緑化工学

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緑化工学(りょっかこうがく)とは、自然科学分野における農学生命科学のうち、緑化工についての学問である。当該の学会としては、日本緑化工学会がある。 

概要[編集]

園芸造園分野のうち緑化に関する技術、みどりを生やせる・または増やす技術を学術範囲としているが、農学農業工学森林生態科学分野の技術を主に応用し、また生態保全学などの場所を蘇らせる自然再生、自然環境復元などをも範囲としてカバーしている。

緑化工学での緑化は、分化した生態系の修復や裸地に樹木草花を導入を意味し、本来的には法面(のりめん)保護など防災目的として発達した学問であったが、現在は修景緑化など、環境配慮やうるおいを与える等の目的から学術研究が多くなされてもいる。

このため、屋上・壁面・人工地盤などの緑化、法面緑化など、日照の制約など、厳しい環境条件下で、植栽やその維持管理を可能にする技術の研究開発、緑化用資材や土壌開発・改良、緑化用植物・緑化用肥料、緑化資材(コンテナ)といった材料研究やターフ状芝などや運動場の芝に適した土壌研究なども守備範囲としている。   なお、緑化工学技術者・従事者は、技術士の区分では、技術士総合技術監理部門では、森林-林業、技術士森林部門(選択分野は林業や森林土木)、また場合によっては技術士建設部門(選択分野は建設環境)、技術士環境部門などを取得している。

緑化工学を教育する機関[編集]

緑化工関係の学科・講座・研究室等をもつあるいは教員がいる大学一覧。これらの教員は通常は農学部出身で、農学系学部の造園や森林科学系の学科や課程、専攻分野に在籍していることが多い。

緑地環境系の講座・研究室等[編集]

緑化工学者[編集]

脚注[編集]


参考文献 [編集]

  • 『緑化工技術』、倉田益二郎森北出版、1979年
  • 『自然をつくる緑化工ガイド-緑の再生と創造-』、林野庁監修:(財)林業土木コンサルタンツ 1997年
  • 『自然環境を再生する緑の設計-斜面緑化の基礎とモデル設計-』、山寺喜成・安保昭・吉田寛:(社)農業土木事業協会、朝倉書店、1993年
  • 『最新 環境緑化工学』、森本幸裕・小林達明編著、朝倉書店、2007年
  • 『樹木生理生態学』 小池孝良編著、朝倉書店、2004年
  • 『環境緑化の事典, 日本緑化工学会編』 小橋澄治, 村井宏, 亀山章編, 環境緑化工学, 朝倉書店、1992年

関連項目[編集]