マンホール

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道路工事で露出したマンホール
マンホールの蓋(大阪府大阪市中央区
真実の口は、古代ローマの下水管マンホールの蓋であったと言われる。

マンホール: manhole)は、地下の下水道暗渠・埋設された電気・通信ケーブルなどの管理(点検・修理・清掃・排気など)を目的として作業員が地上から出入りできるように地面にあけられた縦孔である[1][2]

manholeという語は、man(人)とhole(穴)を組み合わせた語である。アメリカ・カリフォルニア州のサクラメントでは、1990年以降マンホールの公的な名称として「メンテナンス・ホール (maintenance hole)」を使用している[3]ポリティカル・コレクトネスを参照)。

日本語では潜孔人孔[1]といった訳語があるが、建設業界や官公庁を除きあまり用いられていない。

概要[編集]

マンホールは地表開口部を有するものであるが蓋の有無を問わない[2]。しかし、通常、マンホールの開口部には人が誤って落ちないようにがしてある。マンホールの蓋は、風で飛ばされたり、盗難されたり、勝手に開けて中に入られたりするのを防ぐ目的、また、上に車両などの重量物が乗っても耐えるために、で作られている。鋳鉄のものが多い。形状は円形が多いが、これは蓋が穴の中に落ちないようにするためである[1]

また、大量の雨水が管内に流れ込んできたときに空気の逃げ場がないと蓋が飛んでしまうため予め蓋にはガス抜き用の穴が開いている[1]

蓋の表面は、車などが通行する場合に滑ることを防止するため凸凹がある。単なる凸凹ではなく意匠としての紋様が描かれていることが多い。管理者が自治体の場合、その自治体の花や郷土芸能などの様子が描かれていたり、市章が入っている。ペンキ等で彩色されている場合もある。

電気・通信用のものの場合、重要用途のものでは蓋にをつけて、下水道用等の蓋を開けるのと同じ金具では開かないようにしている場合もある。また、大型のもののみをマンホールと呼び、それより小さいものはハンドホールと呼んで区別している。類似するものにはCCBOX(電線共同溝)がある。

事件・事故[編集]

東北地方太平洋沖地震時に液状化現象により浮き上がってしまったマンホール(浦安市

雨天の際、マンホールの蓋は滑りやすくなるので、この上に足を乗せると転んだり、オートバイや自動車のタイヤがスリップして事故を起こしたりする事がある。

下水管に配電設備が併設されている場合、マンホールに漏電してこの上を歩いた人間が感電死した事例も存在する。

大雨によって下水道に大量の雨水が流れ込んだ場合、下水道内の圧力が高まりマンホールが吹き飛ぶことがある。最近では圧力を逃がすように改良されたマンホールの蓋が採用されているマンホールもある。

マンホール内部にはガス等(特に窒素二酸化炭素硫化水素)が溜まることがあり、そのためマンホール内部での作業のために中に入った作業員が酸欠やガス中毒等の症状に陥り、最悪の場合死亡することもある。こういった事態を回避するため、マンホールに入る際には事前にガス検知器等で内部の状態を確認することが必要だが、必ずしも徹底されているとは言いがたく、現在でも年に数件程度の事故が発生している[4]

メタンの発生やガソリンアルコールなどが流入し、気化してしまい、設備内の配電設備の漏電等で引火し、爆風で蓋が飛ぶ事故が発生することがある。

なお、韓国ではF-15K戦闘機が機体整備のために陸上を牽引され移動中にマンホールの上を通過したところ、その蓋が落ちて左翼が地面を擦ってしまい破損した事故が発生した事がある[5]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d マンホール 水資源機構
  2. ^ a b 意匠分類定義カード(L2) 特許庁
  3. ^ "Manholes by Another Name". The New York Times, June 24, 1990. Accessed December 19, 2008.
  4. ^ http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-47/hor1-47-34-1-0.htm
  5. ^ http://www.chosunonline.com/article/20070220000008

外部リンク[編集]