年数にわたり借手以外の者が利用することはないと認められること
  4. リース料総額の現在価値が、リース物件購入金額のおおむね90%以上であること
  5. 解約不能のリース期間が、リース物件の経済的耐用年数のおおむね75%以上であること

この中でも、特に1.2.3.のいずれかを満たすものは所有権移転ファイナンス・リースと呼ばれ、4.5.のいずれかまたは両方だけを満たすものは所有権移転外ファイナンス・リースと呼ばれる。割安購入選択権とは、リース期間の終了後に、割安な価格でリース物件を購入する権利のことである。

[編集] 会計上のオペレーティング・リース

会計上のオペレーティング・リースとは、ファイナンス・リース以外のリース取引のことを言う[4]

[編集] 具体的なリースの仕方

具体的なリースの仕方としては、次のようになる。

前提条件
  • 企業Aが、パソコン会社Bより、パソコンをリースにて導入したいと考えている場合。リース会社Cは、パソコン会社とは別である。
  1. 企業Aはパソコン会社Bよりパソコンの見積もりを取得する。
  2. パソコン会社Bより取得した見積もりをリース会社Cに提出。リース料金の見積もりを取得する。
  3. リース料金に問題がなければ、企業Aとリース会社Cとの間でリース契約を実施する。(この時点で契約成立)
  4. リース会社Cはパソコン会社Bにパソコンを発注する。
  5. パソコン会社Bはパソコンを企業Aへ納品する。
  6. 企業Aは納品されたパソコンを検収し、リース会社Cに検収書類を提出する。(ここからリース開始となり、一定期間利用することとなる)
  7. 一定期間リース料金を支払い続ける
  8. リース期間満了を迎えると、再リースをするか、リース終了するかをリース会社Cへ伝える。
  9. 再リースであれば、7と8を繰り返す。リース終了であれば、物件引き上げの相談をリース会社とする。パソコンであれば、リース会社に宅配便で発送するか、指定業者などに引き上げに来てもらう場合が多い。

以上が通常のリースの流れである。

また、納品から検収までであるが、パソコンなどは納品と検収が同時であることが多いが、生産機械などは立ち上がった日を検収日とする場合が多いため、納品から検収までに半年から一年程度の期間をおくものもある。 このような点から、費用の支払いを先延ばしにすることができるため、資金繰りの面から利点が発生することもある。

[編集] レンタルとの違い

類似する言葉に「レンタル」というものがあるが、こちらは全く異なる賃貸システムである。以下に違いの例を挙げる。

  • リースはリース会社が契約企業の為に新品を購入するのだが、レンタルの場合はレンタル会社が既に所持しているものを色々な所に賃貸するシステムで、新品であるとは限らない。
  • 基本的にリースはレンタルよりも期限が長い。
  • リースの場合契約期間中に、契約破棄を行うと前述の通り違約金が必要だが、レンタルの場合は基本的に必要がない。
  • なお、リース取引に関する会計基準においては、レンタルはリース取引そのものに他ならない[5]という扱いなので注意が必要である。

[編集] 所有権移転ファイナンス・リースと割賦販売との違い

どちらも支払い方法が分割払いであり、最終的に所有権が支払者に帰属(移転)する点など、経済実態からみても多くの類似点があるが、取引の性格等が異なる。なお、リース取引に関する会計基準では、所有権移転ファイナンス・リース取引と割賦との類似点と相違点を示した上で、どちらの会計処理を適用するかは、取引の実態をふまえた上で各企業の判断に委ねるスタンスをとっている[6]

  • 割賦販売の場合、頭金として数ヶ月分を前払いするケースが多い(ただし、リース契約の場合も初回にリース料を前払いするケースがある)。
  • 割賦販売の場合、販売信用の一形態とみなされるのに対して、所有権移転ファイナンス・リース取引の場合、リース物品の貸し出しに加えてリース会社によるアフターサービス等が充実しており、金融取引以外のサービス要素を含む複合的な性格を有する取引である。

[編集] 主なリース対象物

[編集] リース料の設定概要

リース料は下記のように設定される。

  • ファイナンスリース

月額リース料金 = (物件価格 + 期間固定資産税 + 金利 + 動産総合保険保険料 + 利益 + 対象企業によるリスク利率 ) / リース期間(月数)

  • オペレーティングリース

月額リース料金 = (物件価格-残価 + 期間固定資産税 + 金利 + 動産総合保険保険料 + 利益 + 対象企業によるリスク利率 ) / リース期間(月数)

ファイナンスリースとオペレーティングリースの違いは、残価設定をされているかどうかである。残価にてリース先企業や中古市場に売却できる分オペレーティングリースのリース料が安いということが理解できる。 よって、高額な残価設定ができる機器をオペレーティングリースを利用してリース導入すると、場合によっては物件価格よりも安い価格(リース料×リース期間が物件価格以下)でリースできることがある。

[編集] 主なリース会社

マツダオートリースエムジーリース福銀リース住友三井オートサービスクボタリース
MMCダイヤモンドファイナンス三菱オートリース三菱電機クレジット神鋼リース首都圏リース北海道リース
西日本総合リース近畿総合リースみちのくリース
日本カーソリューションズ
積水リース
スミセイリース
日産リース、横河レンタ・リースワイ・エフ・リーシング第一リース

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 参考文献

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  1. ^ a b 松田安正「リース契約の原典:最三判平成20・12・16 への反論」、『NBL』第907号、2009年6月、p.p.58-61、ISSN 0287-9670
  2. ^ 来栖三郎 『契約法』 有斐閣〈法律学全集〉、1974年、オンデマンド版。ISBN 4641905580
  3. ^ リース取引に係る会計基準一
  4. ^ a b リース取引に係る会計基準二、同注解1、同注解2
  5. ^ リース取引に係る会計基準一
  6. ^ リース取引に関する会計基準の適用指針第101項及び104項。なお、リース取引公開草案の所有権移転ファイナンス・リースに関する一般から募集されたコメントのうち、「所有権移転ファイナンス・リース取引については、その経済的実質、当事者の意図は割賦販売取引とほぼ同一である。実務で対応できるように、借手・貸手双方において、自社が採用している割賦販売取引の処理と同様の処理を行うことができる旨を規定すべきである。」とのコメントに対して、企業会計基準委員会より「旧実務指針の方法を踏襲したものであり、また、リースと割賦は類似性はあっても全く同一ではないため、特に変更(割賦販売取引と同様の処理を行うことができる旨を明記すること)はしない。」との回答が示され、その後草案通り公開されている(『主なコメントの概要とそれらに対する対応』公開質問No.83)。