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雪化粧した公園
雪の結晶 大きさは端から端まで約0.6mm

(ゆき)とは、から落ちてきたの結晶(の結晶というのも同じ)で、そのような現象が発生しているときの天気、地上に積もった堆積物をも指す。

空から降る雪の結晶1個、2個以上数個が連なりくっついたもの、さらに数百個のほど多くがまとまった大きな綿状の雪はボタンになぞらえ呼ぶ「ぼたん雪」(略して「ぼた雪」とも)、小片の粉雪などこれらの雪は雪片(せっぺん、英語:Snowflake)と呼び、地上などに降り終え積もった雪と区別されることもある[1]

現象のみを表す場合は「降雪」、地表面に雪が堆積している状態やその雪を「積雪」という。

なお、雪は天然に産出する無機質結晶構造を持つ物質であるため、鉱物の一種と分類されることがある。

目次

[編集] 雪の成因

雲は水蒸気を含んでおり、上空の気温が低いときに、大気中の微粒子を核(雲核)として氷の結晶が発生する。この氷の結晶を氷晶と呼ぶ。氷晶は液体の水が凍ってできたものではなく、主に気体の水蒸気が昇華して直接固体になってできたものである。雲の中でできはじめた頃の氷晶は非常に小さく、直径0.01mm以下である。この微細な氷晶の周囲には、高い密度で過冷却の微細な水滴が浮遊していて、水滴が蒸発して氷晶の表面に昇華することで、氷晶が成長していく(ライミング)[2]。また、氷晶の形の大部分はこの過程で決まるとされ、温度や風などの条件によってさまざまな形になると考えられている。成長した雪は直径0.5mm - 10mm(1cm)くらいだが、大きな雪片では3cm前後にもなる。大きくなってくると、浮遊する雲を支えている上昇気流を上回る重力が雪片に働くので、落下を始める。落下の過程で雪片同士がぶつかり合い、さらに大きくなる場合もある。

成長した雪が落下する間に、周囲の気温が0℃以上になることなく地上に到達すると、雪として観測される。

[編集] 雪・霙・雨の境目、雪の目安

気温が0℃より高いと氷晶は融け始め、完全に融けるとになる。地上付近の高度で雪が融け始めているならば、天気としては雨と雪が交じったとなる。

ただし、気温が氷点以上であっても、空気が乾燥している場合には、昇華や蒸発によってが奪われるため、すぐには雨にはならず雪のまま地上に到達する。一方、空気が湿っている場合には、昇華や蒸発が鈍いためすぐ雨になる。一般的な経験式(後述)によれば、湿度50%では地上気温5℃でも雪になる一方、湿度90%では地上気温3℃でも雨になる[3]

雪が融け始める湿度は、地上気温にほぼ比例している。気温T℃のとき、湿度が92.5-7.5T(%)以上で雪が融け始めるという経験式が成り立つ。つまり、これ以下の湿度であれば完全に雪である。また、気温約4℃以下では、この湿度以上でもある程度の幅で融解層(霙)が存在し、もっと湿度が高くなければ完全な雨にはならない。逆にこれ以上の気温では、この湿度以上で完全に雨となる。融解層の幅や約4℃という境界点温度は、雪片の大きさや密度に依存し、切片が大きいほど融けにくいので幅が大きく、境界点温度は高くなる[4][5]

地上の気温が0℃以上の場合、標高の低い平地で雪が降る目安として、上空1500m(高層天気図の850hPa相当)で-6℃未満、または上空5500m(同500hPa相当)で-30℃未満とされている。また、上空5500mで-36℃未満だと大雪の可能性がある。これを高地の場合で考えるには、気温減率に沿い標高が100m高くなるごとに約0.6℃ずつ上げればよい。例えば、標高2,000mで雪が降る目安は1500mで6℃未満、5500mで-18℃未満と考えられる。

[編集] 雪の分類

気象庁による雪の定義は、雪、霧雪(むせつ。気温が氷点下での霧雨)、細氷(ダイヤモンドダスト)のいずれかが降っている状態のこと。

氷晶の一部が融けて、雪と雨が混ざった状態のものを(みぞれ)という。霙は気象観測上、雪に分類される。

氷晶に水滴が付いたものが、雲の中の上昇気流で冷たい上空に上げられ、凍結したものが(あられ)である。霰は球形の氷の粒で、結晶の形をとどめない。低空での水の付着と上空での冷却が繰り返されると、粒はしだいに大きくなる。5mm以上に大きくなったものを(ひょう)という。寒候期に霰や雹が降れば、気象観測上は降雪として記録される。ただし、霰や雹は雪には分類されない(降雪と雪では定義が異なる)ため、霰や雹が観測されても雪が降ったとは言わず、初雪や終雪、雪日数の対象とはならない。

