ノーイースター

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ノーイースターの発達過程(NOAAによる)
ノーイースターによる大雪で埋もれた車、2005年
1991年のノーイースター。気圧は980hPaに達し、カテゴリー1のハリケーンとなった。

ノーイースター英語:Nor'easter)とは、アメリカ合衆国北東部カナダ大西洋沿岸を襲う、発達した温帯低気圧によるのことである。強い北東風を巻き込んで発達することから、北東という意味のNortheaster(ノースイースター)が短縮されてNor'easter(ノーイースター)となり、広く使われるようになった。

概要[編集]

ノーイースターの低気圧は、フロリダ半島沖の大西洋またはメキシコ湾で発生し、急速に発達しながら北東に進んで、アメリカ東海岸からカナダ東海岸の沖を通り、ノバスコシア沖またはニューファンドランド沖の大西洋で最も発達した状態となる。この頃になると低気圧の東への移動が遅くなり、長くて3日間近くも停滞する。そのため、アメリカ北東部やカナダ南東部では荒天が続く。

低気圧に吹き込む強烈な東風または北東が、海風として北アメリカ東海岸を直撃するため、沿岸部では高波高潮、海岸侵食を引き起こす。また、陸上では大雨が降り、冬期にはニューヨーク市など比較的高緯度の地域を中心に大雪となることが多い。しばしば強風を伴う吹雪となるため、現地ではこれをブリザードと呼ぶことがある。また、ゲイルフォースウィンド(強風級の風)と呼ばれる、強風警報が出るような風が広範囲に吹いたり、局地的に突風が吹いたりする。北アメリカ大陸の陸地はノーイースターの低気圧の北側にあたるため、低気圧に向かって寒気が吹き込むと、しばしば低温がもたらされることとなる。

十数年に一度発生するような非常に勢力の強いノーイースターになると、前線が閉塞して雲の形はハリケーンのような円形の渦巻きとなり、目が出現することもある。

ノーイースターが発生しやすいのはから早にかけてで、ニューイングランドノバスコシア州ではほぼ1年に1回の頻度で発生する。また、にも発生することがある。雨量は1時間に数十mmに達することがあり、積雪量は多いときで数十cmから、平地でも1mを超える程度に達することもある。

海岸では、高波や洪水に見舞われるほか、沿岸低地が広がる地域が多い北アメリカ東海岸沿岸では、海岸侵食による被害が著しい。砂浜の侵食はハリケーンを超えるほどのものである。

気象学的には、同じ大陸東岸に位置する日本における南岸低気圧と類似した現象である。冬から春にかけて、南岸低気圧が主に台湾付近で発生し、本州南岸沖から三陸沖を駆け抜けて、北海道の東海上で猛烈に発達し、北海道道東から、東北地方太平洋側関東地方、さらには西日本に至る太平洋側の広い範囲に大雪をもたらすのと同じようなメカニズムで、ノーイースターは、北アメリカ東海岸の広い範囲に大雪と嵐をもたらす。

なお、日本の日本海側における大雪と類似した現象は、北アメリカでは湖水効果雪と呼ばれる。

過去のノーイースター[編集]

和訳は馴染みやすくしたもので、参考程度である。正確には、米国およびカナダにおける名称(英語)を参照のこと。

出典[編集]

  • Nor'easter』2007年8月8日, 13:48(UTC)の版、ウィキペディア英語版。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]