ヤマアジサイ

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ヤマアジサイ
Yamaajisai 02.jpg
ヤマアジサイ。岐阜県中津川市阿木。
分類APG III
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: ミズキ目 Cornales
: アジサイ科 Hydrangeaceae
: アジサイ属 Hydrangea
: アジサイ節 Hydrangea
亜節 : アジサイ亜節 Macrophyllae
: ヤマアジサイ H. serrata
学名
Hydrangea serrata (Thunberg) Seringe
和名
ヤマアジサイ
サワアジサイ

ヤマアジサイ(学名: Hydrangea serrata)は、アジサイ科アジサイ属の1種である。山中で沢によく見られることから、サワアジサイとも呼ばれる[1]

ただし、独立した種として認めず、アジサイ Hydrangea macrophylla(種としてのアジサイ、ガクアジサイ)の亜種 Hydrangea macrophylla subsp. serrata などとする説もある[2]

分布[編集]

本州では関東より西、また四国九州などの山地に分布する[3]千島列島台湾中国南部の山地にもみられる[4]

特徴[編集]

ガクアジサイと比べ、花の色が多様性に富む[1]。花序は直径7–18センチ、装飾花は直径1.7–3センチ[3]。葉質は薄く光沢がなく、小さく(6.5–13センチ[3])、長楕円形・楕円形・円形など形はさまざまである[1]。枝は細く、樹高1メートル程度である[3]

利用[編集]

葉にフィロズルチンの配糖体を含むものがあり、甘茶として利用される[3][5]。「甘茶(アマチャ)」は分類上特定の品種を指す名称ではない[6]

亜種等[編集]

ヤマアジサイは分布域が広く、いくつかの亜種がある。なお、ヤマアジサイを種として認めない場合、これらはアジサイ Hydrangea macrophylla の亜種となる。

エゾアジサイ
亜種 H. serrata subsp. yezoensis (Koidz.) Kitam.。ただし分子系統によると、ヤマアジサイよりアジサイ Hydrangea macrophylla に近縁である[7]東北地方北陸地方北海道、および朝鮮南部に分布する[3][8]。高さ1–1.5メートルで[3]、北海道のものは本州のものより大きい[8]。花序は直径10–17センチ[3]、普通青色や青紫色だが白・ピンク・ほとんど赤色のものもある[5][8]。葉はヤマアジサイよりも大きく(10–17センチ)、ふちの鋸刃も鋭い[3]。花期は5月中旬から6月中旬である[9]
アマギアマチャ
亜種 H. serrata subsp. angustata (Franch. & Savatier) Kitam.富士山天城山周辺[10]静岡市梅ヶ島、箱根[11]に自生する。花はすべて白く[10]、葉はヤマアジサイより細い[11]。生の葉は甘苦い[11]
ベニガク
変種 H. serrata f. rosalba (Van Houtte) Ohwi南日本の山地にみられる[10]江戸時代から栽培されている品種である[12]。装飾花は白色だが日光に当たると赤みを帯びる[12]。葉は厚く楕円形で[11]、秋に紅葉する[10]
シチダンカ
栽培品種 H. serrata cv. ‘prolifera’。萼が星型で重なっている[13]。江戸時代から知られ、シーボルトが『フローラ・ヤポニカ』で報告していたものの発見例がなく、絶滅した「幻のアジサイ」とされていたが、1959年六甲山で再発見された[13][14]。ただし、江戸時代の「七段花」には、後に(1993年)滋賀県で発見された「東雲(しののめ)」という品種の方が花型がより似ているとされる。[15]。葉は卵形で、エゾアジサイに近い[11]

出典[編集]

参考文献[編集]