天気予報の予報文では、凍雨や雪あられも雪として扱う。ただ、実際に凍雨や雪あられが降った場合でも、観測上は雪が降ったとはされない(予報と観測では分類が異なるため)。

雪の天気記号(日本式)

暴風雪豪雪、大雪、小雪にわか雪などは、気象庁により予報用語として定義されている。

一方、雪の状態を細かに表した、淡雪、薄雪、粉雪、細雪、どか雪、べた雪、ぼたん雪、綿雪などの表現は、明確に定義がない(気象用語としては、正確性が要求される場面ではあまり用いない方がよいとされる)。降雪に関しては、慣習的に7つの分類が存在するが、気象用語になっている訳ではない。

  • たま雪(玉雪) - 球形をした雪。雪のシーズンの初めや終わりの時期、また雪雲のでき始めている先端部分などで見られる。
  • こな雪(粉雪) - さらさらとした粉末状で、乾燥した雪。寒冷な地域に多い。
  • はい雪(灰雪) - 空中をすらっと降りてくるのではなく、灰のようにひらひらと舞いながら降りてくる雪。やや厚みがあり、日光に当たると陰影ができて灰色の影ができる。一般的な降雪としてはこれが最も多い。
  • わた雪(綿雪) - 手でちぎった綿の様に大きな雪片からなる雪。水分を含み、重みのある雪。降雪地帯の中でも温暖・多湿な地域に多い。
  • もち雪(餅雪) - 融解が始まっており、水分を多く含む雪。雪の塊は餅のように柔らかく自由に形状を変えられるので、雪玉や雪だるまなどがつくりやすい。
  • べた雪 - もち雪よりも水分が多く、べちゃっとした雪。団子状に固まっていることもある。ぼた雪、ぼたん雪。
  • みず雪(水雪) - べた雪よりもさらに融解が進み、水気の多い雪。みぞれと同じ。

また、日本雪氷学会では、雪質によって積雪を9つに分類している。(→詳細は積雪を参照)

こういった分類や名称は、地域によっても独特なものがある。また太宰治の小説「津軽」の冒頭では、津軽の雪として7種類の雪の名称が紹介されている。

ここまでは日本語での雪の分類について述べたが、日本語以外の言語、特に北米や北欧などの雪の多い地域では、雪に関してさらに多様な表現をするところがあるほか、雪を表す言葉の体系が根本的に異なる言語もある。例えば、エスキモーの中のある言語では雪の形態ごとに呼称が存在し、「雪」を表す総称が存在しないという[6]言語的相対論サピア=ウォーフの仮説なども参照)。

[編集] 天気図

日本式天気記号では、雪の結晶を模した形の記号で表される。また、降水量や降り方によって「雪強し」や「にわか雪」と分類・表記される。(→詳細は天気図を参照)

[編集] 人工雪

雪の結晶(ウィルソン・ベントレー撮影)

1936年3月12日、北海道大学で中谷宇吉郎が雪の結晶を世界で初めて人工的に作成した。中谷が作った人工雪発生器は、ウサギの毛を結晶の核として用い、器具の中で水蒸気を対流させるものであった。発生器を用いた研究で、中谷は、雪の結晶の形が気温と湿度によって変わることを明らかにした。中谷は「雪は天から送られた手紙」という言葉を残している。

気象レベルでの人工降雪は、人工降雨と原理的に変わらない。雲の中にヨウ化銀を撒布する方式が主に用いられる。

雪が少ないスキー場では、小さな氷の粒を撒布して人工雪を作る。この人工雪は氷の結晶ではないので、中谷らの研究が生んだ人工雪とは質的に異なる。(→人工降雪機

[編集] 利雪

スキー場の一例

豪雪地帯日本海側気候にあたる地域を中心に、雪を逆手にとって下記のように様々な活用をするケースが増えている。これが「雪=邪魔者」と思われていた地域の人にとって「雪が実は貴重な資源だった」と印象を変えるきっかけにもなっている[7]

  • 治水対策(豊富な雪解け水が稲作などに役立ち、また渇水の危険も少なくなる)

ただし、湖北地域(琵琶湖の北東部に広がる地域)では、雪は春早くに融けてしまうので、田植の時期には役に立たない[8]

