雲粒

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雲粒(うんりゅう、くもつぶ)とは、を構成する水滴結晶(氷晶)のこと。

雲粒の大きさと浮遊する条件[編集]

粒の直径は大体3μm(マイクロメートル)~10μm(=0.003mm~0.01mm)程度で、ヒト赤血球の直径(6~8μm)と同じくらいである。この大きさの雲粒の落下速度は最も速い終端速度[1]で1cm/s(センチメートル毎秒)程度となる。雲粒を支えて空中に浮かせるためには、これと同じかより速い速度で上向きの風が吹かなくてはならない。普通の上昇気流は平均風速が1m/s以上であるため、風が斜め方向に吹くことを考慮してもこれを十分支えることができる。

ただし、雲の中にはこれよりも大きな水滴や氷晶がある。雨粒は0.1mm~5mm程度であり、この大きさの雲粒の落下速度は30cm/s~10m/sと速く、上昇気流の強さ次第で雲の中を浮遊したり落下したりする。落下して地上に到達すると雨や雪などになる。

雲核[編集]

雲粒ができる、つまり水蒸気が水滴に凝結したり、水蒸気が雨粒に液化凝固)したりする際に、雲核(うんかく、英:Cloud nucleus)と呼ばれる微粒子があると、微粒子の表面で凝結・昇華(凝固)が始まる。雲核は雲粒の発生を促す働きがある。

雲核になる微粒子は主に、陸上で舞い上がった砂埃(風塵)の粒子、火災の際に出るの粒子、火山の噴火で出る噴煙の粒子、細かい海水のしぶきが蒸発した際に残る塩分の粒子(海塩粒子)、人為的に出される排気ガスに含まれる粒子などで構成される。これら大気中に浮遊する微粒子はまとめてエアロゾル(エーロゾル)と呼ばれている。大気循環などによって攪拌されるため、地球上に広く分布しているが、場所により濃度の差がある。また、地上に近い大気ほど濃度が高い。

海洋などに生息するプランクトンが出すジメチルスルフィドも雲粒になりうるとされており、赤潮などのプランクトンの異常発生時には雲ができやすいとの研究もある。

また、宇宙線に含まれる荷電粒子が大気の気体分子をイオン化させ、それをきっかけに雲核となる微粒子が形成されるという説もある(スベンスマルク効果)。

雲核は、相転移の各相に対応させて考えると3種類(太字の前3種)、細かく分けると5種類(太字のもの)に分けられる。水蒸気から水に凝結するとき働く凝結核(凝縮核)、水から氷に凍結(凝固)するときに働く凍結核(凝固核)、水蒸気から水に昇華するときに働く昇華核である。また、凍結核と昇華核をまとめて氷晶核と呼ぶ。凍結核の中には、凝結核としても働く凝結凍結核や、外からの衝突によって起こす衝撃で凍結させる衝突凍結核があり、単に水滴の中で凍結核として働くものだけを「凍結核」と呼ぶ場合がある。

脚注[編集]

  1. ^ 雲粒ははじめ重力加速度に近いペースで加速するが、加速するにつれて空気抵抗が増して加速度が小さくなる。重力空気抵抗が釣り合って速度が変わらなくなったとき、これを終端速度という。実際の空気中では、下降気流がなければ、終端速度よりもやや遅いくらいが最大速度である。

出典[編集]

関連項目[編集]