ビューフォート風力階級
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(風力から転送)
ビューフォート風力階級[1](ビューフォートふうりょくかいきゅう、Beaufort scale)は、風力(風の強さ)を、風速によりいくつかの階級に分けたスケールである。ボーフォート風力階級ともいう[2]。
イギリスの海軍提督フランシス・ビューフォート(ボーフォート)が1806年に提唱した。ビューフォートは風力を0から12までの13段階で表し、それに対応した海上の様相についての表を作成した。その後、より客観的な風速と風力階級も対応付けられた。
この風力階級表は1964年に世界気象機関の風力の標準的な表現法として採択され、現在ではビューフォート風力階級といえば通常はこの世界気象機関で採択された風力階級表を指す。日本の気象庁の採用している気象庁風力階級はこのビューフォート風力階級を翻訳したもので内容は同一のものである。
目次 |
[編集] ビューフォート風力階級表
日本では風力は「風力5」のように数字で表し、「疾風」のような名称は公式には使用しない。また、風速には相等風力(開けた平らな土地で地上10mの高さでの10分間の平均風速)を用いる。瞬間風速は相等風力の1.5~2倍、またはそれ以上になることもある。
| 風力階級 | 名称 | 相等風力 | 陸上の様子 | 海上の様子 |
|---|---|---|---|---|
| 0 | 平穏(へいおん) Calm |
0~0.2m/s 0ノット |
煙はまっすぐ昇る。 | 水面は鏡のように穏やか。 |
| 1 | 至軽風(しけいふう) Light air |
0.3~1.5m/s 1~3ノット |
煙は風向きが分かる程度にたなびく。 | うろこのようなさざ波が立つ。 |
| 2 | 軽風(けいふう) Light breeze |
1.6~3.3m/s 4~6ノット |
顔に風を感じる。木の葉が揺れる。 | はっきりしたさざ波が立つ。 |
| 3 | 軟風(なんぷう) Gentle breeze |
3.4~5.4m/s 7~10ノット |
木の葉や小枝が揺れる。 | 波頭が砕ける。白波が現れ始める。 |
| 4 | 和風(わふう) Moderate breeze |
5.5~7.9m/s 11~16ノット |
砂埃が立ったり、小さなゴミや落ち葉が宙に舞う。 | 小さな波が立つ。白波が増える。 |
| 5 | 疾風(しっぷう) Fresh breeze |
8.0~10.7m/s 17~21ノット |
葉のある灌木が揺れ始める。 | 水面に波頭が立つ。 |
| 6 | 雄風(ゆうふう) Strong breeze |
10.8~13.8m/s 22~27ノット |
木の大枝が揺れ、傘がさしにくくなる。電線が唸る。 | 白く泡立った波頭が広がる。 |
| 7 | 強風(きょうふう) High wind / Moderate gale / Near gale |
13.9~17.1m/s 28~33ノット |
大きな木の全体が揺れ、風に向かって歩きにくい。 | 波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される。 |
| 8 | 疾強風(しっきょうふう) Gale / Fresh gale |
17.2~20.7m/s 34~40ノット |
小枝が折れる。風に向かって歩けない。 | 大波のやや小さいもの。波頭が砕けて水煙となり、泡は筋を引いて吹き流される。 |
| 9 | 大強風(だいきょうふう) Strong gale |
20.8~24.4m/s 41~47ノット |
屋根瓦が飛ぶ。人家に被害が出始める。 | 大波。泡が筋を引く。波頭が崩れて逆巻き始める。 |
| 10 | 全強風(ぜんきょうふう) Storm / Whole gale |
24.5~28.4m/s 48~55ノット |
内陸部では稀。根こそぎ倒される木が出始める。人家に大きな被害が起こる。 | のしかかるような大波。白い泡が筋を引いて海面は白く見え、波は激しく崩れて視界が悪くなる。 |
| 11 | 暴風(ぼうふう) Violent storm |
28.5~32.6m/s 56~63ノット |
めったに起こらない。広い範囲の被害を伴う。 | 山のような大波。海面は白い泡ですっかり覆われる。波頭は風に吹き飛ばされて水煙となり、視界は悪くなる。 |
| 12 | 颶風(ぐふう)[3] Hurricane |
32.7m/s以上 64ノット以上 |
被害が更に甚大になる。 | 大気は泡としぶきに満たされ、海面は完全に白くなる。視界は非常に悪くなる。 |
[編集] 海上警報
日本では海上の風力が8以上になっている場合、または今後24時間以内に8以上に達すると予想される場合に気象庁によって海上警報が発表される。風力7の場合は風警報、風力8または9の場合は強風警報、台風で風力10または11の場合、または温帯低気圧で風力10~12の場合は暴風警報、台風で風力12の場合は台風警報が発表される。
[編集] 脚注
- ^ 気象庁 風向風速計/簡単な動作点検方法
- ^ Beaufort の正しい発音は /ˈboʊfərt/(ボウファート)である。
- ^ 風力12を「颱風」とするのは誤字。「颱風」は「台風」の旧字体である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 気象庁 風向風速計/簡単な動作点検方法「ビューフォート風力階級表(参考)」