[編集] 雪害

[編集] 直接被害

北海道では、夏より冬の方が電力需要が多いのに、冬期間、ダム湖に流れ込む水量は、雪のために、減少する[9]。したがって、北海道水力発電にとって、雪は有害である。

[編集] 間接被害

  • 屋内閉じ込めによる健康被害

[編集] 雪対策

豪雪地帯では積雪に配慮した建築物が発達した。(合掌造り富山県五箇山

[編集] 雪の色

雪は、入ってきた光をほとんど吸収することなく散乱光として送り出すという性質のために、真っ白い色に見える。 大量の積雪は日光の下で青みを呈することがあるが、これは液体の水や氷にも見られる、のもつ性質によるものである。

雪が大気中の浮遊物を取り込み、変色した例も数多く報告されている。例えば、朝鮮半島では古くから、黄砂が混じった黄色あるいはみがかかった雪が降ることがあった。これは日本でも報告されており、江戸時代の書物に「紅雪」「黄雪」などの記述が残っている[10]。また、2007年2月2日には、ロシアのオムスク州で、およそ1,500km²にわたる広い範囲でオレンジ色の雪が降った。この雪は悪臭を伴っており、通常の雪の4倍の分を含んでいたという。その原因は詳しく分かっていない[11]

[編集] その他

雪は名詞だけでなく、読み方は変わるが動詞がある。 「雪ぐ(すすぐ)」は祓い清めるという意味で使われ、「雪辱」(せつじょく)という熟語がある(「雪辱をすすぐ」との用法は、同じ意味の動詞を2度繰り返しているので誤用。「雪辱を果たす」「汚辱をすすぐ」が正しい)。

[編集] 雪の異称

  • 六花(りっか、ろっか)/六辺香/六出 - 六角形の雪の結晶の形から。
  • 天花(てんか)- 雪の形容。「天華」とも書き、「てんげ、てんけ」で、天上界に咲く花を指す仏教用語。
  • 風花(かざはな、かざばな)- 晴天時に風に乗って舞う雪の形容。
  • 青女(せいじょ)- 古代中国における、霜や雪を降らすとされている女神のこと。そこから転じて、雪の形容。
  • 白魔(はくま)- 主に、災害に相当する大雪を悪魔に見立てる時などに用いられる言葉。

[編集] 脚注

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  1. ^ 雪の研究室、雪片”. 北海道雪プロジェクト. 2009年7月22日閲覧。
  2. ^ 第2部 3 大気と海の科学 第8章 雨の成因 われわれは何者か、山賀進
  3. ^ ~こんにちは!気象庁です!平成21年1月号~ 気象庁
  4. ^ 雨雪判別表 サンダーハルク気象社
  5. ^ 大気中における雪片の融解現象に関する研究 気象研究所技術報告第8号、1984年3月。
  6. ^ 例えば、イヌクティトゥット語版ウィキペディアでは「雪」の項目は「ᐊᐳᑦ/aput」=「雪(一般的用法)」というタイトルが付けられている。
  7. ^ 篠田昭著「新潟力」より
  8. ^ *『近畿農政局』の『農村振興』の『農業・農村の整備』の『管内国営事業(務)所のご案内』の『国営新湖北農業水利事業』の『湖北平野の自然』” (日本語). 2010年12月7日閲覧。
  9. ^経済産業省 北海道経済産業局の平成18年度北海道電力需給実績(確報)(平成20年1月18日)』 http://www.hkd.meti.go.jp/hokpk/h18electric/index.htm の『【表-1】平成18年度 総需要電力量(用途別・月別)』 http://www.hkd.meti.go.jp/hokpk/h18electric/list01.pdf によれば、平成18年7月北海道の総需要電力量は2,881,538千kWhであるのに対し、平成19年1月の北海道の総需要電力量は3,701,289千kWhであり、北海道では、夏より、冬の方が、電力需要が多いことが分かる。なお、同サイトの『 【表-3】平成18年度 総発電電力量(事業用+自家用)実績』 http://www.hkd.meti.go.jp/hokpk/h18electric/list03.pdf によれば、平成18年7月北海道水力発電電力量は554,858千kWhであるのに対し、平成19年1月北海道水力発電電力量は359,156千kWhであり、北海道では、夏より、冬の方が、水力発電電力量が少ないことが分かる。
  10. ^ 黄砂問題検討会中間報告書[リンク切れ] 環境省・海外環境協力センター
  11. ^Russia probes smelly orange snow』BBC News, 2007年2月2日

[編集] 関連項目

[編集] 気象

[編集] その他とくに雪にちなむもの

[編集] 外部リンク


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