融雪剤

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道路に設けられた塩化カルシウムの貯蔵容器

融雪剤(ゆうせつざい)とは、などを溶かし、生活に支障をきたさない状態にする剤のこと。凍結防止剤、凍結抑制剤とも。

融雪剤の種類と成分[編集]

融雪の仕組み[編集]

融雪剤の散布によって、塩化カルシウムなどの成分が水に溶けて凝固点降下が起こり、融点が低下する。これによって、融点が気温を下回れば雪は水へと変化する。加えて塩化カルシウムが水に溶けるときに発生する溶解熱も、融雪に寄与する。なおこれらによって低下する融点は数度から十数度程度であるため、極端に低い温度の中では効果が得られない。

着色による融雪[編集]

着色による融雪は、雪や氷の表面に黒色の粉末を散布することにより、太陽の熱エネルギーを吸収しやすくすることで融雪する。この方法は融雪に太陽を利用するため、夜間の融雪には適さない。

融雪剤による塩害[編集]

融雪剤の主成分は塩化カルシウムであり、雪や氷を融雪するメリットの反面、製品(ガードレールや基礎)・植物コンクリート・通行する自動車などに悪影響を与え、これが近年はきわめて重大な問題となっている。特に鉄筋の橋梁などで融雪剤がコンクリートの割れ目などから浸透し、鉄骨を錆により腐食・劣化させ、強度減少が発生し安全性が保てなくなってしまう。また、植物に関しては、生化学的性質が食塩に類似しているため、塩化カルシウムの塩害により、海岸部のように草木が生えなくなってしまう(植物を植えても枯れてしまう)。このような事態を防ぐために塩化カルシウムに代わる『代替品』に切り替える等の対策が模索されている。 代替品に関しては、塩化物イオンを避けることのできる酢酸カルシウム・マグネシウム(CMA)や酢酸カリウム、鉄製品に全く反応(腐食)しない尿素などが挙げられるが、コストが塩を利用した時の約4.5倍程度かかることや、効きの悪さ、異臭が出るなどの弱点があり、あまり利用されていない。

融雪剤の散布方法・注意事項[編集]

散布方法[編集]

融雪剤はかつて粉末状のものを散布していたが、今日では主に1ミリ前後の大きさの顆粒にしたもの、あるいは液状のものを散布する。散布量は、道路のなどの路面状況にもよるが、『1平方メートルあたり約30グラム(一握り)~100グラム程度』が適正な使用量である。これを融雪したい箇所に散布することで数分~数十分で融雪が完了する。豪雪地帯の坂道などでは、冬場に散布車が定期的に散布を行う場合がある。

注意事項[編集]

素手で塩化カルシウムを撒くのは皮膚炎の原因となりうる。雪などで皮膚がぬれている場合には特に注意したい。水分を遮断できるゴム手袋を着けて撒くのが最適である。また、上記項目にも記載したが融雪剤は塩のため、鉄製品(車両など)に付着した場合は速やかに流水で洗浄する必要がある。

製品の袋などには、メーカーから散布量の目安が記載されているので、それに従う。

メーカー[編集]

入手方法[編集]

私有地への使用の場合[編集]

ホームセンターで入手可能。大袋入りの物や500ml入りの物などが販売されている。また、豪雪地帯などでは市町村の役所に相談すると入手出来る場合があるので、購入前に一度相談してみる。

公共施設での使用の場合(路地など)[編集]

山間部など冬季に路面状況の悪化が考えられる箇所には砂箱が設置してあることが多いので、路面状況が酷い場合にはそこから入手して散布する。また、砂箱が設置されていない路地や公共施設などに利用する場合は市町村の役所に連絡すると無料で入手できることが多い。

外部リンク[編集]