霧氷
霧氷(むひょう)は、氷点下の環境で樹木に付着して発達する、白色や半透明で結晶構造が顕著な氷層の総称。過冷却にある霧(着氷性の霧)によるものと、空気中の水蒸気の昇華によるものがある。着氷現象の一種。普通、樹氷・粗氷・樹霜の3つに分類される。
一般的に、冬山でよく見られる。
白色や半透明の霧氷に対して、ほぼ透明な付着氷を雨氷といい、着氷性の霧や着氷性の雨によってできる。
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分類[編集]
樹氷[編集]
樹氷(じゅひょう)(soft rime)は、過冷却水滴からなる濃霧が地物に衝突し、凍結付着した氷層のうち、白色で脆いものをいう[3]。
気温-5℃以下の環境で風の弱いときに顕著に発達する[1][2]。小さな粒状の氷が無数に凝集する構造で、手で触ると簡単に崩れるほど脆い。風上側へ向かって羽毛状に成長する。風が強いほど風上に成長するが、この様を俗に「海老の尻尾(えびのしっぽ)」などと呼ぶ。弱風時には地物の全ての方向に付着する。気泡を多く含むために不透明で、白色を呈する[3][4]。樹氷が付着している物体を揺らすと、樹氷は簡単に落ちてしまう。
日本では蔵王の樹氷林が有名で観光資源にもなっており、樹木が完全に樹氷や雪によって覆われたものは「スノーモンスター」とも呼ばれる。他に八甲田山や八幡平、伊吹山、氷ノ山、富士山のものがよく知られる。黄砂が到達し始める春先には、冬季に白色だった樹氷林がやや黄色味を帯びる。
意外だが九州の中央部、宮崎県五ヶ瀬町と熊本県山都町周辺にまたがる九州山地の高山地帯でもきれいな霧氷・樹氷を見ることが出来る。特に広葉樹が広がる「五ヶ瀬ハイランドスキー場」周辺は、車での交通アクセスがよく、気軽に樹氷を楽しめる場所であり、近年、観光資源として注目を集め始めた。
粗氷[編集]
粗氷(そひょう)(hard rime)は、過冷却水滴からなる濃霧が地物に衝突し、凍結付着した氷層のうち、半透明のものをいう[3]。
樹氷よりも硬いが、大抵は手で触ると崩れる程度である。樹氷に比べ氷の粒が大きく、粒通しが融合して大きな氷の塊を形成する場合もあるが、気泡を多く含むため透明にはならず半透明にとどまる。気温-2〜-10℃程度の環境で風が強いときに生じる。粗氷は比較的よくくっついているものだが、それでも物体から引っ掻いて取ることは出来る[3][1][2]。
日本では雲仙岳の粗氷林が有名だが、寒い地方では平地でも普通に見られる。
過冷却の雲の中を通過する飛行機では、機首や翼などに粗氷が付着することもある。相対的な風向が直角になる面で発達する。
樹霜[編集]
樹霜(じゅそう)は、空気中の水蒸気が昇華して樹枝などの地物に付着した樹枝状ないし針状の結晶[3]。霜と原理上同じだが、層状に発達したもの、特に樹木などに付着したものをこう呼ぶ。
脚注[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
- 小口八郎「着氷の物理的研究 Ⅰ 顕微鏡的構造による着氷の分類」、『低温科学』第6巻、1951年、 95-101頁、 NAID 110001825519。
- 小口八郎「着氷の物理的研究 Ⅱ 着氷の気象条件について」、『低温科学』第6巻、1951年、 103-115頁、 NAID 110001825525。
- 小口八郎「着氷の物理的研究 Ⅲ 着氷の密度について」、『低温科学』第6巻、1951年、 117-123頁、 NAID 110001825528。
- “気象観測の手引き 平成10年9月 (PDF)”. 気象庁 (1998年). 2013年1月6日閲覧。
関連項目[編集]
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